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未来に思いを馳せるのは自由である。だが誰にもそれを分かることは出来ない。その時になって初めて分かるものである。所属するアーセナルが推し進める世代交代の波に飲まれ、怪我も重なり出場機会の激減したスウェーデン代表MFリュングベリ。このほどウェストハムへの移籍が実現した。移籍金は最高で約7億6千万円の契約年数は4年。98年にロンドンにやってきたリュングベリは2度のリーグ優勝と3度のFAカップ優勝、さらには一昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝にも出場するなど、クラブに多大な貢献を果たしたが、昨シーズンは怪我が重なり18試合しか出場できず無得点と、移籍後1年目以来の不本意な結果しか残せなかった。契約がまだ残っている中で移籍を決断した理由を、リュングベリはこう言っている。「2年前に契約更新をしたとき、クラブは優秀な選手の獲得を約束してくれた。 新スタジアムを建設し、イングランドのみならずヨーロッパでも アーセナルがビッグクラブでいることを僕は望んでいた。 だがそうはならなかった。 僕はアーセナルに忠誠心を持っていたし、クラブに留まりたいと思っていた。 だがアンリがアーセナルを去って、移籍しようと決意した」2年前といえば、チェルシーが初優勝を果たした後だった。アーセナルはシーズンを2位で終えていたが、フランス代表トリオを中心に魅惑溢れるサッカーを展開しており、プラスアルファの何かが加われば優勝も夢ではないクラブだった。だが、その攻撃的なサッカーに固執するあまりに綺麗なサッカーをしすぎる傾向もあって、攻め続けながら勝ちきれない試合が少なからずあったのも事実だ。結果的に勝点を取りこぼすことになり、無敗優勝を果たした01-02シーズン以来、優勝から遠ざかったままである。その間にヴィエラがユベントスへ去り、ピレスがビジャレアルへ去り、今夏にはアンリまでもがバルセロナへと去ってしまった。30歳以上の選手とは契約更新は原則1年という不文律、世代交代の時期等も考えれば、この辺りが彼らの売却時期だったのかもしれない。クラブ側から見れば順調とまではいかないまでも、長期的スパンで見た予定通りの2年間だったのかもしれない。だがリュングベリから見れば、前回の契約更新時に思い描いていたのとは全く違った2年間だったのではないだろうか。選手にとっての2年間というのはあまりにも短い。そして30歳を迎えた彼にとって、大切なのは今である。若手選手が台頭してくるなかで、次回の契約更新からは1年ごとの更新になる。若手と競争し敗れれば、すぐに自分はお払い箱である。フランストリオが去っていく中で、弱体化の懸念と共にこんな事を考えていたとしても決して不思議ではない。ならば今クラブを去ることで大切な自分自身の今を輝かしいものにしようとしたのではないだろうか。今回ウェストハムは、フォベールの怪我・離脱を埋めるためにリュングベリ獲得を決断した。仮に離脱がなければ移籍は成立していなかったかもしれない。しかしリュングベリにとって、これらはどうでもいいことである。大切なのは今なのだから。ほな、また。
2007.07.30
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今日はホントは書く気がなかった。決して3連覇を逃したショックからではない。だがどうしてもこのブログに書き留めておく必要性を感じてしまった。2対3でサウジアラビアに敗れた後、ぼくはいつものように某大手SNSサイトにアクセスした。寝る前に自分のページを確認する習慣からだ。そしていつものようにページをスクロールしていると、「日本対サウジアラビア」というトピックが立っているのを見つけた。内容は「敗戦の原因」ということらしく、試合終了後2時間も経っていないというのに既に200近くの書き込みがあった。それらの書き込みを流しながら一通りチェックしてみた。すると敗戦の理由として、これらの意見が9割以上を占めていた。・ドリブラーが少ない、パス回しばかり→積極性の無さ・両サイドバックのクロスの精度の低さ(特に加地)・阿部のディフェンス(起用法も含めて)残りの1割が「サウジが良かった」「組織での限界」「目標への途中だから仕方ない」というものだった。個人的な感想としては、オーストラリア戦から攻撃の形は全く変わっていないことしか印象に残っていない。このブログでも書いたようにミドルやドリブルの少なさが目についたのは、もしかしたら、その点を無意識の内に注意していたからかもしれない。だが今回ブログとして残したかったことは、こんなことではない。人それぞれ視点や見方が違うわけだから、色んな意見が出るのはある意味好ましいことである。そしてトピックで敗戦の理由を尋ねられているのだから、批判的な意見ばかりなのも当然だ。だが同じ意見でも論理が通っているのものもあれば、抽象的な意見でしかないものもある。そして抽象的な意見のほとんどが批判ではなく誹謗であり、それに変わる何かが記されていない。論理が通っていれば、まだその人個人の意見として、賛成か反対かは別にして、尊重することができる。だが「下手」だの「糞」だのと書いておきながら、対案を用意していないのは、明らかにサッカーを愛している人間ではない。単なる個人的ストレス発散にしか過ぎない。日本代表は曲がりなりにも代表である。何事があってもぼくたち素人よりは明らかに上手なのである。プロであり代表なのだから、結果が出なければ批判を浴びるのは当然である。しかし尊敬の念を持っての批判ならともかく、個人的ストレスを解消するだけの批判は、ぼくは到底許せない。こう書いたものの、これらはそのまま自分に置き換えることもできる。決して選手を尊敬していないということではなく、サッカーを愛していないということでもない。ぼくはこのブログを書くにあたって、出来るだけ論理的に書こうと思ってこれまでやってきた。それはそれで難しいことなのだが、「○○という理由」が分らなければ「だから××」の正当性を主張することは出来ず、信憑性にも疑問が残ってしまう。論理がキチッと通っていれば、それは1つの意見として自信を持って主張することが出来るわけで、理由もなくあーだこーだと言ったところで、仮に同じ意見の人がいたところでそれは烏合の衆に過ぎない。だがこのブログにおいて「対案」はどうなっているかというと、濁したり書いていないことがある。それは案が思い浮かばなかったりなどの理由はあるのだが、今思えばそれは言い訳に過ぎない。これでは言ってることとやってることが違うことになり、結局自分が批判している人間とぼくが同じだということになってしまう。サウジ戦の印象は先に書いたが、どうしても日本目線になってしまっている。書き込みには客観的にサウジの側からも見ている人も少なからずおり、そういう意見や視点はどんどん参考にしていかなければならない。ぼくにはまだまだ知識が少ないと改めて感じ、もっと多くの映像を見て、多くの文献で情報を得て、人の意見を聞きながら、それら全てを踏まえて頭の中で自分の中で考察し論理的に集約することで自身の意見を確立しなければならない。今日はそのためにブログを書く気ではなかったのだが。サッカーは奥が深い。ほな、また。
2007.07.26
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我がユナイテッドの現在のライバルはウェストハムである。もちろんリーグ戦の話ではない。テベス移籍騒動の話である。色んなところで取り上げられているので知っている方も多いだろうが、一応説明すると、ウェストハム所属のアルゼンチン代表FWテベスは我がユナイテッドへの移籍を希望している。ユナイテッドもテベスを欲しがっており、ユナイテッドはテベスと、そしてテベスの所有権を持つMSIとは移籍の条件で合意に達している。ここで通常の移籍と違うのが、所属クラブであるウェストハムがテベスの所有権を保持していないことである。普通ならウェストハムが所有権を持っているため、テベスとウェストハムの双方に合意を取り付ければ移籍は実現するのだが、今回はMSIとの合意はあるものの、所有権はないが所属先であるウェストハムが移籍を拒否しておりこのような騒動に発展しているわけだ。同じくMSIが所有権を持っていたマスチェラーノの移籍でもひと悶着があり、この所有権問題に関連してシェフィールド・ユナイテッドの降格訴訟も起こされていただけに、1つの結果が次なる騒動を引き起こす負のスパイラルに迷い込むような様相を呈している。この件に関してユナイテッドのファーガソン監督はテベス獲得に絶対の自信を見せている。ファンとしてもテベスがいないよりはいるほうが戦力アップに繋がるだろうし、ロナウド、ルーニーとの悪童トライアングルも形成できる。仮にそうなればどのような攻撃を見ることができるのか楽しみは楽しみなのだが、ここで1人忘れてはいないだろうか。ジュゼッペ・ロッシである。以前このブログで紹介したこともあるロッシだが、その時はファーガソンが中盤へのコンバートを考えていることに反対する内容の趣旨だった。http://plaza.rakuten.co.jp/adios7210/diary/200512020000/だがあれから1年半が経ち、ロッシは中盤へコンバートされることなくFWとして成長を見せている。まだまだユナイテッドのレギュラーまでは到達せず出場機会にも恵まれていないことから、昨シーズン前半はニューカッスルへ、後半は母国イタリアのパルマへのローン移籍を余儀なくされたが、そのパルマでは出場17試合で9得点と、クラブの奇跡的残留に大きく貢献を果たした。