全31件 (31件中 1-31件目)
1
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 豊臣秀頼が寄進して建造した寺の鐘に刻まれた文字をめぐって、徳川家康がクレーマーとなって火蓋を切る切っ掛けに(1614年)。 ◆ パリでダイアナ妃に田代まさしの神罰が下る(1997年)。この事故が関係したのか!!? 翌年のこの日、原宿の歩行者天国が廃止される。 ◆ “初音ミク”がメジャーデビューを飾る(2007年)。ファーストシングル『ネギ回し』の大ヒットで一躍注目に。ところがミクの日ではない。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月31日】 陸空両用の「空飛ぶ車」 社会を変える「ASKA」 実用化を見据えた日本での活用方法とは? =後節==Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】2024年8月29日 / 大城慶吾( 月刊「Wedge」編集長) フルスケール実機 / 「ASKA A5」の強みとは 昨年にはフルスケールの実機を完成させ、6月には米連邦航空局(FAA)による証明書(COA)と特別耐空証明を取得し、現在は試験飛行を積み重ねている。22年6月以降、FAAから正式に「型式証明」取得へ向けたプロセスを開始している。また、実機は米自動車管理局(DMV)からナンバープレートも取得した。前回の取材時よりも、ASKAの空飛ぶ車は実用化に向けて着実に前進している。それはもう、遠い未来の話ではなく、近未来に実現する可能性が見えてきた状況にあると言っても過言ではないだろう。 「18年に開発を始めてから6年。これまでにデザインも3回変え、多くの失敗から学び、さまざまな改良を行ってきました。すでに公道では、自動車として500キロメートル以上テスト走行しています。現在は、安定した状態でホバリング(空中停止飛行)し、さまざまなシステムの稼働状況を確認しながら慎重に試験を行っています」開発は順調のようだが、実用化に向けてクリアすべき課題はある。 「推力と車体重量のバランス、安定した垂直離着陸の実現、騒音低減のためプロペラの最適化など、改良すべき点はあり、やってみなければ分からないことが多いのも事実です。 ただ、『問題があるからやらない』ではなく、『全ての問題点を洗い出してチーム全員で共有し、改善していくこと』をモットーにしています」 技術とは生鮮食品に似ている。放っておけばたちまち〝陳腐化〟する。だからこそ、絶えず磨き続け、技術の〝鮮度〟を保ち続ける必要がある。 「人命は最優先すべきですから、人を乗せて飛行するのは最後の段階で行います。27年の商品化に向け、今はリスクを一つひとつなくすことに全力で取り組んでいます」 Advanced Air Mobility(AAM)と呼ばれる空の移動手段は、世界で市場規模が拡大していくことが予想される。米モルガン・スタンレーの予測では40年に1兆ドル、50年には9兆ドルに拡大すると見込まれるという。また、世界中で約1000社が走行機能のない電動垂直離着陸機を開発中とされ、近年は「陸空両用」タイプも勢いを増している。今年1月、米ラスベガスで行われた世界最高のテクノロジー見本市「CES」では、中国の電気自動車(EV)メーカー小鵬汽車(シャオペン)が陸空両用の空飛ぶ車のコンセプトモデルを展示し、話題を集めた。 「空飛ぶ車は将来、国の基幹産業になる。これは、絶対に負けられない戦いなのです」実用化のケースは / 日本でもこれだけある 真紀氏は、実用化を見据え、日本での活用方法も本気で考え始めている。 「一つには都市と地方の移動で、新幹線と空飛ぶ車を組み合わせて結ぶことです。日本は自然の宝庫で、素晴らしい地方がたくさんある。例えば、静岡県在住の人が新潟県の佐渡島に行く場合、まず東京まで新幹線で行き、乗り継いで新幹線と航路を使うと7時間ほどかかりますが、東京から空飛ぶ車を使えば、1時間半に短縮できます。これにより、人々の行動範囲は格段に広がるでしょう。また、都心のヘリパッドから地方の旅館を直結すれば、移動そのものがアトラクションになり、日本人のみならず、外国人観光客にも歓迎されるはずです」 もう一つは災害対応である。 「災害時の物資搬送などにも大いに活用できます。ドクターヘリの代わりにもなります。しかも、自動車としても活用できますから、ヘリコプターでは行けないような場所にも行けるようになる。これこそが、本物の空飛ぶ車、陸空両用の強みなのです」 「ASKA A5」の予定販売価格は1機78万9000ドル。「現在、先行予約注文の多くは在米の企業や個人からですが、日本の観光関連企業からも予約をいただいており、手応えを感じています」と真紀氏は言う。 これまでの開発費用は、ほぼ、「自費」で捻出してきたという。しかも、ASKAの空飛ぶ車の90%以上の部品はインハウスで製作しており、オフィスに併設されている工場に足を踏み入れると、さまざまな工具や工作機械、3Dプリンターなどがあり、まるで町工場のようであった。 さらに驚いたのは、ASKAの社員の中には、かつて「MRJ」の開発に携わっていた元三菱重工出身の技術者が4人もいたことだ。彼らは「ASKAでは設計ベースから製造ベースまで、新しいことにチャレンジできる。意思決定も早く、自分の意見も反映される。働いていて、本当に楽しいです」と屈託のない笑顔で話してくれた。しかも、その顔は明るく、やる気と活気に満ちあふれており、ASKAはまさに、「坂の上の雲」を目指す、古き良き時代の日本企業そのものであるように思えた。 一方、低迷する日本企業の中には〝シリコンバレー信仰〟が根強いが、真紀氏はこの状況をどう見ているのか。 「もちろん、シリコンバレーには卓越した能力を持つ経営者や技術者がたくさんいます。だからといって、シリコンバレーに行くことだけを目的にすべきではありません。私たちはここにいることを重視するより、『空飛ぶ車を通じて、人々の生活の質を向上させたい』という大きな目的を持っています。起業家になることはあくまでも手段です。自分たちは何を成し遂げたいのかという大きな目的、志が先にあるべきです」 正鵠を射た見解である。私は、ASKAの強みとは、シリコンバレーに所在していることではないと思う。真紀氏の掲げる大きな目的の実現に向け、前を向き、ひたむきに努力する仲間の存在こそが同社最大の資産であり、強みなのであろう。 「必ず飛んでみせる!」 ASKAで働く人たちの思いはこの一言に尽きる。ASKAの空飛ぶ車が近い将来、縦横無尽に、空を、地上を、行き交う日が来ることを信じたい。日本人のわれわれにできることは、ただ、その日を待つだけでなく、ASKAを活用して「どういう日本にしていきたいか」を大いに構想、議論して、社会実装を後押しすることではないか。それこそが、ASKAで働く人たちの活力につながり、最大級のエールとなるはずだ。ASKA A5 full-scale prototype performs tethered unmanned flight test ・・・・・・・・完・・・・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408300000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/31
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 夏山シーズンも終わるこの時期にとある変人気象学者が富士山に登って山籠りを始めた(1895年)からか、この日は冒険家の日。体力の限界に挑戦する小中高生の健闘を祈る前夜祭的意味合いが強い。 ◆ 第二地銀の業界トップと信用組合の業界トップが揃って突然死。「阪神大震災の後始末もまだなのにどういうことやねん」「利子5%の定期預金は大丈夫やろか」と店舗に預金者が殺到し、怒号も飛び交う中で従業員はサービス残業(1995年)。 ◆アホ太郎よりはバカなド鳩の方がマシという民意が示された日(2009年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月30日】〈信長、秀吉、家康が首相になったら〉歴代総理の誰に相当?映画「もし徳」から考える「戦国の三英傑」のリーダー像 =終節==Wedge_Online 【徳川家康から学ぶ「忍耐力」】 2024年8月25日 / 城島明彦( 作家) プロ野球の監督では? 信長は、人を殺すのが平気で、長島一向一揆征伐や比叡山焼討ちが示すように、女子どもや坊主まで根こそぎ殺して快感すら覚えるタイプだ。自分を裏切って朝倉義景に走った義弟浅井長政を殺しただけでは飽き足らず、髑髏盃(どくろはい)にして新年会で披露する執念深さで、まさに狂気と紙一重ともいえる異常性格の「究極のサディスト」だ。気分次第で優しくなるというから不気味で恐ろしい。プロ野球の監督でいえば、捕手の中村武をベンチ裏でボコボコにするのがルーティン化していた〝昭和の体育会系闘将〟星野仙一。 わが手で人を殺すのが嫌で「兵糧攻め」や「水攻め」を好んだ秀吉は、主君信長から「猿」とか「禿げネズミ」と呼ばれても嫌がるどころか快感を覚える「マゾヒスト」で、「女たらし」を含めた〝人たらし〟である。その点から見ると、「長島茂雄が太陽に向かって咲くヒマワリなら自分は日陰に咲く月見草」などと暗い顔でぶつぶつ自虐ネタをぐちりながら、現役時代には三冠王になり、監督になると「記憶より記録」と克明なメモを取りながらライバルチームの選手を徹底分析、裸にして手玉に取った〝ボヤキの名監督〟野村克也か。 では家康は? 直情径行型のサディスト信長が発した「妻子を殺せ」との無茶な要求を、家康は拒まず、心で反抗し涙したが、姉川の戦いに援軍として駆けつけた際には、信長から2番手を言い渡されるとプライドが許さず、先陣を主張して譲らず、信長に承諾させた意地っ張りで強情な一面を発揮した。長篠の戦いでは信長に「知らぬ顔をするなら武田勝頼と組んで、信長殿を攻める」と脅して援軍を送らせるなど、家康は〝サド・マゾミックス〟ではなかろうか。 日本球界の逸材に喩えるなら、ナンバーワンの大打者なのに、〝直感型天才のミスタージャイアンツ〟長島の人気の影に隠れて、地道な努力を積み重ねて才能を開花させた〝世界の本塁王〟王貞治か。同じ天才でも、長島は〝信長のような閃き型の天才〟であるのに対し、王は〝秀吉のような努力型の天才〟という見方もできる。 巨人の監督期間は、王は5年間で長島の15年間とは大差が生じているが、ダイエー・ソフトバンクでは15年も監督を務め、巨人時代と合わせると長島を抜いており、〝人気の信長、実力の家康〟のような感じもしなくもない。