全152件 (152件中 101-150件目)
すっきりと晴れた日がなかなか来ず、Astroberryの最後の砦であるPlate Solvingのテストがなかなか実行できませんでした。2020年9月15日、雲が切れて一瞬の透明度の高い空に、木星と土星が輝いてきましたので、急遽Solvingの最終段階の撮影を実施できました。中途半端なSolvingの動画は山のように貯まりました。 ASiairでのPlate Solvingの経験はありますが、途中経過が直接観察されないのでAstroberryに期待していました。期待通りSolvingの経過が明瞭に観察されましたので報告します。 今回の内容は以下のとおりです。 1.Plate SolvingのためのAstroberryとSkySafaiのセッティング 2.土星へのKStarsによるGoToとPlate Solving 3.木星へのSkySafariによるGoToとPlate Solving 4.動画:AstroberryとPlate Solving: AZ-GTiマウントによるテスト・ラン 試験は、下の写真の機材で実行しました。操作は、WiFi(2.4 GHz)にてVNC Viewerを使用してリモートで行っています。WiFiでの操作を途中での遮断を気にして敬遠する方もいらっしゃると思いますが、「大丈夫です、安心して下さい」。これまでSynScan WiFiも含めて2年間、WiFiが切れたことは一度もありません。 試験に使用した機材全体【写真クリックで拡大します】 Solvingは、以下の機材などを使って実施しました。 ■Astroberry:ラズベリーパイ4B(電源付きUSB3.0ハブ付属) ■架台:AZ-GTi(赤道儀モード) ■シリアル接続:SynScan USB ■レンズ:EF 200mm F2.8L USM ■メインカメラ:ASi294MC Pro ■ガイドカメラ:ASi120MM Mini ■GPSドングル:U-Blox7 ■SkySafari:Ver.6 Plus AstroberryとAZ-GTiとの接続は、今回のテストではSynScan USBをハンドコントローラーの端子に挿してシリアル接続で実行しました。AZ-GTiの元々のWiFiを使って接続したい場合は、Astroberryの中にAZ-GTiドライバーが用意されているので、それを選択すればEthernet(WiFi)接続が可能です。 赤道儀を動かすには、日時情報と位置情報が一番肝となります。なのでUSBドングルとしてU-Blox7を使用してシステムとマウントの日時と位置情報の同期を計るようにしました。尚、ラズパイ上のAstroberryがUSBドングルを認識するためには、設定が必要となります。この設定方法については、ここに記載してあります。 また、Plate Solvingを実現させるためには、Astroberryの中に星図カタログ(星の地図データ)をインストールしておく必要があります。このインストール法は、ここに記載しています。 1.Plate SolvingのためのAstroberryとSkySafaiのセッティング Win10のPCをAstroberryのWiFiと接続し、VNC Viewerを立ち上げます。 Astroberryを立ち上げる際に、注意すべき点があります。それはGPSの挙動です。U-Blox7の場合は、衛星をフルに捉えるとLEDの点滅(以下:フラッシュ)が開始します。Astroberryを立ち上げる際は、このフラッシュが開始されてからの方が、のちのち日時と位置情報の同期がスムーズに進行します。フラッシュが開始されるまでの時間は、まちまちで1分後のこともありますが、10分くらい必要な時もありました。 VNC ViewerがAstroberryと接続した画面 KStarsを立ち上げ、さらにEkosを起動します。鉛筆マークをクリックしてProfileを編集します。ここでは、SynScan USBを用いたシリアル接続をしますので、Telescopeとして「EQMod」を選択します。カメラ(CCD)は、「ZWO CCD」を選択。Auxに、「GPSD」、「SkySafari」を選択します。 Profile編集でのドライバーの選択 Profileを実行すると、5秒くらい経つと自動接続のGPSが機能して、KStarsのシステム日時が更新されます。これで、Astroberryと赤道儀との日時と位置情報が同期されます。GPS情報がなかなか更新されない場合もあります。その際は、GPSのコードを一度、2~3秒間はずすした後、接続すると簡単に更新されます。理由はわかりません。 GPSがAstroberryの日時を更新した画面 Telescopeタブで一番肝心なポイントは、下写真の通り、赤枠で囲った箇所に、メイン鏡とガイド鏡の口径と焦点距離を入力することです。口径は関係ないと思いますが、この焦点距離の値を使ってPlate Solvingを行う際のFOVを自動計算して、使う星図カタログを決定しているようです。したがって、ここの枠に値を入力しないとPlate Solvingは開始されません。 鏡筒とガイド鏡の焦点距離の入力画面 Plate Solvingが実行される際には、星空をキャプチャーして、それを星図と比較して位置決めをしています。そのキャプチャーはFitsファイルでなければならないため、「Image」は、下画面のように「Raw」が必須となります。Rawでないと、意味不明のエラーメッセージが出現し、これまたSolvingが開始されません。 メインカメラの「Image」の設定画面 カメラの設定値で肝心なものは、露出時間です。露出時間は、左上の方にある「Stream on」をクリックしながら実際の像を見ながら調整します。 メインカメラの露出時間の設定画面 次は「Option」タブにある「Gain」の設定です。ノイズが極小になる最大の値を、上記の「Stream」を見ながら調整します。 カメラの「Gain」の設定画面 SkySafariは、下画面のとおり設定します。もちろんEkos上で「SkySafari」が接続されていなければいけません。詳細は、既述なので、ここでは省略します。 SkySafariの設定画面 2.土星へのKStarsによるGoToとPlate Solving テスト・ランとして、最初に土星をKStarsの星図から指定してGoToしました。SkySafariからも架台の位置が見れるようにしてあります。 このテストでは、Parkingの位置から出発です。土星へ向かって動きます。 Parkingから土星へのGoTo画面 土星へのGoToが完了したら、Ekosの「Alignment Module」を開きます。 「Alignment Module」を開いた画面 Plate Solvingを実行するためのパラメーターの設定です。必須のパラメーターを挙げますと、次のようになります。これらの入力以前に、FOVの値に対応した星図ライブラリーのSDカードへのインストールを忘れないように注意が必要です。全FOVに対応できるように、全部の星図ライブラリーをインストールしておけば気を使わなくて済むので安心です。 ・Exposure(露出時間):「Streaming」タブで設定した値と同じか、 Biningを大きくすると明るくなるので小さい値に設定します。 ・Bining:大き目の値に設定すると時間が短く済むとありますが、余り変わりません。 ・FOV:焦点距離とCCDより自動計算されます。 ・Solver:Astro.netにチェックを入れ、Offlineを選択します。 ・Solver Action:Slew to Targetにチェックを入れる パラメーターの入力を完了したら、下の画面のとおり「Capture & Solve」をクリックしてPlate Solvingを開始します。 Plate Solvingを開始した画面 キャプチャーをして星図との比較を繰り返しながらターゲットに近づけてゆきます。ここでは、13回の繰り返しで制限回数を越えてしまい、×マークが出てSolvingがストップしました。この制限回数はオプションなどで調整できるのではないかと思います。 回数制限をオーバーしてSolvingがストップした画面 「Capture & Solve」を再クリックして、Solvingを再スタートさせます。 Solvingを再スタートした画面 しばらくすると、ログメッセージにSuccessfulの文字が刻まれ、カラムの中にチェックマークが出現してSolvingが無事完了します。 土星へのGoTo & Solvingが完了した画面 3.木星へのSkySafariによるGoToとPlate Solving これまでの撮影システムはAstroberryのみならずASiairにしてもSkySafariが使えるようにしています。Plate Solvingを実行する際にSkySafariからのGoToをSolvingが認識するか否かを確かめるために、このテストを行ってみました。結果は、OKでした。 SkySafariから木星へGoToスタート 土星から木星へのGoToの途中画面が下の画面です。 土星から木星へのGoTo画面 GoToが完了し、「Capture & Solve」をクリックしてPlate Solvingを開始。途中で制限回数を越えましたが、再スタートして無事Solvingが成功しました。 木星のSolvingが完了した画面 SkySafariからGotoした情報は、全部Solvingへと引き継がれていることを確かめることができました。 4.動画:AstroberryとPlate Solving: AZ-GTiマウントによるテストラン 今回実施した、AZ-GTiマウントを使ってのAstroberryによるPlate Solvingの一部始終を動画にまとめています。このブログより、はるかに分かりやすいと思います。下の画面をクリックすると、YouTubeの動画が見ることができます。 Astroberry でのPlate Solving動画(写真クリックで動画へゆきます)【謝辞】 Astroberryをマスターしようと心に決めて、多くの人に助けられてAstroberryのPlate Solvingに到達することが出来ました。天文の趣味に入り、極軸微動装置やオートガイドにおけるトラッキングの要不要など、何もわからないまま、ここまでやって来れました。改めて皆さまに感謝申し上げます。また、残念な経験もしました。Astroberryの第一人者と思っていた人物へAstroberryを教えて欲しいと連絡したら、教えるのは有料だとか、何を思ったのか本ブログへの誹謗中傷の記事を書かれたりしました。そんな異常さと違和感を経験をしたことも備忘録として付記しておきたいと思います。
September 22, 2020
コメント(0)
Astroberryを勉強し始めて約3ヵ月が経過しました。Astroberryの画面を開いた時の複雑な画面にもすっかり慣れてきて違和感なく眺めることが出来るようになってきました。最終目標であるPlate Solvingもうまく行くようになり、まとめの段階に入っています。 さて、本日のお題は、Astroberryに接続出来ていなかったOnStep(ここではAlthiba)のマウントの接続方法に関するものです。接続運用できないとあきらめていたOnStep架台でしたが、ほんのふとしたイタズラから接続することが出来るようになりましたので報告します。 結論から記しますと、1.OnStep(Altheba)は、次の手順でAstroberryと接続でき、実用的に運用できる。 1)「LX200 TeenAstro」ドライバーを使ってOnStep架台と接続する。 2)「LX200 TeenAstro」での接続を終了し、ラズパイを再起動せずに「LX200 OnStep」にて接続。2.OnStep(Althiba)は、StellarMateと問題なく接続できるが、レスポンスが遅くで実用に耐えられない。 OnStepのAlthibaは、Astroberryでの運用を期待していましたが、他のソフトなどで使われているDriverである「LX200 OnStep」ではどうしても接続できませんでした。そこでStellarMateを導入して、同じ「LX200 OnStep」ドライバーを使って接続をトライすると難なくつながります。ところが全てのマウス入力に対するレスポンスが5~10秒もかかり実用になりません。 今回のコンテンツは以下のとおりです。 1.Astroberryとの「LX200 OnStep」ドライバーでの接続 2.StellarMateとの「LX200 OnStep」ドライバーでの接続 3.Astroberryとの「LX200 TeenAstro」→「LX200 OnStep」での接続 4.動画:AstroberryとOnStep(Althiba)マウント【追加しました】 試験は、下の写真の機材で実行しました。操作は、WiFi(2.4 GHz)にてVNC Viewerを使用してリモートで行っています。 試験に使用したOnStep機材全体【写真クリックで拡大します】 1.Astroberryとの「LX200 OnStep」ドライバーでの接続 AstroberryとOnStepマウントの接続テストは、下の図の機材で行いました。OnStepとは、シリアル接続です。USB-GPSも使用してシステムとマウントの日時と位置情報の同期を計るようにしてあります。 Astroberryとの接続試験に用いた機材 Win10のPCをAstroberryのWiFiと接続し、VNC Viewerを立ち上げます。 VNC ViewerのAstroberryとの接続 KStarsを立ち上げ、さらにEkosを起動します。鉛筆マークをクリックしてProfileを編集します。Telescopeとして「LX200 OnStep」ドライバーを選択します。 Profileでの「LX200 OnStep」ドライバーの選択 OnStep(Althiba)との接続不能の画面 Profileを実行しますが、OnStep(Althiba)とは下の画面のとおり接続できません。Astroberryのログでも「コミュニケーションが出来ない」と出てきます。この事実があり、AstroberryとOnStep(Althiba)との接続は不可能だと思っていました。 このサイトにおいてもTeensy系のOnStepがAstroberryとはネイティブでは接続できなかったとの記載があります。この場合は、rootユーザーに加えてAstroberryユーザーの許可を与えれば接続できたとのことでした。しかし残念ながら、ここまでの専門知識・スキルは持ち合わせていません。 2.StellarMateとの「LX200 OnStep」ドライバーでの接続 StellarMateのテストに用いた機材は、下の写真のとおりです。Astroberryと同様にGPSを稼働しています。StellarMateのネットでの評判は芳しくありません。私も試験的に使ってみましたが、まず起動がAstroberryに比べて、とにかく遅い。スイッチを入れてSSIDが表示されるまでの時間の遅さも半端ではありません。 StellarMateとの接続試験に用いた機材 StellarMateをVNC Viewerで立ち上げます。 VNC ViewerをStellarMateと接続する画面 Ekosを起動し、TelescopeのProfileに「LX200 OnStep」ドライバーを選択します。 Profileにおける「LX200 OnStep」ドライバーの選択 StellarMateとOnStep(Althiba)との接続画面が下の画面です。「Tracking」もOKです。 StellarMateとOnStep(Althiba)との接続成功画面 GPSからの日時と位置情報もTelescope側に入力されています。 StellarMateにおけるOnStep(Althiba)のGPS情報更新の画面 KStarsの星図を右クリックしてGoTo試験を行ってみました。GoToをクリックして、10秒以上経過してOnStep(Althiba)がピーとコマンド受け取りの音が鳴ります。クリックミスだと勘違いしてクリックを繰り返すとEkosとKStarsが停止することがあります。 OnStep(Althiba)架台は確かに目標に向かって動きますが、VNC Viewer上では現在位置は示されません。GoToが終了して10~20秒後にターゲット位置に移動するという遅延さです。 StellarMateにおけるGoTo画面 Hand Controllerでの架台の操作も不能です。クリックしても動きませんでした。 Hand Controllerにより動かない画面【追記】 StellarMateで次の疑問が生じましたので、試験を行ってみました。 1.StellarMateで「LX200 TeenAstro」のドライバーを使った場合はどうなのか? 【結果】「LX200 OnStep」ドライバーと同様の挙動を示します。動きがLX200 OnStepよりも少し早くなりますが、使いものになりません。 2.StellarMateでWiFiを5 GHzにしたら動きが早くなるのではないか? 【結果】 速度は速くならず、2.4GHz WiFiと同じレベル。操作途中でEkosとKStarsが停止することが多くなる。 3.Astroberryとの「LX200 TeenAstro」→「LX200 OnStep」での接続 OnStep(Althiba)を最初に「LX200 TeenOnstep」ドライバーを選択して接続します。このドライバーでは、接続は出来ますが、「Tracking」が On になりません。架台の日時と位置情報もGPSからの更新もされません。 最初は、「LX200 TeenAstro」ドライバーを選択します。 AstroberryとTelescopeは下の画面のとおり簡単に接続できます。しかし、「Tracking」が On になりませんので、使用不可能です。 「LX200 TeenAstro」ドライバーでの接続 ここで、Ekosを終了し、さらにKStarsも終了(閉じる)します。 Ekos、そしてKStarsを終了した画面 そこから再びKStars、Ekosを立ち上げます。Profileの中の「Telescope」のドライバーを「LX200 TeenOnstep」から「LX200 Onstep」に変更します。 Telescopeのドライバーを「LX200 Onstep」に変更した画面 今度は、OnStep(Althiba)は、Astroberryと接続でき、下の画面のとおり「Tracking」も On となります。 OnStep(Althiba)で、「Tracking」が On に出来た画面 Telescopeの日時と位置情報も下のとおりGPSからの情報に更新されています。位置情報はボカシを入れています。 Telescopeの日時と位置情報が更新されている画面 GoTo操作を行っても、画面上でのTelescopeの位置がオンタイムに表示され、スムーズに目標に向かって動いてゆきます。StellarMateでは、この表示が不自然で、ほとんど使えませんでした。 GoTo操作でも画面がスムーズに動きます Hand Controllerでの操作もスムーズに動かすことができます。StellarMateでは、この操作がほとんどできませんでした。 Hand Controllerでの操作もスムーズ 最後に、今回のAstroberryに対するOnStep(Althiba)の挙動について、Althibaの開発者である水谷氏に聞いてみました。すると次の回答が返ってきました。スキルのある方は参考にされて下さい。 「StellarMateにしてもAstroberryにしても初期状態からLX200で接続したときに、日付や観測地を多分OnStep側に聞いてくると思います。そこでAstroberryがOnStepに合ったコマンド書式を返していない可能性があります。プロトコルアナライザーで調べればわかるかもしれませんがUSB型のプロトコルアナライザーが高価で個人レベルで購入がむつかしいです。日付コマンドが通れば、次は赤経、赤緯データーの問い合わせ(GR、GD)になりますのでそこからは問題なく動作してると思います。」 「似たような事例がSkySafariのLX200Classic設定にも存在します。日付の反映にチェックを入れるとOnStepが反応しないことがあります。不思議に思ってOnStepのソースを確認しましたがOnStepはMEADE社の仕様書どおりでした。なのでSkySafari側に問題があります。ちなみにLX200のコマンド互換であるiOptronのIEQ45ではチェックを入れても問題なく動作します。そうなるとSkySafariは同じLX200コマンドで異なる動きをすることになり明らかにおかしいです。」 「LX200コマンドがアプリの製作者によっていろいろな解釈で動かない事例はあります。これは非力なマイコンのOnStep側で解決するには大変面倒です。あまり複雑なソース構成ににすると追尾精度にも影響が出てくるのでAstroberry側に修正依頼をかけて直してもらうのがスマートに行くと思われます。」 4.動画:AstroberryとOnStep(Althiba)マウント【追加しました】 AstroberryとOnStepマウントとの接続や、StellarMateとの比較テストの結果を動画にまとめました。文章による説明よりもわかりやすいと思いますので動画の方にもお立ち寄り下さい。 AstroberryとOnStep(Althiba)マウントとの接続(写真クリックで動画へゆきます)
September 7, 2020
コメント(0)
Vixenの SD81s と SDレデューサーHDキットを購入してずっとお蔵入りしていた。最近、「空宙散歩」のブログに写真入りの丁寧な取り付け方法が記載され、さらに立派な天体写真を発表されているのを拝読して、じゃあ自分もと触発され、鏡筒とレデューサーHDキットを接続することになりました。たいした内容ではありませんし、ブログを記載するにあたってネットを詳しく調べてみると次々に同じ内容のものが見つかりましたが、備忘録として記載することにしました。 いざ接続するとなると、定番のシステム構成図とブログの写真を見ながら実行しても、何故か最後までたどり着けないのが常です。結局は、Vixenに電話で問い合わせということになる。今回は、「空宙散歩」のブログの写真入りの接続方法があったので簡単に行きそうになったが、最後でつまずきました。鏡筒とフラットナーがメスねじ同士なのです。問い合わせると、フラットナーは鏡筒内に入り込み、鏡筒とはSDレデューサーHDのネジでネジ込むということで落着。なぜ、システム構成図に、そんな大切なことが記載されていないのだろう。 フラットナーを鏡筒内に入れ込む【写真クリックで拡大します】 端に、直焦ワイドアダプター60とEOS用のTリングを取り付けて、やっと無事に一眼カメラとの接続ができました。 一眼カメラとの接続 次は、本命のCMOSカメラとの接続方法です。面倒なので、いきなりVixenの問い合わせ窓口に聞いてみた。すると即座に、「SDレデューサーHDを取り付けてのCMOSカメラとの接続はできません。」との回答であった。「そんなことは無いはず」と粘ってもダメであった。本当にそうなのかとネットを検索したらば、接続法はここ「天体写真はじめるよ」のブログにありました。 上記のブログでは、直焦ワイドアダプター60DXが使用されていますが、直焦ワイドアダプター60でも大丈夫です。また、EOS-M42アダプターリングですが、AliExpressやAmazonに安価なものが販売されていますが、いずれもOKでした。ただ、ZWO社のものに比べて、Tリングとの接合に少しガタツキが感じられました。 CMOSカメラとEOS-M42アダプターリングの間に、M42スペーサーリングを入れてあるのは、合焦させるためのスペーサーです。使用するCMOSカメラによって要、不要があると思います。 CMOSカメラとの接続図 CMOSカメラを接続した写真が下の写真です。Vixen社のお問い合わせ窓口の「接続出来ません」は「日本の製造業の末期」を感じさせます。 SDレデューサーHD使用時のCMOSカメラとの接続
September 3, 2020
コメント(0)
前回まではAstroberryと架台との接続とセッティングが主題となっていましたが、今回はいよいよAstroberryのカメラ・ワークに入ってゆきます。Astroberryの中の「Capture Module」の操作法です。あと、Plate Solvingを含むアライメント編をマスターできれば、いよいよAstroberryを実践することができます。あと少し、ゴールが見えて来た感じです。 今回の内容は以下のとおりです。1.AstroberryとCMOSカメラによる撮影2.Astroberryと一眼カメラによる撮影3.Astroberryのカメラ操作法動画 1.AstroberryとCMOSカメラによる撮影 AstroberryでのCMOSカメラ操作法に入る前に、そもそもAstroberryはどのカメラが対応しているのかが気になります。ASiairの場合は、ZWO ASIカメラと、CANONと、NIKONのみです。以下にAstroberryが対応するカメラ群を示します。 Astroberryが対応するカメラ(1)【写真クリックで拡大】 Astroberryが対応するカメラ(2) Astroberryを使ってCMOSカメラで撮影する場合の接続図が下図です。ラズベリーパイ上のAstroberryは、PCとWiFiで接続されています。WiFiが途中で切れて不安定だという記載もチラホラ見られますが、私は操作中に切れた経験はありません。PC上のVNC Viewerというソフトを使ってAstroberryを遠隔操作します。架台や鏡筒から独立したところからの操作なので気持ちよく操作できます。 PCは、WindowsでもMacでもOKです。AndoroidやiOSやWinのタブレットでも構いませんが、Ekosのコントロール・パネルは条件入力が細かいので、マウスが使えた方が快適に操作できると思います。 CMOSカメラ接続図 AstroberryでのCMOSカメラ撮影に実際に使った機材は、 CMOSカメラ:ZWO ASI224MC レンズ:EFS 55-250mm Astroberry:Ver.2.02、ラズベリーパイ4B、128GB_SDカード ラズパイのケースは、今回の試験では金属製からプラスチックのケースに交換しています。交換理由は、WiFi電波の減衰の問題です。5Gを使うと明らかに減衰が大きく、実用に耐えませんでした。しかし、2.4Gの電波を使う限りは、金属製のケースで支障なく使えています。使用する上では金属製の方がラズパイを保護する観点で、使いやすい印象を持っています。プラスチックケースでは、ファンがオープンになって使いづらいです。 テストに用いた機材 AstroberryのSSIDの接続されたPC上のVNC Viewerを立ち上げて、Astroberryを起動させ、KStarsを立ち上げているところです。 KStarsを起動している画面 さらに、Ekosを起動し、Profileを開いた画面です。CMOSカメラとしてZWO ASI224MCを使うので、CCDとして「ZWO CCD」を選択指定します。 ZWO CCDを指定した画面 Profileを「Save」し、「▶」マークをクリックしてカメラが接続された画面が下の写真です。 CMOSカメラが接続できた画面 「Option」タブで、「Gain」のオートにチェックを入れ、「Format」に「RGB24」を選択。 「Gain」オートにチェック、RGB24選択 「Streaming」タブでは、「Encorder」としてRAW、「Rcorder」としてSERを選択します。 「Streaming」タブ INDIコントロール・パネルを抜けて、いよいよKStarsのカメラマークの「Capture Module」に入ります。下の画面が、「Capture Module」です。左上が多用する「キャプチャー・セッティング」の欄です。 「キャプチャー・セッティング」部分画面 この「Capture Setteings」の中にフレームサイズがありますが、自動的に入力されています。 CMOSカメラ撮影フレーム 「シークエンス・ボックス」部分画面 「リミット・セッティング」部分画面 撮影進捗状況表示画面 プレビュー画面へのスイッチ Previewをクリックすると、画像が出てきます。画像は 5-10 frames/secの動画になっています。滑らかではありませんが、安定した画像が逐次映し出されてきます。最大10倍の拡大も出来て、ここでフォーカス合わせも可能です。 プレビューが出て来た画面 プレビューを見ながら、ズームとフォーカスをテストしているのが下の画面です。プレビューのGainと露出はオートになっています。多分、どこかで調整はできるのでしょう。 プレビューでズームとフォーカス 撮影する露出時間を決めて撮影に移ります。Gainは、前述のオート・チェックになっています。ここでは、3つの露出時間を使っています。 露出時間を決める 次に撮影するコマ数を入力します。ここでは、各露出2コマ。 コマ数の入力 条件決定を終えたら、その条件を「+マーク」をクリックしてカラムの中に入れ込みます。 撮影条件を入れ込む画面 下の画面が4つのシークエンスを入れ込んだ画面です。「▶マーク」をクリックすると撮影開始です。 撮影開始のクリック 撮影された別画面が逐次出現します。撮影の状態は、逐次「Status」で表示されるので、わかりやすいです。 撮影が完了した直後の画面 撮影された画像は、Astroberryの中にあるアプリを使って見ることが出来ます。大変便利です。下の画面は、そのアプリで撮影したフォルダーを開いたところです。 撮影されたFITファイル 同じようにして「Dark」、「Flat」、「Bias」撮影が出来ます。試しにDark撮影を行ってみました。 「Dark」撮影を行う画面 「Dark」撮影を実行した画面が下の画面です。 Dark撮影を実行した画面 2.Astroberryでの一眼カメラによる撮影 次に、一眼カメラでのAstroberryの接続と操作を示します。テスト機材は次のとおりです。 一眼カメラ:EOS Kiss X5(天体改造) レンズ:EF 200mm F2.8L Astroberry:Ver.2.02、ラズベリーパイ4B、128GB_SDカード 接続方法は、下の画面のとおりです。カメラのミニUSB端子からケーブルでラズパイのUSB端子と接続し、カメラの設定は、マニュアル、露出時間:BULBです。 一眼カメラとAstroberryの接続図 試験に使用した機材は下の通りです。 一眼カメラ機材 Ekosの「プロファイル」画面です。CCDとして「Canon DSLR」を選択して、「Save」します。 一眼カメラ試験での「プロファイル」 プロファイルを実行すると、いきなり下の赤枠の画面が出てきます。一眼カメラのセンサーの解像度とピクセルの大きさを入力せよ、というメッセージです。一度入力すればセーブされます。 一眼カメラのセンサー仕様の入力 あと大切な入力箇所として、「Image Settings」タブのWidthとHeightの入力です。上のカメラセンサーの解像度を入力して「Set」をクリックします。 「Image Settings」の入力セット KStarsの「Capture Module」画面では、撮影するフレームがカメラセンサーの解像度の値で自動入力されています。 撮影するフレーム値 CMOSカメラと同様に撮影スタートをクリックするとシークエンスが開始されて、撮影が進んでゆきます。CMOSカメラと違って、一眼のシャッター音が大きく響きます。 一眼カメラでの撮影画面 撮影が終了すると、FIT Veiwerで撮影フォルダーを開いて閲覧できます。下の画面では、露出時間の違いによって画像の解像度の違い明確にわかります。 一眼カメラでの撮影ファイルの閲覧 CMOSカメラと同様に「Dark」撮影も行ってみました。 一眼カメラでのDark撮影 Astroberryでのカメラ撮影テストを行ってみて、設定が複雑で面倒という印象はありますが、明らかにASiairよりもはるかに使いやすいという感触を得ました。 3.Astroberryのカメラワークの動画 Astroberryを使ったカメラ操作や撮影テストを動画にまとめています。下の画面をクリックすると動画が開始されます。 Astroberryのカメラ操作編【画像をクリックすると動画へ飛びます】