パルマは、その活躍が認められU-21イタリア代表にも選ばれているロッシを是が非でも今シーズン獲得したいと意気込んでおり、既にユナイテッドに対してロッシ獲得へ向けてのオファーを提示している。だが、現在の進捗状況を聞かれたパルマのオーナーであるギラルディはこう述べている。「交渉は現在行われていない。 日曜日に代理人に会ったが、ユナイテッドは現在アジアツアー中だ。 彼らが戻ってくるまでは何も分らない」先日には日本でも親善試合を行っているようにアジアツアーを行っているユナイテッドだが、ロッシの去就は少なくともツアーが終わってから決まるだろうということが想像される。しかし、である。いくらツアー中とはいえ交渉が中断しているというのはおかしく感じないだろうか。これだけのテクノロジーが発達している今、最終的合意は無理にしても少しずつでも交渉を続けることは出来るはずだ。電話、ファックス、インターネット、スカイプ等々、いくらでも通信手段はあるのに、なぜか交渉は行われていない。ツアーが原因というなら、テベスの問題も現在は行われていないのだろうか。ウェストハム以外とは合意に達しており、FAやFIFAに介入を要請しているということで、クラブとしてはこれ以上動けないこともある。だがクラブには何らかの責任者クラスがツアーに帯同せず残っているはずである。ツアー中に何の進展がないとも言い切れないからだ。対象がロッシとテベスで、しかも状況も異なるとはいえ、同じ移籍に関する問題で片や中断、片や交渉中というのはどうも納得がいかない。そうなると思うのは1つである。ロッシの去就はテベス次第だと。同じFWである両者を天秤にかけると、やはりテベスに傾く。だがサハやスールシャールが怪我がちな状況で、少なくとも頭数だけは揃えておきたいのが本音である。ファーガソン監督も1年半前でこれだけ賞賛しており、パルマでの活躍ぶりも当然映像付きで頭には入っていることだろう。だが常勝を義務付けられているチームで、いきなりロッシを使うことにもためらいを感じているのかもしれない。テベスであれば昨シーズンウェストハムで1年間プレーしていることで能力は実証済だ。だがテベス獲得に自信を見せるファーガソンも騒動の大きさや重大さを認識しており、長引く可能性も考えているのではないだろうか。仮に今夏で獲得できなければ・・・おそらくテベス騒動に何らかの結果が出るまでは、ロッシの去就も微妙であろう。当のロッシ本人はユナイテッド残留を基本線としており、仮にテベス獲得が決まってもパルマのオファーを受け入れない可能性もある。だが出場機会を求めるならパルマ移籍が最善の策であろうことから、すんなりと移籍が決まることも考えられる。とにもかくにも複雑な背景によって周囲を翻弄させているテベス騒動。一番翻弄されているのはロッシである。ほな、また。
2007.07.25
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レアル・マドリーを退団しアメリカでのプレーを選択したベッカム。先日、所属するLAギャラクシーでの初試合となるチェルシー戦が行われ、足首の怪我が残るベッカムも後半途中から出場した。5年推定300億円という金が動き、移籍先がロサンゼルスをホームとするクラブだっただけに、単なる金儲けに過ぎないだの、妻で最近再結成を発表したスパイス・ガールズのヴィクトリアのハリウッド進出だのと、マスコミから散々批判を受けていた。実際トム・クルーズ夫妻とは家族ぐるみの付き合いなようで、レアルでの最終戦やチェルシー戦でも夫妻の姿を目にすることが出来、夫妻主催での歓迎パーティーも行われていた。ブルース・ウィリスやウィル・スミスといった豪華なメンバーが集まっていたことは日本のワイドショーでも取り上げられていたので、ご存知の方も多いだろう。とはいえ、こういった面ばかりが取り上げられ目にすることが多いので、噂や批判が付きまとうのではないかとも思うところだ。さて、ベッカムほどの大物がアメリカへ渡ったことで、当地で生まれるものが1つある。ビジネスチャンスである。1994年のワールドカップを機にアメリカ国内にもスタートしたプロリーグだが、自分達が産み出したものしか認めない国民性や絶大な人気を未だ誇る4大スポーツの影響もあって、まだまだスポーツとしては後れを取っているのが現状である。だがそこにベッカム夫妻という超がつくほどのスターがやってきたことで、それにかこつけてビジネスを展開し儲けを得ようとする連中がいても不思議ではない。それは個人や中小企業だけではなく大手企業にとっても同じことである。ベッカムのスパイクをスポンサードしているアディダスもその1つ。ドイツに本拠を構えるアディダスにとって、アメリカは更なる功績を得られるだけの魅惑ある市場であり、ヨーロッパにおける行き詰まり感を補うだけの場所でもある。しかもアメリカを本拠とするナイキは血の繋がった兄弟が袂を分って創業されたライバルである。アディダスとしてはベッカムというネームバリューの力を借りて、ライバル会社に宣戦布告し一気にシェアを獲得したいところであった。だが、目論みは見事に外れてしまった。アディダスはカンガルーの皮を使用したスパイクを売り出そうと目論んでいた。カンガルーの皮は丈夫で軽いことから選手の間ではすこぶる評判がいいらしいのだが、ロサンゼルスのあるカリフォルニア州の法律によると、野生動物保護の観点からカンガルーを含む虎などの動物の皮や骨を使った物を輸入・販売することが禁じられているそうなのだ。つまり敵はライバルだけではなく、倒すことが極端に難しい法律だった。6月にロサンゼルスで行われた「K-1Dynamite」において、他の医師たちが試合許可を出したにも関わらず、州の格闘技を管轄するコミッションは、自分達の医師の言うことだけを信じ、チェ・ホンマンの出場を最後まで認めなかった。1人の人間の命に関わることだけに簡単には認められなかったのだろうが、それぐらい自分達の決定を最後まで貫きとおすのがアメリカという国である。スパイクに関しても野生動物保護というハッキリとした理由があるだけに、アディダスだけ特例を認めるわけにはいかないだろう。そうなればアディダスは出だしから躓くことになり、アメリカにおけるシェア獲得において大きな軌道修正を余儀なくされることになった。ヨーロッパでは通用してもアメリカでは通用しない。それを思い知らされたアディダス。願わくばベッカムがそうならないであってほしい。ほな、また。
2007.07.24
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少し前からブームの都市伝説。本当か嘘かは別にして、ぼくはこの手の話は好きである。ただ「口裂け女」的都市伝説ではなくて、テレビ「やりすぎコージー」的都市伝説の方だが。そして占いは好きではない。なぜなら当たったためしもなく、信じていないから。今夏フランスのオゼールからイングランドのウェストハムに移籍した、フランス人MFジュリアン・フォベール。何度か代表にも呼ばれている注目の若手の1人だが、フランス代表監督ドメネクにはフォベールの移籍が理解できないようだ。「私は選手達には電話で4大リーグなら(移籍)OKと言ってある。 だが財政的な見解は別として、 下位のチームに加わることは馬鹿げた行為に他ならない。 代表に召集しているだけに残念だ」フォベールが代表に初召集された際には背番号10を与えるなど期待や信頼を寄せるだけに、この移籍が理解できないのだろう。また決してウェストハムが弱いチームだと良いたいのではなく、ビッグリーグのビッグクラブに所属し日頃から高いレベルでのプレーを経験することで、個人の成長を促し、それがひいては代表のレベルアップにもつながると考えての発言であると考えられる。フォベールは現在23歳。若いのだから、まだまだ伸びしろはあるだろう。批判ではなく、期待を込めての発言である。さて、ドメネクといえば占い好きで有名だ。ワールドカップ前の代表選考では誕生日や星座占いで誰を招集するか、誰を召集外にするかを決めているとも噂されたほどだ。現にビジャレアル(当時アーセナル)のピレスを、国民やメディアの招集を促すプレッシャーにも関わらず、頑なに召集しようとはしなかった。現在でもユベントスのトレゼゲは、クラブがピンチという理由だけで召集を受けていない。だが、セリエBに落ちたとはいえトレゼゲの調子に何の問題もなく、これも占いによる影響なのではないだろうかとも思える。話をフォベールに戻すと、ドメネクの占いによればフォベールは代表にとって重要な選手であり、それを踏まえたうえでの先の発言だったと考えられなくもない。そしてドメネクの発言があったまさに同じ日、オーストリアで行われたシグマ・オロモウツ(チェコ)との親善試合に出場したフォベールは、試合中にアキレス腱を断裂するという全治6ヶ月の重傷を負ってしまった。占いが好きという理由だけでメディアから批判を受けていたドメネクだが、もしかするとフォベールの怪我もあらかじめ占いで分かっていたのかもしれない。だが「占いで出たから移籍をするな」と言えば、いらぬ騒動の元になってしまう。だから先の言い回しで注意を促していたのかもしれない。占いを信じるか信じないか、それはあなた次第です。ほな、また。
2007.07.22
