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Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2016.08.13
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カテゴリ: 教育・子育て
​ 話題の一冊。
 著者は 『でっちあげ』 の福田ますみさん。
 また、同じようなことが起こってしまったことに、
 世間は、懲りない人たちの集まりだと思い知らされる。

 これは、特殊な出来事ではない。
 どこの地域でも、どこの学校でも起こりうること。
 なぜ、ここまで学校は弱い立場なのか?


  いったい何が目的でさおりがここまで多くの人を糾弾するのか、
  山崎君にはわけがわからなかった。
  攻撃のターゲットは最初は担任の立花先生で、
  そのうちバレー部になり、
  そして最後は、「えっ、おれ?なんで」と信じられない気持だった。
  本音を言えば、保護者ひとりになぜ、
  県教委や学校は何も言えないのだろうと疑問に思ったのも事実だ。
  でもそうなれば、今度は母親の攻撃の矛先が
  裕太君に向かうからなのかなとも考えた。(p.155)

  無理難題を言う保護者であっても、
  教育的配慮から一歩も二歩も譲歩せざるを得ない。

  性善説で成り立っている学校という組織の宿命である。
  しかしその”配慮”が大きな禍根を残すことになる。(p.89)

  ところが、県教委こども支援課の前島や丸山は、
  事実を公表したくてもできないジレンマに陥っていた。
  公務員である彼らの前に、

  県議会で今井県議などによる追及の矢面に立たされても
  具体的な答弁が出来ず、袋叩きになっていたのである。(p.92)

たった一人の保護者とそれに肩入れする人々に、ここまでかき回され、
そして、その保護者のそれまでの行動が、大きな疑問符がつくものだと、
色々な立場の人が分かっていながら、何もできなかったのはなぜ?
結局、児相一時保護寸前で、裕太君を救い出すことが出来なかった。

  24日、県教委こども支援課の丸山は、
  尾野生徒指導主事、黒岩とともに佐久警察署に赴き、
  さおりを刑事告訴したいと申し出る。
  彼女の尋常ではない言動によって
  多くのバレー部員や保護者達が傷つけられている現状を、
  もはや見過ごすわけにはいかなかったのだ。
  応対した刑事課長はしかし、
  こうしたケースでは刑法犯として即逮捕は難しく、民事で訴えるか、
  いやがらせ電話についてはナンバーディスプレイ付きの電話にするなどの
  自己防衛策を講じるしかないという。
  ただ、さおりの言動は確かにひどすぎるので、
  生活安全課長の方から彼女に注意すると約束した。(p.74)

この段階で出来ることは、本当に他になかったのか?

  「お父さん、映ってるわよ!」。
  この日の夜、妻に言われてテレビ画面を太田が凝視したところ、
  番組は、撤回した雑談の部分を放送し、
  その後の発言をカットしてしまっていた。
  (テレビ局はあらかじめ、学校批判の筋書きを作っていたのか)
  そのうえ、自分では全く笑ったつもりはないのに、
  テレビに映し出された自分の顔がニヤッと緩んだように見えた。
  その瞬間、画面が別のニュースに切り替わった。(p.84)

  「あなた方には信じてもらえないだろうけど、大変な母親だったんですよ」。
  記者たちにそう言いたくても言えないもどかしさと諦めの気持ちが、
  あの緩んだ表情につながってしまったのだ。
  校長自身は当時の心境をこう分析する。
  記者たちは自分の話にしきりに頷いていたが、
  結局のところカメラがねらいを定めていたのは、
  あの表情だけだったのだろう。(p.151)

マスコミの常套手段で、驚くことは全くない。
しかし、見る側のリテラシーが、前時代的なままなのが大問題。
テレビに映し出されるものは、作り手に都合がいいように加工されており、
決して事実をありのままに伝えていないことぐらい、いい加減理解しなくては。

  「事情をよく知らない人から、
   あれは保護者とのボタンの掛け違いだったのではないかと言われることがありますが、
   そんなレベルをはるかに超えた事件でした。
   高山さんとは話し合いをしようにも、
   狂乱状態になってしまってどうしようもなかった。
   結局、言った者勝ち、訴えた者勝ちで、
   あれだけの騒ぎになってしまったのだと思います」(p.245)

当時、生徒指導主事をしていた教員の言葉である。
そう、その当事者でなければ、結局これぐらいの感覚でしかない。
高見澤弁護士だけでなく、今井県議、ルポライター・鎌田慧といった人たちは、
今、この事件をどのようにとらえ、自分のとった行動をどう思っているのだろうか。





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Last updated  2016.08.13 11:28:30コメント(0) | コメントを書く
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