August 24, 2020
コメント(0)
今回のAstroberryは、AstroberryをCelestron Advanced VX(以後、AVX)赤道儀に接続する試験です。さらに、これまではカメラを実際に接続したことがありませんでしたので、メインとガイドカメラの接続も実際に行ってみました。 実際に試験してみて驚いたのは、「USBの電流が不足してカメラが接続できない」事態に遭遇しました。その解決方法も含む下の様な内容です。1.AstroberryとAVX赤道儀との接続方法2.電源付きUSBハブとラズベリーパイとの合体3.AVX赤道儀の初期化4.Astroberryのセッティング5.SkySafari6 Plusとの接続6.GoTo試験7.AstroberryとAVX赤道儀との接続動画 尚、緯度経度(GPS)は、プライバシーの観点よりモザイクを入れています。 1.AstroberryとAVX赤道儀との接続方法 下の写真は、今回試験に用いた機材全体像です。 AVX赤道儀とAstroberryを取り付けた鏡筒【写真クリックで拡大】 下図が接続図です。Celestron WiFiモジュールは不要です。ハンドコントローラーにはミニUSBケーブルを挿して反対側をAstroberryのUSB端子に挿します。 接続図 2.電源付きUSBハブとラズベリーパイとの合体 Astroberryを扱っていると、時々WiFiの信号が見られないことがありました。その時は、このことを問題視していませんでしたが、今回上記の構成での試験で、どうしてもメインカメラのASI294MCが認識されない問題点が発生しました。以前、Astroberryのフォーラムで、USB-GPSを使う際にUSBの電流が不足する場合があるという書き込みを覚えていましたので、これは電流不足が原因ではないかと気付きました。すぐに電源付きUSBハブを準備しました。 電源付きUSBハブは、どういうものが良いか。Amazonで探し回りました。そしたら、下のような固定ネジがある良い物が見つかりました。しかも、このハブは電源が5VのマイクロUSBで好都合だったのです。 Astroberryが入ったラズベリーパイ4-Bには、5V(3A)の電源、USBハブには5V(2.1A)の電源を入力すると、USB-GPSを挿してもメインカメラとガイドカメラ全てが認識されました。 電源付きUSBハブ USBハブの下側にファインダー・アリガタを固定して、下の写真のようにラズベリーパイとUSBハブを合体させました。 電源付きUSBハブを取り付けたラズベリーパイ4-B 鏡筒のファインダー台座へ固定したのが、下写真です。そんなにお邪魔にならない形で固定できました。 ファインダー台座に取り付けたAstroberryのラズパイ 反対側から見た写真が下写真です。固定用の長めのネジはM5ネジだったので、のちに短めのホームセンターで購入したキャップ付きネジに交換しました。 ファインダー台座に取り付けたAstroberryのラズパイ(反対側) 3.AVX赤道儀の初期化 AVXの初期化の内容は、以下のようになっています。 1)現在の時刻 2)現在の年月日 3)アライメントの方式(One star) 4)アライメントの星の指定とGoTo 5)最後に「アライン」のボタンをクリックして完了です。 初期化のアライメント実行時の画面 「アライン」をクリックして初期化完了の画面 4.Astroberryのセッティング PCをAstroberryのWiFiに接続し、VNC Viewerを起動します。 VNC Viewerを起動する画面 Address: 10.42.0.1を入力すればAstroberryにつながり、リモート操作ができるようになります。 VNC ViewerをAstroberryにつなげる画面 VNC ViewerがAstroberryに接続されると下のような画面になります。一番最初の接続する際には、パスワード:astroberry を求められます。 望遠鏡マークの「KStars」をクリック(以降はワンクリック)します。 Astroberryが立ち上がった直後の画面 次に天文台マークの「Ekos」をクリックします。 Ekosを起動する画面 「Ekos」が起動したら、下の画面になります。USBなどに挿したデバイスを認識させるために「Connect」の作業に移ります。この作業を自動で行うやり方もあります。真ん中、上当たりに「Auto Connect」にチェックを入れる場所があります。チェックを入れると、これから行う作業は全部自動で実行してくれます。今回は、敢えて説明のためにチェックを外しています。 鉛筆マークの「Profile」をクリックすると下の画面が出てきます。TelescopeやCCDは、取り付けた機材を選択します。Aux1にはUSB-GPSのためのGPSD、Aux2にはSkySafariに接続するためのドライバーを選択します。入力編集を終えたら、右下側の「Save」をクリックします。 「Ekos」のProfile編集画面 次に、下の画面の赤枠の「進めマーク」をクリックして、Profileを実行します。「Auto Connect」にチェックを入れている場合は、直ちに自動で各デバイスに接続してくれます。 Profileの実行画面 「Profile」の実行画面が下の写真です。左から 1)GPSD 2)SkySafari 3)Celestron AVX 4)ZWOCCD ASI294 Pro 5)ZWOCCD ASI120MM mini のタグが表示されています。USBの電流が不足したりする場合は、デバイスがこのタグに表示されません。それそれのタグをクリックして、「Connect」をクリックしてゆきます。 下の画面は、「GPSD」タグの「Connect」をクリックした画面です。さらに赤枠の「GPS」をクリックすると、USB-GPSの日時と緯度経度情報が読み込まれます。 「GPSD」を「Connect」した画面 「SkySafari」をConnectした画面が、下の写真です。Connectが完了したという意味は、「スマホのSkySafariアプリを受け付けます」という意味です。スマホのSkySafariアプリを立ち上げないと、実際は使えません。 「SkySafari」ドライバーがスタンバイになった画面 AVX赤道儀の接続できた画面 次は、ASI294MC Proへの接続です。「Connect」ボタンをワンクリックで何事もなかったように接続できました。これらの画面のパラメーターは、これからの勉強です。 メインカメラに接続した画面 ガイドカメラに接続できた画面 「KStars」の画面に戻ると下の様な画面になっています。赤枠をクリックすると「Hand Controller」が出てきます。 赤枠をクリックするとハンドコントローラーが出てきます ハンドコントローラーが出てきた画面 5.SkySafari6 Plusとの接続 SkySafariを使うスマホのWiFiをAstroberryのWiFiにつなげている画面 AstroberryのWiFiにつながったら、SkySafariアプリを立ち上げます。 スマホのSkySafariアプリが起動している画面 SkySafariが起動したら、「Setup」に入ります。Mount Type は、 「Meade LX200 GPS/ACE,LX600」 なので注意が必要です。あくまでも、EkosのSkySafariドライバーと接続するためです。 Mount Typeの選択画面 IP Address:10.42.0.1 Port Number:9624 を入力します。 IP AddressとPort Numberの入力画面 「Setup」画面から抜け出して、「Connect」ボタンをクリックします。しばらくするとリンと音と共に接続されます。 SkySafariがAVX赤道儀の接続された画面 6.GoTo試験 GoTo試験は、Ekosから星を指定してから、Ekosで「GoTo」を行う場合と、SkySafariから星の指定とGoToを行う場合の2通り実行しました。 EkosからのGoTo試験 SkySafariからのGoTo試験 両者のGoTo試験は、共に順調でした。続いて「Parking」「Unpark」の試験も実施しましたが、何ら問題点はありませんでした。 Ekosの「Parking」を実行中の画面 7.AstroberryとAVX赤道儀との接続動画 今回の記事内容を動画にまとめています。下の写真をクリックすると動画(YouTube)へ進めます。 Astroberryを試験中のAVX赤道儀【画像をクリックすると動画へ飛びます】
August 13, 2020
コメント(0)
ASiairによる赤道儀のコントロールシリーズの最後の記事になります。手持ちの赤道儀の中で最後までASiairとつながらなかった赤道儀がCelestronのAdvanced VX赤道儀でした。つながらなかった理由は、この赤道儀は初期化が必要であり、初期化しないと、外部のコントロールを受け付けないことによるものでした。 今回は、ASiairがASiair Proとアップグレードされていたので、Proを使った試験を行いましたが、実質的には電源が5Vから12Vに変わったこと以外は同一条件と考えて良いと思っています。AVXマウントの初期化と形ばかりのアライメントを終えたあと、鏡筒としてVixenのSD81s、メインカメラとしてASI294MC Pro、ガイドカメラとしてASI120MM miniを使って接続試験を行いました。恒例のSkySafariとの接続試験も行い、ASiairによって全てが順調にコントロールできることを確認することが出来ました。 ASiair ProとAdvanced VX赤道儀 【写真クリックで拡大します】 今回の記事の内容は以下のようになっています。1.ASiairとAdvanced VX赤道儀との接続方法2.AVX赤道儀の初期化3.ASiairアプリのセッティング方法4.SkySafari6 Plusとの接続5.GoTo試験6.Celestron SkyPortalとの接続は危険7.ASiairとAdvanced VX赤道儀との接続(動画説明) 尚、緯度経度(GPS)の情報は個人情報保護の立場よりモザイクを入れています。1.ASiairとAdvanced VX赤道儀との接続方法 ASiair ProとAVX赤道儀との接続は、下図のように接続しました。スマホでのSkySafariでの操作を行うため、今回はCelestron WiFiモジュールも使用しました。SkySafariを使わない場合は、Celestron WiFiモジュールは必要ありません。 ASiairとAdvanced VX赤道儀の接続図 ハンドコントローラーの下部にミニUSB端子があるケーブルを挿し込み、それをASiairの任意のUSB端子に接続します。 ハンドコントローラーにミニUSBケーブルを挿し込む スマホでSkySafariを使用する場合は、WiFiモジュールをAux1端子に挿し込んで使います。 WiFiモジュールをAux1へ挿し込む ASiairを鏡筒のファインダー台座へ固定すると、ASiair回りは下写真のようになります。鏡筒のファインダー台座だと、コードのゴチャゴチャも和らぎます。 ASiairの実装場面2.AVX赤道儀の初期化 AVX赤道儀の初期化は、年月日、時刻の入力とアライメントの2つの作業があります。アライメントは、赤道儀の前回使用時の電源オフ時のホームポジションがしっかりしており、かつ今回使用時の赤緯と赤経の向きがしっかりしておれば、「実際のアライメントを実行せず、実行したことにする」で良いと思います。 今回の試験は、カペラが北極星の近くにある年月日時刻でありましたので、カペラを仮のアライメントStarとしました。 Oneアライメントとして選定したカペラ 画面通りに初期化を実行し、最後にアライメント・ボタンを押すと初期化完了の下の画面になります。この画面が出れば、外部からのコントロールを受け付けることが出来るようになります。 初期化完了後のAVX赤道儀ハンドコントローラーの画面3.ASiairアプリのセッティング方法 AVX赤道儀の初期化を完了してから、スマホのASiairアプリを立ち上げます。最初にスマホをASiairのWiFiに接続します。 スマホをASiairのWiFiに接続する スマホがASiairのWiFiにつながったら、スマホのASiairアプリを起動します。 ASiairアプリが起動した画面 ASiairアプリが立ち上がり、ASiairとつながると下のような画面になります。ここでカメラの選択や焦点距離を入力します。年月日日時とGPSデータがスマホからASiairアプリに読み込まれます。 ASiairアプリのカメラの選択と焦点距離の入力画面 「Enter」をクリックすると、下のような画面に移行します。望遠鏡のマークをクリックして、「Telescope Settings」を行います。 Telscope: Celestron AVX/CGE/CGEM/CGX Serial を選択して、「赤枠」をクリックします。 Telescope Settings画面 数秒後、ASiairとAVX赤道儀が接続して下の様な画面となります。GPSデーターにはボカシが入れてあります。 ASiairとAVX赤道儀との接続画面4.SkySafari6 Plusとの接続 SkySafariは大変使いやすいプラネタリウムアプリです。ASiairアプリでは星図がありませんので、SkySafariと一緒に使用すると安心感と面白味が出てきます。SkySafariアプリは、ASiairアプリと同一のスマホでも使えますし、別のSkySafari専用のスマホを使っても良いです。 ます、SkySafariを使うスマホをASiairのWiFiにつなげます。 SkySafariを使うスマホをASiairのWiFiに接続 一方、ASiairアプリを使っているスマホのWiFiを再設定します。つまり、Station Modeに変更します。下の画像のとおり、WiFi Station ModeとしてCelestron WiFiモジュールのSSIDを選択して設定します。 この設定により、ASiairアプリを通してCelestron WiFiモジュールに接続することが可能になるわけです。この設定で、1台スマホ使いの場合は、SkySafariアプリを立ち上げればSkySafariが使えます。2台使いの場合は、ASiairから出ているWiFi電波につなげば、Celestron WiFiモジュールに接続してくれます。 WiFi Station Modeの設定画面 SkySafariのSetup画面が下の画像です。以下の設定で接続できます。 Scope Type: Celestron AVX/CGE/CGEM/CGX IP Address:10.0.0.1 Port Number:4030 SkySafariのセットアップ画面(左側) 「Connect」ボタンをクリックし、しばらくすると「チーン」という音と共にSkySafariがAVX赤道儀とつながります。赤道儀が現在向いている方向は、「青い〇」で表示されます。下の画面では、一応「カペラ」へのアライメントを行った直後なので、青い〇はカペラを指しています。 SkySafariがつながった直後の画面 5.GoTo試験 次に任意の星を指定してGoTo試験を行ってみました。最初は、ASiairアプリから星を指定します。下の画面は、北極星を指定してASiairからGoToを行いました。 ASiairアプリからGoToした画面 次は、SkySafariからカペラを選択し、SkySafariからGoToした場合です。下画面のように順調にGoToできました。 SkySafariからのGoTo試験の画面 最後にEther接続(WiFi接続)が可能か否かを確認してみました。下の画面の条件でつながりました。しかし、シリアル接続で充分事足りているので、この接続は実質的には意味がありません。 Ethernet接続設定画面 Ethernet接続画面6.Celestron SkyPortalとの接続は危険 スマホをCelestron WiFiに接続して、Celestron SkyPortalに接続すると接続できます。 Celestron SkyPortalとの接続 接続後、SkyPortal画面はきちんと北極星を向いており、正常にみえます。 Celestron SkyPortal接続直後の様子 ところが、ASiair画面でCapellaを指定してASiairからGoToをかけると、Capellaを通り過ごして暴走をはじめました。要注意です。 Celestron SkyPortalによるAdvanced VX赤道儀暴走の様子 7.ASiairとAdvanced VX赤道儀との接続(動画説明) 本ブログに記載の内容を動画にまとまめています。多分、動画を見た方がわかりやすいと思います。下の写真をクリックしますと、YouTubeへゆきます。 ASiair ProとAdvanced VX赤道儀の動画【写真クリックで動画へゆきます】
August 10, 2020
コメント(0)
これほど医療やバイオ技術が発達し、PCR検査も完璧というご時世で、Covid-19対策として「外出の自粛」と「休業要請」しか方策がないのだろうか。これらの対策は、「社会、経済活動」と明らかに相反の関係にあります。つまりは、Covid-19の真の対策にはなっていない。専門家や学界、学者は、発言しないで黙っています。行き着くところは、「検査しても、陽性率が高いので対処のしようがない」。これは、本当の意味での医療崩壊になっていると思います。なのに、事実を曖昧にして、政治家だけが大声を出して騒ぎ立てています。 ASiairは、天体撮影の新しいプラットホームとしての可能性を広く知らしめました。その本家は、KStarsとEkosであり、それらを一体化してラズベリーパイにまとめたのが「Astroberry」と捉えています。 ASiairの時も、その手順のマスターにはかなりの時間を要しました。本家のAstroberryは、何度も挑戦しましたが、その画面の複雑さから挫折を繰り返していました。今回は、何とか継続しています。同じ志を持たれている同志の方の参考にとAstroberryの動画も作成しています。 Astroberryと赤道儀を接続してコントロールできれば、第一関門突破となります。前ブログでその記事を書きましたが、動画は未完成でした。今回、動画が完成しましたのでご紹介したいと思います。あくまで方法論は前回のブログ「Astroberryで天体撮影 5. AZ-GTi(EQM-35 Pro)との接続とSkySafariとの連携」で記載のとおり、ということで、今回は動画の紹介です。 1.動画のタイトル 「Astroberry と SynScan マウント. 接続と SkySafariとの連携」 ブログではAstroberryとの接続はAZ-GTiとの接続でしか確認していませんでした。その後、EQM-35 Proでも接続を確認しましたので、ブログ記載の方法を使えばSynScan系の赤道儀全般とAstroberryとがつながり、コントロールできると言えると思います。つまり、SynScan USBを利用すればシリアル接続が出来、SkyWatcher WiFi アダプターを使えばイーサーネット接続が出来ます。 SkySafariにこだわっている理由は、スマホ片手に見やすいプラネタリウムアプリのSkySafariでコントロールできるからです。ASisirでの経験からです。 2.動画の内容 1.シリアル(USB)接続 2.イーサーネット(WiFi)接続 3.AstroberryとAZ-GTI、EQM-35 Proの動作状況 3.Astroberryを内蔵したラズベリーパイ4 AZ-GTiマウント上のラズパイ4【写真クリックで拡大します】 EQM-35 Pro マウント上のラズパイ4 4.Astroberryでのコントロール試験に使用した赤道儀と鏡筒など AZ-GTiマウントとSD81S EQM-35 ProとSkyMAK127 5.Astroberryでコントロールしている場面 AstroberryとAZ-GTi AstroberryとEQM-35 Pro Astroberry内のSkySafariでコントロールしている画面 6.動画:「Astroberry and SynScan Mount」 下の画面をクリックしますとYouTubeの動画へ飛びます。Astroberryでコントロールする様子を見ることができます。 上の写真をクリックすると動画へ飛びます
July 11, 2020
コメント(0)
Astroberryも、いよいよ赤道儀との接続の段階になってきました。ASiairでも良く使用したAZ-GTiマウントでの接続を行ってみました。さらにSkySafariとの連携についてもテストしてみました。 折しも2020/6になり、Astroberry Server 2.01が2.02へとアップデートされましたので、バージョンアップの中身についても少し調べてみました。あまり変化はないように見えましたが、SkyWatcherのMountモジュールに、AZ-GTiが新たに加わっていました。EQMODとの違いは、EQMODがシリアル(USB)接続に対して、AZ-GTiはイーサーネット(WiFi)接続になっているという違いです。ということは、AZ-GTi以外のSynScan WiFiを使うマウントは、この方法で接続できるはずです。(【追記:2020/7/9】EQM-35 Proを使ってSynScan WiFiを挿し、Station Mode環境下で動作を確認できました。) 今回の内容は、 1.AstroberryとAZ-GTiのシリアル(USB)接続 2.シリアル(USB)接続の場合のGoToデモとSkySafariとの連携 3.AstroberryとAZ-GTiのイーサーネット(WiFi接続) 4.イーサーネット(Wifi)接続の場合のGoToデモとSkySafariとの連携 5.動画:AstroberryとAZ-GTiとの接続とSkySafariとの連携(2020/7/11 作成済) 1.AstroberryとAZ-GTiのシリアル(USB)接続 VNC ViewerのAstroberryの画面【写真クリックで拡大します】 SynScan系の赤道儀をシリアル接続する場合は、USB SynScanを使用すると簡単に接続できていましたので、Astroberryでもこれを使ってみました。全体の接続図が下の図です。 シリアル接続の場合の接続図 シリアル接続の場合、「Mount」は、「EQMod Mount」を選択します。 シリアル接続の場合のMountの選択 シリアル接続のProfile 「SkySafari」タブの「Option」の「Debug」を「Enable」にします。また、「Telescope」名を「EQMod Mount」のセットします。 「SkySafari」「Option」の設定 AstroberryがAZ-GTiとつながると、「三脚」マークが出ます。「三脚」マークのタブの右端の「Mount Control」をクリックすると、コントローラーが出てきます。 マウント・コントローラーを出す画面 マウント・コントローラーが表示されたら、SkySafariの接続を行います。スマホをAstroberryのWiFiにつなげます。 スマホをAstroberryのWiFiへつないだ画面 SkySafari6 Plusのアプリを起動し、Setup画面を開き、下のように条件を入力します。 Scope Type --Mead Lx200 GPS/ACF, LX600 Mount Type --Equatorial GoTo (German) IP Address:10.42.0.1 Port Number:9624 USB-GPSを使用している場合は、Set Time & Locationのチェックは必要ありません。 SkySafari6 PlusのSetup画面 2.シリアル(USB)接続の場合のGoToデモとSkySafariとの連携 動画ではないのでわかりにくいですが、KStarsからのGoToと、SkySafariからのGoToを試験してみました。いずれも良好に導入が出来ました。 GoTo試験とSkySafariとの連携 3.AstroberryとAZ-GTiのイーサーネット(WiFi)接続 2020年6月にAstroberry2.01が2.02にアップデートされて、Mountドライバーの中にAZ-GTiが新たに加わりました。このドライバーは、EQModがシリアル(USB)接続になっているのに対して、イーサーネット(WiFi)接続を可能にするドライバーです。従って、ドライバー名はAZ-GTiとなっていますが、SynScan WiFiを使う赤道儀であれば、このドライバーが使えるものと思われます。少なくともASiairの場合はそうでした。 イーサーネット接続の場合の接続図が下の図です。AZ-GTiのWiFiとは、Station Modeでスマホと接続されます。同じスマホでSkySafariも使えます。 イーサーネット接続の場合の接続図 EkosのProfileの編集画面が下図です。「Mount」に「AZ-GTi」を選択します。 イーサーネット接続のProfile AZ-GTiに未接続時のEkosの「AZ-GTi」タブ実行画面。 「AZ-GTi」タブの画面 スマホをAZ-GTiのWiFiにつなげ、SynScan Proを立ち上げます。「WiFi Setting」に入ります。 SynScan ProのSetting画面 WiFi Networkの中の「Station Mode」にチェックを入れます。そして、パラメータを入力します。 Station Mode:ON SSID:astroberry Password:astroberry Use DHCP:OFF Fixed IP:192.168.4.1 入力を終えると、右上の「Apply」をクリックします。 SynScan WiFi Station Modeの設定 SynScan Pro の画面は、下の様に「Applying Settings」となります。 AstroberryとAZ-GTiがつながろうとしている画面 AstroberryとAZ-GTiが接続すると、下図、右側のようにSynScan Proは、「All settings applied」となります。 AstroberryとAZ-GTiが接続した画面 Mountモジュールの中の「Mount Control」をクリックしてマウント・コントローラーを出します。 マウント・コントローラーを出した画面 SkySafari を使いたい場合は、スマホのWiFiを Astroberry へ接続する。SynScan Pro で Station Mode を設定したスマホを使っても Station Mode は維持されますので安心して下さい。 スマホのWiFiをAstroberryへつなぐ SkySafari6 Plusアプリを立ち上げ、「Setup」画面で、下図のようにセットします。 スマホのSkySafari6 Plusの「Setup」画面 イーサーネットで接続する場合は、シリアルl接続と比較してSkySafariがつながりにくい傾向にありました。 つながりにくい場合は、以下の2点を確認してみて下さい。 ① 下図のように、「SkySafari」「Option」タブの中の「Debug」を 「Enable」にする。 Ekosの「SkySafari」「Option」タブ ② 下図のように、「SkySafari」「Main Control」タブの中の「Connect」と「Disconnect」を交互にクリックして、下のLogにあるように「SkySafari server is running. Connect the App now to ・・・・・」が出ればつながります。 Ekosの「SkySafari」「Main Control」タブ 4.イーサーネット(Wifi)接続の場合のGoToデモとSkySafariとの連携 イーサーネット接続のGoTo試験とSkySafariとの連携 いくつかのAstroberryに関する情報で、「Unpark」をクリックすると不可思議な動きをするという情報があります。この「Park」と「Unpark」を繰り返して試験をしましたが、おかしな動きは全く観測されませんでした。 マウント・コントローラーの「Park」と「Unpark」
July 8, 2020
コメント(0)