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なぜミドルシュートを打たない?なぜドリブルで仕掛けようとしない?なぜ勝負しない?アジアカップ準々決勝、日本対オーストラリア戦。カタール、UAE、ベトナム相手に2勝1分の結果を残し順当にベスト8に駒を進めた日本の相手は“因縁”オーストラリアだった。思い出したくもない1年前の悲劇。アジアカップ3連覇を狙う日本にとっては絶好のリベンジのチャンスである。とは書いたものの、いざ試合を見終わってみると、リベンジを果たした満足感は少しも生まれなかった。それはぼく自身がそういう目線で見ていなかったこともある。確かにあの悲劇を忘れることはないだろう。だがそこに捉われすぎていては今を、未来を疎かにしてしまいそうになる。だからこそ少し“因縁”“リベンジ”というキーワードは横に置いて観戦した。試合前の解説にもあったように、オーストラリアは日本に対して攻めてくる今大会初めての相手であった。つまり格下ではなく、少なくとも同等のレベルにある初めての相手であった。相手が攻めてくるとなると、相手DFの裏にスペースが生まれるために、日本が持つスピードや意外性を使う動きが生きてくる。だが後半途中で1人が退場してからのオーストラリアは、PK狙いに戦術を変更し、ラインを下げ守備重視、極端なまでの時間稼ぎをするようになった。予選リーグならいわば格下の相手ということで、引かれても自力で何とかこじ開けて得点することが出来ていた。だがオーストラリアは格下ではない。先にも書いたように、少なくとも同等である。これまでの相手とは訳が違うわけだ。ならば、これまで以上の何かを出さなければ、そう簡単には守備をこじ開けることは出来ない。日本は高温多湿というハノイ独特の気候のせいも多少あったのだろう。ボールは常に動いており、ポゼッションも高かった。だが最後の局面になると、クロスから高原、巻に合わせるワンパターンの策しか施せなかった。試合前、オーストラリアのビドゥカをどのように防ぐかが盛んに報じられていた。オーストラリアの攻撃パターンはまずビドゥカにボールを当てて、そこを起点に周囲の選手が動くというものなのだから、対策としては間違っていない。現にこの試合ではビドゥカに全く仕事をさせなかったし、途中交代までさせている。だが日本同様に、オーストラリアも日本を研究している。そして日本の攻撃パターンもクロスから高原や巻という、オーストラリアのビドゥカと似たような形なのである。自分達と似たようなパターンで攻めてくる、逆に言えばそれを抑える術も知っているということになる。しかもオーストラリアのディフェンス陣には高さと強さがある。ワンパターンな上に、それを抑えるだけの強固なブロックを作れば、そう簡単には点は入らない。日本がビドゥカを完全に抑えたのと同様に、オーストラリアもほぼ完全に日本を抑えていた。延長後半終了間際の中村のジャンピングボレーがGKシュウォーツァーに阻まれたとき、ぼくは日本の敗戦を覚悟した。オシムも言っていたが、試合内容の悪いほうがPKで勝利を収めるケースが、サッカー界では往々にしてある。2シーズン前のチャンピオンズリーグ決勝、試合終了間際のシェフチェンコの至近距離でのシュートを防いだリバプールGKデュデクはPK戦でも大活躍した“イスタンブールの奇跡”を少し思い出し、ビッグプレーでチームの失点を防いだシュウォーツァーが、直後のPKでも勢いを持続し日本のキックを止めるのではないか、そのように感じたからだ。だが、日本は勝った。ビッグプレーで掴んだ勢いさえも、アジアカップでは何かを持っている川口には及ばなかったのかもしれない。しかし試合後のコメントで惜しむが語っていたように、PK戦は運である。勝敗を左右したのは運である。確かに勝利に運は必要である。しかし運だけで勝利は掴めない。今回は運によって勝利を掴んだが、その運に頼ることなく、PK戦までもつれ込むことなく勝利を掴み取ることは出来ていた。同点弾を決めた高原は試合後、その時の様子をこのように言っていた。「相手が何度かキックフェイントに引っかかっていたので、ギリギリだったけど一か八か試みた」試合を見ていて、「俺が決めてやる」という感情を見ることは最後までなかった。もちろん、選手達はオシムの戦術を忠実に実行し、自分の頭で考えて判断してプレーしていたことだろう。だが忠実さや華麗さで勝敗が決まるのではない。相手より多くの得点を奪うことで勝敗が決するのがサッカーである。運だけでは勝てないと先に書いたが、数ある勝つための要素に「意志」があるのは間違いない。俺が決めてやるという「意志」、シュートを打つという「意志」、相手を絶対に止めてやろうという「意志」などだ。守備においては見ることが出来た「意志」だが、攻撃において見ることはほとんどなかった。これなら交代早々シュミレーションで警告を受けたキューウェルの方が、よっぽど「意志」があった。就任会見でオシムが言った「日本人らしいサッカー」。皮肉を込めて言えば、この試合でも垣間見ることが出来た。ほな、また。
2007.07.21
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先日、リボルノに所属するFWルカレッリがウクライナのシャフタール・ドネツクに移籍することが決まった。移籍金は約13億5千万円で3年契約。昨シーズンは得点ランキングでトッティに次ぐ20得点を挙げたものの、クラブの会長であるスピネッリとの確執が噂され、退団が濃厚となっていた。ここ数シーズン、イタリア人選手の国外移籍が急増しており、今夏の移籍市場では特に顕著である。ルカレッリの他にもデ・サンクティス(GK、ウディネーゼ→セビージャ)、トニ(FW、フィオレンティーナ→バイエルン)、グロッソ(DF、インテル→リヨン)などが国外移籍を果たしており、いずれも大物選手やクラブのレギュラークラスの選手ばかりである。過去を振り返ってもカンナバーロやザンブロッタを筆頭にカッサーノ、フィオーレ、コッラーディと、それだけイタリア代表がつくれそうな選手ばかりである。カルチョ・スキャンダルによるイレギュラーな移籍があったとはいえ、ではなぜ、このようにイタリア人選手の国外移籍が増えるようになったのだろう。これについて考える前に、他国ではどのような傾向にあるのか見る必要がある。いわゆる3大リーグ(イタリア、スペイン、イングランド)に限ると、イタリア同様にスペイン人選手の流出も最近では増えている。今夏に移籍を果たしたFトーレスをはじめ、シャビ・アロンソやレイナなどである。だがこれらのほとんどがリバプールへの移籍である。リバプールといえば監督のベニテスが以前バレンシアで指揮を執った経験があり、異国の地で自分の戦術をクラブに素早く浸透させるために、ベニテスの希望で呼び寄せた、つまりスペイン人を呼ぶだけのれっきとした理由があり、ベニテスに賛同した選手が好んで移籍を望んだのであってイタリアの場合とは少し異なる。またリバプール以外のクラブに移籍したスペイン人を見ると、エバートンのアルテタやボルトンのカンポ、古くはブレシアやローマに所属したグアルディオラなど、若手の頃から出場機会を他国に求めた選手や、国内に居場所をなくしたピークを過ぎた選手が多いことからも、イタリアとスペインでは数の上では大差ないが、内容にかなりのズレがあり、同等で扱うことはできない。ではイングランドはどうか。イングランド人の国外移籍というケースはほとんどない。ベッカムの移籍がインパクトを大きくしているだけで、我がユナイテッドに今夏から加入するハーグリーブスも15歳のころからバイエルンに入団していたし、イングランドでプレー経験のある外国人選手が他国に移り活躍するケースはカヌーテやフォルランのようにあるのだが、イングランド人となると絶対的に少ない。これはどこに移籍するにも有り得るが国によるプレースタイルの違いもあるだろうし、母国としてのプライドが他国でのプレーを潜在的に拒否しているのかもしれない。また外へ出なくてもそれなりの出場機会を得られることが出来るのもあるだろう。いずれにせよ、イングランドもまたイタリアと同等には扱えない。ならば、なぜイタリア人だけがこのように様々な国に移籍を決断するようになったのか。これにも様々な理由があるだろう。1つは単純に金のため。これまで他国は他国でもその国のビッグクラブへ移籍する場合が多かった。つまりは金を積まれ渋々クラブが承諾した、あるいは選手が金に釣られて移籍するケースがあるだろう。これに付随して、クラブとしても金はもちろん、国内のライバルに渡すぐらいなら他国へ渡したほうが良いという考えを持っていたはずだ。さらに付随すると各国の税制の違いがある。イタリアではクラブが選手に支払う約半分に当たる額を税金として納めなければならないのに対し、スペインでは約4分の1に当たる額で良い。カンナバーロやザンブロッタもこれを理解したうえで、もちろんユベントスの国内ライバルの手助け阻止もあるだろうが、スペインへの移籍を決めたのだろう。しかし、昨シーズンまでならこれらの理由にも納得がいくわけだ。カルチョ・スキャンダルはもちろん、税制を含む金銭面でもだ。だが今シーズンは特に3大リーグでもビッグクラブ以外のクラブであったり、3大リーグ以外への移籍も目立っている。典型的な例が最初に上げたルカレッリであり、会長との確執があったとはいえ、代表にも名を連ね、かつ昨シーズンの得点ランク2位の選手がウクライナでプレーすることを誰が予想出来ただろうか。また少し調べてみると、スペインは約4分の1に当たる額を税金として納めなければならないのだが、イギリス(イングランド)は約40%、ドイツも約45%と、イタリアより低いとはいえそれほど大差はないことが分かった。ならばより一層なぜなのか。今シーズンのセリエAは8月26日から始まる。だが9月初旬にEURO出場を賭けた大事なフランス、ウクライナとの2連戦が控えているため、代表のドナドニ監督をはじめ多くの選手が1週間前倒しして19日からの開幕を要望していた。1試合でも多く実戦をこなすことでコンディションを上げて予選に備えたかったのだが、これらの要望は聞き入れられなかった。この件に関して、トッティはこのようにコメントしている。「イタリアサッカー協会を脱退する覚悟も出来ているよ。 僕達選手が主役のはずなのに、その意見を聞いてもらえなかった。 今は僕達の声を聞いてもらいたい。」この1年、ワールドカップでは代表が、チャンピオンズリーグではミランが優勝を果たしたが、どうしてもカルチョ・スキャンダルや1人の警官が死亡した2月の暴動のイメージを払拭することはできなかった。「ファンあってのサッカー」とよく言われる。確かにそうだ。だが主役を演じるべき選手がいくら頑張っても、悪いイメージを払拭しようとしても、それを無にするような行為を犯す人間が上にいる限り、これからも国外流出は拡大するだろう。ほな、また。
2007.07.20
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「月々○○円の○回払いです」通販の支払い方法によくある言葉である。月で割ると安く思うけど、ああいうのは最後まで払いきると一括で払うより高くついてしまう。それに支払い途中で破損とかしても支払いは続いていくもの。仕方ないとはいうものの、分割にするか一括にするかは財布と相談したうえで。前々から噂されていたデポルティボDFアンドラーデのユベントス移籍が正式に決まった。移籍金は約17億円で、契約年数は3年。そしてローマはバルセロナからFWジュリの獲得を発表した。移籍金約5億4千万円に加えて、契約期間中にローマがチャンピオンズリーグに出場するたびに約7千万円がバルセロナに支払われる。契約年数はこちらも3年。ここで注目なのは支払い方法である。ユベントスはデポルティボに対して、17億の移籍金のうち今回に6億円、来年の7月1日に6億円、再来年の7月1日に5億円と3分割して支払うようなのだ。アンドラーデとの契約年数が3年だからちょうど3年で払いきることになり、言い換えれば1年契約の3年は更新が保証されていると言っていい。一方でローマはジュリへの年俸の支払いが1、2年目は5億2千万で、3年目が5億4千万になっている。今まで何気なく見てきた分割による支払い方法だったが、よく考えればこれこそ両者にメリットがある方法だと思う。ユベントスの場合、最初のうちに支払いを多くしておくことで割安感を出すことができる。また契約年数が3年とはいえ、例えば2年が終わった段階で他クラブへ移籍する可能性もなくはない。その際に起こる移籍金をデポルティボへ払う移籍金に回すことができ、将来の経営に対する目論見を立てやすい。カルチョ・スキャンダルを経験している当人として、先のことなど何1つ分からないと肌で感じているだろうから、それぐらいは考えているだろう。逆にデポルティボは分割での支払いを認める代わりに、多少多めに貰っているのではないだろうか。そうでなければ以前にも話した経営難のデポルティボが一括での支払いではなく、分割での支払いを認めるとは思えない。ユベントスに足元を見られた可能性も否定できないが、それでもアンドラーデほどのクラスになると一括で札束を積んででも欲しがるクラブはあるだずだ。それが分割による支払いを呑んだとなれば、やはり適正より上の値段で成立したと見ることができる。詳しくは書かれていなかったので真実は分からないのだが、逆にローマはバルセロナに対して一括で少なめに支払い、不足分とでも言おうか、それをチャンピオンズリーグ分で賄おうと考えているのではないだろうか。ローマとしてはチャンピオンズリーグにでるだけで、出場給や入場料などの収入を手にすることができ、昨シーズンのベスト8という自信にジュリを加えたことで、より確信に近い自信を手に入れたと考えているはずだ。チャンピオンズリーグにさえ出場すればグループリーグで敗退しようが優勝しようが、バルセロナに払う額は同じなのだから、払い終わりさえすれば、あとは勝ち進む分だけクラブの懐が潤うことになる。バルセロナとしてもメッシの台頭とアンリの加入で、昨シーズンに出番の著しく減少したジュリの放出と金庫を潤す必要があった。多少適正より低い価格だったとしても一括で現金が手に入り、戦力外の人員整理を進めることができた。またローマがチャンピオンズリーグに進出すればボーナスも手に入るわけだ。だがローマもそれほど金に余裕があるわけではないので、ジュリの年俸を最初の2年を安くあげることで今を乗り切ろうと考えている。それにアンドラーデと同じく、契約途中で他クラブへ移籍する可能性もある。最初の年俸を安くしておくことでリスクを抑え、3年目を高くしておくことでジュリのモチベーションを上げる効果にもつながる。仮に他クラブからオファーがあり移籍すれば、3年目の年俸を支払うことなく、かつ獲得時より少しでも高い移籍金を獲得できれば収支はプラスになる。昔の移籍における契約はもっと単純だったはずだが、サッカーバブルが崩壊し持つ者と持たざる者に二極化したことで、どのようにして少ないリスクで大きなリターンを得るか、あらん限りの知恵を絞ってクラブ強化に取り組んでいる。結局は財布と相談したうえで決定しなければいけないのだが。ほな、また。
2007.07.18
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まさに晴天の霹靂だった。驚天動地だった。それぐらいのインパクトはあっただろう。昨シーズンでバレンシアとの契約が満了し、今夏に移籍金なしでビジャレアルに移籍したアルゼンチン代表DFアジャラ。だが先日、ビジャレアルからサラゴサへ移籍されることが発表された。移籍金(違約金)は約10億円で3年契約とのこと。日本のメディアでも「1度もユニフォームを着ることなく移籍」したとして、それなりの驚きをもって扱われているが、なぜ、どのようにして今回の移籍が遂行されていったのだろう。それを扱った記事がこれである。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20070715-00000022-spnavi-socc.htmlこの記事を読んで、思ったことがある。1つは決して3者に利益はないということ。正確にいえば利益はあるのだが、それは一時的な利益であって、長期的に考えると利益にはならない。では誰が損をしているかといえばビジャレアルである。確かに移籍金無しでバレンシアから獲得し10億円で放出したのだから、何もせずにそれだけの金がクラブの金庫に納まったことになる。だが文中にもあるとおり、難があるディフェンス面での補強が急務であるというのに、みすみすワールドクラスの選手をたかだか10億で放出してしまった。今後再び補強活動に走る中で、果たして10億でアジャラと同等の選手を見つけることが出来るのだろうか。現在の市場を考えると難しいと言わざるを得ない。噂によるとアジャラを放出したバレンシアが狙っているとされるレアルのエルゲラをターゲットにしたようだが、アジャラとエルゲラを比べるとやはりアジャラに一日の長がある。もちろん年齢面や金額面(バレンシアはレアルとエルゲラの契約が解除されれば獲得に乗り出す方針)での差はあるだろうが、それでもすでに手元に置いていたアジャラと、ライバルとの戦いに勝利しなければならないエルゲラでは比べるまでもない。またビジャレアルはフォルラン放出に際しての移籍金、さらにリケルメ放出によって予想される移籍金がクラブの金庫にはある。要するに金は持っているわけだ。それを交渉相手が見過ごすはずがない。まず間違いなく足元を見てかかるだろう。「お宅はディフェンスの選手がどうしても欲しいんでしょ?」「お金はたくさんあるじゃないですか」移籍金は吊り上げられ、アジャラと同等の選手を10億以上で獲得しなければならない羽目になる可能性もある。仮に安く選手を獲得できたところでアジャラほどの実力を発揮することが出来るのか。またアジャラほどの影響力をクラブにもたらすことが出来るのか。答えはノーである。サラゴサはアジャラの前に、デポルティボのコロッチーニを狙っていたようで、デポルティボも経営難のため金額次第では放出の準備があるようだ。だがエルゲラにしろコロッチーニにしろ、獲得できたところでビジャレアルにとっては逃した魚以上のメリットを与えてくれる選手ではないというわけだ。もう1つ思ったのは、現在のサッカー界はよく表した移籍の事例だということ。文中にもある「ビジネス化した」サッカー界のモデルケースといえる今回の事例だが、それぞれの利益が優先されるようなサッカー界へ警鐘を鳴らしていると言い換えることもできる。確かに契約上、移籍金を支払い各クラブと選手間で合意すれば移籍は可能だ。スペインでは移籍金ではなく違約金が選手に設定されており、それを超えるオファーがあれば選手間で合意があればクラブはそれを拒否できない。ビジャレアルの会長も嘆いているが、本来であれば選手>クラブという力関係が成り立つ時点でおかしいのではないだろうか。選手も人間なのだから主従関係とまではいかないが、それなりにクラブに従うのが選手の務めだとも思う。そしてこの力関係を壊してしまったのがサッカー界に流入した金と、代理人の存在である。ただのスポーツだったサッカーがテレビ放映権を筆頭にした金の流入で、ただのスポーツではなくビジネスとしてのスポーツに代わってしまった。それによって選手の移籍金もそれまでは上下関係がはっきりしていたのが、海のものとも山のものとも分からない選手に多額の移籍金が支払われ、大物選手が意外な移籍金で獲得できるようになっている。アジャラにしても本来なら少なくとも20億以上の価値はあるはずなのだが、設定されていた違約金は10億だった。そして代理人の存在が移籍金の上下関係に拍車をかけた。ビジネスとして成立し多額の利益を生み出すことが分かった以上、数多くの良からぬ輩がサッカー界に侵入してきた。全てがそうとはいわないが、アジャラの件にしても代理人の存在があったからこそサラゴサへの移籍が成立したわけで、実際に代理人には2度も移籍コミッションが支払われている。おそらく代理人は「選手のため」というだろう。確かに選手がよりよくプレーすることができるようにクラブを選定しているだろうし、試合に集中できるように選手のプライベートに関する要望も受け入れていることだろう。その見返りとして報酬を得るのは当然だが、一方ではそれがサッカー界における全てのバランスを崩してしまっていると言っても過言ではない。クラブ>選手>代理人だったバランスが、今では代理人>選手>クラブと反対になってしまっている。サッカー界が現在のようにビジネスに侵され始めたのは1990年代前半である。今から15年後、今回のモデルケースを機に、サッカーというスポーツがただのスポーツに変わっていることを期待する。ほな、また。
