乱読・積んどく・お買い得!?

乱読・積んどく・お買い得!?

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2011.04.30
XML
カテゴリ: 文芸

 震災後、初めて読む一冊に選んだ。
 帯には「心を震わせるラストまでページを捲る手が止まらない!」
 角田光代が全力を注いだ、ノンストップ・サスペンス」という文字が踊る。

 確かに、どんどん読んでしまった。
 薫を誘拐するシーンから、康枝の家、中村とみ子の家を経て、
 エンジェルホーム、そして小豆島での暮らしまで、
 希和子がそれぞれの場所で出会った人たちは、誰も皆とても個性的。

特にエンジェルホームの存在は、本作品の根幹となるもの。

そして、それとは全く対照的な、自然に溢れ、温かい人々に囲まれた小豆島の暮らし。
しかし、穏やかな日々が訪れるかと思われたところでお話しは急転、語り手の交代となる。

結局、丈博の生み出した歪んだ男女関係が、全ての人たちを不幸にしてしまったに過ぎない。
希和子も恵津子も、いずれもが被害者であり、加害者でもあるように思える。
もちろん、希和子が誘拐という行為に及ばなければ、状況は随分変わっていたはず。
が、恵津子の男関係が別の新たな問題を引き起こし、家族を混乱させたかも知れないが。

そんな中、一番の被害者になってしまった薫、いや恵理菜は、
かつてエンジェルホームで一緒に暮らしていた千草と再会し、
さらには、思いがけない新しい生命を授かったことで、新たな一歩を踏み出すことになる。
しかし、彼女の行く道も、希和子や恵津子同様、決して平坦なものにはならないはずだ。

ところで、ラストシーンは「心を震わせる」ほど、

どちらかというと、穏やかでとても静かな幕切れだった。
帯のコピーに、少し期待し過ぎたかもしれない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.04.30 14:52:48 コメントを書く
[文芸] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: