迦陵頻伽─ことだまのこゑ─

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2026.04.21
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カテゴリ: 浮世見聞記
藤澤浮世繪館で「広重の狂歌入東海道」展を觀る。



天保四年(1833年)に保永堂版「東海道五拾三次」で大當りをとった歌川廣重はその後も様々な趣向を凝らした五十三次物を發表し、今回五十六點すべてを展示したいはゆる「狂歌入東海道」は、五十五人の狂歌師が詠んだ句を街道風景に織り込み、天保十一年から十三年頃にかけて連作したもの。


狂歌とは和歌の五七五七七の調子にのせた庶民目線の言葉遊びで、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」でも彌次喜多の二人がひとつ失敗をしでかすたびに狂歌で笑ひ飛ばして締めるなど、機知に富んだ笑ひを樂しむ泰平文藝、この連作では「袋井」に添えられた、


(※フラッシュなしで撮影可)

“せんべいの やうな蒲團をきせられて 客のふくれる 袋井のやど”

が、私にも味はひが傳はる。


また、「關」は参勤交代の大名一行が出立する厳めしい雰囲氣を描きながら、



“くぐつめに 引きとめられて定宿の 言ひわけくらき 關の旅人”

と、あへて遊女の客の一景を詠んでゐるところに、おカタいものに對するそこはかとない諧謔味が感じられて、そのあたりが江戸娯樂文藝の妙なのだらうと察しをつける。





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最終更新日  2026.04.21 21:24:50
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