2007.07.17
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嬉しければ感情を爆発させて喜び、悲しければ人目をはばかる事なく号泣する。それがありのままの人間の姿であり、自然な人間の本能である。現在開催中のコパ・アメリカ。決勝は予想通りとでも言おうか、ブラジル対アルゼンチンの組み合わせになった。ここまで負け無しで勝ち上がってきたアルゼンチンは5試合で16得点と攻撃陣が軒並み好調で、クレスポ、メッシのコンビがゴールを量産している。初戦、第2戦と先制を許すなど若干の不安を見せた守備陣も、決勝トーナメントに入ってからは2戦連続無失点で切り抜けており、まさに攻守噛み合ったまま決勝に臨むことができる。一方ブラジルは苦難の連続であった。初戦のメキシコ戦を0対2で落とすと、2戦目、3戦目には勝利したものの、ロビーニョに攻撃が集中しているという批判を浴びた。準々決勝のチリ戦には6対1と圧勝したが、準決勝のウルグアイ戦は先制しながら追いつかれる展開が続き、なんとかPK戦で勝利を収めた。順風満帆のアルゼンチンに対し、苦難連続のブラジル。勢いや流れはアルゼンチンにあるものの、ブラジルは前回チャンピオンの、王国としての意地がある。プライドをかけた南米2強の激突はどうなるのか。さて、準々決勝でブラジルに敗れ大会から姿を消したチリ代表から、衝撃的なニュースが伝わってきた。代表選手の出場停止事件である。予選リーグ最終節でメキシコに引き分けたことで辛うじて決勝トーナメント進出を決めたチリ代表の選手達は、喜びのあまり飲めや歌えやのパーティーを開催してしまったのである。トーナメントの試合が残っているにも関わらず、である。まぁメキシコやブラジルと同居したことで予選突破は厳しいと見られていたのだから、進出を決めたことは予想以上の成果であり素直に喜んでいいだろうし、少しのお酒なら大目に見てもいいかもしれない。だが彼らは派手に暴れまくったようで、パーティーを行っていた宿泊先のホテルのレストランを文字通り破壊してしまったようなのだ。この暴挙に関わったとされる6選手にはチリ・サッカー協会からそれぞれ20試合の出場停止処分と、今後の代表における主将権剥奪という重いペナルティーが課されることになった。これにより今後行われる2010年ワールドカップ出場をかけた南米予選18試合のほとんどに出場できなくなってしまった(親善試合も処分に含むため)。6選手のなかには大会4試合にフル出場したディフェンスや3試合出場の選手も含まれているため、ワールドカップ出場がより一層厳しい状況になってしまった。しかしである。サッカーに限ったことではないのだが、国の代表として異国で戦うということは自国のその競技の代表であると同時に、自国民の代表でもあるのだ。今回の場合で言うと、チリサッカーの代表であると同時にチリ国民の代表でもあるわけだ。いくら嬉しいことがあったからといって異国のレストランを破壊する暴挙を肯定することはできない。しかも一般の人物ではなく、サッカー選手という大きな影響力を持った人物なのである。自分達の後ろには1600万人というチリ国民の思いが、期待が、声援があるわけで、それを否定するような行動、しかもピッチ外での行動は許されるものではない。ワールドカップを見据えれば非常に重たい処分ではあるが、一代表として、また一人間として考えれば決して重くはない、妥当な処分ではないのだろうか。ブラジルとアルゼンチンの決勝は現地時間の日曜日に行われる。言わずもがな、彼らは代表の重みというものをイヤというほど分かっているはずだ。相手が相手だけに尚更のことである。感情を爆発させることは素晴らしいことだがピッチ外ではなくピッチ内で見せるべきであり、フェアな形で示すべきである。決勝では試合内容だけでなく、その辺りも期待したいところである。ほな、また。
2007.07.14
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早いもので07-08シーズンが開幕するまで約1ヶ月ほどになった。もちろん国によって多少のばらつきはあり、宮本や三都主が所属するザルツブルグのオーストリアでは、すでに先週末に開幕しているが、主要リーグは大体8月中旬から下旬にかけての開幕ということなので実質1ヶ月である。8月25,26日に開幕するリーガでは先日、新シーズンの日程が発表された。スポーツにおける日程は一体どのように決められているのか、常日頃から不思議に思っていたのだが、リーガでは組み合わせの抽選によって決められているそうだ。一概には言えないが、密室で決められるよりは“抽選”という不確定要素が入った決め方のほうが、意外な時期に意外なカードが実現したりして、ファンとしては嬉しい驚きを味わうことができる(実態はどうか定かではないが)。リーガの一番の注目といえば、もちろんクラシコである。昨シーズンは最後まで優勝争いを展開し、地理的・政治的にも永遠のライバルであり続ける両者であるが、今シーズンのクラシコ初戦はなんと12月23日、クリスマス前にバルセロナのホームで行われることになった。また折り返しのレアルホームの試合は来年の5月7日に決定した。12月23日に勝利し、ファンに一足早いクリスマスプレゼントを贈ることができるのはどちらなのか。また5月7日はおそらく優勝争いを左右する大事な1戦になるであろう。シーズン終了後にはEUROが行われることからも、最後から3,4試合目あたりのラインアップであり、チャンピオンズリーグとの兼ね合いもあることから、コンディションとモチベーションが大きく左右しそうな一戦になるであろう。さて注目の開幕カードとしては3試合を取り上げたい。昨シーズン優勝のレアルはアトレティコとのダービーマッチでシーズンをスタートさせる。レアルはホームで開幕を迎えることが出来るとはいえ、独特の雰囲気を持つ開幕戦に、これまた独特の雰囲気をかもし出すダービーは避けたかったのが本音だろう。新監督シュスターの招聘や新戦術・新規入団選手との兼ね合いもある。いくら開幕戦とはいえ凡庸な結果しか残せなければ批判が続出するのは間違いない。一方のアトレティコはFトーレスの穴を埋めるフォルランの出来が鍵を握っている。ビジャレアルからやってきたウルグアイ人ストライカーは2シーズン連続でクラブ得点王になるなど、ユナイテッド時代とは別人の、本来の能力を発揮している。個人的にはリバプールから戻ってきたルイス・ガルシアにも期待しているが、やはりフォルランとアグエロの南米2トップに両翼を絡めた攻撃が、どこまでクラブとして機能するか中億である。フォルランを放出したビジャレアルはアウェイでバレンシアと開幕を戦う。これもまたダービーであり、会場の熱気はマドリー・ダービー同様に盛り上がるのは必至だ。さらに昨シーズン限りでバレンシアを離れビジャレアルに移籍したDFアジャラが、開幕戦から古巣のホーム、メスタージャに戻ってくる。間違いなくブーイングで迎えられるであろうアジャラだが、今のところ攻撃陣に放出の傾向が見られないバレンシアの攻撃を食い止められなければビジャレアルに勝機はない。バレンシア唯一の不安要素はそのアジャラの抜けた穴であり、数では揃っているCBも質となるとやはり見劣りする。一部にはレアルのエルゲラをターゲットにしているようだが、開幕までに動きがあるのかが見ものである。最後はバルセロナ、ではなくセビージャ対ヘタフェ戦を取り上げたい。ここ数シーズンで大躍進を見せているセビージャに対し、シュスター監督の下、昨シーズン急成長を見せたヘタフェ。だが立役者のシュスターはレアルの監督に就任し、代わりにやってきたのがレアルやバルセロナでも活躍し、デンマーク代表としても一時代を築いたMラウドルップである。母国でブロンビーの監督として2シーズン過ごした後の今回の就任であり、初戦がセビージャなのはラウドルップの監督としての実力を知るには格好の相手である。ケパやウチェを獲得し前線に強力なFWを揃えたヘタフェに対し、カヌーテやDアウベスの去就が注目されるセビージャ。昨シーズンのコパ・デル・レイ決勝で激突し0対1で敗れたヘタフェとしてはリベンジの舞台がいきなり訪れた格好になったわけだ。たかが開幕戦、されど開幕戦。勝って勢いに乗るか、負けてリズムを失うか。少なくともリーグは最初からエンジン全開を望んでいるようだ。ほな、また。
2007.07.13
