音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2020年02月14日
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テーマ: Jazz(1972)
カテゴリ: ジャズ
安心して聴ける演奏


 表題の“安心して聴ける”というのは、大西順子というピアニストを評するのにしっくりこない言葉だと思う人も多いかもしれない。前にも書いたように(過去記事は こちら )、そもそも彼女の演奏には“自由奔放”という言葉の方がよく似合うし、よく評されるように(あまり好きな言い回しではないが)“男性的な”力強さや豪快さが彼女のピアノの特徴であるからだ。

 けれども、ここで敢えて“安心して聴ける”という見出しをつけてみたのは、そういう彼女のイメージや先入観が既にある、そんな聴き手にとって、“安心して聴ける”という意味においてである。そんなアルバムが1996年の複数のライヴ演奏を収めた本盤『プレイ・ピアノ・プレイ〜大西順子トリオ・イン・ヨーロッパ(Play, Piano, Play: Junko Onishi Trio in Europe)』であると思う。

 全編を通じて、力強さ、ドライヴ感、自由奔放さが文字通り全開である。早いテンポの曲もバラード曲も、とにかく“深さ”や“奥行き”、もしくは“立体感”に満ちたピアノ演奏が繰り広げられる。収録曲順で言うと、冒頭の1.がドイツはシュトゥットガルトでの演奏、続く3曲がフィンランドでのジャズ・フェスティバルの演奏、最後の3曲がスイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルでの演奏で、いずれもが同じ月(1996年7月)の録音である。メンバーは純和製トリオで、このトリオとしてヨーロッパの演奏旅行を行った。収録曲のうち1.と2.以外は自作曲である。

 全編通して聴くのが断然いいけれど、敢えて気に入った演奏をいくつか挙げておこうと思う。まずは冒頭のエロール・ガーナーの1.「プレイ・ピアノ・プレイ」。原曲の旋律のよさに頼るのではなく、それを生かして自由なプレイというのは、ある種彼女らしさをよく表した演奏に仕上がっている。4.「トリニティ」は、何とも表題もカッコいいのだけれど、早いテンポで進みながら途中でテンポを落としてスイングするところが特にカッコいい。それから、6.「クトゥービアにて」は、圧倒的にたたみかける感じがいい。ともあれ、“自由奔放”である大西順子のピアノを“安心して”聴ける盤、というのが、本盤に対して筆者が抱いているイメージだったりする。


[収録曲]

1. Play, Piano, Play
2. How High The Moon

4. Trinity
5. Portrait In Blue
6. Kutoubia
7. The Jungular


[パーソネル、録音]

大西順子(p), 荒巻茂生(b), 原大力(ds)
1996年7月11日(5.~7.)、7月18日(2.~4.)、7月20日(1.)録音。




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プレイ・ピアノ・プレイ〜大西順子トリオ・イン・ヨーロッパ/大西順子[SHM-CD]【返品種別A】




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Last updated  2020年02月14日 00時00分40秒
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