天体観測、天体撮影は、ターゲットを望遠鏡の視野に入れ込むことと、その捉えたターゲットを動かさず維持させることが最も重要です。ターゲットに入れ込むための前段階の作業として、「アライメント」という作業があります。この作業は本当に嫌になる操作であり、作業です。最近は、この作業がいい加減でも良いと言う、Plate Solvingという技術が普及してきました。 私も、遅まきながらASiairでその Plate Solving の威力を経験しました。ところが、肝心のASiairがアップグレードし、価格が大きく高騰するという事態と、焦点距離が大きくなると Plate Solving が出来なくなるという欠点が見え始めてきました。もちろん、ZWO社のカメラを使わないと使えないという欠点ははじめからありましたが。 これらの ASiair の Plate Solving の問題点を解決するためには、本家本元のPlate SolvingをマスターしようということでASiairと操作方法が類似している Astroberry の中にある Ekos の Plate Solving を勉強することにしました。 ASiair の Plate Solving は、星図を意識することなく実行できますが、Astroberry の場合は、あらかじめ星図カタログ(Index Files)を準備してインストールしておかなくてはなりません。今回の号は、この星図カタログをダウンロードしてAstroberryにインストールする手順を記載してみました。 本ブログの内容は以下のとおりです。 1.星図カタログファイルのダウンロード 2.Astroberryへの星図カタログファイルのインストール 3.動画:Astroberry and Astrometry.net Catalog Index Files 1.星図カタログファイルのダウンロード Astroberry でPlate Solvingを実行する際、Plate Solvingを実行するために必要な アプリAstrometry.net はインストールされていますが、星図カタログのデータ:Indexファイルはインストールされていません。 星図カタログは、ここ Astrometry.net サイトよりダウンロードできます。 Astrometry.netのサイト【写真クリックで拡大します】 星図カタログは、2MASSカタログとTycho-2カタログの2種類あります。2MASSカタログを下に示します。番号が、4200番台のものが2MASS星図です。星図は画像ファイルのFitsの形式になっています。 2MASSカタログ Tycho-2カタログ ダウンロードした2つの星図カタログファイルは、まとめてUSBメモリーに保存します。容量は、以下のとおり。 2MASS:31.4 GB Tycho-2:339 MB 32GBのUSBメモリーでは容量不足となります。64GB以上 の容量が必要です。私は、128GBのものを使っています。 2つの星図カタログファイルの容量 2.Astroberryへの星図カタログファイルのインストール 2つの星図カタログファイルを保存しているUSBメモリー(TOSHIBA)とAstroberryが入っているラズパイ4を準備します。 Plate Solvingを実行する際には、全ての星図カタログファイルを使うわけではないので、全部のファイルをインストールする必要はありません。特に長焦点を使わない場合は、容量の大きい2MASS Catalogの4200番台のファイル群をインストールする必要はありません。しかし、本稿では、全てのカタログファイルをインストールするということで説明しています。 USBメモリーを挿したラズパイ4 AstroberryをVNC Viewer上で起動します。 Astroberryを起動した画面 Ekosを起動する画面 Profileの編集に入ります。 Profile編集起動画面 MountとCCDへSumulatorを入力します。「Save」して、Profileを起動します。 Profile編集画面 赤枠「弓の的」の記号マークのAlignをクリックします。 弓の的マーククリック時画面 下の方にある「〇赤枠」をクリックします。 赤枠「〇マーク」クリック画面 Astrometry.netの画面が出ます。 Astrometry.netの画面 赤マル枠の「Index Files」をクリックします。 「Index Files」をクリック画面 星図カタログファイルの一覧が出てきます。これらは、ファイル名と容量のみで、まだインストールはされていません。インストールされるとファイル名が緑色になります。 Index Files画面 次に、画面左上にあるメニューの「フォルダ」をクリックして、USBメモリーのTOSHIBAフォルダを表示させます。 メニュー「フォルダ」をクリックした画面 TOSHIBAフォルダをクリックして内容を表示させる。 TOSHIBAのフォルダーをクリックした画面 「Tycho-2」フォルダ内を表示させる。 TOSHIBAフォルダの中のTycho-2ファイル 「Tycho-2」フォルダにマウスを置き、右クリックし、「全選択」をクリックして、右側にある「/home/astroberry/.local/share/kstars/astrometry」フォルダへコピーします。 Tycho-2ファイルのコピーが完了した画面 Tycho-2のFitsファイルが全部コピーされたところで、「Astrometry.net」をクリックします。 赤枠の「Astrometry.net」をクリックした画面 「Index Files」をクリックすると、「Tycho-2」のファイルが緑色に変化しており、インストールされていることがわかります。 Tycho-2カタログファイルがインストールされた画面 TOSHIBAフォルダにマウスを置いて、右クリック。全選択を選んで、「/home/astroberry/.local/share/kstars/astrometry」フォルダへコピーします。 2MASSフォルダを表示させた画面 コピー完了後、左メニューの「Astrometry.net」をクリック。 全部の2MASSカタログファイルがコピーされた画面 一度赤枠のAstromony.netをクリックする。しばらく経つとインストールが完了します。 赤枠の「Astronomy.net」をクリックした画面 「Index Files」をクリックすると、下の画面になり、全部のIndex Filesが緑色になり、全ファイルがインストールされていることを確認することができます。 2MASSカタログファイルが緑色に変化した画面 全星図カタログファイルのインストール完了画面 3.動画:Astroberry and Astrometry.net Catalog Index Files 今回のAstroberry内のPlate Solvingを実行する際に必要となるAstrometry.netの星図カタログファイルの準備の行ない方を詳しく説明するために、動画も下のように公開しています。参考になれば幸甚です。 画面をクリックすると動画へ移動します。
July 5, 2020
コメント(0)
天体撮影を実行する時に使用するプラネタリウム・アプリは数多くあります。AstroberryにおいてもKStarsがあります。しかし何といっても使いやすいのはSkySafriだと思います。 ASiairにおいてもプラネタリウム・アプリが無くともGOTO & Plate Solving が可能ですが、SkySafariをお供にしておくと安心感と楽しさが増します。Astroberryのデフォルトのプラネタリウム・アプリはKStarsですが、さすがにSkySafariと比較すると視覚感と使い勝手があまり良くありません。 Astroberryの補助サービスの中に、SkySafariのドライバーがあります。それらの接続と動作確認を行ってみました。 本ブログのメニューは、以下の通りです。 1.Astroberry の補助サービス:Aux2 への SkySafari の設定 2.スマホの SkySafari とAstroberry との接続 3.SkySafari による Astroberry の日時と緯度経度の設定 4.スマホの SkySafari による Astroberry の導入確認 5.動画:Astroberry と SkySafari 1.Astroberry の補助サービス:Aux2 への SkySafari の設定 AstroberryのWiFiにつなぎ、PC上のVNC ViewerからAstroberryを立ち上げます。 Astroberryの起動画面【写真クリックで拡大します】 赤枠の天文台マークをクリックしてEkosを立ち上げます。 赤枠の天文台マークをクリックしてEkosを立ち上げる 赤枠の鉛筆マークをクリックして、EkosのProfile編集画面を立ち上げます。 EkosのProfile編集画面を立ち上げる Profileは、以下のとおり。 Mount:Telescope Simulator CCD:CCD Simulator Aux1:gpsd Aux2としてSkySafariを選択してクリック。 Aux2にSkySafariサービスを選択 「save」をクリックしてProfileを保存します。 Profile の 「Auto Control」 「Mode=Local」にチェック Profileを「save」する 赤枠の「▶」をクリックして、編集したEkosのProfileを実行します。 赤枠の「▶」をクリックしてProfileを実行 下がProfileの実行画面です。4つのタブから構成されています。 1.SkySafariタブ 2.CCD Simulatorタブ 3.Telescope Simulatorタブ 4.gpsdタブ すでに、「SkySafari」がConnection(緑色)になっています。 SkySafariが接続された画面 gpsdタブの中の日時と緯度経度情報 TelescopeタブのSite Management KStarsの日時情報(緯度経度は隠れています) 2.スマホの SkySafari とAstroberry との接続 EkosのProfileを実行し、「補助サービス:SkySafari」を接続したまま、スマホ(タブレット)のWiFiをAstroberryのSSIDに接続します。 スマホをastroberryのWiFiに接続 スマホをastroberryのWiFiに接続 スマホのWiFiがastroberryにつながった後に、アプリ:SkySafari6 Plus あるいはProを起動します。 スマホのSkySafariをクリック SkySafariを起動 SkySafariが起動するまで、少々時間がかかります。SkySafariが起動したら、下部の赤枠「Setting」をクリックします。 SkySafariが起動した画面 Scope Type として Meade LX200 GPS/ACF, LX600 を選択します。 Scope Type の選択 Set Time & Location にチェックを入れます。 Set Time & Location にチェック 次のパラメーターを入力。 IP Address:10.42.0.1 Port Number:9624 IP Address、Port Numbernの入力 3.SkySafari による Astroberry の日時と緯度経度の設定 SkySafariを接続する直前のTelescope Simulatorタブの「Site Management」の赤枠内の日時とLocationデータは、まだ更新されていません。 日時:2020/5/22 04:43:18 UTC SkySafari接続前の日時と緯度経度データに注目 下画面の黄枠「Connect」をクリックしたところです。接続するまでに少々時間がかかります。「Telescope Simulator」タブの「Site Management」の赤枠内の日時と緯度経度データは、接続前のデータです。 日時:2020/5/22 04:43:18 UTC SkySafariを「Connect」をクリックしたところ 下の画面は、SkySafariが接続さている途中の画面です。右側のEkosの「Telescape Simulator」タブの「Site Management」の日時が更新されています。同時に緯度経度もSkySafariによって更新されています。 日時:2020/5/25 01:07:06 UTC SkySafariが接続されている画面 下の画面は、SkySafariとINDIがつながった直後の画面です。SkySafariが向いている方向(北極星の方向)が「水色」になっています。 「Telescope Simulator」「Site Management」の日時 2020/5/25 01:07:06 UTC 「KStars」の日時 下のように更新されません。 緯度経度もSkySafariでは更新されません。 2020/5/22 11:47:01 PM SkySafariがつながった直後の画面 SkySafariが接続されても、下画面の左上に表示されているKStarsの日時は、更新されないままの日時を示しています。 2020/5/22 11:47:01 PM gpsdをconnectする USB-GPSを接続しています。gpsdがconnectされると、KStarsの日時は、 2020/5/25 10:06:04 AM へ更新されました。 gpsdをconnectするとKStarsの日時が更新された 以上よりSkySafariは、 ・AstroberryのMountの「Site Management」の日時と緯度経度を更新する。 ・KStarsの日時と緯度経度は更新しない。 ・KStarsの日時と緯度経度の更新には、GPS(gpsd)が必要。 4.スマホの SkySafari による Astroberry の導入確認 EkosにSkySafariがつながったので、SkySafari画面からターゲットの導入を試みてみます。まずターゲットとして、Capellaを選び、GOTOをクリックします。すると、SkySafariと同期してKStarsもCapella目指して鏡筒が動き始めます。 Capella目指して同期してGoTo SkySafariもKStarsも同時にターゲットへ到着します。 SkySafari も KStars も Capellaへ到着 動画では引き続き、次の動きを確認しています。 Capella → Rigel Rigel → Polaris 5.動画:AstroberryとSkySafari AstroberryへのSkySafariの接続、SkySafariによる日時と緯度経度の更新、およびSkySafariによるターゲットの導入の確認を動画にまとめています。下の画面をクリックしますと動画に進みます。 上の画面をクリックするとYouTubeへ飛びます
July 2, 2020
コメント(0)
天体撮影をおこなうに際して最も重要な情報は、現在の日時と撮影場所の位置情報です。ASiairの場合は、スマホからそれらの情報を取得しています。Astroberryの場合は時計もGPSも備わっていないので、外付けする必要があります。 AstroberryのハードウェアであるラズベリーパイにGPSを取り付ける方法として、GPSモジュールを組み込む方法とUSB-GPSを差し込む方法がある。ここでは、より簡便なUSB-GPSを組み込む方法を紹介したいと思います。尚、USB-GPSをAstroberryに接続するに際しては、特にLinux言語の取り扱いに関して全面的に「チャシャ猫@天メモオーナー 殿」に支援をしていただきました。改めて御礼を申し上げます。 今回はUSB-GPSとして ・BU-353S4 ・Blox-7を使用した例を示します。ブログを読んでいただければ、これら以外のUSB-GPSでもラズベリーパイに接続出来、Astroberryとして運用出来るようになると思います。本ブログの内容は以下の通りです。 1.AstroberryとBU-353S4を接続 2.AstroberryとBlox-7を接続 3.USB-GPSでAstroberryの日時と位置情報を更新 4.UTC(協定世界時)の調整 5.動画:AstroberryとUSB-GPS 1.AstroberryとBU-353S4を接続 VNC ViewerからAstroberryを起動した画面が下の画面です。まず、Terminalメニューをクリックして、プロンプト画面を出します。 Astroberryの最初の画面【写真クリックで拡大します】 最初にラズベリーパイのUSB端子に何も挿していない状態で、ラズベリーパイのUSBに関連するデバイス名をプロンプト画面を使って調べます。 USBデバイスをつないでいないラズベリーパイの状態 ディレクトリーはそのままで、 ls -l /dev/tty* と入力。(l は、アイではなく、小文字のエルです。) USBデバイスを調べる 入力後、下の様に種々のデバイス名の一覧が表示されます。 USBデバイスの名前一覧 次に、ラズベリパイにUSB-GPSであるBU-353S4を接続します。 USB-GPS: BU-353S4をつなぐ そして、同様に ls -l /dev/tty* と入力します。 USBデバイスを調べる すると、下の画面のように新たに ttyUSB0 のデバイス名が現われます。これが、BU-353S4 のデバイス名です。 BU-353S4のデバイス名が表示された画面 次に、EkosのGPSを管理する補助サービス gpsd の設定を書き換えます。もちろん、gpsd は最初からインストールされています。下の画面のように、vi エディターで、DEVICES=のところを書き換えます。 vi /etc/default/gpsd DEVICES="" → DEVICES="/dev/ttyUSB0" 書き換える。 vi エディターは癖がかなり強いので勉強が必要です。 /etc/default/gpsd を書き換える 次いで、 GPSD_OPTIONS="-n" → "" USBAUTO="true" → "false" と書き換えます。 GPSD_OPTIONS="" も書き換え :w !sudo tee % と入力して上書きする。 上書き保存する 次に、viエディターを終了する。 :q! vi エディターより抜ける gpsd の設定を書き換えたので、gpsd をリセットする。 sudo systemctl stop gpsd sudo systemctl disable gpsd sudo systemctl enable gpsd sudo systemctl start gpsd USB-GPS接続後の後処理命令 GPSをモニターする命令を送ります。 cgps -s GPSをモニターせよ!命令 下の画面は、GPSが感知する前の画面 GPSが機能する前の画面 GPSが衛星を感知し、データを送信開始後の画面が下の画面です。北緯と東経のデータはモザイクをかけています。 GPSが衛星を感知後のモニター画面 2.AstroberryとBlox-7を接続 AstroberryにBlox-7を挿入 Blox-7のデバイス名を確認 /etc/default/gpsdをBlox-7用に書き換えます 以下、BU-353S4 で実行した処理を同様に行います。 3.USB-GPSでAstroberryの日時と位置情報を更新 USB-GPSがAstroberry内のgpsdに認識されるように設定されたので、実際にUSB-GPSがgpsdを通して機能するかどうかを確認します。 Astroberry内のKStarsを起動し、右上にある天文台のマークEkosを立ち上げます。 天文台「Ekos」をクリック 鉛筆マークの「プロファイルの編集」をクリック 「プロファイルの編集」をクリック プロファイルの編集を行います。ここではTestの意味も含めてMountとCCDともにSumulatorを入力しています。 Mount: Telescope Simulator CCD: CCD Sumulator 「プロファイル」の編集 更に「Aux1」のプロファイルを編集します。右クリックして表示される項目から、「GPSD」を選択してクリックし、次に「Save」をクリック。 「プロファイル Aux1」の編集 次に、プロファイルを実行します。矢印マークをクリックします。 「プロファイル」の実行 下図は、プロファイルの実行画面です。左上の赤枠内は、Kstarsのシステム時間が表示されています。一方、中央赤枠内は「GPSD」の位置情報と時間、UTCが表示されています。下図は、USB-GPSが接続される前の状況です。 「GPSD」「Connect」前の画面 「GPSD」の「Connect」を実行後の画面が下図です。Connectクリック後、数秒経過すると左上の赤枠内のKstarsのシステム時間、中央赤枠内は「GPSD」の位置情報と時間が、USB-GPSの情報に更新されます。 尚、UTCのオフセットが+2になっているのは、Astroberryのデフォルトの中央ヨーロッパのタイムゾーンのままになっているからです。後述のように、タイムゾーンを日本に変更すればUTC+9となります。 「GPSD」「Connect」後の画面 「Telescope Simulator」タブの「Site Management」をクリックすると、時間と位置情報がUSB-GPSからの情報に更新されています。 USB-GPSによるマウントの時間と位置情報の更新 以上、USB-GPSが機能すると、Astroberryの補助サービスであるgpsdを通して 1.gpsd内の日時と位置情報が更新される 2.KStarsのシステム日時と位置情報が更新される 3.Telescopeの「Site Management」の日時と位置情報が更新される。 4.UTC(協定世界時)の調整 マウントの時間はUTCという協定世界時で管理されることから、Astroberryも使用する国のタイムゾーンに調整しなくてはなりません。タイムゾーンの調整はAstroberryの一番左のメニューの中にある「Preferences」の下から2番目の「Raspberry Pi Configrations」をクリック。 Preferencesメニュー Raspberry Pi Configrationをクリックして現れるメニューの「Location」タブをクリックし、その中にある「Set Timezone」をクリックする。 Locationタブ Timezoneの「Area」に Japan を選択してOKをクリックすれば完了。 TimeZoneの設定 このTimezoneをJapanの設定を完了すれば、デフォールトである中央ヨーロッパのUTC+2が日本のUTC+9となります。 5.動画:AstroberryとUSB-GPS 以上、「Astroberryで天体撮影 2.USB-GPSによるAstroberryの日時・位置情報管理」をお伝えしましたが、拙文では分かりにくいと思い、YouTubeに動画もアップロードしています。良かったらそちらにもお立ち寄り下さい。 動画:USB-GPSによるAstroberryの日時・位置情報管理【クリックでYouTubeへ飛びます】
June 29, 2020
コメント(0)
サイエンス不在の日本、どうなっているのでしょうか。緊急事態宣言解除後も皆さんマスクをし、意味不明のソーシャルディスタンスを取る毎日。何かが狂っています。コロナウィルスという病原体が確保され、その遺伝子配列も明らかにされています。にもかかわらず100年前のスペイン風邪の時代と全く同様の対策しか採られていません。うがった見方をすれば、サイエンスが政権や政治家のやってる感の演出のための道具として乗っ取られているという見方も取れます。東京都アラートのように、中身が何にもないのが実態なのである。 では、どうすれば良いのか。それは自明のこと。PCR検査を行い、見つかったら隔離する。感染症として当たり前のことをすれば良いのです。この当然の事が出来ない理由は、PCR検査をすれば陽性者がかなり多く出るのではないか。そこら当たりの情報は全く開示されていない。このことも不可解である。 さて、しばらく天文ブログも間が空きました。理由は、ASiairの使い勝手が余りにも良かったので、その原形となっていると思われるINDIのKStarsとEkosの勉強をしていました。具体的には、これらのソフトウェアがまとまられていて、ちょうどASiairと同じような形態をしたAstroberryの特訓です。長い梅雨の合間に備忘録としての意味も含めてまとめてみました。 今回の記事の内容は、以下のようになっています。 1.Astroberryの準備 2.ラズパイ4内のAstroberryを操作するアプリ:VNC Viewer 3.Astroberry内蔵アプリの選択メニュー 4.Terminalメニュー 5.KStarsメニュー 6.PHD2メニュー 7.Astroberry の機能紹介 8.Astroberryの第2の機能:Aux1~Aux4 9.タイムゾーンの変更 10.SSIDの変更 1.Astroberryの準備 まず最初にAstroberryを使うにあたって一番肝要なことは、Astroberryに位置情報(GPS情報)と日時情報を入力することでしょう。これらの情報が曖昧だと、正確な自動導入やPlate Solvingが実行できなくなりますので要注意です。日時情報はGPSから取得できますので、GPS情報が最重要です。GPSの取り扱いにつきましては、別のブログで説明します。 Astroberryは、ASiairと同様にラズベリーパイをハードウェアとして使い、マイクロSDカードに入ったソフトウェアを使う、統合型の天体撮影補助機材です。Astroberry Serverとも言われています。 Astroberryは、こちらよりダウロードできます。ダウンロードされるものは、OSやアプリなどから構成されたイメージファイルです。現在の最新版は、Ver.2.02です。7GBあります。マイクロŞDカードは、Plate Solvingの星座カタログなどのファイルを保存するためにも64GB以上が必要となります。マイクロSDカードをフォーマットします。フォーマットツールはこちらからダウロードできます。 ラズベリーパイは、ラズパイ3モデルB+あるいはラズパイ4モデルBを使用しますが、ラズパイ4モデルBが好ましいと思われます。ラズパイ4は、発熱量が大きいので冷却ファンは必須となります。ファンは3.5V接続で冷却能力は十分です。 冷却ファン付きケースに入れたラズパイ4モデルB【写真クリックで拡大します】 ダウンロードしたAstroberryイメージはEtcherというアプリを使ってマイクロSDカードに書き込みます。Etcherはこちらからダウロードできます。 ケースに入れたラズパイ4モデルBは、赤道儀に固定するために下写真のようにファインダー・アリガタを取り付けてあります。 ファインダー・アリガタを取り付けたラズパイ4モデルB Astroberryは、日本では一部を日本語訳し、使い易くしたとされるAstroberry-Jや、その後継となるAstRPiが領布されています。Astroberry-JやAstRPiを使用したことがありますが、日本語と英語がミックスされていること、マイクロSDカードの容量がフルに活用できない不具合があったことなどから、本家の英語版のAstroberry2.02の方が使い易いと感じました。また、本家のAstroberry Server がアップデートした場合、これら日本語版Astroberryは単純にアップデートできないとのこともあるそうなので、英語版を使うことにしました。 2.ラズパイ4内のAstroberryを操作するアプリ:VNC Viewer ラズベリパイに入ったAstroberryをWiFiを通して遠隔操作するソフトは、VNC Viewerが使い易いと思います。ASiairで言えば、スマホでASiairを操作するアプリのASiairに相当します。VNC Viewerは、WinやMacのPC、iOSやAndroidのスマホ用にアプリが準備されています。Astroberry内の様々なサービス(モジュール)はクリックを多用するので、マウスを使う方が勝手が良いです。そうなるとスマホよりWinやMacなどのPC上のVNC Viewerの方が使いやすいと思います。 Win上のVNC ViewerからAstroberryを立ち上げる画面 VNC Viewer でAstroberryを立ち上げる際は、次のIP AddressとPasswordを使います。 IP Address:10.42.0.1 Password:astroberry Astroberryが立ち上がると下の画面になる。上部のバーにマウスを合わせると、VNC Viewerのセットメニューが現われる。赤枠をクリックすると拡大、縮小のセットができるので、見易い%を選んで設定すれば良い。 Astroberryを立ち上げた画面 VNC Viewerの画面の拡大率の設定 3.Astroberry内蔵アプリの選択メニュー Astroberry内蔵のアプリ選択メニュー メニューをクリックすることにより下の画面となり、多くの内蔵アプリを選択できる。 Astroberry内蔵のアプリ1 Astroberry内蔵のアプリ2 4.Terminalメニュー Linuxのターミナルに入ることができます。 Terminalメニュー プロンプト画面 5.KStarsメニュー KStarsを立ち上げるメニュー。赤枠をクリックするとKStarsが立ち上がります。KStarsからさらにEkosに入ることが出来ます。 KStarsメニュー 6.PHD2メニュー PHD2メニュー PHD2をクリックするとWindowsでおなじみのPHD2の画面が出てきます。 PHD2の最初の画面 7.Astroberry の機能紹介 下の画面は、KStarsを立ち上げた時の画面です。上の右側赤枠の天文台をクリックするとEkosが立ち上がります。 KStarsの最初の画面 鉛筆マークのProfileのエディターを開きます。 ProfileのEditorを開きます 使用する鏡筒、カメラ、マウントなどに合わせて、Profileを記入します。最後は必ず「save」。 Profileを記入し、saveします。 次いで、赤枠のスタートをクリックします。 Ekosをスタート 7個の絵柄は、Ekosの7つのモジュールを表現したものです。 Ekosの7つのモジュール 以下、7つのモジュールの画面を紹介します。 Setup Module Schedule Module Mount Module Mount Module の右側の赤枠をクリックすると、ASCOM類似のマウント・コントローラーが出現します。 Ekosのマウント・コントローラー CCD Module Focus Module 弓の的のマークは、Align Moduleです。Plate Solvingを実行する時に使用します。 Align Module Guide Module 8.Astroberryの第2の機能:Aux1~Aux4 EkosにGPSの位置情報や時間を読み込ませようとする場合は、Aux1~Aux4に補助サービスのGPSDなどを設定します。右側にある「▼」を左クリックすると補助サービスの項目が出現します。 Auxの補助サービス Ekosは、7つのモジュールの他に、単一のデバイス・ドライバー類似の補助サービスがあります。この補助サービスは、Aux1~Aux4の右側にある「▼」をクリックすると出現する。数は132個もあります。 補助サービスの項目 例えば、SkySafari6 Plusを利用しようとした場合は、Auxの項目に「SkySafari」を選択して、Ekosと同期させます。 EkosにSkySafariを同期させる場合 9.タイムゾーンの変更 Astroberryは、デフォールトで中央ヨーロッパのタイムゾーンになっているので、日本のタイムゾーンに変更しなければならない。PreferenceメニューのRaspberry Pi Configrationをクリック。 Raspberry Pi Configrationをクリック Password: Password: astroberryを入力 Locationタブをクリック Set Timezoneをクリック LocationをTokyoにする 10.SSIDの変更 Astroberryを複数同時に使用する場合、SSIDが同一であるとWiFiが混信してしまいます。それを避けるために、SSIDを変更します。「チャシャ猫@天メモオーナー 殿」より教示していただきました。 Advanced Network Configrationをクリック Astroberry HotSpotを選択 SSIDを書き換えます 以上、Astroberryで天体観測 1.Astroberryの概略でした。