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例年になく大物選手の移籍が多い、今夏の移籍市場。続々と移籍決定のニュースが相次ぐなか、未だ動きのないのがミランである。一度はカリアリ所属のFWスアソをインテルから横取りする形で獲得の声明を出したが、すぐに撤回。スアソは結局インテル入りになった。このことからも分かるように、ミランの今夏の補強優先順位がFWであることは疑いようがない。現在のスカッドはロナウド、インザギ、ジラルディーノ、オリベイラの4人だが、ロナウドはリーグ戦で、インザギもチャンピオンズリーグで活躍はしたものの、ジラルディーノとオリベイラに関しては期待を裏切る結果だった。一時はジラルディーノ放出の噂があったくらいだから、FW陣に絶対の信頼を寄せられてるとはいえない。FW陣の不調を補って余りある活躍を見せたのがカカだが、カカには執拗なまでのレアルからの勧誘が迫っている。カカの代わりなどそうそういるものではなく、いくら金を積まれてもミランがカカを放出するとは考えられない。アンチェロッティが監督である限り継続路線を継承していくことが予想されることからも、カカ中心のチーム作りがミランの戦術になるであろう。そこでここ数ヶ月の間、常にミラン移籍の噂が絶えないのがロナウジーニョである。カカに加えてロナウドもいることからブラジル代表で共にプレーしているアドバンテージがあり、エトーとの不仲やアンリ加入によってポジションの被るロナウジーニョ放出の噂も絶えない。守備をあまりしないロナウジーニョがアンチェロッティの、イタリアの戦術に適応できるかどうかは微妙だが、ミランにとってはまさしく補強の条件にピッタリの選手であることは間違いない。ネックになるのは違約金(移籍金)だが、チャンピオンズリーグ優勝による賞金、さらには最優先課題であるFWということを考えると、少しぐらい足が出ても諦めずに照準を合わせてくるだろう。だが忘れてはならないのが、シェフチェンコの存在である。ちょうど1年前、約67億円の移籍金でチェルシーへ向かったシェフチェンコだが、プレミアの水に馴染むことが出来なかったのか、大きく期待を裏切る結果に終わり、特にメディアからリーグ優勝を逃した戦犯として槍玉に挙げられた。彼がモウリーニョ監督ではなくアブラモビッチの独断で入団したことも1つの要因である。仮にモウリーニョが欲していれば、批判を自らが壁になることで選手を守るのがモウリーニョだからだ。もちろんいくらシェフチェンコであろうとも、すぐに慣れるほどプレミアは甘くない。2年目となる今シーズンに結果を残す可能性もある。だがクレスポの例もあるようにイタリアでは成功してもプレミア、モウリーニョの戦術にフィットしない選手もいるわけだ。少し逸れたが、要するにシェフチェンコを獲得できない可能性はゼロではないのだ。一昨シーズンまでミランで、カカやインザギと共にプレーしていたわけだし戦術的に問題はなく、ロナウジーニョ獲得に払う移籍金に比べれば約3分の1の値段で買い戻すことが出来る。ガリアーニ副会長は今夏の移籍におけるディフェンス面について「何もすることはない」と話しているが、ロナウジーニョ獲得資金でシェフチェンコとディフェンス面の層を厚くする補強を行ったほうがよっぽど得策である。ガリアーニ副会長は先の続きとして、「大物FWを1人獲得するか、誰も獲得しないかのどちらかだ」とコメントしている。ロナウジーニョなのかシェフチェンコなのか、それとも現有戦力のまま上積みなしなのか、現時点では分からない。だがこれは全てカカ残留という前提があって初めて成り立っている。もしもカカがクラブを離れるようなことがあれば全ては無になってしまう。最優先すべきなのはFWの獲得ではなく、カカの絶対的な残留である。ほな、また。
2007.07.12
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サッカーバブルがはじけた昨今、各クラブは金策に四苦八苦している。買収という事例は除外するとして、収入の確保や支出の削減は当面の課題であり、それが如実に現われるのが移籍市場である。先日、リバプールのリック・バリー最高経営責任者が「プレミアリーグ内でのローン移籍は廃止すべきだ」とコメントしたらしい。その裏には、我がユナイテッドがテベスとの2年契約のうち、最初の1年をローンで、その後に完全移籍に切り替えるという計画を持っていることがある。日本のメディアではレンタル移籍という言葉のほうが知られているかもしれないが、ここではローン移籍で統一させていただく。そもそもローン移籍とは、AというクラブにZという選手がいるとする。BというクラブがZを獲得したい意向を持っているのだが、移籍金や年俸が高いなどの金銭的な問題や、クラブにフィットするかどうかの戦術的問題を考慮して、所有権をAに残したまま年俸だけをBが肩代わりする契約のことである。Aからすれば放出したいが移籍金などで契約がまとまらず年俸だけを支払うよりは、たとえローンであっても年俸を払わずにすむメリットがある。Zとしては戦力外で買い殺されるよりは新天地で再スタートを切ることが出来、Bとしても失敗したときのリスクを最小限に抑えることが出来るし、このような場合Zは大抵戦力外であり、完全移籍のオプションをつけることで将来的な戦力をお試し的に使うことができる。関係する全ての立場において公平でかつメリットのあるローン移籍だが、一方でルール整備を怠れば問題も少なからず発生する。昨シーズン、ユナイテッドからローンでエバートンへ移籍したGKハワードの場合であるが、ローン期限は昨シーズン末までだった。だがユナイテッドは彼を放出する用意が出来ており、エバートンもまた完全移籍で彼を獲得することを希望していたことから、シーズン途中で完全移籍での契約が決まった。ここで問題になるのはいつから契約が切り替わるかである。規定によるとローン移籍の選手は古巣との対戦には出場することができない。つまりハワードの場合だとユナイテッド戦には出れないことになる。だが完全移籍であれば問題なく出場することができるわけだ。おりしもチェルシーとタイトル争いを展開していた4月後半、ユナイテッドはエバートンと対戦したが、その試合にハワードは出場しなかった。完全移籍の発表があったのは確か2月ごろだったと記憶しているが、すぐに完全移籍に切り替わっていれば「なぜ出場しなかったのか」という疑問が頭をよぎる。「八百長があったのではないか」という要らぬ噂も出るだろうし、契約内容を知らない他のクラブにすれば当然異論が出るだろう。ハワードの場合だと、発表の時期がシーズン中だったということもあってここまでの問題になったのだが、仮にいつから切り替わるかをきちんとリリースしていれば問題は起きなかったわけだ。クラブ間で合意した契約内容には決して口外できない(正規の)事項も含まれているため、全てを知らせる必要性があるとはいえない。だが少なくとも誤解を招かないために、あらぬ噂を立てられないためにもキッチリとした情報公開を行わなければならず、そのためのルール作成・変更を行う必要がある。国内間での場合と2国間にまたがる場合では違う部分もあるだろうし、国内でも上位と下位ではまた変わる可能性も否定できない。だがここまで浸透している移籍の方法だけに迅速な対応は必要である。個人的にはローン移籍は賛成であり、バリーが廃止を求める理由は単なるエゴのように感じることを最後に付け加えておく。ほな、また。
2007.07.10
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リバプールに所属するジェイミー・キャラガーがイングランド代表からの引退を考えているようだ。キャラガーに親しい人物によると、マクラーレン監督が昨年就任してから先発3試合を含む5試合の出場に留まっており、出場機会の少なさに不満を覚えているようである。「ジェイミーはトップレベルのばか者と見られるのを嫌っている。 現段階ではクラブをヨーロッパチャンピオンに導くことに集中している。 代表のユニフォームを着ることに幸せを感じているが、 それも終わりを迎え、今が代表から去るタイミングだと考えたのかもしれない」まずは、このコメントがキャラガー本人のものではないということを知っておく必要がある。サッカー界では本人であったり当該者のコメントが出るまでは信憑性に乏しく、仮にそれが本当であっても、それらに対しては「こういう出来事があった」ぐらいの軽い気持ちで接しておくのが一番である。つまりは今回もキャラガー本人のコメントが出るまでは触れないでおくほうがいいかもしれない。だが、もしも本人が本当にこう思っていたとしたら、ぼくの中のキャラガーに対する信頼性はガタ落ちになってしまう。リバプールでのキャラガーは確かに守備ラインの中心として大きく成長し、リーダーシップも発揮している。右サイドで使われていた頃から考えると大きな出世である。そのリバプールでの活躍が認められたからこそ代表にも怪我がない限り召集されているわけである。だが試合に出れないから、出場機会が得られないから代表を引退するのは間違っている。コメントにもあるように代表のユニフォームを着れることは、とても幸せなことである。着たくても着れない選手のほうが圧倒的に多いわけだ。それを簡単に捨てれるほど代表は甘いものではない。現在の代表のセンターバックのファーストチョイスはおそらくリオとテリーである。キャラガーは3番手だろうか。また若手選手の活躍もあってリオの弟アントンやドーソンの成長も見られる。このままなら自分に日の目が当たることなら世代交代の波に流されるかもしれない。ただ、キャラガーはそんなことで簡単に諦めてしまうような男だっただろうか。“イスタンブールの奇跡”で足をつりながらも最後まで追加点を与えなかったのは誰か。まだ右サイドで試合に出ていた頃、相手ファンが投げ込んだコインを投げ返すという行為をやってのけたのは誰か。試合中、常に大声を出し仲間に叱咤激励を送っている姿は、どこか泥臭く、熱く、だが頼りになる漢を想像することができる。今回の騒動は、これらの想像とは対極の人間のすることであり、キャラガーらしくない行動である。最初に書いたように、これはキャラガー本人のコメントではない。だから本人はこのように思っていないかもしれない。そして思っていてほしくない。だが本当にそう思っているのなら、それこそ本当の「トップレベルのばか者」だと思う。ほな、また。
