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2018.07.11
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カテゴリ: 観照
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別件で京都市内に出た序でに、そろそろか・・・・と思い、四条通を「長刀鉾」のところに午後4時すぎに行くと、「鉾建て」が半ば出来上がっていました。「山鉾建て」は昨日10日から始まっていたようです。組立そのものの仕上げをして飾り付けを終え、巡行の鉾の姿が完成するのは、明日の午後でしょうか。

祇園祭の行事そのものは、7月1日から既に始まっています。
1日の午前中に「吉符入り」 と称される神事始めが行われ、 同日「長刀鉾町お千度の儀」 が実施されたことが、確か新聞で報じられていました。
これは祭全体の無事を祈る儀式だそうです。「長刀鉾に乗る稚児が、同町の役員らとともに八坂神社に参拝、本殿でお祓いをうけたあと、社殿を右まわりに三周し、無事を祈願する」という行事です。 (資料1)
  四条通の南側歩道から


烏丸通を横断した、四条通の北側では、 「函谷鉾」


  函谷鉾の鉾建て作業。四条通の南側からの眺め。

四条通から、室町通を南に入ると、

池坊短大の学舎のすぐ近くで、 「鶏鉾」の鉾建て作業 が進んでいました。

鶏鉾では、囃子舞台の構造(柱と梁など)部分の組み建てが進んでいました。

再び、室町通から四条通に戻り、左折して西方向に進みます。
 四条通の西方向、南側に見える 「月鉾」



囃子台の床面と高欄部分までが組み上がった段階でした。


通りを北に横断し、「菊水鉾」を見に回ります。
 室町通を少し入れば 「菊水鉾」

                                  南側からの眺め

                        北側からの眺め
鉾の胴部分の東側面
ご覧のように、菊水鉾は鉾の構造体全体(鉾胴から鉾頭まで)が建ち上がり、これから囃子舞台の組立を始める前の段階でした。

鉾の足許。道路に設置されている鉾建ての位置決め穴に角柱が建てられて、丸太と鉾の構造体の柱がしっかりと綱で縛ってあります。横に寝かせた状態で構造体全体が組み立てられた後、それを立ち上げるときに、この部分が支点になるのです。
そのやり方は、どの鉾も同じです。

上を見上げると、「菊水」の額が紙垂(しで)と榊が翼を広げるような形の中央に掲げてあります。今年も、この姿を眺めることができました。


四条通に戻り、北側の歩道を東に進み、鉾町を離れ、河原町通に戻ります。

今度は「函谷鉾」のすぐ傍を通り過ぎます。

鉾の車輪を取り付ける車軸を石持(長い直方体の横木)と頑丈に固定してしまう作業段階までが既に仕上がっています。


今回、初めて気づいたのですが、函谷鉾の真木に愛宕山の火除札が貼られているのが目にとまりました。 「阿多古祀符 火廼要慎」と記された護符 です。
東側からの眺め

山鉾はまさに動く美術館です。鉾の屋根裏には絵が描かれ、破風の背後に隠れる部分にも極彩色の装飾彫刻が施されています。山鉾巡行の場ではほぼ見られない、目に止まらない部分です。宵山はこういう部分を眺めるのが楽しいと言えます。

石持に車軸が縄締めの技法だけで固定されて仕上がった 縄絞めの形が伝統の美を見せてくれます 。この縄締めの美を見られるのは、この「山鉾建て」行事が行われるそのプロセスか、巡行終了後の山鉾解体プロセス、そのいずれかに立ち合い眺めるときだけです。
鉾の構造体に胴懸が付けられ、その下部に吊幕が取り付けられると、こちらの伝統美は見られません。


烏丸通を横断し、東に戻る時、デパート「太丸」の少し手前の三井のビルの前に 「祇園祭鉾立町&巡行マップ」 が掲示されています。


長刀鉾の傍に戻ってきました。西から眺めた縄締めの伝統美です。
車軸を固定する石持は位置決めを終えてセットされていますが、まだ車軸を固定する作業に入る前の段階です。函谷鉾の最後の画像と対比してみてください。