June 26, 2020
コメント(0)
政府のコロナ対策の不備がいよいよ暴露されはじめてきました。全てが五輪実行優先、経済最優先の政権方針に寄り添ったサイエンス無しの対策によるものです。臨床関連機関はフル稼働ですが、専門者会議や国の対策関連機関は何を為してきたのでしょうか。全く機能不全です。昔医学関連の仕事に携わっていましたが、サイエンスなしの実態を思い起こしました。In vitroの細胞での実験の中で、この薬品、化学物質を投与したら、細胞がこういう反応を示しました。この反応は有意や否やの話ばかりで、反応メカニズムの話は皆無。こんな研究が結構まかり通っているのが医学会専門者の実態です。今回の専門者会議はサイエンスが議論されず、英語を振りかざして人目を着かせる政治色の濃いい諮問機関に成り下がっています。 先にAptina社製(現在、ON Semiconductor社)の1/3インチのAR0130センサーを使った電子極軸望遠鏡の製作を話題に挙げました。その後、解像度が上位のAptina社製のMI5100センサーを使ったUSB3.0のCMOSセンサーを使ったCMOSカメラの作製を予定していますとの記事も記載しました。 USB3.0センサーモジュール【写真クリックで拡大します】 このUSB3.0のCMOSセンサーモジュールはAliExpressより一度入手してカメラ製作をトライしました。しかし、このモジュールのM12レンズブラケットのネジ間隔は、これまでの20㎜ではなく、18㎜でした。それを知らないままネジ止めをしようとしたら、回路に傷が入り機能不全になってしましました。 コロナのお蔭で中国からの納期が大幅に遅れ、やっと2度目のUSB3.0センサーモジュールが入手できましたので、計画通りカメラを作製し、月面を撮影してみました。 今回は、M12レンズホルダーブラケットのネジ穴間隔がモジュールによって異なるがわかっていましたので、ブラケットを交換しない方法で作製しました。それは、M12→C/CS変換リングを使う方法です。この変換リングはAmazonより入手できます。 M12→C/CS変換リング USB3.0CMOSモジュールをケースに4カ所ネジ止めします。ネジ止めの前に、ケース上部をネジ止めする際に基板の角がネジ穴に干渉するため基板の4か所の角をカットしておきます。 モジュールをケース下部にネジ止め ケース上部にM12レンズホールダーブラケットが通る穴を開けます。USB3.0端子も通すようにしておきます。 ケース上部の準備 このケース上部をモジュールをネジ止めしたケース下部と合体させ、ネジ止めします。 ケースを取り付けたモジュール M12ネジ穴にM12→C/CS変換リングをねじ込みます。リングには高さ調節をするナットが付いていますが、それを外します。ネジの加工精度が悪く、なかなか垂直にネジが入らないので慎重にねじ込んでいきます。 完成したCマウントCMOSカメラ ガイドカメラに取り付け、合焦することも確認できました。 ガイド鏡に取り付けたUSB3.0カメラ このUSB3.0カメラのCMOSセンサーは、以下の性能を持つとされています。 ・センサー: Aptina MI5100 ・センサーサイズ:1/2.5インチ ・ピクセルサイズ:2.2μm ・ピクセル数:2,560 × 1,920 pixel 一方、前回作製したAptina AR0130センサーカメラの性能は、 ・センサー: Aptina AR0130 ・センサーサイズ:1/3インチ ・ピクセルサイズ:3.75μm ・ピクセル数:1,280 × 960 pixel そして作製したCMOSカメラの性能を確かめるために月面撮影を行ってみました。比較として、Zwo ASI294MC と、Zwo ASI224MC にも登場してもらいました。 撮影実施日は、2020年5月2日、上弦の月の翌日でした。共通の条件は、以下の通りです。 鏡筒:SkyWatcher MAK127 (口径:127mm、焦点距離:1,500mm) マウント:AZ-GTi (赤道儀モード、月追尾モード) 撮影:SharpCap 2.9 動画 200 frames スタック(70%):AutoStakkert! 3.0 Wavelet:RegiStax 6【Zwo ASI294MC】 Zwo ASI294MCによる月面撮影【Zwo ASI224MC】 Zwo ASI224MCによる月面撮影(1) Zwo ASI224MCによる月面撮影(2)【USB3.0カメラ Aptina MI5100】 USB3.0カメラ Aptina MI5100による月面撮影(1) USB3.0カメラ Aptina MI5100による月面撮影(2)【Aptina AR0130センサーカメラ】 Aptina AR0130センサーカメラによる月面撮影 以上、4種類のCMOSカメラの月面撮影像を示しました。評価は、 1.自作CMOSカメラの解像度は極度に低く、実用に耐えない。 2.CMOSカメラの性能は、センサーの性能以上にドライバーの性能が効いている。 市販のCMOSカメラは、ドライバーで最適化されておりセンサー性能がフルに発揮されているが、自作CMOSカメラは簡単なドライバーによる稼働が強いられており解像度が非常に悪い結果となりました。モニター眼視による評価では、自作カメラも市販品と同様な像を結ぶことが出来るので、ガイドや極軸やファインダー用のカメラとしての用途には使えるものと考えられます。
May 6, 2020
コメント(0)
【OnStepへの端緒】 昨年(2019年)、急に赤道儀の平ギヤーのバックラッシュから解放されたいとう衝動に駆られ、ベルトドライブ式の赤道儀を探し始めました。不思議なことに、日本には小型のベルトドライブ式赤道儀は販売されていません。SkyWatcher社の大型赤道儀: EQ6-R GoTo が第一候補になりましたが、何しろ重いということで思いとどまりました。 ネットでベルトドライブ化キットを探すと2件見つかりました。 1) Rowan Astronomy のベルトドライブ化キット HEQ5 Pro をベルトドライブ化するキット。モーターやコントローラーは付いておらず、ただ平ギヤーをベルトドライブに変えるだけのキット。 Rowanのベルトドライブ化キット【写真クリックで拡大します】 2) Instein EU社の OnStep化キット モーターユニットとコントローラーから成るキット。システムは、OnStep制御に変わります。価格も結構安いです。ただ、WiFiの技適が通ってない課題はあります。 Instein EU のOnStep化キット これら2つのキットにも触手がのびましたが、海外からの導入なので問い合わせが困難ということで思いとどまりました。【Althiba赤道儀との出会い】 ある日、マチナカ天文台の水谷氏のブログを見ていたら、EQ5 GOTOをベルトドライブ化できるキットを領布するという記事を発見しました。早速、水谷氏に連絡を取ると格安に領布していただけることがわかり実行に移しました。当初は、赤緯軸の動きが怪しいEQM35 Proのベルトドライブ化を考え、水谷氏も了解されました。しかし、SynScan系マウントは手元に置いておきたいので、急遽、GP系赤道儀を中古で手に入れました。GP2をヤフオクで、GPD2をユーシートレード中古から。両者とも3万円前後でした。 基本的には Althibaは自分で赤道儀に組み込むことになっているのですが、ベルトの張り具合など微妙なところがありそうなので、組み込みもお任せでやってもらいました。全部で一台あたり 8万円前後だったと思います。とすると、モーターが付いていない EQ5赤道儀が5万円前後、これにAlthibaを組み込めば、立派なベルトドライブEQ5 GOTO赤道儀になる。なんだか、理想の赤道儀のような気もします。AVXは構造上の問題からAlthiba化は出来ないそうです。星見屋からは、Vixen AP赤道儀の改造版がCoolStep赤道儀として販売されていますが、高額過ぎると思います。 【Althiba 改造赤道儀の紹介】 外観は、下の写真の通りです。モーター駆動部のカバーは省略されています。Althibaの第一印象は、とにかく静かです。しかし、力強いモーターの回転。信頼感溢れる動きです。 Althiba改造GP2赤道儀 Althibaのモーター駆動部 Althibaのコントローラー部分 Althibaは、丁寧な設計の元に作られており、モーター駆動部との連結金具は、モジュール端子のようなチャチなものではなく、取り付けや取り外しが楽なガッチリした金具になっています。ベルトやモーター部分にはカバーはありませんが、ベルトドライブへの巻き込みを防ぐための頑丈な金属板が付いています。コントローラー部には、シリアル接続を可能にするUSB(タイプB)とST4端子があります。Althibaは、CoolStepよりも更に改良されており、モーターの駆動部分がより細分化されたスッテッピングに、トルクも60%もアップされているそうです。 Althibaは、少なくとも平ギヤーのバックラッシュから解放され、気楽に天文ライフをエンジョイできそうです。試験運用も含めて、ASiairとの試験を実行してみました。【AlthibaとASiairとの試験運用】 1) AlthibaとASiairとの接続 AlthibaとASiairとの接続方法 AlthibaとASiairとはUSB(シリアル接続)ケーブルで結びます。しかし、制御は全部スマホからのWiFiで行います。スマホはASiairのWiFiとつなぎますが、ASiairはAlthibaとStation Mode WiFiでもつながれています。スマホから見れば、AlthibaとはASiairの橋渡し(ブリッジ)によってつながれているわけです。同じスマホ内でSkySafariやOnStepアプリでAlthibaを制御したい場合は、アンドロイドに限られますが普通にアプリを起動すれば可能です。 2) ASiairアプリの設定 ASiairアプリの設定方法は、以下の手順です。 ・スマホをASiairのWiFiに接続する ・ASiairアプリを起動する ・ASiairアプリのWiFi設定に入り、Station Modeをクリック ・Station ModeをONにし、Althiba WiFiを指定する ・Althiba WiFiが上位に行き、チェックが入れば完了 Station Mode WiFi設定の完了図 ・Telescope Settings(望遠鏡のロゴ)をクリック ・Telescope Type:OnStep Electronicsを選択 ・Serial、あるいはEthernet どちらでもOKです。 Serial接続の場合は、下図のようになります。 Serial接続が完了した画面 Ethernet接続は、2種類のIPアドレス、Port番号の組み合わせでの接続が可能です。 Ethernet接続①の場合 IPアドレス:192.168.0.1、Port:9999 IPアドレス:192.168.0.1接続の完了画面 Ethernet接続②の場合 IPアドレス:10.0.0.1、Port:4030 IPアドレス:10.0.0.1接続の完了画面 3) SkySafari6との接続 赤道儀を動かす際に、現在の鏡筒が向く位置が直感的にわかる星図との連携があれば非常に楽しく天体撮影が出来ます。それを可能にするのが、SkySafariに代表されるアプリとの連携です。ASiairでGoToを実行する時、すぐさまアプリをSkySafariに切り替えると、GoToの動きを見ることが出来ます。ASiairを入れているスマホでSkySafariを使う1台運用と、SkySafariを別のスマホで運用する2台運用、どちらも可能です。iOSの場合は2台運用に限られるようです。 ・スマホ1台での運用 (WiFiは、ASiair WiFi につないだまま) ・Equipment Selection:Meade LX200 Classic ・Connection via WiFi IP: 192.168.0.1 Port: 9999 OK IP: 10.0.0.1 Port: 4030 OK SkySafariのセッティング画面 SkySafariのセッティング画面2 ・スマホ2台での運用 (WiFiは、Althiba WiFi につなぎます) ・ ・Equipment Selection:Meade LX200 Classic ・Connection via WiFi IP: 192.168.0.1 Port: 9999 OK IP: 10.0.0.1 Port: 4030 × SkySafari6 Plusの画面【Plate Solve機能】 ASiairの真骨頂は、このPlate Solving機能ではないかと思っています。自動導入を最初にトライし、GoTo後にターゲットがスマホの画面のど真ん中に映し出された時はビックリしました。 Plate Solve機能で導入されたM42【ASiairの極軸合わせ】 ASiairの極軸合わせを初めて使ってみました。撮影カメラの鏡筒で実行できるので、非常に便利です。ただ、水平、垂直微動合わせがリアルタイムでのモニターではないので少々不便です。動かした後にモニタースイッチをONにして位置を確かめる方式です。鏡筒を60度傾けるのは、自動で実行してくれます。 極軸合わせ実行中の画面 極軸がある程度合うと、下のようにニコニコマークが出現します。今回の初手合いでは、極軸合わせが20分もかかったので、「もう少し早く操作しなさい」というオセッカイなメッセージが出ました。まあ~、それもユーモアですか。 極軸合わせ完了時の画面【オートガイド】 極軸を合わせた後のオートガイドの精度が気になっていました。これまで、極軸を合わせずに実行したオートガイドの精度は、2~4"程度でした。極軸を合わせた後のオートガイドの結果が下写真です。精度は1”を下回る良い結果を得ることが出来ました。 ASiairでのオートガイドの結果【まとめ】 平ギヤーによるバックフラッシュを避けるためにベルトドライブ型のOnStep赤道儀を運用することになりました。マチナカ天文台の水谷氏のお蔭で優秀なOnStep化キットに巡り合うことができました。ASiairとの連携で、Plate Solving機能が使えて非常に便利です。 今回のAlthiba OnStep赤道儀とASiairとの連携記事をYouTubeにまとめました。下の写真をクリックしますと、YouTubeへ飛びます。 画面をクリックするとYouTubeへ飛びます
April 21, 2020
コメント(0)
コロナの感染拡大が止まらないようです。以前から疑問に思っていたことですが、空中にもコロナウィルスがいるのではないかという疑問です。空気感染はしないと専門家は言い切っていますが、それは感染した証拠がないだけであって、感染しないという証拠もありません。 つまりは、法曹界の判例主義と全く一緒のことが医学会でもまかり通っているように思えてなりません。飛沫感染はあり得ます。マイクロ飛沫が一番危険ですと言っておきながら、空気中にウィルスが漂っていないという確証は誰も得てないようです。今日になって、中国の病院で靴底から100%ウィルスが検出されたという報道が耳に入りましたが、きっと空中をウィルスは漂い、空気感染することは否定できないと思います。 さて、Topaz の DeNoise AI ノイズ除去処理が流行っているようで、時流に乗ってみました。対象物は、月面です。早速、元画像を見てみます。既にアップしました2020年4月2日の月面です。 2020/04/2の元画像【写真クリックで拡大します】 次に、Remove Noise=15、Sharpen=15、Recover Original Detail=0 処理の画像 2020/04/2の月【15-15-0 処理】 元画像の詳細部分を加味した処理 Remove Noise=15、Sharpen=15、Recover Original Detail=15 処理が次の写真です。 2020/04/2の月【15-15-15 処理】 処理前後の画像は、あまり変化は見られません。では、拡大してみたらどう見えるか。元画像と処理画像を拡大して並べたのが、下の写真です。 上:元画像、中:15-15-0、下:15-15-15 確かに、拡大してみると DeNoise AI 処理効果はあり、画像が鮮明になっています。が、何か作られたような像です。全体の粒子的なものも無くなっています。Recover Original Detail処理の効果はあまり見られませんでした。 続いて、4月5日の8モザイク合成の月面画像を処理してみました。画像の大きさは、8,081x7,964 pixel でした。何度 DeNoise処理してもアプリが途中で止まってしまいます(画面からアプリが消滅するトラブルです)。元画像を 6,000x5913 pixel にリサイズして処理を行うと最後まで進行しました。トライアルのためか、画像の大きさ制限があるようです。ちなみにPCのメモリーは 16GB です。処理後の写真が下の写真です。 2020/04/5の月【15-15-15処理後】 元画像は、変わり映えしないので省略しましたが、コペルニクス付近の拡大写真を比較したのが下の写真です。 2020/04/5の月面画像の処理前後【上:元画像、下:15-15-15処理】【結論】 拡大時の粒子低減には効果は見られますが、月面画像の処理ツールとして、Topaz の DeNoise AI の必要性は感じられませんでした。画像処理というのは、いつも後ろめたさを感じるのは私だけでしょうか。
April 16, 2020
コメント(2)
ASiairを衝動買いして早1年4カ月になります。最近ずっと自動導入の訓練をしていて、いかにファインダー内にターゲットを入れ込むことの難しさと煩わしさ体験し続けていました。その折、ASiairでPlate Solveが可能であるということを知り、早速習得を開始しました。そんな中、最も困難を極めたのはWiFi接続が安定しないことでした。安定というよりは、接続出来たり、出来なかったりの繰り返しの時期が続きました。 その原因は、最初に読んだマニュアルが良くありませんでした。本来は、ASiairアプリ内のStation Mode WiFiで接続すべきであるのに、そのマニュアルではSynScan Pro内のStation Mode WiFiを使うように記述されていたのです。それが混乱の始まりとなりました。 ずっと、赤道儀はASiairアプリでコントロールするのに、なぜSynScan ProアプリのStation Mode WiFiを使うのか、それが謎でした。そのマニュアル通りやってうまく接続出来て、赤道儀をコントール出来ることもあるので、益々状況を複雑にしてくれました。何十回と接続試験をするうちに、そのマニュアルは間違いであると確信できるようになったので、このブログの題材にしました。きっと困っている同胞がいるのでないかと。 しかし、Plate Solvingがうまく行き、ターゲットがスクリーンのど真ん中に導入された時はびっくりしました。こんなきゃしゃなラズベリーパイにこんな機能があるのかと驚かされました。これでファインダーでの導入から解放されそうです。 ASiairの訓練に使っているシステム【写真クリックで拡大します】 以下、ASiairとSynscan赤道儀(実際に使用したマウント:AZ-GTi、EQM35 Pro)との接続方法をまとめてみました。1.基本的な接続方法 1) ASiairとマウントとの接続はWiFi もちろんSerial USBケーブルを使って接続も可能ですが、単純化のために。 2) SynScan Proアプリは通常必要ではありません。 スマホ2台使いでマウントを操作したり、SkySafariを使用する際のみ必要です。 3) ASiairの中の Station Mode WiFi セッティングで SynScan WiFiとつなぐ。 ちまたの情報で、多くがSynScan Proアプリの中でStation Modeのセッティングを行うようなことが記載されていますが、それは間違いです。あくまで、ASiairアプリでStation Mode設定を行うことが正しいセッティング方法です。2.セッティング手順 1)SkySafariを使わない場合 ・スマホをASiair WiFiと接続 ・ASiairアプリを起動し、ASiairとスマホとを接続 ・ASiairのWiFi設定画面に入る ・Station Mode WiFiを開く ・SynScan WiFiをクリックする ・Station Modeに入ればSynScan WiFiが上位に来て、チェックが入る Station Mode を ON にします。 (この作業中ASiair WiFiが切断されることがありますが、再接続すればOKです) ・次にTelescopeセッティングに入ります ・Telescope TypeとIPアドレス、ポート番号を下のように選択あるい入れ込みます。 ・すると下のように赤道儀とつながります。 ・Sync to Mount をクリックしてSuccessが表示されればOKです。 (このSuccessが表示されない不完全な接続も経験しました) 2)SkySafariを使う場合 SkySafariを使う場合のWiFi接続は混乱させられ続けましたが、この方法だと確実につながります。 ・最初はSynscan WiFiとスマホをつなぎます。 ・Synscan Proアプリを立ち上げ、赤道儀モードでマウントと接続を完了します。 ・ASiair WiFiとつなぎ、上述の手順でStation ModeでSynscan WiFiとつなぎます。 ・Telescopeセッティングに入り、下のようにTelescope Typeを選びます。 ・赤道儀との接続がうまく行くと下の画面になり、Sync to Mount がSuccessとなります。 ・次に、SkySafari6 Plus あるいはProを立ち上げます(Freeのものではダメです) ・Setup画面を下のように整えます。 ・connectボタンをクリックするとチーンという音と共に赤道儀とつながります。 (SkySafari は、ASiairの Station Mode WiFiを通して赤道儀とやり取りします。よって最初にSynscan Proアプリを立ち上げておかないといけない訳です) 以上、ASiairとSynscan WiFiを使う赤道儀の接続方法について記しました。説明がわかりにくい場合は、YouTubeへ接続方法をアップしていますので、そちらを参考にされて下さい。 写真をクリックするとYouTubeへ飛びます。 また、ASiairとAZ-GTiマウントとの組み合わせで Plate Solving や オートガイドの練習した様子もYouTubeへアップしています。 写真クリックでYouTubeへ行きます。
April 13, 2020
コメント(6)
本日は2020年4月3日、コロナ渦が全世界を駆け巡っています。日本でも、外出自粛と人との接触を極力控えるという予防策しか方法がないという情けない状況である。これだけバイオの技術や知識が進歩したと言えども、昭和時代の手法しか採れないのである。 昭和の時代という言葉で思い出しましたが、先月の3月18日に下北沢駅前の喫茶店で元上司と15年ぶりに会いました。滅多に外出しない者が、このコロナ騒動でマスク姿で換気の悪い薄暗い喫茶店の奥のソファーで昔ばなし。元上司は未だにスパスパと喫煙、臭くてコロナに感染しそうでした。そんな中、BGMで昭和時代の懐かしい音楽が耳に入りました。 「これだ!」と。そうです、30年間探し続けていた音楽だったのです。失礼を承知で会話を切り、店の人に駆け寄って、曲名を聞きました。店の人は、すぐさまレコードを手に取り、曲名をメモしてくれました。「Hush, Hush, Sweet Charllote」と。曲の旋律の一部だけを覚えており、それから懐かしい曲名を探索する。ずっと探索をしてきましたが、最後に残った曲がこの曲でした。ほとんど諦めかけていた折、こんなところで発見できるとは思いもよりませんでした。1964年(昭和39年)頃の Patti Page が歌っていた曲です。コロナを恐れず行動を起こした結果、こんなご褒美に恵まれるとは、たいした運をお持ちの元上司です。 またまた前置きが長くなってしまいました。本日はASiairについて記す予定でしたが、時間がなくなりましたので、次回に致します。その代わりに昨日の月面写真をアップいたします。 2020/04/2の月【写真クリックで拡大します】 鏡筒:MAK127(f=1,500mm)、Mount:AZ-GTi(月モード) カメラ:Zwo ASI294MC Pro Stacking(AutoStakkart!3)、Wavelet(RegiStax6) 2画像合成(Microsoft ICE)、調整(Adobe Elements)
April 3, 2020
コメント(0)
新型コロナで日本の社会が眠りに入りました。論理やファクト皆無の小中高の一斉休校。感染リスクを高める学童保育拡充。科学的説明や論理が無いままの休校宣言。日本国民の大多数が首をかしげるも、この暴挙を誰も止めることが出来ない。まさに戦争突入時の日本の状態に似ている。県下では、感染者ゼロ。それでも、この暴挙に従う可笑しさと愚かしさ。日本は、大丈夫か! 前回のCMOSカメラ作製に引き続いて、今回はCMOSカメラのアイピース型とM42ネジ型の両刀使いができるカメラへの改良のお話です。1月15日に発注した部品がコロナのおかげで、やっと納入されました。 下の写真は、前回作製のCMOSカメラです。 M12レンズブラケットからのアイピース型CMOSカメラ【写真クリックで拡大します】 今回やっと届いたC/CSタイプ31.7㎜スリーブ用アダプターが下の写真です。 C/CSタイプ31.7㎜スリーブ用アダプター(右) 前回のCMOSカメラのケースを取り外します。 上側のケースを取り外したCMOSカメラ M12レンズブラケット(左)をC/CSレンズ用ブラケット(右)に交換します。 2種類のレンズブラケット C/CSレンズ用ブラケットに取り換えた写真が下の写真です。 C/CSレンズ用ブラケットを取り付ける モジュール全体をケースにネジ止めします。 ケース下部にネジ止めする 穴を開けた上部ケースを用意して、モジュールをネジ止めしたケース下部に被せビニールテープで止めます。メンテナンスのために敢えて接着剤などを使用しませんでした。 上部ケースを準備する 上部ケースをテープで固定します。 ケース上部をテープで固定 さらにC/CS→31.7mmスリーブ・アダプターを準備します。AmazonでもAliExpressでも販売しています。下の写真が、完成したアイピース型のCMOSカメラです。M12→31.7㎜スリーブから作製したものに比べて頑丈で、安心感があります。 完成したアイピース型のCMOSカメラ CMOSカメラを使用する際には、スリーブ方式では絶対に結像しないケースに遭遇することがあります。今回実際に、キャノンのEFレンズにM42アダプターを介してCMOSカメラを取り付けようとした際、結像距離が極端に短いためアイピース型が使用できない事例に会いました。 M42とC/CSを結合させるアダプターは、AliExpressで販売していました。下の写真の通り、このアダプターをネジ込めばM42ネジ型カメラの完成です。 C/CS→M42アダプター ここで、アップルパイとティーで休憩です。 休憩のアップルパイ 完成したM42ネジ型CMOSカメラです。発売予定のM-GEN3のカメラに良く似ています。 完成したM42ネジ型CMOSカメラ 用途としては、焦点深度が極浅いEFレンズにCMOSカメラを取り付ける際に便利です。 EFレンズに取り付けたCMOSカメラ EFレンズ→M42アダプターリングのフランジが厚く、どうしても結像しませんでした。しかし、アダプターを詳細に調べてみると、M42の孫フランジが結合しており、それを除去すると見事に結像しました。【追記】 EFレンズ→M42 アダプターリングについて詳しい説明を追加します。元々購入したアダプターは、下の写真のように2つのリングで構成されたものです。 購入したEFレンズ→M42アダプターリング 今回のCMOSカメラは、短い本体のみの構成で使用して結像しませんでした。しかし、本体フランジ部分のM42ネジを強く回すと、孫フランジが出てきました。つまり、本体は下の写真のように2つの部品から成る構成になっていたのです。製品説明には記載されていませんでした。 EFレンズ→M42アダプターリングの構成
March 5, 2020
コメント(0)
今回は、AZ-GTiマウントの赤道儀モードでのPoleMasterを使っての極軸合わせの様子と、PHD2を使ったオートガイドの実際を紹介したいと思います。 PoleMasterのAZ-GTiへの取り付けは、本ブログの「その5. PoleMasterまたは電子極軸望遠鏡を本体に直付け」に紹介した方法で行っています。 極軸合わせと、オートガイドは、下の写真のような構成で行いました。 ・極軸合わせ:PoleMaster ・PHD2オートガイド ・オートガイドCMOSカメラ:zwo asi120MM mini ・ガイド鏡:C-マウントレンズ(f=50mm F=1.4) ・PC:Core i5 Lenovo Note (譜面台に載せる) オートガイド構成【写真クリックで拡大します】 下の写真は、PoleMasterを使った極軸合わせの画面です。 PoleMasterを使った極軸合わせ画面 下の写真は、PHD2によるオートガイドの画面です。 PHD2によるオートガイド画面 極軸合わせと、オートガイドの一部始終を動画でキャプチャーしました。YouTube へアップしています。 極軸合わせとPHD2オートガイド(写真クリックで動画に移動します)
February 23, 2020
コメント(0)
前回の電子極軸望遠鏡作製に引き続いてCMOSカメラの製作を行う予定でしたが、コロナ騒動で部品の納品が大幅に遅れています。そこで、部品を使い回してCMOSカメラの試作を行ってみました。 先の電子極軸望遠鏡を分解し、素のCMOSカメラモジュールを取り出します。モジュールのCMOSセンサーは、Aptina社製(現在、ON Semiconductor社)の1/3インチのAR0130センサーを使ったものです。Pixelサイズは、3.75 x 3.75 μm です。下のように、2,400円でAliExpressより入手できます。その他の部品を含めて、価格と入手先を下に記しました。 AR0130 CMOSカメラモジュール AliExpress 2,415円 M12マウントレンズホルダーブラケット Amazon(中国) 100円 望遠鏡アダプター 31.7mm~M12マウント AliExpress 562円 タカチ・フランジ足付きプラスチックケース(TWF5-3-5) YahooShop 250円 ------------------------------------------------------------------------------------------- 合 計 3,327円 電子極軸望遠鏡のC/CSレンズホルダーブラケットを背面の2つのネジで取り外します。代わりにM12のブラケットを準備します。 M12レンズホルダーブラケット【写真クリックで拡大します】 M12ブラケットを背面より2本のネジで取り付けます。 ボードにM12用ブラケットをネジ止め モジュールを保護するケースはABS樹脂製(プラスチック)のTWF5-3-5 のケースを使います。ボードをネジ止めするケース土台は、あらかじめボードのHX端子などの出っ張りを貫通する穴を開けておきます。 ボードをネジ止めする ケース後部は、HX端子の出っ張りを包み込む役割を果たします。USBコードを通すように5mm角くらいの穴を開けておきます。 ケース後部を準備する ケース後部をとりつけ、前側からネジ止めします。 ケース後部をネジ止めする ケース前部は、M12レンズホルダーブラケットが貫通する穴を開けます。凡そ15㎜くらいの直径になります。ケース前部を取り付けます。 ケース前面を被せる ケース前部をテープで固定します。 ケース前部をテープで固定 さらにM12ブラケットにねじ込むM12→31.7mmスリーブ・アダプターを準備します。Amazonで「>望遠鏡アダプター 31.7mm~M12マウント」という名称で売っています。中国から送ってきます。不思議なことに、本場のAliExpressではこの部品は見つかりません。 望遠鏡アダプター 31.7mm~M12マウントを準備する 前面に、この望遠鏡アダプターをネジ込めばCMOSカメラの完成です。 M12→31.7mmアダプターを取り付ける 実際にガイドスコープに完成したカメラをアイピース口(31.7mm)に差し込みました。きちんと結像しました。 ガイド鏡に取り付け 完成したCMOSカメラの実際の見え心地は、zwo asi224MCと同等でした。もちろんガイド端子はありませんが、カイドに使う場合はASCOM経由で使えば可能です。 今回は、M12~31.7mmのアダプターを使用しましたが、C/CS~31.7mmのアダプターも使えるはずです。むしろ、そちらの方がねじ込み口が大きくと堅牢なカメラになるはずです。この31.7mmのアダプターは、AliExpressで見つかっており、発注しているところです。 望遠鏡アダプター C/CS ~31.7mm 上のアダプターが入手できたら、また報告したいと思っています。また、AliExpressでUSB 3.0を搭載するCMOSカメラ・モジュールも見つかりました。USB 3.0なのでデーター転送速度が大きくて使い易くなるメリットがあります。 USB 3.0を搭載したCMOSカメラモジュール このモジュールを使った工作も行いたいと思っています。
February 22, 2020
コメント(0)
前回、ウェブカメラを改良して極軸望遠鏡を作製しましたが、お約束通り、CMOSカメラモジュールから極軸望遠鏡を作ることに挑戦してみました。これらの工作が可能である理由は、中国が部品を惜しげもなくユーザーに公開して販売しているからです。 今回使ったCMOSカメラモジュールは、Aptina社製(現在、ON Semiconductor社)の1/3インチのAR0130センサーを使ったものです。下のように、2,400円でAliExpressより入手できます。その他の部品の価格と入手先を下に記しました。 AR0130 CMOSカメラモジュール AliExpress 2,415円 C/CSマウントレンズホルダーブラケット Amazon(中国) 100円 Cマウントレンズ(f=35mm, F 1.7) Amazon(中国) 2,300円 タカチ・フランジ足付きプラスチックケース(TWF5-3-5) YahooShop 250円 ------------------------------------------------------------------------------------------- 合 計 5,025円 AR0130センサーのCMOSカメラモジュール【写真クリックで拡大します】 CMOSセンサーモジュールでは、M12の魚眼レンズがはめ込まれています。M12のブラケットは、ボード背面の2つのネジで止められていますので、簡単に外せます。 レンズホルダーブラケットはAmazonより入手できます。中国から直送されてきます。M12とC/CSの2種類のブラケットが4~5個づつ入って、1,000円とコスパ最高です。ブラスチック製と思いきや、立派な金属製でした。今回は、C/CSブラケットを使用します。 M12(右)とC/CS(左)レンズホルダーブラケット モジュールを保護するケースはABS樹脂製(プラスチック)のTWF5-3-5 のケースを使いました。Yahooショップで製品名を入力すれば出てきます。確か1個が165円くらいだったと思います。送料の方が高いです。 フランジ足付きプラスチックケース(TWF5-3-5) CMOSモジュールで取り扱いが一番やっかいな箇所は、USBコードです。ボードとUSBコードの接続は、4ピンのHX端子となっています。このモジュールのUSBコードはが太いもので、折り曲げたりすることが出来ません。よって、このHX端子の出っ張りとコードを保護するケースが必要になります。そのケースとして塩ビの管です。直径が50㎜弱で、片方が塞がっています。 塩ビ管ストッパー 塩ビ管の片方の塞がった方に、マウントに取り付けるためのPoleMasterアダプターを3個のM3ネジで止めました。 PoleMasterアダプターと取り付けた塩ビ管 ケース下側は、ボードのHX端子などの出っ張りと衝突するのでくり抜きます。 背面をくり抜いたケース部品 くり抜いたケース下側にCMOSモジュールをネジ止めします。ネジはM1.8、長さ10㎜のものがフィットしました。 ケース背面にモジュールをネジ止め ケース上側は、C/CSレンズホルダーブラケットが貫通する穴を開けます。凡そ28㎜くらいの直径になります。金属に比べれば、はるかに楽な加工作業ですが、静電気でくっつくプラスチック粒子には閉口させられます。 円形穴を開けたケース前面をネジ止め 前面にCマウントレンズをネジ込めば極軸望遠鏡の完成です。 Cマウントレンズを取り付けて完成? ところが、どうみても後ろ側にある塩ビの筒が余りにも不格好です。塩ビの筒は、HX端子から伸びるUSBコードを収めるための苦肉の策です。垂直に立ったHX端子を短縮できれば良いのですが。 考えること一昼夜。ダメもとでHX端子の太いコードを曲げてみました。固そうなコードが意外と簡単に直角に曲がることがわかりました。コードがコンパクトにまとまれば、下の写真のように配列すれば、このケース部品にコード格納できます。 改良版のケース配列 実際にケースにコード端子の部分が収まりました。早速、ケース背面にPoleMasterアダプターを取り付けました。 PoleMaster用アダプターを取り付けたケース 3つのケース部品を合体すれば完成です。塩ビ管を使うものよりも、はるかにスマートになりました。 前面に穴を開けたケースを取り付けます 前面ケースは、ネジ止めできないので、ビニールテープで止めてあります。 完成したAR0130センサーの極軸望遠鏡 前回作製した極軸望遠鏡(左) と PoleMaster(右)と今回作製した極軸望遠鏡(中央)を並べてみました。軽量でコンパクトにまとまり使い回しが良さそうです。 今回作製の極軸望遠鏡(中央) SharpCapやPHD2で映る像を見てみましたが、解像度の高い像を結ぶことができることを確認できました。このように、中国(AliExpress)のお蔭で、5,000円前後で質の高い極軸望遠鏡が作製できることがわかりました。
February 18, 2020
コメント(0)
新型肺炎コロナウィルスで大騒ぎの昨今、大型クルーズ船の扱いが国際問題になっています。日本でのウィルス感染を防ぐための措置として3,700人もの乗客乗員をクルーズ船に閉じ込める前例の無い措置である。感染防御なる措置は妥当にしても、全員のウィルス検査がなされない不合理さはマスメディアでも言及されていたが、私自身も首をかしげていた。結論から言うと、日本に検査体制が整わなかったという後進国並みのお粗末さである。この後進国並みの技術インフラの遅れを隠すために、武漢ないし湖北省滞在歴のある人しか検査できないとか、指定感染病や新型感染症の法律の壁があるとか、ごまかしに奔走する厚労省の関係者はやっきになっていた。 ウィルス検査は、抗体があれば瞬時に1万人以上の検査は可能であるが、抗体のない現状ではPCR検査に頼らざるを得ない。マスメディアで保健所や感染症検査所などのスタッフが偉そうに非常に難しい検査ですとアピールしていましたが、とんでもございません。PCR検査は、開発されてから40年経過しているバカチョン検査なのです。特に、民間の検査センターでは最新式の自動検査機を導入しており、政府が依頼すれば直ちに5,000検体くらいは「朝飯まえ」であると思う。今回のクルーズ船のウィルス検査を行えなかったのは、ひとえに厚労省職員の無責任さと使命感の欠如と断言できる。誰が指揮を執っていたのが明らかでないが、このような職責を全うしない者たちを是正する、真の働き方改革を行って欲しい。 前置きが長くなってしまいました。今回のお題は、Zwo社のAsiairの話題です。Asiairのアプリは最近、極軸合わせもできるようになり、さらに有用性が高まっています。その反面、オートガイドがPHD2に比べると、少々不正確であるとの書き込みも見られます。また、Asiair Proの発表もあり注目されている便利グッズです。 Asiair本体【写真クリックで拡大します】 Asiairの派手なケースを取っ払うと、中からラズベリー・パイ3B+が出てきます。市販品のラズパイ3B+との違いは、S/N(シリアル・ナンバー)だけです。 Asiairの中身のボード これまでAsiairをどのようにして赤道儀に取り付けるか悩んでいました。付属品に取り付け用のペッタン・バンドがありますが、何だか使う気になりませんでした。Asiair Proを見た時、「これだ!」と思いました。 早速、金属製のケースとファインダー用アリガタを購入して、それらを1/4インチ・カメラねじで固定しました。アリガタは、ヤフオクを通してMore Blue社から「FG304-ビクセン規格40mmファインダー脚座 アリガタ」として、税込み1,500円で販売されています。 Asiairのケースにファインダーアリガタを付ける ファインダー台座に取り付けたのが下の写真です。オチャラケのプラスチック・ケースとは違い、格調も高くなりました。Asiairのケースの抜け殻は比較のために置いただけです。 ファインダー台座にAsiairを取り付ける さてさて、Asiair Proへのバージョンアップは行なうべきかどうか、迷います。Live Stack機能は魅力ありますが、それだけのために・・・・・。
February 17, 2020
コメント(2)
小泉環境大臣が、育児休業を取るということが話題になっています。何か違和感を感じます。働き方改革の先陣となるようなことも発言しているようですが、先陣とは、本来苦労や苦難を伴うことを指しているいるはずです。休業は何の苦労もありません。 しかも、働き方改革?? 何ですか、この改革とは。未だに一部上場企業の人事課では、有給休暇の取得率の高い人は、人事考課を下げています。一方で、有給休暇を100%取得しましょうというキャンペーンも進めています。2枚舌が当たり前の民間企業の人事課の現実を、小泉さんは知っているのでしょうか。小泉さんの真似をして民間企業で育児休業を取ったら悲惨な目に遭うことは自明のことです。日本社会の今は、育児を担う手が無い場合の最終手段として、男性の育児休業があるわけで、小泉さんのようにリッチな人は、ベビーシッターなどの手段がいくらでもあるわけで、働き方改革の先陣とは100%なり得ないと断言できます。 2018年に天文の趣味に入り、面白くて収集したのがウェブカメラでした。数多くのカメラの中で、感度が高くて画像の鮮明さで異彩を放っていたのがAptina社製(現在、ON Semiconductor社)の1/3インチのAR0130センサーを使った下のHD Digital Cameraでした。Amazonで6,500円くらいでした。顕微鏡用に使ったりもしましたが、結局お蔵入りしていました。 AR0130を使ったウェブカメラ【写真クリックで拡大します】 極軸望遠鏡は、PoleMasterを使っていますが、複数の赤道儀を一斉に稼働する場合は不便なのでバックアップを作製することにしました。極軸合わせは、SharpCapを使うことを想定しています。 USBコードの位置が良くありません 今所有する赤道儀には全てPoleMasterが装着できるアダプターを取り付けています。PoleMasterのようにお尻の部分に、例の赤いアダプターが固定できれば、全ての赤道儀に簡単に装着、脱着できるようになります。 外側の覆い部分を外して中身を見たのが下の写真です。USBコードはXH端子になっており、簡単に外すことが出来ます。 外装をはずして基板を見る お尻の部分にあったUSB端子を横に移すために、外装金具に穴を開けました。最初はM6くらいの大きさの穴を開け、下の写真に示す道具:テーパーリーマーを使ってM10の穴に大きくしました。 外装に穴を開ける USBの配線を外すには、どうしても配線を切断することを余儀なくされました。電子工作の達人であれば、XH端子をスマートに外すことができるのでしょうが、知識やスキルのない自分には切断しか道がありませんでした。面倒な半田付けを行い、作業を簡単に行えるようコードの延長も行いました。 配線切断後、延長する 下の右側の写真は、PoleMasterを取り付ける際の金具です。この金具を、上のウェブカメラのお尻に取り付けることが出来れば、簡単に赤道儀に装着することが出来ます。尚、この赤い金具は、PoleMasterの取り付けアダプターに付属品として付いています。3か所のネジ穴はM3です。 電子極軸望遠鏡取り付け金具 さて、どういう方法で金具を固定するか。お尻の部分を覆うようなL字型の金具をネジ止めすることにしました。ホームセンターでさまよって見つけたのが、下の金具です。 使ったL字型金具 しかし、このL字型金具の厚みは、3.2㎜もあり、スキルのない私には加工は無理でした。切断も穴開けも精度の悪いもので、ネジ穴が揃いませんでした。厚み2.0㎜のL字型金具を見つけて、それを使って作業を再開しました。結局、この金具も最初は失敗、2度目で最後まで進みました。 3度めの正直(左側の2個は失敗作の残骸) ネジ穴のを正確に穴開けするためには、下のようなポンチ(オートポンチと言います)が必須です。このようなポンチがあるという知識もありませんでしたが、しっかりと位置決めを行おうと思い強くポンチを押したら、「パチン!」と大きな音が。自動でバネが跳ねて、金具に位置決めの傷穴が付きました。 役立ち、重宝したオートポンチ 下の写真が、切断して穴開けが完了した金具です。矢印がドリルった穴です。最初から開いた穴がたくさんありました。 完成したL字型金具 早速L字型金具に、PoleMaster用アダプターを取り付けました。 PoleMaster用アダプターを取り付けたL字型金具 裏側です。M3の6角穴付きキャップねじを使って固定しています。 裏から見たL字型金具 L字型金具をウェブカメラに取り付けます。ネジ穴はM2.6という微妙な細さのネジ2個です。しかし、ネジの土台がしっかりしているので細いわりに堅牢に固定できました。上向きで使用しますし、大きな力はかからないので大丈夫でしょう。 金具を取り付けたウェブカメラ 赤道儀に取り付けてみました。少々大き目のCマウントレンズを取り付けました。実際に使用する際は、焦点距離が35㎜か25㎜のレンズになると考えています。 赤道儀に取り付けた電子極軸望遠鏡 Aptina社のRA0130センサーは、Zwo asi120mcにも使われているセンサーです。今回のようなウェブカメラからの改良では、値段的にも重量的にもあまりメリットはありません。AliExpressで探してみると、RA0130モジュールが基板の状態で販売が行われており、価格は約2,500円でした。それを使っての試作も行ってみようと考えています。 50㎜レンズを付けた電子極軸望遠鏡 下の写真は、今回製作した電子極軸望遠鏡とPoleMasterを並べたものです。スペック的に見ると、PoleMasterよりは多くの星を捉えることが出来るはずです。 PoleMasterとの比較
January 18, 2020
コメント(0)
2020年の初めての工作は、又もやフードの作成でした。これまで、2度もアップしていますが、今回は、フードの骨格となるディスクをプラスチック段ボール(以下、プラダン)で作製したらどうなるかを確かめてみたかったからです。ちょうど、年末に初めてのⅬレンズ、EF200㎜ F2.8L USMを手に入れたこともあります。広い画角で星空をキャッチすることを夢見て、工作ばかりしています。 EF200mm F2.8L USM【写真クリックで拡大します】 過去のブログでも紹介しましたが、プラダンは段ボールのように取り扱うことが出来て、円形カッターでの加工が大変やり易いです。これまで、フードの先っぽの装飾など使用しただけで、骨格の円形ディスクには使ったことがありませんでした。 プラスチック段ボール 段ボールは、はさみで切れて加工は簡単ですが、円形カーターで円盤状にカットして、さらに中をくり抜こうとすると煩雑な作業となります。 円形カッターとプラダン 今回作成したフードの骨格が下の写真です。右側の黒い円筒は、ポリプロのシートを丸めて作成しています。また、ディスクは強度を出すために2枚を直交させて貼り合わせています。 フードの骨格 下の写真は、レンズ部分を覆う円筒をポリプロシートで作成した部品です。前方(下の部分)は、プラダンの円盤ディスクに円筒を貫通させて、円形を保持させるようにしました。 レンズを覆う部分 下の写真はフードの後部の部分です。円盤ディスクに段ボールを一重に巻き、接着剤で固定します。 フード後部の作成1 円筒内部に15㎜幅の段ボールのひだを3重に巻き込みます。接着剤は水溶性のノリを使っています。 フード後部の作成2 反対側にもヒダを3重に巻き込み、両端をプラダンのディスクで接着します。 フード後部の作成3 フード前部は、直径を10㎜大きくして、後部と同様に作成します。 フード前部の作成1 ポリプロ円筒+フード後部+フード前部を接合します。接合部は20㎜の幅で入れ込むようにして2重に巻いた。段ボールで巻く時も水溶性の接着剤を使用しました。 3部分を接合させたところ 接合したフードを上から見たところ 外側をアルミ蒸着ポリエチレンシートを貼り、テープで止めて完成です。 完成したフード 上から見ると、黒いプラダンが迷光防止ディスクのようにもなっています。 上から見た完成フード 200㎜レンズに装着してみました。このレンズにはフードが最初から装着されているので、後部に収めた上でフードを被せています。取り付けフードがあるので、少々不安定気味です。 フードを取り付けたレンズ プラダンの円盤ディスクを6カ所に使用しているため、これまで以上にガッチリした頑丈なフードが出来上がりました。【中古】【1年保証】【美品】Canon EF 300mm F4L USM価格:69800円(税込、送料無料) (2020/1/23時点)楽天で購入
January 17, 2020
コメント(0)
撮影に慣れるために、鏡筒としてSkyWatcher社のSKYMAX127、マウントはAZ-GTiの赤道儀モードによって月面の撮影を頻繁に行っています。撮影をまとめた動画をYouTubeへアップしています。下の写真をクリックしますとYouTubeへ飛びます。 月面撮影機材【上写真をクリックするとYouTubeへ】 下は、先にも記載しましたが2019/12/8の月面です。今回は、Wavelet処理を少し派手目にしてみました。 2019/12/8の月面【写真のクリックで拡大】 天文好きの友人が満月には名前が付けられていることを教えてくれました。12月の満月は「Cold Moon」。日本語で、「寒月」か。日本酒のようです。 2019/12/12の月 2020年になっての初撮りです。 2020/1/5の月面 2020年1月の満月は、「Wolf Moon」です。この呼称は、アメリカ原住民由来のものなので、それらしい名前が付いています。 2020/1/10の月面
January 11, 2020
コメント(0)
最近やっと月面撮影を始めました。鏡筒はSkyWatcher社のSKYMAX127、マウントはAZ-GTiの赤道儀モードのなんちゃって組み合わせです。最初にPoleMasterで極軸を正確に合わせました。が、その後は緯度は固定したまま水平方向はおおよそ北に向けて運用しています。おおよその北向きでも、SynScan Proの月モードで追尾すれば月は動かないことが分かりました。 月面撮影機材 初めての画像処理も行い、完成した月面写真が下の写真です。 SKYMAX127による月面撮影 Scope:SKYMAX127, Mount: AZ-GTi(equatorial mode), Camera: zwo asi294 pro, Gain:236, Expose: 30ms, Tracking: moon mode, Stack and wavelet: 45 images by RegiStack6, Mosaic compose: Microsoft ICE. ■月面撮影 1.カメラ撮影 軽めのミラーレスカメラ、Fuji X-E2を常用しています。プラス、x2とx3のバローレンズを入れたりしています。軽めといえどもSKYMAX127には少々重過ぎるようです。重量で光軸が沈んで迷光が出現します。 ミラーレスカメラ+2倍バローレンズ撮影 2.CMOSカメラとAsiCapの組み合わせ CMOSカメラはZWO ASI224MCとASI294MC Proを使っています。画像と動画の両方を撮っています。ミラーレスに比べれば軽く、迷光が入り込むことはありませんでした。 ZWO ASI294MCカメラ撮影■月面の画像処理 1.モザイク合成 1) StellaImage8 全くの初心者なので手探り状態で始めました。最初は、StellaImage8で行いました。下の写真のように、2枚の写真にそれぞれ2点基準点を入れ、明るさを整えてモザイク合成しました。 2枚の写真にそれぞれ2つの基準点を付けます 明るさを整える場所が1カ所なので、どうしても境目に筋が入ります。 StellaImage8でモザイク合成した月面写真 StellaImage8のモザイク合成機能は、星雲などには使えると思いますが、月面画像には使えません。 2) PhotoshopのPhotomerge機能 日頃使わないPhotoshop CCを無理やりインストール(面倒でした)して、使ってみました。2つの画像を選択しても、結局合成してくれませんでした。あとからスペックを良く読んでみると40%以上の重なりがないと合成できないと書いてありました。疲れました。 3) Microsoft Image Composite Editor(ICE) ネットでモザイク合成を調べた際、ICEではモザイク合成してくれなかったという書き込みがあったので実行していませんでした。上記の如く全ての方法がダメだったので実行してみました。Microsoft Image Composite Editor は、こちらからダウンロードできます。すると見事に簡単にモザイク合成が完成しました。継ぎ目も分からないくらい見事なモザイク画像が出来上がります。 Microsoft ICE でモザイク合成した月面写真 2.スタック処理 1) StellaImage8→使えない 月面撮影は明るさは十分に写真も動画も撮影できます。従ってスタックする必要があるか否か不明のまま、スタック(コンポジット)してみました。結論は、StellaImage8の月面コンポsジットは使えないことが分かりました。理由は、StellaImage8の位置決めのアーキテクチャーが粗いのではないかと思われます。つまり、AutoStakkertや、RegiStaxのように高尚な数学を使っていないのではないかと考えています。 2) AutoStakkert!3→少ない画像では効果なし 写真と動画を試みてみました。両者ともにスタック出来ましたが、数10枚の画像、数10フレームの動画では、スタック効果が感じられません。AutoStakkert!3 は、こちらからダウンロードできます。 AutoStackert!3処理前の月面上部の写真 45枚の月面上部の画像をAutoStakkert!3でスタックしてみました。 画像45枚のAutoStackert!3処理後の月面上部の写真 一方、362フレームの動画のAutoStakkert!3スタック処理の結果は、良好な結果が得られました。 動画362フレームのAutoStackert!3処理後の月面上部の写真 結局、画像の枚数、動画のフレームが300枚を越えるとスタック効果が明瞭になるのではないかと考えられます。 3) RegiStax6 (Stack)→少ない枚数では効果なし 写真と動画の二通りを試してみました。動画の方は、ピクセル数が大き過ぎたためか、アライメント・ポイント(AP)が多くなってメモリーエラーが出てスタック不能でした。45枚の画像によるスタックは、AutoStakkert!3と同様に、スタック効果は感じられませんでした。Digistax6 は、こちらからダウンロードできます。 画像45枚をRegistax6によりスタック処理後の月面上部の写真 4) RegiStax6 (stack+Wavelet)→効果絶大 RegiStax6の真骨頂は、Wavelet処理だと言われています。この処理は見事でビックリしました。クレーターの凹凸とシワが浮き出てきます。眼視以上の結果が得られました。スタック枚数が多いほどザラツキがなくなります。 この処理のパラメーターは理解できませんが、軽めのWavelet処理として次のパラメーターで実行しました。 軽めのWavelet処理のパラメーター条件1 軽めのパラメータ条件1でのWavelet処理後の月面上部の写真 比較の目的で、少し重めのWavelet処理を行ってみました。パラメーターは、下図の通りです。 重めのWavelet処理のパラメーター条件2 重めのパラメータ条件2でのWavelet処理後の月面上部の写真 同様に月面下部の45枚の画像をスタックした後にWavelet処理を行った写真が下の写真です。パラメーター条件2です。 Wavelet処理後の月面下部の写真■月面撮影の画像処理の結論 1.スタック RegiStax6 (stack+Wavelet)処理 2.モザイク合成 Microsoft ICEでモザイク合成 この2連の処理後の完成写真が下の写真です。 RegiStax6 (stack+wavelet)後、モザイク合成処理した2019/12/8の月面写真 以上、月面撮影と画像処理の過程と結果でした。月面撮影では、AZ-GTiマウントの有用性、画像処理では、ステラショット8の貧弱さと、海外フリーソフトの偉大さを感じました。【追記】 2019/12/12の月面写真
December 12, 2019
コメント(0)