2007.07.09
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ローマ帝国が栄えていた時代の言葉だろう。今夏の移籍マーケットにおける中心はFWだろうと考えている。既にアンリ、フォルラン、Fトーレスの移籍が決定し、玉突き式に今後も動いていくかもしれない。だが、噂であったり表に出ている交渉中の事項も含めれば、中心はDFになるのかもしれない。ローマに所属するキブもその1人。現状ではレアルとローマのクラブ間では合意に至っているらしく、後はキブの意志次第だという。だがキブ本人はインテル移籍を希望しているようで、実際にインテルとは個人的に合意していたようで、あとはクラブ同士の合意待ちであった。当初、キブ獲得レースはインテルとバルセロナの一騎打ちであった。だがバルセロナはアビダルを獲得したことで、タイプ的に似通っているキブへの興味を失いレースから撤退した。代わりにサラゴサのミリートに照準を絞ったのである。だがミリート獲得に際してもライバルは存在していた。ユベントスである。カルチョ・スキャンダルによって主力が抜けたものの、やはり選手の質はセリエBでも群を抜いており、早々とA昇格を決めたユベントスだったが、一度落ちた(クラブの)体力を元に戻すのは容易ではない。攻撃陣のトレゲゼやデルピエロの残留は大きく、守備面でのブッフォンの残留は更に大きい。中盤もセリエの下位クラブから補強しており、残すはDFラインの柱だけが必要なのである。だが、レアルがキブ獲得レースに参戦してきたことで話は変わった。バルセロナが引いたことでインテル濃厚だと思われていたものが、レアルが介入したことで、マネーゲームを恐れたインテルまでもが手を引いてしまったのである。ユベントスとは全く関係ないように思われるが、レアルは既にメッツェルダーをドルトムントから獲得している。さらにキブまでも獲得すればセンターバックに余剰人員が出るのは明らかである。ユベントスの狙いはそこであり、スキャンダルによって失ったもののレアルで目立った活躍を示せなかったカンナバーロを獲得しようと試みたのである。しかし今日、デポルティボ・ラコルーニャがコメントを発表し、所属のポルトガル代表でもあるジョルジュ・アンドラーデがユベントスへ移籍することが発表された。これによりおそらくであるが、ユベントスの大物補強は終わりを迎えるのではないだろうか。ならばミリートがバルセロナ、キブがレアルで丸く収まりそうな気配もするのだが、そうは簡単にいかないのがサッカー界である。先にキブの現状を書いたが、レアルはローマと移籍金では合意しているがキブとはまだである。何より本人にインテル行きの希望がある以上、それをひっくり返すのが至難である。キブの希望先でもあるインテルは逆に個人では合意していたが、クラブ間で移籍金に隔たりがあったため決裂し、マネーゲームを恐れたインテルが手を引いてしまった。移籍金額ではレアル>インテルなのだが年俸ではレアル<インテルであり、キブはインテルを希望しているものの、そのインテルが同じ土俵から既にいなくなってしまっている。「おそらく」とは書いたものの、ユベントスだって可能ならば参戦してこないとも限らない。仮にキブではなくミリート獲得に成功すれば、バルセロナがキブに改めて絞ることも考えられる。キブを獲得するためのローマへの道は1本しか通じていない。その道はどのクラブと通じているのだろうか。ほな、また。
2007.07.07
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現在ベネズエラで開催中のコパ・アメリカ。南米10カ国と招待国のアメリカとメキシコを加えた12カ国が参加しているが、現地時間の昨日、予選リーグが終了し決勝トーナメントへ進む国が決まった。連覇を狙うブラジルはワールドカップで「カルテット・マジコ」と呼ばれた4人、カカ、ロナウジーニョ、ロナウド、アドリアーノがいずれも召集されておらず(前者2人は辞退)、また現状におけるベストコンディションの選手しか呼ばず若返りを推し進めるドゥンガ監督の意向もあり、特に前線のメンバーで世界的ネームバリューを持つのはロビーニョだけという状況である。ワールドカップ惨敗後に就任したドゥンガ・ブラジルは2006年はアルゼンチンなどにも勝利し順調な船出だったが、年が変わるとポルトガルに0対2、イングランドには終了間際でようやく追いつき、トルコとはスコアレスドローと結果を残すことが出来ていない。強者ブラジル故の宿命ではあるが、未だポルトガル戦の1敗しかしていないにもかかわらず周囲の風当たりは強い。ベストメンバーが組めない事情はあるにせよ、大学で服飾関係を専攻している娘のセンスにまでケチをつけられては、ドゥンガも黙ってはいられないだろう。そのような背景で迎えたコパ・アメリカはドゥンガにとって最初の正念場ともいえる大会である。予選リーグはメキシコ、エクアドル、チリと同居し2勝1敗の成績で決勝トーナメント進出を決めたが、初戦のメキシコ戦には0対2の完封負け。続くエクアドル戦はロビーニョのハットトリックで3対0と勝利し、チリ戦も自らが得たPKをロビーニョが決め1対0の勝利。何とか2位通過で面目は保ったが、そこはブラジル、早くも今大会におけるドゥンガ・ブラジルへの批判が飛び出している。批判の多くは、攻撃がロビーニョに依存しているというものである。確かにチーム全得点はロビーニョ1人が挙げており、その内の2点はPKによるものである。テクニックを駆使し魅惑溢れるサッカーのイメージを持つメディアやファンにとって、現在のブラジルは彼らを黙らせるまでのサッカーを演じていないということだ。もちろん現在が完成形ではなく、最終目標は2010年のワールドカップだが、かといって言い訳が通用するほど彼らも優しくはない。ドゥンガはこれらの批判に対して「我々はチーム全員に依存している。 決してロビーニョだけではない」と真っ向から反論している。メディアやファンがイメージで代表を見ているのに対し、ドゥンガは現実的に代表を考えている。理想はこの2つの高いレベルでの融合なのだろうが、そこはまだ就任1年目。国民性からは理解できない提案だろうが、もう少し長い目で代表を見てもいいのではないだろうか。また今大会で結果を残せば少しは風向きも変わるのではないだろうか。日本が出場するアジアカップがまもなく開幕する。日本もまた最終目標はワールドカップであり、就任1年目の監督、前任者との強烈な戦術の違いなど、ブラジルとの共通項は少なからずある。だがブラジルは常に勝利が求められているのに対し、日本には今回のアジアカップでの勝利が最低条件というような風潮を見ることができない。歴史的・文化的背景こそあれ、大会に出場する以上、現在のアジアにおける日本を考えても優勝は絶対条件だと思う。だがアジアカップをワールドカップへの単なる通過点にしか考えていないメディアやファンが一部には存在する。おそらく今回のアジアカップにおいて、日本がコパ・アメリカでのブラジルと似たような状況になった場合、多くはロビーニョ役に相当する選手はヒーローとして扱われ、オシムに対する批判はごく一部にしかならないのではないだろうか。日本はブラジルに本当に追いつけるのだろうか。ほな、また。
2007.07.06
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先月の29日、アンリ、Yトゥーレを獲得したバルセロナが、リヨンからフランス代表左SBエリック・アビダルを獲得した。移籍金は25億円。契約年数は4年と見られている。個人的ではあるが、この移籍決定に驚いた。それは移籍自体に対する驚きではない。アビダルのビッグクラブへの移籍願望は噂に前々から噂に挙がっていたし、レアルに優勝を奪われたバルセロナが候補の1つに入ってもおかしくないビッグクラブだからだ。ではなぜぼくが驚いたのか。それはリヨンがいともあっさりとアビダルを手放したように感じたからだ。選手が離れたがっているのだから、と考えられなくもないが、昨シーズンや一昨シーズンの出来事を振り返ると、その考えが正解ではないと分かる。チェルシーからのオファーを受けたエッシェンは、すぐにでも移籍を実現させたかった。だがクラブはなかなか移籍を認めず、じらすことで移籍金の上積みを期待した。結局移籍交渉は1ヶ月にも及んだが、移籍期限ギリギリのところで、約51億円という移籍金で移籍は実現した。昨シーズン、今度はレアルがディアッラにオファーを出した。このシーズン、エッシェンのポジションを見事に埋めたディアッラもまた移籍を希望した。リヨンとしては2年連続で同じポジションの選手を手放すわけにはいかず慰留に努めたが、練習拒否など実力行使に出たディアラに根負けし、こちらもまた長期交渉の末、移籍が決まった。こう見ると、選手が離れたがっている事実こそあるものの、リヨンは最初に拒否の姿勢を見せている。その後選手の気持ちがクラブにないと分かるや、じらすだけじらして移籍金の吊り上げを目論んでいるのが分かる。それを踏まえると今回のアビダルに対するあっさり感が分かってもらえると思う。