                     囃子舞台の裏側中央を眺めた景色

 長刀鉾の鉾建ての位置決め穴です。




 東側からの眺め



長刀鉾の長刀の先を眺めながら、いよいよ祇園祭・前祭が近づいていたことを実感しました。

分解されて保管されて1年間保管されてきた組立用木製部材が、倉から道路上に運び出され、所定の位置で、釘は一本も使わずに、受け継がれてきた伝統の縄締め技法で組み上げられていくのです。 (資料1)
鉾は地上から屋根までが約8m、鉾頭までだと約25m。囃子舞台の広さは8㎡~10㎡。重量は約12トンという規模です。 (資料3)
それを木組みと縄締め技法であの姿を現出し、巡行させているのですから、スゴイなあと思います。

情報をネット検索してみて、今年の山鉾巡行のくじ取り式の結果を見ますと、くじ取らずの長刀鉾は勿論慣例の先頭です。そして、前祭では、函谷鉾が同様にくじ取らずで、前祭の山鉾総計23基の第5番。鶏鉾が鉾1番で、第9番。月鉾が鉾2番で第13番。菊水鉾が鉾3番で第17番と決まっていました。7月2日に「くじ取り」の行事が行われました。

ご覧いただきありがあとうございます。

参照資料
1) 『京都歳時記』 編集 宗政五十緒・森谷尅久 淡交社
2) ​ 祇園祭山鉾巡行のくじ取り式の結果について ​ :「祇園祭」
3) ​ 鉾と山の解説 ​   :「京都市観光協会」

補遺
祇園祭 ​  :「祇園祭山鉾連合会」
 ​ 山鉾について
祇園祭 ​ :「京都市観光協会」
函谷鉾 ​ ホームページ
  ​ 函谷鉾 鉾の説明 ​   
月鉾 ​ ホームページ
長刀鉾 囃子方の公式ホームページ
祇園祭2018の詳しい日程と場所一覧 ​ :「SYASHIN.KYOTO」

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

​​​​こちらもご覧いただけるとうれしいです。
 ​ 探訪&観照 祇園祭Y2017の記憶  記事総目次 ​ 
 「探訪&観照 祇園祭 Y2017の記憶」としてまず22回のシリーズをまとめました。
   長刀鉾の鉾建て 2日にわたり3回シリーズでご紹介
   函谷鉾・鶏鉾・月鉾・菊水鉾の鉾建てを各1回でご紹介
   鉾の裏方の美を編集してまとめてご紹介
   神輿洗式のご紹介
   前祭宵々山巡りを9回のシリーズでご紹介
   神幸祭 神輿渡御を4回シリーズでご紹介
  その後「探訪&観照 祇園祭 Y2017の記憶 Part2」として12回にまとめています。
    八坂神社御旅所のご紹介
   後祭の宵々山巡りを8回のシリーズでご紹介
   還幸祭を御旅所前(昼間)で2回、八坂神社西楼門前(夜)で2回の計4回でご紹介

観照 祇園祭点描 -1 神輿渡御・八坂神社御旅所・冠者殿社
  2016年に8回シリーズでご紹介しています。これはその第1回。

観照 [再録]  祇園祭 Y2014・前祭 山鉾巡行 -1 2番・芦刈山から9番・菊水鉾まで
  2014年の前祭を宵山2回、山鉾巡行5回でご紹介。その第1回です。

観照 [再録]  祇園祭 Y2014・後祭 宵山 -1  橋弁慶山
  2014年の後祭の宵山を11回でご紹介。その第1回です。

観照 [再録]  祇園祭 Y2014・後祭 花傘巡行 -1
  2014年の後祭の山鉾巡行・併行して行われる花傘巡行を計4回でご紹介。その第1回。

観照 [再録] Y2013・酷暑の記憶 祇園祭 -1 菊水鉾
  2013年の祇園祭を8回でご紹介。その第1回です。





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Last updated  2018.07.12 00:43:48
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