AZ-GTiマウントは、思っていた以上の性能を発揮しており、大変重宝しています。しかし難点は、赤道儀化した場合に赤緯軸と赤経軸の手動での動きがスムーズではなく、渋いのです。ちからを入れ過ぎてハープピラーを回転させる時もあるくらいです。 こんな困っている時に、Lambdaさんのブログに「超剛金(?)AZ-GTiをもたらすスペーサーリング 」と題して、紙製のスペーサーリングをステンレス・リングに換装するとスムーズに回転するとの記事が見つかりました。早速、ブログに従い2枚のリングをモノタロウに発注して換装しました。が、赤経軸の回転がギクシャクして変なのである。換装する際、赤経軸のスペーサーリングの内径が大き過ぎてフィットしないなと思いました。そんな経験をしましたので、AZ-GTiマウントの分解とスペーサーリングの交換顛末について報告したいと思います。 AZ-GTiマウントの分解は、赤緯の方は簡単に分解できます。下の写真は、赤緯の回転部分を分解したところです。黒いリングが紙リングで、右上のリングが換装するステンレスリングです。 赤緯の紙リング【写真クリックで拡大します】 下の写真のように外注のステンレスのリングを換装しました。 赤緯のリングを換装したところ 一方、赤経軸の分解は面倒です。下の写真は基板を固定する2つのネジを外し、赤マルで囲んだ接点を外して基板を左上の方向へずらした写真です。作業する際には、この基板をセロテープで軽く固定しておくと楽です。 赤経軸の基盤架台を外しているところ 基板を固定するための架台を2つのネジを外して取り去ります。次に円盤状ディスクの真ん中部分にある4つのネジを外したところが下の写真です。 基板架台をはずしたところ 次に六角レンチで2カ所あるイモネジを写真のように緩めます。 イモネジを緩めているところ イモネジを緩めた後、カニ目レンチで中心のディスクを反時計回りに回して緩め、外します。 カニ目でディスクを外しているところ ディスクを緩めて外した写真が下の写真です。上から押すと、中心部分が下へスポッと外れて落ちます。 ディスクを外したところ 外れ落ちた中心部分の一番下側に紙スペーサーリングが装着されています。 赤経軸の紙製スペーサーリング 下の写真が赤緯軸の紙スペーサーリングです。 赤経軸の紙製スペーサーリング 当初、ブログに記載の通りの外径65㎜、内径55㎜のステンレスリングを装着しましたが、内径が大き過ぎフィットしていません。リングがゆるゆるです。この段階でブログへ注意喚起のコメントをしました。このリングを装着したまま元に戻して使用しましたが、赤経の回転にムラが生じて状態が良くありませんでした。 赤経側のリングの換装、ゆるい! 紙スペーサーリングの計測を正確に行いました。外径:65.0㎜、内径:50.3㎜でした。内径:55㎜は誤りでした。ステンレスリングの再発注を行いました。新たに納品されてきたリングとの比較写真が下の写真です。 赤経側のリングの再換装 今度はフィットしました。 組み立ててゆく途中で判明したことですが、カニ目でディスクをネジ込んでゆく際に、その締め具合で赤経軸の回転のスムーズさ加減が微妙に変化します。完全に締め上げますと、ステンレスリングに換装しても赤経の回転はギクシャクします。最適の締め具合は分かりませんが、私は最高の締め上げから3回転緩めた状態にしました。 赤経側のリングの再換装 スペーサーリングの2枚をステンレスリングに換装しましたが、当初の目的である赤緯、赤経軸の手動の動きをスムーズにすることが出来たか否か。結果は「どうかな???」と言うところが正直なところです。改造前に比べれば確かに動きはスムーズになりましたが、通常の赤道儀のように軽く動くところまでにはゆきませんでした。 分解してみて分かったことですが、赤緯・赤経軸ともにかなり複雑な構造で回転に抵抗がかかるようにしてあります。通常の赤道儀のようにクラッチをつなぐ、外すというような構造ではなく、常に半クラッチ状態のような構造になっています。
December 5, 2019
コメント(2)
日本の街中の景色は、何とはなく汚らしい。理由は何なのだろうと考えてみると、電信柱と電線に行き着く。過去、小泉政権の初めの頃、電線地中埋没案と言う政策を打ち上げたことがありますが、現在は工事費が高いということで頓挫しています。本年の風台風の影響で多くの電柱が倒壊して被害をもたらしたことで、地中埋没案が取りざたされましたが、今はその声は聞かれません。電信柱は、日本の後進国性の象徴と、いつも思いながら街を歩くこの頃です。 BKP150 ニュートン反射鏡筒のアリガタレールには致命的な欠陥がありました。赤道儀の架台に搭載する際、クランプ上を滑らせながら載せることができない欠陥です。所有する赤道儀の大部分のクランプを写真のような標準的なVixen方式のクランプに取り換えています。 赤道儀のクランプ【写真クリックで拡大します】 故にVixen仕様のアリガタレールが付いている鏡筒は、上から入れることは出来ず、端から滑らせながら入れ込まなければ搭載できません。購入したBKP150鏡筒は、今の架台には搭載できません。理由は、アリガタレールの表面にボルトの頭が飛び出ているからです。 アリガタレールから飛び出ているボルト 解決策はひとつ。ボルトの頭を沈める他ありません。ボルトを取り去ると、下の写真のようになります。 BKP150のアリガタレールのネジ穴 このネジ穴にボルトの頭のぶんだけ沈めさせる穴(座繰り・ざぐり)を設けることにしました。さて、座繰り穴は、どのようにして開けるのか。調べること2週間、Amazonに良さそうな座繰りカッターなるものを見つけました。発注から待つこと一週間、中国から発送のようでした。納品のカッターにも中国語が見れました。 座繰りカッターの刃 M6用のドリルの刃がジャストフィットしたので、通常のドリルに取り付けドリルりました。アルミ合金なので簡単に削ることができました。 座繰りドリル 座繰り穴をほどこしたアリガタレールが下の写真です。 座繰り穴を開けたアリガタレール さて、頭で突出しないネジ。ネジ選びに苦労しました。メインのネジは1/4インチのUNCネジです。通常のホームセンターにはありません。AmazonやAliExpressで探しに捜しました。結局、下のようなボタンCAP(UNC 1/4-20x3/4)ネジが行き着きました。20x3/4とは、20㎜+3/4インチの長さという意味です。 1/4インチUNCネジ 主ネジの脇にある2つのネジは、鏡筒が横揺れしないように支えとなるネジで、鏡筒リングとは接合しません。ので、本来はキャップねじにしたかったのですが、どうしてもフィットするキャップねじが見つからず、小ねじになりました。 M5の小ねじ 座繰りを施したアリガタレールを取り付けました。 座繰りを施したアリガタレールを取り付けたBKP150鏡筒 改造ついでにホームセンターにあった金具を使って、取っ手も取り付けました。とっても取り回しが楽になりました。(ポリポリ) 取っ手を付けたBKP150鏡筒 以上、BKP150鏡筒のプチ改造の話題でした。
December 3, 2019
コメント(0)
令和元年も残り1ヵ月となりました。年末恒例の流行語大賞のニュースも年末を感じさせます。「One Team」が流行語大賞? 大いに違和感と異議を感じます。なぜ英語なのか。そして「N国党」ないし「NHKをぶっこわせ」が候補にも入っていない違和感。日本は、まさに統制社会、中国と全く同質の国家であることを感じさせます。 今回の記事は、望遠鏡のフード作りの第2弾です。今回は、50㎜のガイド鏡と最近購入したニュートン反射のBKP150とEdge HD800の2回目のフードを製作した話題です。製作のモチベーションを記しますと、 1.50㎜ガイド鏡:60㎜では大き過ぎ、取り回しが面倒なので50㎜鏡へダウンサイズ。 2.BKP150鏡:ニュートン反射鏡は、星雲撮影の基本鏡として常用したい。 3.Edge HD800:前回製作したフードの重量は950gと余りにも重い。ダウンサイズに! 今回は、円形カッターという文明の利器を味方に付けて、前回よりも完成度の高いフードを作成するように努力しました。 結露防止フードは、基本的に段ボールの紙のハニカム類似構造の吸湿性を拠り所にしています。よって、フードの内部に紙の表面積を極大にするために、紙を立体的に積み上げた形にしています。具体的には、帯状に切断した段ボール紙を巻き巻きにしてハニカム形状にしています。 前回の経験を元にして、以下のような工程を最終的な形にしました。■フード作成の工程 1.ポリプロシートを芯にして鏡筒を覆う部分の作成 フード芯の作成【写真クリックで拡大します】 プラスチック芯の作成 2.フード後部の作成 フードの骨格になる円盤状ディスクを段ボールをくり抜いて作成 円盤状ディスクのくり抜き この円盤状ディスクはフードの骨格を成すもので、頑丈である必要があります。通常、強度を出すために2枚のディスクを直交させて貼り合わせて使用しています。今回の製作行程での発見ですが、このディスクをプラスチック・段ボール(プラダンという名前でホームセンターで販売しています)で作製するとスマートにフードが出来上がると思いました。円形カッターでも段ボールよりも、はるかにスムーズにカットできます。 プラスチック段ボール(黒く映っているもの) 円盤状ディスクに段ボール紙を一重に巻きます。ディスクを多く入れ込む場合は、その分、長くします。 円盤状ディスクに段ボール紙を一重に巻く 幅15㎜の帯状段ボール紙を3重にノリで接着しながら入れ込む 片側に15㎜の帯状段ボール紙を入れ込んだ筒状段ボール 反対側にも帯状段ボール紙を3重に入れ込む 両側に15㎜の帯状段ボール紙を入れ込んだ筒状段ボール 入れ込む帯状段ボール紙は、幅15㎜のものを延々とハサミを切ってゆきます。Edge HD800の場合は、総延長50mにもなります。 帯状段ボール紙の調製の様子 小型のフードの場合、今回は50㎜ガイド鏡は帯状段ボール入れ込みは片側1個づつの合計2個だけですが、中型のBKP150鏡は、片側2個と1個の合計3個、大型のEdge HD800は前後2個づつの合計4個の入れ込みをしました。 3.フード前部の作成 フード前部は後部に比べて直径を20㎜くらい大きくしています。後部と同様に円盤状ディスクに段ボール紙を一重に巻いたものから作成します。 円盤状ディスクに一重に段ボール紙を巻いたフード前部 フード後部と同様にディスクの両側に帯状段ボール紙をそれぞれ3重に巻きこむ。入れ込む数は、フード後部と同じ数にしています。従って前後フードの入れ込む総数は、 ・50㎜ガイド鏡:4個 ・BKP150鏡筒:6個 ・Edge HD800:8個 となります。 フード前部 次に各パーツを合体させるために、芯部とフード後部、フード後部とフード前部の直径を調整します。 50㎜ガイド鏡(左より前部、後部、芯部) BKP150鏡の場合(前より前部、後部、芯部) 4.芯部、後部、前部の3パーツを合体させる 芯の部分とフード後部の直径を段ボール紙を巻いて調整する。次にフード後部とフード前部の直径を段ボール紙を巻いて同じにする。直径を同じくした部分を2重の段ボール紙でつなぎ合わせる。 三つの部分を合体したもの(BKP150鏡) 三つパーツを合体(Edge HD800鏡フード) 5.アルミ蒸着ポリエチレンシートを貼り、テープで止める。 合体させたフードにアルミ蒸着ポリエチレンシートを貼り合わせます。水溶性のノリではなく、接着剤を使います。さらに端は、テープで頑丈に止めます。フード前部には、プラスチック段ボールを円形カッターで切り抜いたディスクを取り付けました。プラダンは、骨格となる円盤状ディスクの使用には間に合いませんでした。 完成したEdge HD800フード 完成した50㎜ガイド鏡とBKP150鏡フード Edge HD800フードの前回バージョン(950g)と今回バージョン(520g)を並べてみました。 Edge HD800フードの比較1(左:今回バージョン) Edge HD800フードの比較2(左:今回バージョン) BKP150鏡フードを取り付けてみました。 フードを取り付けたBKP150鏡 主鏡を守る通称オムツも段ボールで作製しました。赤いテープでデコレーションしました。 オムツをしたBKP150 こんな機材の工作ばかりに熱を入れて、実際の天体撮影はいつになるのでしょうか。
December 3, 2019
コメント(0)
天文を趣味に持つ人々は、既に頻繁にご利用になっていると思いますが、中国のアリババグループが手掛けるAliExpress市場の価格の安さと品物の豊富さにひれ伏しています。天体機材分野では、中国の技術進化は目を見張るものがあることは以前から感じていますが、少し前までは、「安かろうが悪かろうが」などと揶揄する人も多かったことは否めません。ところが最近は、Zwo社やQhy社、そしてSvBony社などが次々と天体撮影機材に新風を吹き込んで、活性化しています。日本のメーカーと違い高額の値札を付けることなく、愚直なほどの地道な商筋を貫き通しています。 今回は、天体撮影や観望に良く使用する部品、M42→1.25インチ・アダプターを例に挙げたいと思います。このアダプターは、撮影用カメラ、CMOSカメラ、アイピースなどを装着する必須のアイテムですが、意外と機材箱には1個しか入っていませんでした。それが下の写真です。 M42→1.25インチ・アダプター【写真クリックで拡大します】 機材箱にはいっていたアダプターは、止めネジが1個だけで、円筒の肉厚が薄いためネジがすぐにポロっと外れてしまう欠点があり、非常に不便を強いられていました。 手持ちのアダプター(別角度から) 天文ショップに発注しようと思い価格を調べてみますと、1個が2,300円もします。AliExpress市場を調べてみますと、1個が$4.3(約450円)です。写真を見てみると、ネジが3個、円筒材も肉厚で、銅板で締め付けるタイプのものです。 10月22日に発注して、11月6日に配達されました。15日待ちましたが、AliExpressでは、かなり早い方です。大部分の商品は忘れた頃に配達されますから。配達されたアダプターが下の写真です。 AliExpressからのアダプター 写真の通り、ネジは3個、銅板の締め付け方式です。アイテムによっては、ネジが銅板から外れているものもあります。製造会社は、SvBony社ではないかと思います。 AliExpressからのアダプター(別角度から) 円筒も肉厚で、ネジもしっかりと取り付けることができます。ただ、ネジの大きさは、手持ちのものがM4でしたが、このアイテムではM3と小さくなっていました。 4個で、$17.86 でした。日本円で 約1,965円です。日本では1個も買えない値段です。夜間では、ネジが金属では見づらいので、化粧ネジを全部に取り付けました。 化粧ネジを全部に取り付けました 改めて、恐るべしAliExpressと、感じ入った次第です。その一方、「日本は大丈夫なのか」とも。
November 8, 2019
コメント(0)
準備万端、来るべき鏡筒のために保管用ドライボックスを作成、後は鏡筒の手配のみという状況であったはずであった。作成済みのドライボックスの寸法と購入予定のスカイウォッチャーの15㎝ニュートン反射鏡(BKP150 )の寸法をカッチリと合わせていたはずでありました。 鏡筒がいよいよ配達されてきました。ドライボックスに入れようとしました。入りそうですが、入らないのでした。どう、頑張っても。 BKP150と作成したドライボックス【写真クリックで拡大します】 さて、どうするか。こんな時のために大きなアイリスオーヤマ製の密閉型コンテナボックスも購入しています。しかし、このボックスはあまりにも大きく、取り回しも面倒である。家中を歩き回って考えること3週間。押し入れに沢山鎮座している引き出しコンテナに目が止まりました。これを活かせないか。格納も扱いも楽である。ということで、押し入れ用引き出しコンテナでBKP150鏡筒のドライボックスを作成することにしました。コンテナの内寸:710㎜、BKP150の長さ700㎜。まさにギリギリのギッチョンです。 引き出しコンテナに入ったBKP150 コンテナの密閉化をどうするか。単純にコンテナにフタをする方式にしました。動かすことはあり得ないので、別にロックする必要は全くありません。以前に密閉したフタをするだけで、シリカゲルのドライが長期間保てることは経験済みです。 まずボックスにフタを支える板を取り付けることにしました。理想は4枚の板で支えることが望ましいところですが、横方向はギリギリなので板を取り付けることができません。ので、横方向の2枚にしました。ポリプロピレン(コンテナの素材)が接着できる接着剤を使いました。 接着作業中のコンテナ フタ支え板の強化のためにネジ止めも行いました。フタとコンテナ壁との接触面にはゴム製のバンド(写真で黒い部分)を接着しました。 ネジ止めとゴムバンド フタの支持板の固定を終え、鏡筒を入れてみました。 フタの支持板の固定完了 完成した引き出しコンテナのドライボックスです。密閉が完璧かどうかは、実際に使ってみないと分かりません。 完成した引き出しコンテナ・ドライボックス フタを閉めてみました。フタの両端には密閉を良くするためにゴムバンドが固定してあります。 フタを閉めた全体像 湿度計を内部に固定し、鏡筒を入れてみました。 湿度計を設置し、BKP150鏡筒を入れました 湿度計の目盛は確認できます 押し入れドライボックスの様子 シリカゲル入りの布袋を4袋を引き出しコンテナ入れて6時間経過。湿度がやっと50%を切りました。最初は、湿度の低下に時間がかかるようです。
October 1, 2019
コメント(0)
暑い夏が続き、涼しくなったと思ったら又、初秋の真夏が来ました。この暑さでブログもお休みでした。本日の話題は久々に天文分野です。未だに撮影の遠征は未実施状況にありながら、熱心に機材周辺を細々といじり回している毎日です。 最近の関心事は、赤道儀のベルトドライブ化です。その話題は次回に回して、今回は三脚のお話です。赤道儀の三脚は、保管時に場所をとるものです。最近、1本をヤフオクに出品したほどです。現在、我が家には4本の三脚が所狭しと場所を占めています。三脚の中で一番安定しており、一番重い三脚は、Advanced VX赤道儀用三脚です。この三脚は、ヘッドがVX赤道儀専用になっており、他の赤道儀は搭載できません。搭載できれば大変好都合です。 VX三脚のヘッドは2個のM8ネジ穴と他に少し内側に2個の穴があります。ネジ穴でない穴は何に使われるのか不明です。最初は、この穴を利用してタップを切ればGP系赤道儀も載るかなと思いましたが、タップは切れませんでした。この穴と同じくらいの外周に正確な計測もせずにタップを切ってしまいました(これが失敗穴です)。 Advanced VX赤道儀の三脚ヘッド【写真クリックで拡大します】 まずドリルで6.8mmのネジ穴を開けました。M8タップでネジ切りを行いました。最初の2カ所は誤った位置にタップを切ってしましました。後でシールを貼って塞ぎました。 M8ネジのタップを切る(2カ所は間違い穴) 2回目に開けたM8ネジ穴に微動用ピンヘッドをねじ込みました。 ヘッドピンを移動させた三脚ヘッド 無事GPD2赤道儀がVX三脚に載りました。水平方向の微動もOKです。 GPD2赤道儀を載せたAdvanced VX三脚 赤道儀の全体像は次のようになります。 全体像 赤道儀のモーターにケースが付いていません。そうなのです、ベルトドライブに改造しました。いやしてもらいました。ガイド精度が上昇したかどうかは未だ分かりませんが、とにかく静かな駆動です。 ベルトドライブ化したGPD2赤道儀 これでVX三脚も有効に使えそうです。次は赤道儀のベルトドライブ化について記す予定です。
September 12, 2019
コメント(0)
天文ガイド2019年3月号に半田利弘 鹿児島大学理学部教授の【連載】天文学コンサイス「電波天文学」の中に、興味深い記述がありました。後書きの箇所に、最近の日本社会は、「選択と集中」の呪縛の中でもがいたままで「将来の方向性」見いだせないまま20年が経過している、と書かれています。 思い返せば、20年前の頃、勤めていた会社で、当時の社長がその頃流行っていた「選択と集中」の時流に乗り、価値ある事業部を潰してしまいました。私は、新規事業の産みの苦しみを知っていましたので、あれだけ大きな事業を廃業にすること自体が信じられませんでした。当時の社長は、若いころの直属の上司だったこともあり、性格や考え方は良く知っていました。一言で言えば、「八方美人」「時流を先取りする新しもの好き」で、反りが合いませんでした。そんな価値ある事業を潰して、集中した事業は大失敗。会社は、存亡の危機まで落ち込みました。半田教授は結論として、「多様性」が肝心だと。しかし、自分の中では「選択と集中を決断しないこと」と「多様性を重んじること」が同じことなのかと、未だに結論付けが出来ていません。 前置きが長くなってしまいました。今回のお題は、結露防止用のフード作りをした時の奮闘記を記したいと思います。天体観望や撮影の際に気になることは、レンズが曇ったり、結露したりすることではないでしょうか。特に暖かくなった季節、湿気が多くなった頃に、結露は避けられない問題となります。一応、バンドヒーターは準備していますが、どれだけの温度にすれば良いのか、電源には余裕があとどのくらいなのか、など気を使ってしまいます。結露の問題が、フードで解決すれば落ち着いた気持ちで天体観望、撮影が出来ます。ネットで調べるとFTフードが迷光防止と結露対策フードの決定版ということで紹介されていました。FTとは、製作者のイニシャルであると三基光学への問い合わせで分かりました。 筆者は、FTフードにお目にかかったことはありません。ネットの情報で段ボールが結露防止素材であることらしい。ということで、段ボールを主体にしたフードを作ることにしました。フード作製の手順は、次の二通通りです。【作製法-1】 1-1.芯の作製 1-2.円盤骨格の作製と湿気吸着ヒダの固定 1-3.芯とヒダ付き円盤骨格を段ボール紙で巻く 1-4.上の作業を繰り返して伸長させる 1-5.外装とテープ止め【作製法-2】 2-1.芯の作製 2-2.芯と段ボール紙との結合 2-3.段ボール紙を巻き付けて前方へ延長する 2-4.外装とテープ止め 2-5.円盤骨格と湿気吸着ヒダの筒への設置【作製法-1】1-1.芯の作製 フードとレンズとの橋渡しをするフードの芯は、下の写真のようなポリプロピレンのシート(厚み:1mm)が好都合です。ホームセンターで1枚、1000円くらいで入手できます。 フードの芯に使うポリプロのシート【写真クリックで拡大】 シートを鏡筒の先に合わせて切断、ポリプロピレンが接着可能な接着剤で筒状に張り合わせます。 芯の作製1-2.円盤骨格の作製と湿気吸着ヒダの固定 段ボールから円盤のくり抜き 円盤リング2個を直交方向で張り合わせ リングを画用紙で巻く 段ボール紙を10~15mm幅のひも状に切断 ひも状段ボール紙をリング内側へ張り合わせる1-3.芯とヒダ付き円盤骨格を段ボール紙で巻く 上記の方法で出来上がったヒダ付き円盤をポリプロ芯と一緒に段ボール紙で巻く。ちょうど、巻寿司の要領である。煩雑な作業なので写真を撮り忘れてしまいました。1-4.上の作業を繰り返して伸長させる ヒダ付き円盤段ボールを3~5回巻き付けて、長くしてゆきます。この作業も写真を撮り忘れてしまいました。1-5.外装とテープ止め 外装は、アルミニウムが蒸着された発泡ポリエチレンシートを接着剤で張り、ビニールテープで固く止めました。小型のフードは全部この方法で作りました。下がその写真です。 完成した小型フード【作製法-2】 最初に作った方法は、この方法です。何も分からず始めたので、段ボール巻きだけの方法では、円形を保った筒に仕立てあげるのが困難で、後付けで円盤骨格を埋め込むことになりました。しかし、この方法は作製法-1より簡単です。2-1.芯の作製 作製法-1と同様に、鏡筒との橋渡しをする芯はポリプロピレンのシートを使います。下の写真は、大型のEdge HD800用フードの芯です。ドブテイルバーの切れ込みを入れて作製します。 芯を丸めて接着2-2.芯と段ボール紙の結合 段ボール紙を巻き付けます。ほとんどが2重に巻き付けます。間には、部分的にアラビアゴム糊で接着します。 芯に段ボール紙を巻き付ける2-3.段ボール紙を巻き付けて前方へ延長する 段ボール紙をずらして重ねてゆく 7~8回の巻き付けで終了です。 段ボール紙の巻き付け終了2-4.外装とテープ止め 段ボール紙を切り替えたところで段差が出ます。この場合は、2回の切り替えで、芯の箇所を含めて3段の段差があります。この段差は、見てくれが悪いので何かで隠す必要があります。今回は最初だったので、シリコンシーラントでコーキングしました。しかし、この方法は良くありませんでした。素人では見てくれ良くコーキングすることは無理です。ビニールテープで張力を調整しながら段差を埋めることが可能です。 段差をコーキングしたフード 次に、表面をアルミニウム蒸着発泡ポリエチレンシートで覆ってゆきます。シートの張り合わせは接着剤で行いました。最後はビニールテープで止めます。この作業の中で段ボールの段差をビニールテープでうまく隠します。 アルミ蒸着シートを張ったフード2-5.円盤骨格と湿気吸着ヒダの筒への設置 段ボール紙を巻き付けただけのフードは、少しの力で変形します。強度を付けるために筒の中に頑丈な円盤骨格を入れることにしました。段ボールで円形リングを切り取り、2個を直交させて貼り合わた円盤骨格を3個作製しました。 円盤骨格を入れようとしているフード 上の写真を見ておわかりの通り、フード内部の段ボール紙のヒダは数が知れています。この表面積では、湿気を吸い取る力は弱いはずです。そこで、段ボール紙を10~15mmの幅でひも状にしたものを、フード内部に出来るだけ多く貼りつけてゆきました。接着はアラビアゴム糊で行いました。最終的には50mくらいの長さのひも状段ボール紙を貼りつけた形になり、重さは950gにもなりました。 筒内部に多くのヒダを貼りつけたフード総 括 今回のフード作製奮闘記をスライドショーにまとめました。 結露防止用フード作製奮闘記【写真クリックでYouTubeへ飛びます】 FTフードは結露防止効果絶大とのネット情報で、段ボール紙でフードを作製してみました。小さいものはPoleMasterから、大きいものはEdge HD800用のものまで、あらゆる鏡筒の結露防止レンズフードを工作した奮闘記でした。以上、「選択と集中」とは程遠く、気の向くままに天文の淵をさまよっています。
March 30, 2019
コメント(0)
天体撮影や天体観望を始める人が最初に立ちはだかる壁は、極軸合わせではないでしょうか。自分が最初に扱った赤道儀はスカイメモSでしたが、どうしても極軸合わせを理解することが出来なかった。結局、極軸合わせで実際に機能する本体は、別売の専用微動雲台であることが後で分かりました。マニュアルにはあたかも赤道儀で極軸合わせをするように記されているのが不親切です。スカイメモSの場合は、極軸合わせは付属の極軸望遠鏡で行いますが、赤道儀本体には緯度合わせや水平移動のメカは何も持ち合わせていません。全てが別売のスカイメモS用微動雲台で調整を行います。 北極星が見えないベランダやちょっとした眼視で手っ取り早く極軸合わせが出来る方法があれば大変便利である。今の世の中、コンピューターが発展し天文計算の進歩も成熟しているご時世、なぜ自動極軸合わせが出来ないのか不思議に思っていました。天文アプリをサーフィンしていたところ、極軸望遠鏡要らずの極軸合わせ(No Telescope Polar Align)が出来るアプリ、「Polar Scope Align Pro」が見つかりました。iOSのみで、残念ながらAndroidアプリはありません。Androidアプリの「天の極2」も試しましたが全然使い物になりません。 このアプリの実力を確かめるためにAZ-GTiマウントとスカイメモSにiPadを載せるための架台を設置し、極軸合わせを行ってみました。 iOSアプリ「Polar Scope Align Pro」【写真クリックで拡大】 極軸望遠鏡を使わない極軸合わせを実行する画面が下の写真です。架台に載せたタブレットの画面の円盤の中心に十文字が来るように赤道儀の水平方向と上下方向のネジを調整します。 アプリの極軸合わせの画面 AZ-GTiマウントのタブレット架台は、以前PoleMasterを取り付けたダブルL字金具を平坦な金具に取り換え、その金具に、直角L字金具を3個取り付けました。ホームセンターにアルミ製の頑丈な金具が1個400円くらいで売っていました。タブレットは400g程度の重さなのでブレることはありません。 AZ-GTiマウントにタブレット架台を設置(正面) AZ-GTiマウントに取り付けたタブレット架台を横から見た写真です。 AZ-GTiマウントにタブレット架台を設置(横から) AZ-GTiマウントにタブレットのiPad Mini3を載せた写真が下の写真です。 AZ-GTiマウントにタブレットを載せたところ AZ-GTiマウントでアプリを使って極軸を合わせている写真です。 AZ-GTiマウントでの極軸合わせ 同様にスカイメモSにもタブレット架台を設置しました。スカイメモS専用微動台座&アリガタプレートIIにL字金具を2本取り付けました。取り付けは、プレートに4箇所ドリルで穴を開け、ボルトナットでしっかり取り付けました。 スカイメモSに取り付けたタブレット架台 下の写真は、スカイメモSにiPad Mini3を置いた写真です。 スカイメモSにタブレットを置いたところ AZ-GTiマウントと同様に「Polar Scope Align Pro」の画面を見ながらスカイメモS専用微動雲台を動かして十字を真ん中に持ってゆきます。 スカイメモSで極軸を合わせているところ 今回のアプリを使った簡単極軸合わせを動画にまとめてみました。 「Polar Scope Align Pro」を使った極軸合わせ【写真クリックでYouTubeへ飛びます】 「Polar Scope Align Pro」アプリを使った簡単極軸合わせの紹介でした。「天の極2」というアプリもありますが、全く不正確です。タブレットの電子コンパスは他の電子機器や金属等に影響されて完全に正確とまでは行かないようです。しかし、北極星の見えない場所での天体観望や正確な極軸合わせの一助にはなるのではないかと思っています。
February 28, 2019
コメント(3)
「AZ-GTi経緯台の赤道儀化 その2. PoleMasterの取り付け位置?」において、赤道儀や赤道儀に付設された架台にPoleMasterを取り付ける場所がない場合は、ファインダー台座を利用すれば良いという記事を書きました。ところが良く考えてみると、ファインダーの光軸が赤道儀の赤経軸に平行であるという保証は取れていないことに気付きました。いちいちファインダーの光軸と鏡筒に光軸が平行であることを確認する作業などはできません。 そこで何とかAZ-GTiマウント本体にPoleMasterを取り付けたいと念じながらマウントを眺めていましたら、マウント本体に、赤経軸に垂直な面が見つかりました。この面を利用すれば赤経軸に平行な向きにPoleMasterを設置できることになります。 AZ-GTi経緯台の赤経軸と垂直面【写真クリックで拡大】 AZ-GTiの6ヶ所のネジを取り除き黒いプラスチックのカバーを外します。中は、モーター、歯車、基板などで高い密度となっています。電気配線が2カ所あるので外します。写真の矢印の2ヶ所にドリルを使って穴を開けます。大変狭いスペースなので、注意深くドリルする必要があります。 矢印の箇所に穴を開けます 最初はボルトとナットで金具を固定する予定でしたが、余りにもスペースが狭いので、ナットを挿入することが困難でした。ので、ネジを切ることにしました。 ネジ切りはM6用のタップを使用しました。タップを使う前に、あらかじめ5㎜のドリルで穴を開けておきます。T型タップホルダーを使えば素人でも簡単にネジが作れます。 ネジ切りに使ったタップとT型ホルダー ネジ穴を開けた写真が下の写真です。向こう側の2つのドリル穴は、”Oh, Mistake”の穴です。 2ヶ所M6ネジ穴を開ける 次に、M6六角穴付きネジでダブルL型金具を取り付けます。写真では、ダブルL型金具には1/4インチネジでPoleMasterのアダプターを取り付けています。 ダブルL型プレートをネジ止めする PoleMasterをアダプターを通して取り付けました。赤緯、赤経を回転させても大丈夫そうです。 本体にPoleMasterを取り付けたAZ-GTiマウント PoleMasterに夜露防止フードを取り付けてみました。このフード(FTフードまがい)は、段ボール紙製で、Edge HD800の大型のものまで作製しました。作製格闘編は、またの機会に紹介します。 PoleMasterに夜露防止用フードを被せる ASI224MCなどのCMOSカメラには背面に1/4インチのカメラネジ穴が付いています。このネジ穴を利用すればPoleMasterと同様にダブルL字型プレートに取り付けることが出来ます。下の写真では、レンズとして、コーワ製のLM100JC(口径40㎜、焦点距離100㎜)のCマンウントレンズを使用した例を示しています。ZWO社のASIカメラには購入したもの全部にCマウントのアダプターが標準で付いています。SharpCapの極軸合わせを使いたい場合は、この方法が適宜利用できます。 電子極軸望遠鏡(ASI224MC)を取り付ける 以上、AZ-GTiマウント本体にPoleMasterまたは電子極軸望遠鏡(ASI224MC)を取り付ける方法を紹介しました。