ではなぜ、今回に関してリヨンはそのような態度に出たのだろう。それはおそらくクラブの株式公開と関係あるのではないだろうか。(詳しくはこちら↓↓)http://plaza.rakuten.co.jp/adios7210/diary/200701290000/これまでは資本を拠出しているOLグループのいわばワンマンだったのが、株式公開によって多くの株主が存在するようになった。つまり一般企業と同じく経営面の安定化や会社、つまりクラブのイメージも考慮に入れながらクラブを発展させなければならなくなったわけだ。株主に不安感を与えるような移籍は出来るだけ避けなければならず、長引く交渉はクラブにとってマイナスと判断したのではないだろうか。もちろんアビダル個人の要求もあっただろうが、このようなマイナスイメージや株主がクラブに嫌気を差すような問題は出来るだけ起こしたくなく、クラブにとって不満はあるだろうが泣く泣くアビダルを手放したのだと思う。経営面で言うと、先月16日にリールからケイタとボドメルの獲得も関係してくる。コートジボワール代表でもあるケイタの移籍金はクラブ史上最高額となる約30億円。ボドメル獲得にも約10億円支払っており、合わせて40億円の支出となっている。オラス会長は「大きな投資だが、資金の行き先がフランスのチームであり、フランス・サッカーに還元されることを誇りに思っている」と語っているが、これは株主の視線をかわすものであり、40億円という大金の回収能力を疑う株主に対してある意味欺いているコメントでもある。またこのように言うことでリヨンというクラブのイメージは決して下がることはなく、一石二鳥の効果を持っているのである。とはいえ全員がこれを鵜呑みにすることはないだろう。ということはどこかで目に見える形で金銭的補填とでも言おうか、経営の安定を図らなければならず、これもまた長引けばイメージは下がるばかりである。よって現状で一番クラブに金を運ぶだろうアビダルの放出を決めたのである。株式公開したことで経営の安定を迫られたリヨンであるが、一番大切なのはピッチ内での出来事である。アビダルを放出したことで左SB獲得の必要性に、現在迫られている。噂ではインテルのグロッソにオファーを出したとも言われているが、リーグ6連覇を達成したリヨンにとってメインターゲットはチャンピオンズリーグである。それが全てとは言わないが、国内でもなければ株主のご機嫌でも、決してない。ほな、また。
2007.07.05
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アンリをバルセロナに売却したアーセナル。クラブの大黒柱であったアンリを放出した以上、その代わりとなる選手を見つけなければならず、他クラブでもあるドログバにまで「アーセナルは深刻な問題を抱え込むことになる」と心配?されるほどであった。だが先日、ディナモ・ザグレブ所属のクロアチア代表FWエドゥアルド・ダ・シルバと4年契約を結ぶことに成功した。現在24歳のシルバはブラジルで生まれ育ち、、15歳のときに家庭の事情でクロアチアに移住。インテル・ザブレシッチでの1年間を挟んで2001年から昨シーズンまでザグレブに籍を置き、05-06シーズンの得点王で一気に大ブレイクしクロアチア代表にも選出。これまで代表で12試合に出場し7得点とプルソに代わる代表の主軸となっている。また06-07、つまり昨シーズンもリーグ32試合で34得点を記録し2年連続の得点王に輝くと共に、2006年のクロアチア年間最優秀選手にも選ばれた。昨シーズンのチャンピオンズリーグ予備予選でアーセナルはこのザグレブと戦い5対1と勝利したが、ザグレブ唯一の得点をマークしたのがシルバであり、これを直に見ていたベンゲルが獲得を望んだとも言われている。FWの選手を獲得したことで体裁は整えたように見えるが、シルバとは一体どのような選手なのだろう。代表でのプレーを数回しか見ていないのでうる覚えなのだが、確かスピード系の選手だったように記憶している。ブラジル出身のクロアチア生まれということはテクニックはしっかりしているだろう。また身長が173cmということなのでヘディングは得意ではないだろう。つまりはアーセナルのクラブ戦術にほぼ当てはまるタイプの選手だと言えるのではないだろうか。そして24歳という年齢を考えれば育成ではなく、むしろ即戦力としての獲得だと言える。それを証拠にシルバ獲得に際してザグレブに支払った移籍金が40億円。ちなみにアンリ売却に際してバルセロナから得た移籍金も40億円。ということはアーセナルはアンリとシルバに同等の価値を見出したからこそ、これだけの移籍金を支払ってまで獲得したといえる。だが一方では単純な疑問として、果たしてアンリの代わりを本当に任せられるのか、そして移籍金に見合った活躍が出来るのか、と思ってしまう。ただこればっかりはやてみなければ分からない。アーセナルは若手の育成に定評がある分、今回のように高額な移籍金で青田買いを行うこともしばしばだ。10代の選手なら数年かけて戦術を浸透させてからトップに定着させることもできるが、シルバは即戦力での活躍を期待されている。複数の選手がめまぐるしく入れ替わり、テンポの速いショートパスを攻撃の柱としているアーセナルの戦術を、シルバがすぐに順応することが果たして出来るのだろうか。またアーセナルは良くも悪くもアンリのクラブだった。そのアンリがいなくなった今、中心はGシウバを筆頭とした中盤選手になることだろう。キャンプやプレシーズンの時間があるとはいえ、どこまでシルバの動きを把握しコンビネーションを高めることができるか。シルバにとってはビッグステップとなった今回の移籍。だがその背後には常に“ポスト・アンリ”“40億円の移籍金”というプレッシャーがついて回ることだろう。ザグレブとアーセナルのプレッシャーの比は半端ではなく、少なくとも時間だけでは解決できない部分が出てくることだろう。シルバを獲得したことで、アーセナルのFWはアリアディエールとファン・ペルシーの3人(レジェスとバプティスタは頭数に入れず)になった。だがチャンピオンズリーグ出場を狙うビッグクラブとしては量・質とも不足している。FWの獲得は打ち止めなのか、92億円といわれる費用を使っての更なる補強はあるのか。数年後の将来は明るくとも、来シーズンの先行きに関しては今のところ見通しは暗い。ほな、また。
2007.07.03
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大物が続々と動いている今夏の移籍市場。その裏で、今シーズン限りで辞めていく選手達のお話。01-02シーズンUEFAカップ決勝戦、フェイエノールト対ボルシア・ドルトムント。小野伸二も出場したこの試合は3対2でフェイエノールトが勝利し見事優勝を果たしたが、33分のPKと40分のFKからの追加点を決めたのはファン・ホーイドンクだった。89年、2部のローセンダールでキャリアをスタートさせた彼は18年間のプロ生活で5カ国8クラブを渡り歩き、今シーズンを最期にそのキャリアを終えた。通算551試合に出場し334得点を記録。オランダ代表では46試合14得点と一見平凡に見えるが、先発出場はわずか5試合。決して代表不動の先発というわけには行かなかったが、それでも代表に召集され続けた理由は、193cmという長身と、そこから繰り出される世界有数の精度を誇ったFK。特にボルシア・ドルトムントとの試合でも決めたFKは長身選手に似つかわしくない柔らかなタッチで何度も相手ゴールを脅かし、クラブにとっても代表にとっても大きな武器であった。キャリア最期の試合となったフローニンヘン戦でも直接FKを決め、試合には敗れたもののファン・ホーイドンクらしいフィナーレを飾ることができた。同じボルシア・ドルトムント戦に出場していたのはマーク・ボスフェルトである。ファン・ホーイドンクと共にUEFAカップを掲げたボスフェルトもまた、89年にデビューを飾った。ゴアヘッド・イーグルスを皮切りに5クラブでプレー。マンチェスター・シティ以外は全て母国オランダでのプレーだったが、彼を有名にしたのはUEFAカップ優勝メンバーだったのと、オランダ代表として出場したEURO2004での出来事だった。グループリーグ初戦。チェコを相手に2対0とリードしたオランダは、後半早い段階で守備固めの策を採る。アドフォカート監督(当時)が採ったのは、チェコ守備陣を翻弄していたロッペンを下げ守備的MFのボスフェルトを投入することだった。だがロッペンを下げたことでチェコは攻勢に転じることが出来、そこから3得点を挙げ逆転勝利を果たした。この屈辱的敗戦の原因がボスフェルトだとは言えないが、結果的に原因を生んだ采配の象徴として槍玉に挙げられ、この後ボスフェルトが代表に呼ばれることは2度となかった。キャリア最期の試合となったアヤックス戦。61分、味方GKが一発レッドで退場となり代わりのGKを交代出場させなければならなかった。そして入れ替わりにピッチを去ることになったのが、ボスフェルトだった。このようなエンディングを迎えるとは思っていなかっただろうが、これもまたボスフェルトらしいフィナーレだった。対照的なフィナーレながら、同じ年にデビューし、フェイエノールトで共に頂点を極めた2人が、同じ年に現役を去ることになった。多くの選手が日の目を見ないまま去っていく中、彼らは18年もの長きに渡って一線で活躍し、栄華を極めた。どんなフィナーレであろうと迎えることができただけでも賞賛に値する事実である。ほな、また。
2007.07.02
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