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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2024.01.28
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カテゴリ: 文芸
NHK朝ドラ「ブギウギ」 の原案本。
 当然のことながら、登場人物に異なる名前が付されていたり、
 ドラマ独自の登場人物やエピソードが加えられたりしてはいるものの、
 おおよそ、本著に記されていることをベースにお話は進んでいるように思います。

 本著を読んで、改めて笠置さんと服部良一さんの結びつきの強さや、
 戦前・戦後のエンタメ界がどのような様子だったかを知ることが出来ました。
 それにしても、笠置さんの人生は、本当に山あり谷ありの波乱万丈で、
 「事実は小説よりも奇なり」ですね。



  「真珠湾攻撃」と、41年12月に仏印
  (フランス領インドシナの略。現在のベトナム・ラオス・カンボジア)沖で戦死した
  笠置の弟・八郎のために服部良一が作詞(ペンネームの村雨まさを)作曲した
  「大空の弟」である。
  この「大空の弟」がどのようなものだったかは残念ながらレコードも資料もなく、
  まったくの不明である。(p.55)

なるほど、そうでしたか。
では、ドラマで流れていたのは何だったのでしょうか?
調べてみると、2019年に眠ったままになっていた譜面が見つかり(本著単行本刊行は2010年)、
良一さんの孫・隆之さんがリメイクを担当することになったのだそう。

  そしてさらに言えば、ほんの少し前まで軍部の指導に従った

  言い換えれば”アメリカさん”の指導にも同じように従って(?)、
  人々が活き活きと戦後復興に立ち向かうという映画を作ったのだから、
  大衆というものの弱さ・強さ・したたかさを感じないわけにいかない。(p.72)

これぞ日本人……
と、思わずにはおれない記述。


  文学や映画も同様で、とくに流行歌は時代を映す鏡だ。
  歌詞に、今でいう差別用語が使われた流行歌は何も「買物ブギ」だけではない。
  現在では不適切な言葉とされているもので、他に(中略)などがある。
  それらの歌詞が使われた歌はみな、発表当時は何の指摘もされなかったのに、
  いつの間にか歌われなくなったり、歌詞が変更されたり、削除されたり、
  曲そのものがメディアから姿を消した。
  実はそれらの歌が、障害者や人権団体から抗議を受けたわけではなかった。(p.168)

本著で、最も深く考えさせられた部分。
次の「トニー谷の長男(6歳)誘拐事件」に関する記述も同様。

  37歳の犯人は動機を「人を小バカにしたようなトニー谷に反感を持った」と語り、
  メディアの一部は犯人に同情する。
  トニー谷は被害者であるにもかかわらず、
  「占領下時代にへんな英語をしゃべって急に裕福になった成り上がり芸人」という、
  なんとも理不尽な理由でマスコミからバッシングを受けたのである。
  以後、人気は急落し、トニー谷はメディア不審に陥る。
  彼がボードビリアンとして復活するのは1960年代後半からだ。
  だが彼の心の痛手は深く、マスコミ嫌いは終生変わらなかった。(p.238)

歴史は繰り返す……
というか、反省というものが……ない……





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Last updated  2024.01.28 22:14:38 コメントを書く


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