January 31, 2019
コメント(7)
AZ-GTiマウントのアリミゾクランプが使いにくい 昨年になりますが、2018年12月18日、2年4カ月ぶりに大切な友と会える機会を持つことができました。その友も天体観測が好きということ初めて知り、早急に天体観測体制を整えたいと思っています。2019年初のお題は、AZ-GTiマウントのアリミゾクランプの交換に関するものです。AZ-GTiマウントのアリミゾクランプは1点止めの簡単なもので、大切な鏡筒を掴み固定にはあまりにも危険なものです。出来るならば交換したいと思いネットを調べてみました。ありました。「我儘堂」の絵とゲームと天体観望ブログに。AZ-GTiマウントのアダプター このブログに記載されていました図面と一緒にコスモ工房の阿部さんに作製してもらいました。 製作依頼したアダプター【写真クリックで拡大】 アダプターは、二つに分かれており、ネジで止めると下の写真のようになります。 組み立て後のアダプターAZ-GTiマウントのアダプターの組み立て AZ-GTiマウントのアリミゾクランプの上側の丸いところは、接着剤でくっつけてあり、剥がすことができます。 AZ-GTiマウントのアリミゾクランプ 強引に剥がすと下の写真のようになります。 接着されているカバーをはずす M4ネジで4箇所止めてあるので、クランプを外します。 4箇所のM4ネジを外す 外したところに、新しいアダプター(下図の中)をM4ネジで4箇所ネジ止めします。これまでのクランプ(下図の右側)から新しい面止めクランプ(下図の左側)を取り付けます。 新旧クランプとアダプターアリミゾクランプを取り付ける アリミゾクランプは中華製の面止めのものを使用しました。AliExpressで気長に安く購入しました。M8ネジで2点止めです。 M8ネジでクランプを取り付ける これで安心して鏡筒などをマウントできる体制が整いました。
January 7, 2019
コメント(0)
D=50mm f=160mmガイド鏡は魅力 YouTube、ボスケ氏の天文番組で「天体写真をもっと身軽に、ビクセンのF3ガイドスコープ大発見!」を見て以来、Vixenの暗視野照明付きのファインダースコープが使われていないことが気になっていた。しかもF=3.2と明るいファインダーであり、これがガイド鏡に変身すれば価値は高い。 ガイド鏡へ変身させるためにアダプター類を探しましたが、いずれも目的を達成させることは出来ませんでした。最後は、ボスケ氏のアイディアである拡大撮影アダプターを使う方法に落ち着きました。拡大撮影アダプターとレンズアダプター(1.25インチ Tマウント)を組み合わせることで目的を達成できました。ガイド鏡への手順 ここで扱うファインダー・スコープはVixen製の7倍50mmの暗視野照明付きファインダー・スコープです。Vixenのサポートで確かめたところ、焦点距離は160㎜でした。従って、F=3.2となります。尚、対物側と接眼側をつなぐネジは、M51(0.75p)であり、2インチではありませんでした。 ファインダー・スコープをガイド鏡へ変身させる手順を以下に示します。 Vixen 7倍50暗視野ファインダー 拡大アダプターの前部を利用します。 拡大撮影アダプター 拡大撮影アダプターの前の部分を利用します。 拡大撮影アダプターの部品 ファインダースコープは真ん中あたりで、対物側と接眼側に分かれます。ネジは51㎜(0.75p)であることをVixen社のサポートで確かめました。 ファインダーの分離 拡大撮影アダプターの前部は、ファインダーの対物側にぴったりと入ります。少しだけ余裕がありますので、ネジで固定することが出来ます。 ファインダーに取り付けたアダプター部品 拡大撮影アダプターのネジはM4です。ネジの長さは約12㎜ですが、短いので20㎜のものと交換します。ネジ止めを強固にするために、六角穴キャップネジにしました。 アダプター部品のネジ交換 ネジを長いものしたアダプター部品をファインダーに取り付けました。 ネジを交換したアダプター部品 次にアダプター部品に入れ込むアイピースTマウントを用意します。この部品は、片方が1.25インチのスリーブ、もう一方が42㎜*0.75pオスネジになっています。 アイピースTマウント部品 ファインダーへTマウント部品を取り付けます。光軸が極端にずれないようにネジピッチを良く観察して取り付けます。 ファインダーへのTマウント部品の取り付け これにCMOSカメラ(ここでは、ASI224MC)を取り付ければガイド鏡の完成です。 CMOSカメラを取り付けたファインダー その他、今回トライした方法を備忘録として記します。アイピース マウントアダプター(2インチ to T2 M42*0.75) Amazonより購入。2インチ(50.8㎜)のスリーブとTマウントオスねじ。 スリーブをやすり、砥石、グラインダーで削るも目的に到達せず。 アイピース マウントアダプター(2インチ to T2 M42*0.75) 切削をギブアップしたアダプター42-52mm ステップ アップ リング こちらのブログに記載されている方法。 リングが薄くて、うまくいっても堅牢さに欠ける恐れがある。 実際にAmazonより購入して試しましたが、切削が困難で諦める。 42-52mm ステップ アップ リングCamera Adapter for 2-Inch Crayford Focuser (Orion 5117) 2インチ(オス)とTマウント(オス)アダプター。文字通りの規格であれば理想的。 Amazon.USより購入したが、2インチは54㎜だったため、ファインダーのネジと合わず。 一番期待していたアダプターだったが、54㎜を2インチと謳うのは良くない。 2インチは、50.8㎜である。 Camera Adapter for 2-Inch Crayford Focuser (Orion 5117)あとがき この方法で完成したガイド鏡は、拡大撮影アダプター部品を使うために光路長が約10㎜伸びます。しかし、ファインダーの対物レンズ側のネジを少し回転させて伸ばすとZWO ASI224MCで焦点が合います。このことから、他のアダプターなどを使う場合、光路長を12㎜以内に収める方法を採る必要があります。
December 2, 2018
コメント(0)
今回のテーマは、AZ-GTiを赤道儀モードで使用する際、自動導入を天文ソフトウェアであるSkySafari6を使う便利な方法についての内容です。Synscan Proを使い無線で自動導入と言っても、星の名前をクリックして実行するのは不便で、出来得れば天空図から感覚的に自動導入が出来れば便利である。 SD81S鏡筒を搭載したAG-GTiマウント【写真クリックで拡大】 SkySafari は、Free、Plus、そしてProの3種類があり、Plus以上が赤道儀のコントロール機能がある。現時点でVersion6のPlusで800円くらいである。セレストロンのAVX赤道儀のWiFiコントロールのソフトであるSkyPortalも、SkySafariを使ったものです。 SkySafariの画面 Sky-WatcherのSynscan WiFiをSkySafariからも制御する方法は、こちらに記載があり参考にさせてもらいました。 最初にAndroidあるいはiOSタブレットあるいはスマホでSynscan Proを立ち上げます。次に2台目のAndroidあるいはiOSでSynscan ProのWiFiに繋ぎ、SkySafariを立ち上げます。下部にあるメニューの「Setting」をクリックします。 設定は次の通りです。 ・Scope Type:SkyWatcher SynScan ・Mount Type:Equatorial GoTo (German) ・IP Address:192.168.4.2 ・Port Number:11882 iOSの場合は、2台必要です。Androidの場合は、裏でSynscan Proを動かすことができるので1台で操作できます。もちろん、Androidを2台使うことも可能です。 これまで実験した結果、IP Addressは次の通りです。・iOS:Synscan Pro Android:SkySafari6 Plus 192.168.4.2・Android:Synscan Pro Android:SkySafari6 Plus 192.168.4.2・Android:Synscan Pro+SkySafari6 Plus 192.168.4.2 古いAndroid1台での運用 (Nexus7 2012) 127.0.0.1 IP Addressは、Androidのバージョンとは関係せず、ハードウェアの年式で変わるようです。Synscan WiFiのIP Addressとは異なりますので、要注意です。ポート番号は、全て 11882 でOKでした。 以上で、「Setting」画面を抜けて最初の画面に戻ります。「Connect」をクリックすると設定が正しければマウントに接続されます。接続に成功すれば、黄色いバーが現れます。 接続成功の画面 自動導入は、導入したい星をクリックすると「十文字」が現れます。「GoTo」をクリックすれば、「青いマーク」が導入する星に向かって動いてゆきます。もちろん、それに合わせてマウントが動きます。 SkySafari上の「青いマーク」 次にAndoroidタブレットでSkySafari6 Plusを操作して自動導入を行ったを動画を紹介します。 AZ-GTi赤道儀のSkySafari6 Plusを使った自動導入【写真クリックでYouTubeへ飛びます】 上の画像で左下の枠に示されている画面は、Synscan Proの画面をモニターしたものです。一番下のラインに、導入する星までの角度が数値で現れています。 AZ-GTiマウントに長目の鏡筒であるSD81Sを載せてみましたが、少々無理がありようです。やはり動きの角度によっては、鏡筒とマウントが接触することがありますので注意が必要です。 しばらく電池で動かしていますが、赤経軸のガタつきが見られる場面に遭遇します。やはり「オモチャ」かなと思ったりもしますが、固定ネジをゆるめて360度回転させるとガタつきがなくなったりします。少なくとも眼視の場合は、威力を発揮してくれそうです。
November 29, 2018
コメント(0)
天文を趣味とする皆さんは、天文機材をカビから守るためにどのような方法でレンズ系の機材を保管されているのでしょうか。密閉式の木箱やアルミ製ケースなどを使われているのでしょうか。タカハシの鏡筒くらい持てるリッチマンだったら、そういうことになるでしょうが、一般庶民の自分はホームセンターで一生懸命無い知恵を絞るしかありません。ネットで調べると、そのままむき出しで外気に放置する方法が一番良のだと言う人もいます。一般的には乾燥した環境下に保管するという方法がベストだと信じたいと思います。 今回のテーマは、鏡筒など大型のレンズを持つ天体機材を保管するためのドライボックスに関するものです。私は、ズームレンズや一眼カメラ、CMOSカメラ、アイピースなどは、ナカバヤシのキャパティ27L のドライボックスに保管し、鏡筒などの大型機材は厚め(0.05mm)のポリエチレン袋を2重にしたものに入れ込んでその中にシリカゲルを入れたり、布製のバッグに乾燥剤を入れて保管していました。ドライボックスの湿度はシリカゲルで充分に乾燥状態を保つことが出来ています。ポリエチレン袋に入れる保存方法は置き場に困るし、出し入れも面倒くさい欠点があります。布製のバッグでの保管は、1週間くらいで湿度が危険状態に上昇してきます。何とかしなくてはと大型のドライボックスをネットで探しますが見つかりません。仕方なく自分で工作することにしました。 ホームセンターで頑丈そうな収納ボックスを探したところ、下の写真のROX(ロックス)の収納ボックスが見つかりました。ドライボックスのように4カ所とはゆきませんが、2カ所の止め具が付いています。 頑丈な収納ボックスのロックス【写真クリックで拡大】 上蓋とボックス本体とは、上蓋の格子状のプラスチックで接触しており、基本的には外気と通々となっています。最初の試みとして、ボックス本体の上側の縁に両面テープでスポンジ状のひも状パッキンを張り付けてみました。 本体に両面テープでひも状パッキンを張る ひも状パッキンを張っても、上蓋の格子状の構造部品がパッキンを面ではなく、線状に切るかたちに接触するので密封度は危なっかしい状態です。2週間くらい湿度の状況をモニターしてみましたが、一応乾燥状態は保持できていました。しかし、安心ができないので次の方策を考えてみました。 外気と遮断するには、上蓋の格子状の構造を何らかの物質で埋め込んでやって、平らな面構造にすれば良いのでは思い、ゴム状に固まるシリコンシーラントで埋め込むことにしました。シリコンシーラントだけを充填するとなるとリッター単位のシーラントが必要になります。そこで空間を増量剤で埋め込むことを考えていました。ホームセンターでシリコンシーラントの売り場に行ってみると、発泡ポリエチレン製の緩衝材(バックアップ材とも言う)が置いてありました。シリコンシーラントは、今まで使ったことがないので、店員に教えてもらいました。緩衝材は、シーラントに使う「あんこ」だと。増量剤という考え方は間違っていませんでした。ROXのフタの空間と緩衝材の太さを比較して、直径10㎜と8㎜の緩衝材を購入しました。 緩衝材を上蓋の空間の長さに合わせて切断して、空間に詰め込んでゆきます。下の写真は、ROX 660L の上蓋の空間に緩衝材を詰め込む途中の写真です。10㎜の緩衝材が2列に入ります。8㎜の緩衝材を使うところも少しあります。 フタ(ROX 660L)のすき間に緩衝材を2列に詰める 緩衝材の詰め込みが完了したら、シールテープを貼ってゆきます。YouTubeのシリコンシーラントと使い方で教わりました。 シールテープを張り、シリコンシーラントを詰めようとしているところ(フタはROX 660L) 奥行が74㎝の ROX 740M の場合は、上蓋の空間の間隔が広く緩衝材は10㎜が2列、8㎜が1列の合計3列の緩衝材が入ります。ところどころ10㎜のものが3列入るところ(コーナー部分)があります。 奥行74cmのフタ(ROX 740M)は、緩衝材が3列になる シールテープを貼りつけ終わったら、シーラントを充填してゆきます。専用のガンを使って絞り出してゆきます。シリコンシーラントは1個の上蓋で1本(330ml)使用します。表面を平らにし終えたらシールテープを剥がしてゆきます。 シーラントを充填し終え、シールテープを剥がしたところ シリコンシーラントは24時間で硬化するそうです。その間、快晴の日だったので、鏡筒機材を直射日光に晒してカビ撲滅をすることにしました。 機材を直射日光にさらしているところ 収納ボックスの前面には、HAKUBA社製の簡易湿度計を牛乳パックで工作して取り付けました。おかしな事実が判明しました。硬化を待っている間、上蓋を反対にして本体ボックスにかぶせて、除湿状況をモニタリングしてみました。密封度が100%と完璧なのです。上蓋を逆さにし、上に少しの重しを載せるだけで密封OKなのです。わざわざパッキンを作り上げる必要性は本来ないことも判明しました。 しかしながら、シリコンシーラントで作り上げたシーリングは密封の安心感はあるし、自由にボックスを動かすことも可能になります。 簡易湿度計も取り付けました ドライボックスにいれる乾燥剤は、シリカゲルがベストだと思います。HAKUBA製の乾燥剤は、生石灰が主成分ですが、吸湿により表面が消石灰になってコーティングされるせいか乾燥速度は遅いです。あと、押し入れ用の除湿剤は使わない方が賢明です。理由は塩化カルシウムは厳禁だからです。塩酸の蒸気圧がゼロではありませんので、金属を侵します。 シリカゲルは吸湿して赤くなったら電子レンジでチンすれば何度も使えます。それと、これは経験に基づくものですが、シリカゲルの吸湿量と吸湿速度は、共に多く、速いのです。多分、HAKUBA製の吸湿剤よりもはるかに優れています。電子レンジでチンする場合は、袋から出してチンします。私は、下の写真のように定形外封筒にシリカゲルを40~80g入れて運用しています。時間は3分で充分です。チンした後、封筒の中の湿気を含んだ空気を追い払い、適度に冷めたら封筒の上側を丸めて、輪ゴムで止めればOKです。ひとつのボックスに封筒を4個から6個入れています。 封筒に入れたシリカゲル(下側:新品、上側:再使用品) 下の写真は、完成した2つのドライボックスです。 完成した2個の大型ドライボックス 2つのドライボックスには次のような機材が入りました。 ROX 660L (幅44X奥行66X高さ32cm) ・セレストロン Edge HD800 ・タムロン SP 150-600mm G2 (Model A022) ROX 740M (幅44X奥行74X高さ23cm) ・Vixen SD81S ・Sky-Wacher SKYMAX 127 ・その他、ファインダー、ガイドスコープ ドライボックスを自作する費用ですが、おおよそ以下の通りでした。手間はかかりますが、本当に安い費用で作製できます。 ROX 収納ボックス 3,000円 シリコンシーラント 350円 緩衝材 300円 シーラント・ガン 200円 湿度計(HAKUBA製) 800円 シリカゲル 20g入りx40 800円【追記:2019.10.1】 約1年間自作ドライボックスを使用してみて、欠点や改良点がありましたので記します。1.ROXボックスは両端をロックするとふたの真ん中あたりが浮く 【解決策】下の写真のように大型のバインダーではさむ。 大型のバインダーではさんだROXボックス2.紙袋に入れたシリカゲルの取り扱いが面倒 【改良策】シリカゲルを下の写真のように布袋に入れる。水分の通りも良く、紙に比べて丈夫なので取り扱いが楽です。一つの布袋に80gのシリカゲルを入れています。 シリカゲル入れの布袋3.シリカゲル再生時に水分の除去が難しい。電子レンジで加熱後、表面に浮き上がった水分の除去に手間取る。 【解決策】電子レンジ加熱後、減圧にして水分の蒸発を加速させる。減圧にする器具は、真空保存庫 スターターセット FS-220B(1,000ml、加藤産業)が便利に使えます。 真空保存庫 スターターセット FS-220B(1,000ml) 実際の運用として ・電子レンジ、強3分間 ・3分間冷ます ・真空保存庫で減圧にして2分間保持 ・外に出して5分間冷ます この操作を2度繰り返して運用しています。 減圧直後のシリカゲル入れの布袋(水分が外壁に付着)
November 17, 2018
コメント(0)
2018年10月5日にシュミットさんに注文していたAZ-GTi経緯台がやっと宅急便で届きました。早速、ウェッジとしてATCウェッジを使い赤道儀モードに組み上げて動きを確かめてみました。なかなかいい感じでした。これで自動導入が可能な本物のポータブル赤道儀が手に入った感覚です。 AZ-GTi経緯台(カタログより)【写真クリックで拡大】 本来、ポータブル赤道儀のスカイメモSがAZ-GTi経緯台くらいの機能があれば良かったのにと、「後悔後に立たず」です。スカイメモSは、勉強代として許してやりましょう。まずは、Windows PCとWiFiでつないて、ファームウェアの赤道儀モードへの更新です。 Windows版SynScan Pro アプリは、このSky-Watcher社サイトからダウンロードできます。現時点でのバージョンは、1.11.0です。 一方、AZ-GTiのファームウェアは、Motor Controllersの項目の中にあります。こちらよりダウンロードできます。赤道儀モードで運用できるファームウェアは「Firmware: AZGTi Mount, Right Arm, AZ/EQ Dual Mode, Version 3.16」となっています(2018.11.06更新)。 ファームウェアの書き換えは、「Windows program: Motor Controller Firmware Loader, Version 1.71」(2018.11.07更新)を使います。書き換えは、PCとAZ-GTiをWiFiで繋ぎ、このファームウェア・ローダーを開き、ファイルとして新しいファームウェアを選び、ロードすれば自動的に更新されます。私の場合、1度目はうまく進行せず、2度目の作業を行うことにより更新されました。尚、AZ-GTiからのWiFiのプロパティーに「使用不可」のメッセージが出ますが、無視できるようです。 Androidスマホの設定で、AZ-GTi経緯台のWiFiと繋ぎます。繋がったあとAndroidスマホのSynScan Proを開くと、次の画面が出ますので、接続する」をクリックして接続します。 SynScan Proの最初の画面【写真クリックで拡大】 次にモード選択画面が出ますので赤道儀モードを選択します。 SynScan Proのモード選択画面【写真クリックで拡大】 下の画面のように赤道儀モードの画面が出ます。これでスマホのSynScan Proから赤道儀モードでのコントロールが可能になります。 赤道儀モードのSynScan Pro画面【写真クリックで拡大】 一方、ハードウェアの方は、Vixenの「SXG-HAL130」三脚にVixenの「ネジ変換アダプター」をネジ止めします。「ネジ変換アダプター」は、頼りない1/4インチのオスねじが出ています。一方のATCウェッジは3/8インチのメスねじなので、「ネジ変換アダプター」の1/4インチのオスねじに、3/8インチねじへの変換ネジを装着します。ATCウェッジをねじ込む前に、ATCウェッジとAZ-GTi経緯台とを3/8インチの六角穴キャップボルトで固定しておきます。固定した後に、「ネジ変換アダプター」にねじ込みます。 AZ-GTi経緯台には、鏡筒としてSky-Watcher社のSkyMax127を試しに搭載しました。鏡筒のファインダーには、極軸合わせのためにPoleMasterを取り付けてみました。PoleMasterは、SharpCapの極軸合わせ機能を使うことを想定しています。 バランス・ウェイトは、スカイメモSのM12棒ネジを使った自作のものを使いバランスを取って取り付けています。 AZ-GTi経緯台の赤道儀モードの組み上げ【写真クリックで拡大】 次に赤道儀モードでスマホのSynScan Proを操作してAZ-GTi経緯台を動かした動画を紹介します。 AZ-GTi赤道儀の動き【写真クリックでYouTubeへ飛びます】 スマホでのSynScan Proの操作は、思った以上にスムーズでした。快適にAZ-GTi経緯台の赤道儀モードの運用が出来そうです。これで慣れない経緯台モードでの運用は避けられます。 ポータブル赤道儀として購入したスカイメモSは、当初の使命を果たさないまま保管庫ゆきとなってしまいそうですが、部品として役目を果たしてもらいましょう。スカイメモSは、自動導入は不可能でしょうが、AZ-GTi経緯台の赤道儀モードくらいの機能は持っているものと思い込んで購入しました。まったく期待を裏切られました。尚、スカイメモSの致命的な欠陥を付記しておきます。 スカイメモSの欠陥 1.赤経軸のクランプが扱いにくい上に、止まりにくい。 2.高速稼働モードがない。 3.専用の微動雲台に構造上の欠陥があり、上下方向の揺らぎが生じる。
November 9, 2018
コメント(0)
赤道儀や赤道儀に付設された架台にPoleMasterを取り付ける場所がない場合は、ファインダー台座を利用すれば良いという記載がこのブログにありました。赤道儀の赤経軸を極軸に近づける作業が極軸合わせですから、ファインダーの向きにPoleMasterの向きを合わせれば良いわけです。精度は1から5度の範囲で良いらしい。 AZ-GTi経緯台(カタログより)【写真クリックで拡大】 AZ-GTiの赤道儀化の第2弾として、PoleMasterの取り付け方法を考えてみました。まず、PoleMasterをファインダー台座にフィットするように改良することにしました。ホームセンターでL型のプレートを探したところ適当な金具プレートが見つかりました。このプレートをPoleMasterの1/4インチねじアダプターに1/4インチねじでネジ止めします。 L型プレートに固定したPoleMaster【写真クリックで拡大】 鏡筒としてSky-Watcher社のSkyMax127を事例として使いました。ファインダー台座は、Amazonで購入したChina製の2点止めのファインダー台座に交換してあります。 2点止めファインダー台座のSkyMax127【写真クリックで拡大】 ラッキーなことに、ホームセンターで購入したL型プレート金具は、アリガタを介することなく、そのままこの2点止めファインダー台座にフィットしました。下手にアリガタを取り付けて光軸を外すよりは、このままの方が良さそうです。 ファインダー台座にフィットするL型プレート【写真クリックで拡大】 PoleMasterを取り付けたSkyMax127の全体像が下の写真です。 PoleMasterを取り付けたSkyMax127【写真クリックで拡大】 これで、AZ-GTi経緯台の赤道儀化の準備は整いました。あとは、注文しているAZ-GTi経緯台の到着を待つばかりです。
November 5, 2018
コメント(0)
本日のお題は、ドイツのTeleskop Serviceという天文ショップのいい加減さと不誠実な対応について報告します。ドイツと言えば、その几帳面さと厳格な気質を思い起しますが、Teleskopから購入した微動雲台が、まさかと思われる不具合がある欠陥商品でした。皆さんへの注意を喚起するために、敢えてブログに記したいと思います。 スカイメモS専用の微動雲台は、その構造上の限界からか、上下方向の揺らぎが発生します。 専用微動雲台に載せたスカイメモS【写真クリックで拡大します】 そのような揺らぎのない微動雲台を探していました。候補として次の2つの雲台に絞りました。 1.Sirui シルイ プロ2ウエイ雲台 L-20S 2.TS-Optics ATC Wedge Sirui Pro 2ウエイ雲台 L-20S (カタログより)【写真クリックで拡大します】 TS-Optics ATC Wedge (カタログより)【写真クリックで拡大します】 Siruiの微動雲台は、上下の微動メカがスカイメモS専用微動雲台と類似しているので候補から除外しました。一方、ATC Wedgeは上下の微動をネジ棒で支える構造となっていて、上下の揺らぎが解消されることが期待されるので発注しました。ドイツの天文ショップ Teleskop Service より約2週間で商品が届いた。箱の中身が下の写真です。 届いた TS-Oprics ATC Wedge【写真クリックで拡大します】 付属していたねじは、六角穴キャップねじと長めのワームねじの2本です。ATCウェッジを組み立てようとしましたが、どうしても出来ません。致命的な問題点2つ。機能的な問題点が1つありました。1.ウェッジの上部の穴に、付属の六角穴キャップねじが通らない。2.付属の六角穴キャップねじが3/8インチのカメラねじではない。3.垂直上下微動用の調整ねじが、ルーズでゆるゆるの状態。 これらの3つの問題点を購入先のTeleskop Service社にメールした。そしたら、「何か文句があるなら商品を送り返せ。改造点の手紙を添えて」と。謝罪も何もなく、いきなりの高飛車の返信が返ってきました。熱くなったのは言うまでもありません。 ウェッジ上部の穴は、ただその上に搭載するポタ赤や経緯台とネジ止めするために六角穴ねじを通すバカ穴に過ぎません。それなのに六角穴ねじが通らないのです。明らかに切削不良品です。 ウェッジ上部の穴に六角穴ねじが通らない【写真クリックで拡大します】 ウェッジ上部穴に3/8インチカメラねじが通らない【写真クリックで拡大します】 付属の六角穴ねじは、ウェッジの上に取り付けるポタ赤あるいは経緯台を取り付けるためのもので、3/8インチカメラねじである必要があります。しかし、このねじはウェッジ底部にある3/8インチカメラねじ穴に入りません。 付属の六角穴ねじは、ウェッジ底部の3/8インチねじ穴に入らない【写真クリックで拡大します】 当然ですが、3/8インチカメラねじは、ウェッジ底部のねじ穴に入ります。ウェッジ底部のネジ穴は三脚の3/8インチねじとフィットするような仕様だからです。 3/8インチカメラねじは、ウェッジ底部のねじ穴に入る【写真クリックで拡大します】 これらの写真は、ドイツのTeleskop Service社に送りましたが、この事実に対するコメントは一切ありません。明らかに、自社に不利な証拠には言及したくないのでしょう。 3つめの不具合点は、垂直方向の荷重を受け止める赤い色をしたネジ。これは、M8規格のネジになっていますが、ネジを押し込んでもゆるゆるなのです。ホームセンターのネジ売り場で確かめてみましたが、ネジは結構ゆるゆるなことが判明しました。この不具合点は目をつぶることにしました。 1つめの不具合点は、ウェッジ上部の穴を電気ドリルで削って大きくしました。たまたま精密金工用の回転ヤスリを持ち合わせていたので簡単でしたが、ヤスリの無い人にとっては困難を極めます。 穴を大きくする際に使った回転ヤスリ 2つめの不具合点は、ものたろうで3/8"-16X1"1/4 UNCネジを購入して解決しました。ドイツの天文ショップが送ってきたネジが3/8インチのカメラねじではないことが証明されました。送られてきたネジが、どんな規格なのかはあきらかではありませんが、ミリネジあるいは、UNFネジかも知れません。このことは、Teleskop Service社はどうしても認めようとしません。 ドイツのお国柄は規格や基準を厳格に守るというイメージでしたが、現在は中国との交流が多いせいかそうでないようです。フォルクスワーゲン社の燃費不正やドイツのジーゼル車不正に見られる通り、かなりお国柄も変化してきていることが伺えます。今回のウェッジ製品のいい加減な切削加工とルーズな付属品の規格管理などは、今の中国製造業にも劣る有様です。ドイツ、すなわち技術優良国ではないことが如実に現れたみたいです。これまで、イギリス、アメリカ、中国より直接ネット購入してきましたが、今回のこのような不具合ははじめての経験です。品質低下のドイツ、皆さまもご注意を! すったもんだしましたが、ATCウェッジを使ってスカイメモSを組み上げてみました。 ATCウェッジに載せたスカイメモS【写真クリックで拡大します】 縦方向の揺れは、かなり解消されているようです。何とか本来の目的は達成されたようです。AZ-GTi経緯台はまだ入手できていません。シュミットさん店舗の移転もあり、超多忙でしょう。
October 23, 2018
コメント(0)
お手軽天体撮影を目指してタムロン・ズーム150-600㎜を使ったシステムを組み立てています。前回の全体像は下の写真のとおりです。 ガイド鏡、ファインダーを同架させた600㎜ズームレンズ【写真クリックで拡大します】 もしも、このシステムが自動導入が可能であればファインダーは使用しなくても良さそうである。省ければ軽量化できるので、今回ファインダーを省いたシステムを組み立ててみました。 最初は、L型クイックリリースプレートを使うことを考えて進めてゆきました。EQM-35 Pro赤道儀には標準で緑色をしたアリガタレールが付いていました。このアリガタレールには2個の1/4インチカメラねじがありますが、偶然にもタムロン・ズームの台座には同じ間隔の1/4インチねじの穴が2個ありました。これは、使わない手はないと早速工作を始めました。 アリガタレール【写真クリックで拡大します】 上のアリガタレールは、ねじを差し込むと頭が邪魔になります。ねじ頭を隠すためには、くり抜きが必要です。旋盤なんで持ち合わせていません。グラインダーを取り出し、つたない工作技術で削りました。不格好なくり抜きになってしまいました。 切削後のアリガタレール【写真クリックで拡大します】 アリガタレールの2個の1/4インチねじの穴の間隔は、タムロンのズームの台座にあるネジ穴の間隔と一致していました。長めの1/4インチのカメラねじで2点止めします。シグマではなく、タムロンのズームを選択した理由は、台座がシグマよりも大型だったからです。 アリガタレールをネジ止めしたタムロンズーム【写真クリックで拡大します】 EQM-35 Pro赤道儀にカメラを付けて載せてみました。前回報告のものよりも、かなりシンプルになりました。バランスをとってみました。 アリガタレールをネジ止めしたタムロンズーム【写真クリックで拡大します】 バランスをとってみると、ガイド鏡が横にあると左右でバランスがかなり異なることがわかりました。この問題点を解決するには、ガイド鏡を真ん中に持ってくるしかありません。 90度傾けたタムロンズーム【写真クリックで拡大します】 これまで気付きませんでしたが、L型クイックリリースプレートを使用しなくても普通のクイックリリースプレートを使っても、ガイド鏡を付けたクランプをくっつけることが出来ました。逆さにクランプを挟むことにはなりますが、注意深く実行すればOKでしょう。 普通のクイックリリースプレートをネジ止めしたレール【写真クリックで拡大します】 スカイメモSに軽量化したタムロンズームを載せてみました。さらにスッキリしました。 真ん中にガイド鏡を付けたタムロンズーム【写真クリックで拡大します】 バランスをとってみました。左右が対象となりましたので不具合はありませんでした。 バランスをとったタムロンズーム【写真クリックで拡大します】 軽量化を確認してみました。 タムロン SP 150-600mm G2 (Model A022) ・・・・・・・・・・・・・・・・・2,040g ガイド鏡 100 GSSアルカセット ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・400g カメラ EOS Kiss X5 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 590g 同架プレート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 290g ------------------------------------- 合 計 3,320g 前回のシステムが 4,450gでしたので、軽量化は1,130g、約25%減でした。
October 11, 2018
コメント(2)
お気軽天体撮影の機材を整えるためにEQM-35 Pro赤道儀に着目し、入手の手はずが整った時、ブログでAZ-GTi経緯台の自動導入赤道儀化の記事を読んだ。にわかに、これは究極のポタ赤になるのではというワクワク感が込み上げてきた。御徒町のシュミットへ入院手続きをしている時も目の前にこの経緯台がありました。店長にこの経緯台はオモチャですよねと聞いてみると、あっさりと否定された。おもちゃ的な経緯台ではないと、自信ありげな口調であった。 AZ-GTi経緯台(カタログより)【写真クリックで拡大】 この経緯台が気になるもうひとつの理由は、お気軽天体観測のためにポタ赤なるものを購入しました。スカイメモSです。このスカイメモSを検討している際に、ずっと対象の導入はどうするのだろうという疑問が常に頭をよぎっていました。この疑問に対する解答を得ることなしにポタ赤を購入してしまった後悔の念があるのです。AZ-GTiを赤道儀として使いこなせば、自動導入が出来るポタ赤として当初の目的が果たせるわけです。赤道儀として使うためには、極軸を確実に合わせることが必要になります。極軸望遠鏡を取り付けるよりは、PoleMasterを使う方が楽ちんです。そこで、AZ-GTiの赤道儀化の第一弾として、PoleMasterの取り付け方法を考えてみました。 1.緯度を反映させるウェッジは、スカイメモS用の微動雲台を使う。 2.微動雲台の上部のクランプ部分にL型プレートを取り付ける。 3.L型プレートにPoleMaster台座を取り付ける。 この考え方で、実際に工作を実践してみました。赤道儀化のためには、緯度を反映させるウェッジなるものが必要となります。当方には無駄に購入したスカイメモS用の微動雲台が余っていますので、それを活用することを考えました。 スカイメモS用の微動雲台を上から見ると、2本の六角穴付きボルトで止められたクランプがあります。 上から見たスカイメモS用微動雲台【写真クリックで拡大】 ネジをはずすとM5ネジ穴が2個ある雲台が見えます。 クランプを外したスカイメモS用微動雲台【写真クリックで拡大】 外したクランプと、上の台座の間にL型クイックリリースプレートを挟んでネジ止めします。ネジはM5x20㎜の六角穴付き皿ボルトを使いました。このボルトは意外にもビバホームセンターで見つかりました。 M5六角穴付き皿ボルト【写真クリックで拡大】 皿ボルトであることが必須である。皿ボルトでないと、ネジの頭がアリガタと競合してクランプとして使えない。 L型クイックリリースプレートを取り付けた微動雲台【写真クリックで拡大】 PoleMasterの台座には1/4インチのカメラねじ穴が付いているので、アルカスイス互換クランプに固定することができる。 PoleMaster台座とクランプ【写真クリックで拡大】 PoleMaster台座とクランプをカメラねじで結合させます。 PoleMaster台座を結合させたクランプ【写真クリックで拡大】 上のクランプをL型クイックリリースプレートに取り付ければ、PoleMaster台座付きウェッジ(微動雲台)の完成となります。 PoleMaster台座を取り付けた微動雲台【写真クリックで拡大】 AZ-GTi経緯台の微動雲台への取り付けは、スカイメモSの底部に付いているアリガタを使えば簡単である。 スカイメモSの底部【写真クリックで拡大】 スカイメモS底部のアリガタを分解します。アリガタとスカイメモSとは、3/8インチのカメラねじで固定されています。 3/8インチカメラねじ付きアリガタ【写真クリックで拡大】 このアリガタをAZ-GTi経緯台本体に3/8インチカメラねじを通して合体させて、上記のL型クイックリリースプレートを取り付けた微動雲台の上部のクランプで固く固定すれば、PoleMaster取り付け可能なAZ-GTi赤道儀の完成となります。 疑似AZ-GTi経緯台に取り付けたPoleMaster【写真クリックで拡大】 AZ-GTi経緯台がまだ入手できていないので、実際の出っ張りなどがどうなるかわかりません。手に入ってから、オートガイドなどを試そうと思っています。 しかし、スカイメモS用の微動雲台には致命的な欠点があります。緯度調整の支点をクランプで固く止めても、揺らぎがどうしても残ってしまします。長めの鏡筒SD81Sを載せた時経験したあの揺らぎです。構造を眺めてみても、この揺らぎは取り去ることが出来ないものだと納得できます。他の手段を考える必要があります。
October 9, 2018
コメント(0)
9月26日に御徒町のシュミットへ入院させたEQM-35 Pro赤道儀が一週間で退院してきた。症状は次のとおり。 ・ハンドコントローラーで赤緯、赤経のモーターを操作しても、モーターが回らない。 ・赤緯軸にガタつきがある。アリミゾクランプの箇所を強く押すとカタカタと動く。 モーターが動かない症状の原因は、コントローラーの故障であることは、入院の際に店長が確認してくれていた。ガタつきは、頼りない65歯数のギアーのバックラッシュが原因らしい。調整すれば治りますとのことであった。 10月4日に宅急便で赤道儀がひとり退院してきた。モーターが動くこと、そして赤緯軸のガタつきが治っていることが確認できました。 退院してきたEQM-35 Pro赤道儀【写真クリックで拡大】 ネットで赤道儀情報を閲覧しているとSky-Watcher社が大変熱い。EQM-35 Pro赤道儀の熱はおさまっているが、AZ-GTi経緯台が非常に熱い。AZ-GTiが赤道儀モードで動き、無線でのオートガイドが出来れば、これこそ理想のお気軽撮影赤道儀となり得る。非常に気になります。すでにAmazonでポチっています。 さて、話は主題のEQM-35 Pro赤道儀に戻りますが、ハンドコントローラーに代わりスマホでのWiFiコントロールが可能ということでWiFiモジュールなるものも取り付けました。 WiFiモジュールを取り付けたEQM-35 Pro赤道儀【写真クリックで拡大】 次にEQM-35 Pro赤道儀を動かしたときの動画をアップします。動画を作成した理由は、Celestron社のAdvanced VX赤道儀はサーボモーターであり非常にウルサイと言う書き込みをどこかで見たからです。モーター音はパルスモーターのEQM-35 Pro赤道儀とAVX赤道儀とでは音量にそんなに差が無いことがお分かりいただけるかと思います。 EQM-35ProとAVX赤道儀の駆動音の比較【写真クリックで動画へ】 AVX赤道儀は、三脚も8.7㎏で、赤道儀本体も7.4㎏と非常に重くできています。それだけ安定であるとも言えると思います。(EQM-35 Pro赤道儀:本体5.3㎏、三脚5.8㎏)
October 6, 2018
コメント(0)
9月に入ってから、まともに晴れた日がないほど雨の多い日が続きます。天体撮影の訓練も出来ないので、機材の組み立てや調整ばかりを行っています。今回のテーマは、20㎝シュミットカセグレン式鏡筒Edge HD800にガイド鏡とファインダーを載せる備忘録です。赤道儀はCelestron社のAdvanced VX赤道儀、ガイド鏡は60㎜径のF4.0(焦点距離:240㎜)、オートガイドはM-GEN、ファインダーは付属の50㎜径のファインダー鏡を使用する予定です。 シュミカセ鏡筒Edge HD800【写真クリックで拡大】 Edge HD800の鏡筒にガイド鏡やファインダーを載せる方法として、単純な方法は鏡筒上部にドブテール・レールを取り付け、そのレールのネジ穴に台座をねじ込む方法が全うなやり方であろう。 ガイド鏡は、口径:60mm、F 4.0、焦点距離:240mmの鏡筒を想定しています。 ガイド鏡:口径60mm、F 4.0 (焦点距離:240mm)【写真クリックで拡大】 ガイド鏡をマウントする台座として、当初 Celestron社のピギーバックと通常のアルカスイス互換クランプを考えました。前もって、ガイド鏡はアルカスイス互換プレートで固定しました。 ピギーバック(左)とクランプ(右)【写真クリックで拡大】 ピギーバックを鏡筒に2点ネジ込みで固定し、その上にカメラねじでクラップを固定しました。 クランプを付けたピギーバックを固定したEdge HD800【写真クリックで拡大】 クランプでガイド鏡を取り付けました。 ピギーバックでガイド鏡を取り付けたEdge HD800【写真クリックで拡大】 取り付けたガイド鏡の固定の程度を調べました。下の写真のようにガイド鏡は湾曲したピギーバックの上に不安定な状態で載っています。鏡筒を軽く叩いてみると、ガイド鏡は大きく揺れる感じです。 不安定なピギーバック上のガイド鏡【写真クリックで拡大】 ピギーバック上に固定したガイド鏡は、鏡筒をつつくと揺れが大きいので、対策として低重心で固定できる方策を探った。下のプレートは何と呼ぶのかわかりませんが、鏡筒を購入した時に標準部品として付属していたもののようです。 ファインダー台座プレート【写真クリックで拡大】 上のプレートをピギーバックの取り付け箇所に2点ネジ止めします。 プレートをネジ止めしたところ【写真クリックで拡大】 上のプレートに設置するファインダー台座は、下の写真ような台座である。ネジの部分がフレキシブルに調整ができるようになっていて、とても便利です。しかも2点止めなので安心です。 ネジ穴がフレキシブルなファインダー台座【写真クリックで拡大】 プレートにファインダー台座をネジ止めします。使用するネジは全てインチねじです。規格はユニファイ(UNF)で #8-32 です。ネジの深さは場所によって異なり、感覚的に4㎜~8㎜程度です。プレートなどを固定する際は、プレートなどの厚みがあるので、16㎜程度の長さ UNF #8-32X16 が適当です。少し大きめのホームセンターでも入手できます。 ファインダー台座をネジ止めしたところ【写真クリックで拡大】 ファインダー台座にガイド鏡を取り付けました。この取り付け方は、ピギーバック上に取り付ける方法よりも低重心のせいか揺れはほとんどありません。 ガイド鏡をファインダー台座に取り付けたEdge HD800【写真クリックで拡大】 さらにファインダーを取り付けました。 ガイド鏡とファインダーを取り付けたEdge HD800【写真クリックで拡大】
October 4, 2018
コメント(0)
屈折鏡筒のSD81Sは、オートガイダーとしてM-GENを使う予定にしています。ガイド鏡はK-Astec社の焦点距離100㎜のもので、かなり小型で軽量である。 スカイメモSに載せたSD81S【写真クリックで拡大します】 SD81S鏡筒にガイド鏡を取り付けるとすれば、鏡筒下部にあるドブテール・レールか上部にあるハンドノブである。両方ともネジ穴があります。ハンドノブにあるネジ穴は1/4インチのカメラネジひとつである。一点での取り付けは心もとないので、下部のドブテール・レールに取り付けることにした。 SD81S鏡筒を裏返しにした写真【写真クリックで拡大します】 このドブテール・レールのM8と思われるネジにL型のクイックリリースプレートを固定して、そこにガイド鏡を取り付けることにしました。 L型アルカスイス互換クイックリリースプレート【写真クリックで拡大します】 L型クイックリリースプレートのネジ穴は1/4インチネジなのでM8ネジは入りません。そこで、下の写真のようにドリルでM8のネジが入る大きさに広げました。 ドリルで穴を太くしたL型プレート(黄色マルの箇所)【写真クリックで拡大します】 このL型クイックリリースプレートをドブテール・レールにネジ止めします。一点止めなので、しっかりと止めます。 L型クイックリリースプレートを固定したドブテール・レール【写真クリックで拡大します】 ドブテール・レールをSD81S鏡筒に固定し、ガイド鏡を取り付けた写真が下の写真です。 ガイド鏡とファインダーを取り付けたSD81S鏡筒【写真クリックで拡大します】 ファインダーがガイド鏡と同じ側に位置するので、バランスが悪い。ガイド鏡と反対側にファインダーを取り付けるために、ファインダー台座を鏡筒に取り付けます。鏡筒を上から覗くと、ファインダー台座を固定する2つのネジ穴が見えます。M4ネジです。 SD81S鏡筒を上から見た写真(赤マルがM4ネジ穴)【写真クリックで拡大します】 M4ネジでファインダー台座を取り付けます。 ファインダー台座を取り付けたSD81S【写真クリックで拡大】 Vixenの純正ファインダーをガイド鏡と反対側に取り付けました。 ガイド鏡とファインダー台座を取り付けたSD81S【写真クリックで拡大】 ガイド鏡とファインダー台座を取り付けたSD81S【写真クリックで拡大】
September 29, 2018
コメント(0)
スカイメモS赤道儀を使うお気軽天体撮影システムを組み立てながら、対象となる天体をどういう風に導入するのだろう、という疑問が常に頭をよぎっていました。振り返ってみると、この疑問はポタ赤を購入する計画時点から持っていました。 やはり、自動導入機能が欲しい。となると、軽いコンパクトな赤道儀を新調するしかない。いろいろ迷って、候補としてEQM-35 Pro赤道儀かSX2赤道儀+StarBook10となった。しかし、値段が余りにも違い過ぎる。Vixen社は天文を趣味に持つ庶民に優しくないので好みの会社ではない。EQM-35 Proを選択するにしても、中国製でまともに動くのか疑問であるが、新しい技術を使った製品を次々に開発するので好きである。天文ショップではネガティブな性能は絶対に言わない。そこで、EQM-35 Pro赤道儀を使用した経験のあるブログ記事の主に質問を投げかけてみました。「EQM-35 Pro赤道儀は、まともに運用可能ですか?」と。 すぐに答えが返ってきました。大丈夫、運用OKと。そして、自分は使い続ける気はないので、お安く譲ってあげますと。たまたま、ヤフオクでEQ5 GOTO赤道儀がオークションに出品されていました。2018年9月21日の夜は迷いました。EQM-35 Proは赤経軸の歯数が180ということで、オークションには不参加としました。翌日の9月22日早朝、ブログ主へ、EQM-35 Proを譲って下さいとメール。話がまとまり、即振り込み手続き。すると午後ブログ主より宅急便にて荷を発送したとの連絡あり。9月24日の午前中には、赤道儀が届きました。天文ショップよりもはるかに超特急です。 EQM-35 Pro赤道儀(カタログより)【写真クリックで拡大します】 その夜から翌日は三脚の補修と、赤道儀の試運転です。ハンドコントローラーを取説片手にあれやこれや。しかし、モーターがうなり声を発することはありませんでした。自分の取り扱いが間違っているのかと、疑問に思いながらもシュミットさんへ電話相談しました。若い店員の明るい声が返ってきました。その声でホッとします。コードの取り付け方の確認と、電源のアンペアなどを再点検。持ち込み補修となりました。さらに赤道儀を点検していたら、赤緯軸がガタつくことに気づきました。シュミットさんにそのことも相談したらば、その原因はバックラッシュだと。つまり歯車の噛み合わせが悪いことでガタついているのだと言うのだが。その夜、歯車ボックスを開き確認してみました。赤緯軸のガタつきは、バックラッシュではなく、明らかに軸が固定されていないことに依って起こっていることが明らかになりました。さらにガッカリしたのは、赤緯軸を動かす歯車のショボいこと。大丈夫か問いたくなるほど細い歯車が使っています。やはり、Vixen社の赤道儀にしておけば良かったと少し後悔。 9月26日、赤道儀をビジネスバッグに詰め込んで御徒町のシュミットへ向かいました。約1時間の行程です。御徒町からシュミットさんの店までは、約5分。この当たりは閑静で昭和の雰囲気が満ち溢れたの街並みです。上野三丁目の路地の脇には、それぞれの家主や店主が花木を植えています。 秋の象徴である萩の花が清楚に咲いていました。 清楚な萩の花のたたずまい【写真クリックで拡大します】 シュミットさんへ到着。外からも望遠鏡が見えます。 天文ショップのシュミット【写真クリックで拡大します】 シュミットさんの入り口です。スマホアダプターを購入するのを忘れました。 シュミットさんの入り口正面【写真クリックで拡大します】 シュミットさんへ入ると若い店員さんがいました。早速、赤道儀をバッグから取り出し、診断してくれました。モーターが動かない原因はコントローラーの故障であることがすぐに判明しました。自身も天体観察を行っているらしく、手際の良さには感心しました。赤緯軸のガタつきも直しておきます、3日くらいで送ってあげますとのことでした。これで、一件落着。 それから懐かしいPCの街、秋葉原へ。道端の花木を堪能しながら。 プランターの寄せ植え【写真クリックで拡大します】 キンカンの花。 花を付けたキンカンの木【写真クリックで拡大します】 次の写真は、この上野三丁目の街ではじめて知った「ニオイバンマツリ」という花です。白と紫の花を付けて、さわやかな芳香を放つ花です。最初は紫色で、次第に白色になるそうです。確かに紫と白の花が混在しています。5月にはじめてシュミットさんへ行ったときに見つけました。 ニオイバンマツリ【写真クリックで拡大します】 カメラを引いて、ニオイバンマツリの全体像を撮りました。古風な建物です。 ニオイバンマツリの全体像【写真クリックで拡大します】 秋葉原では、シュミカセ鏡筒用のユニファイ規格のネジをはじめて見つけた西川ネジ店で購入。そしてパソコン用の部品をTsukumoで購入しました。Tsukumoに来たのは5年ぶりくらいかな。店の場所も変わっていました。メイドカフェ嬢も結構呼び込んでいました。 さてEQM-35 Pro赤道儀は、正解なのでしょうか。同じ価格帯のCelestron社のAdvanced VX赤道儀と比較しても、明らかに作りや商品コンセプトの劣勢は否めません。天文ブログにも、EQ5 GOTO赤道儀と比較してもEQ3シリーズは作りの雑さが目立つとの書き込みも見られます。何かしら、やがてVixenのSX2赤道儀を通り越してSXD2赤道儀を購入しそうな予感が何となくしてきます。資金も稼がなくてはなりません。
September 26, 2018
コメント(0)
お手軽天体撮影を目指してポータブル赤道儀のスカイメイトSを準備した。鏡筒として当初はVixenのSD81Sを考えていました。ところが、実際にSD81S鏡筒をスカイメモSに載せて月を観測したところ、上下の揺れが極度にひどいことが明らかになりました。揺れを解消する目的で三脚をVixenのSXG-HAL130に変更したりしましたが解決せず、結局SD81S鏡筒をあきらめ、あらたな鏡筒を準備することにしました。 あらたな鏡筒として、以前より興味があった望遠ズームレンズ タムロンのSP 150-600mm G2 (Model A022)を購入した。このレンズを天体撮影に使うためには、ガイド鏡とファインダーを同架させなければなりません。 同架させるズームレンズ(右)、ガイド鏡(左)、ファインダー】 通常の鏡筒と異なり、ズームレンズには同架させるための手掛かりが見当たりません。そこで3つのレンズを同架させるためのプレートを作ることにしました。 プレートの骨格は、長さ240㎜のクイックリリースプレートを使いました。このプレートは中国、Xiletu社製のもので、幅38㎜、厚み12㎜で、ビクセン規格のアリミゾにぴったり合致しますので、スカイメモSにもAVX赤道儀にもそのまま搭載できます。AmazonでもAliExpressからも入手できます。価格は2,000円強です。 骨格となるクイックリリースプレート。下がXiletu社製のもの【写真クリックで拡大します】 2本のクイックリリースプレートを十字型に2点ネジ止めします。 十字型にネジ止めしたクイックリリースプレート【写真クリックで拡大します】 次に、600㎜ズームレンズをクランプ止めするアリミゾ台座を2点ネジ止めします。アリミゾ台座のネジ穴の間隔が、骨格クイックリリースプレートの1/4"ネジとの間隔と一致したので、都合よく2点でネジ止めできました。 アリミゾ台座をネジ止めしたクイックリリースプレート【写真クリックで拡大します】 次に、ファインダー台座を同架させるためのプレートをネジ止めします。このプレートは下図のようなプレートをコスモ工房に特注しました。 ファインダー台座用プレートの見取り図【写真クリックで拡大します】 コスモ工房の阿部さんが特急で作製して下さいました(多謝)。このプレートは、90度回転させた状態で固定できる1/4"ネジ穴が2つ余分に付いています。 ファインダー台座プレート(左)【写真クリックで拡大します】 このプレートを裏から1/4”ネジで2点止めし、表側のVixenファインダー台座からM4ネジで2点止めします。 プレートにファインダー台座をネジ止め【写真クリックで拡大します】 次にガイド鏡を取り付けるプレートの準備をします。ガイド鏡には、クランプが付いていますので、L字型のクイックリリースプレートを取り付ける準備をします。 L字型プレートと、それを固定させる介在プレート【写真クリックで拡大します】 2つのプレートを結合させます。唯一、この結合だけが1点ネジ止めです。そのためネジ部が長めの1/4"ネジを準備しました。 L字型プレートと介在プレートを結合【写真クリックで拡大します】 L字型プレートを2点ネジ止めすれば、同架プレートの完成です。重量は850gでした。 完成したズームレンズ同架プレート【写真クリックで拡大します】 別角度からのプレートの写真です。 別角度からの同架プレート【写真クリックで拡大します】 同架プレートをスカイメモSに載せてみました。 スカイメモSに載せた同架プレート【写真クリックで拡大します】 スカイメモSに載せた同架プレートに、一眼レフカメラを取り付けた600㎜ズームレンズと、ガイド鏡、ファインダーをそれぞれ台座に取り付けてみました。 ガイド鏡、ファインダーを同架させた600㎜ズームレンズ【写真クリックで拡大します】 同架プレートを90度回転させても、バランスがとれることを確認しました。 90度回転させた600㎜ズームレンズ【写真クリックで拡大します】 重量を再確認してみました。 タムロン SP 150-600mm G2 (Model A022) ・・・・・・・・・・・・・・・・・2,040g ガイド鏡 100 GSSアルカセット ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・400g ファインダー 50mm(焦点距離:350mm) 含 環状脚 ・・・・・・・・・・・ 570g カメラ EOS Kiss X5 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 590g 同架プレート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 850g ------------------------------------- 合 計 4,450g
September 17, 2018
コメント(1)
現在進めている天体撮影機材は、600㎜ズームレンズを使った撮影システムです。お手軽撮影ということで、赤道儀としてスカイメモSを使いたいと思っています。ズームレンズとカメラ、そしてファインダーとガイド鏡を載せてみました。標準のウエイト1㎏ではバランスが取れませんでした。スカイメモSのバランスウエイトとシャフトは下の写真のとおりで、左端はM8ネジ、右端はM6ネジとなっています。シャフトの長さは約250㎜。 スカイメモSのバランスウエイト【写真クリックで拡大します】 最初は単純に、M6のメスネジにM6の棒ネジを結合させて、シャフトを延長させることを考えた。M6の棒ネジの長さは280mm。 M6の棒ネジとM6の袋ナット【写真クリックで拡大します】 M6の棒ネジを結合させ、右端をワッシャーとナットで止めたものをスカイメモSに取り付けた。1㎏のウエイトを一番下に持っていったが、まだ重さが足りなかった。さらに、M6の棒ネジは細過ぎて、たわんでしまう欠点が明らかになった。 ネットで座金を使ったバランスウエイトの作製例が多く見られますが、詳細に記したものは見られなかったので、いちからホームセンターをはしごしてウエイトを探し歩きました。しかし、丸くて重さがあるものは、漬物の重し、あるいは電線の巻物くらいしか見当たらなかった。4軒目のホームセンター(ビバホーム)で座金なるものが見つかりました。建築資材の場所であった。 材料として丸座金(下写真の上右側の3個)、スクリュー座金(同、上左端)、M12棒ネジ:長さ280mm(同、真ん中)、M12六角ナット(同、下左側)、変換ジョイントM12 →M10(同、下真ん中)、変換ジョイントM10→M8(同、下左側)を購入。全部で2,000円弱の買い物でした。丸座金は黄色い真鍮製で重さは一個400g、300円程度です。スクリュー座金は内部がM12ネジとなっていますので、M12の棒ネジの終点として使用できます。 丸座金、その他の材料【写真クリックで拡大します】 まず、終点としてのスクリュー座金を棒ネジに組み込みます。 M12棒ネジにスクリュー座金を組み込む【写真クリックで拡大します】 次に、棒ネジに3枚の丸座金を組み込みます。丸座金の間にシリコンゴムを挟み込んでいます。なくても結構だと思います。 棒ネジに丸座金を3枚組み込む【写真クリックで拡大します】 丸座金の両端をナットで挟み込んで、2種類の変換ジョイントを介してスカイメモSにねじ込みます。 バランスウェイトをスカイメモSに取り付ける【写真クリックで拡大します】 下の写真は、600㎜ズームレンズを付けた一眼レフカメラ、ガイド鏡、ファインダーを載せたプレート(重さ:約4.5㎏)を取り付けたスカイメモSのバランスが取れました様子を示したものです。 無事、バランスがとれました【写真クリックで拡大します】
September 15, 2018
コメント(0)
全152件 (152件中 101-150件目)