読者諸兄の考えや、いかに? 陸空両用の「空飛ぶ車」 社会を変える「ASKA」 実用化を見据えた日本での活用方法とは? =前節==Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】 2024年8月29日 / 大城慶吾( 月刊「Wedge」編集長) サンフランシスコの「ゴールデン・ゲート・ブリッジ」から車で南へ約1時間。米グーグル本社があるカリフォルニア州マウンテンビュー市に目指す企業はあった。エアモビリティ会社「ASKA」。空飛ぶ車の実現を目指し、日夜開発を続けているスタートアップだ。 同社の会長兼最高執行責任者(COO)は、日本人女性のカプリンスキー真紀氏で、夫のガイ氏とともに2018年に創業した。 小誌が真紀氏を初めて取材したのは2022年4月。当時はコロナ禍の真っただ中であり、渡米のハードルは高く、オンラインでの取材になったが、今回、対面での取材が実現した。 私事になるが、真紀氏と私は同世代であり、空飛ぶ車の実現にかける思いや志を直接聞きたいと、この間、ずっと思っていた。しかも、取材当日は、フルスケール実機の「ASKA A5」も見ることができるという。期待に胸を膨らませながら現地へ向かった。 真紀氏は1977年生まれ。幼い頃、29歳の父を病気で亡くした後、妹も交通事故で他界し、母親に育てられた。 志半ばで亡くなった父と妹の姿を見て「私は精一杯生きよう」と決意し、高校卒業後、海外で学び、イスラエルで日商岩井(当時)に現地採用された。ここでガイ氏と出会い、結婚。夫婦で共同創業者としてこれまでにスタートアップを3社立ち上げ、技術開発、M&Aに成功。前社IQPは2011年に東京で起業し、17年に米GE Digital社へ売却。ASKAは3社目の挑戦となる。そして、プライベートでは3児の母でもある。 なぜASKAを創業したのか。真紀氏はその経緯をこう語る。 「アメリカでも日本でもそうですが、都市の人口集中は行き過ぎています。特に私たちのいるシリコンバレー一帯は、住宅価格が異常に高く、庶民には手が届きません。仮に購入できたとしても、部屋は狭く、子育てにも不向きです。郊外に足を延ばせばゆったりとした暮らしができますが、その代わり、通勤時間帯は大渋滞を覚悟する必要があります。都市の人口集中を改め、お金と活力を郊外や地方にも分散させ、人々の生活の質を高めたい。そのためには、陸空両用の空飛ぶ車が必要で技術的にもタイミング的にも実現するのは今だと確信したのです」 「ASKA A5」はパイロット1人、乗客3人の4人乗り。プラグインハイブリッド方式を採用し最高時速約240キロメートル、航続距離約400キロメートルを誇る。 現在、世界で開発されているeVTOL(電動垂直離着陸機)は、飛行に特化したものが多い中、ASKAの最大の特徴は、走行可能な垂直離着陸機であり、本物の空飛ぶ車であることだ。 自動車の状態から翼を広げ飛行機にトランスフォーメーション(変形)するのにかかる時間はわずか1分ほど。その後、ヘリコプターのように垂直離陸し、飛行機としても利用できる。 現時点では、飛行中の操縦は免許を持ったパイロットであることが必須だが、着陸後は再び自動車として利用できる。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408290000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/30
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 日本で銅が初めて採れたのを記念して、海の向こうの国のを真似た銅銭を鋳造(708年=「和同開珎」を発行)。でも、多くの日本人には使用方法が解らずお察し下さいな事に。 ◆ インドでぞんざいな扱いを受けたヴァスコ・ダ・ガマが、胡椒を手土産にポルトガルへの帰途につく(1498年)。 ◆ 帝都物語の出版元の創業者の息子が自ら野性の証明をする筈が、金田一耕助によって酒井法子並みだったことが判明(1993年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月29日】〈信長、秀吉、家康が首相になったら〉歴代総理の誰に相当?映画「もし徳」から考える「戦国の三英傑」のリーダー像 =中節==Wedge_Online 【徳川家康から学ぶ「忍耐力」】 2024年8月25日 / 城島明彦( 作家) 三英傑の生国は、信長が尾張国の勝幡城(しょうばたじょう)、秀吉は尾張国の愛知郡、家康が三河国の岡崎城と異なるが、いずれも今の愛知県という共通点がある。生まれた年は、信長は天文3(1534)年、秀吉は天文6(1537)年、家康は天文11(1542)年なので、秀吉は信長より3つ下で、家康は秀吉より5つ下、信長より8つ下という違いがあるが、いずれも「天文」という同じ元号の時代に生まれ育ったという共通点がある。 「織田が搗(つ)き、羽柴が捏(こ)ねし天下餅、座りしままに食(くら)ふは徳川」 三英傑を語る場合の定番は、この狂歌と「ホトトギスの川柳」を外すわけにはいかない。 鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス 信長 鳴かぬなら 鳴かしてみせよう ホトトギス 秀吉 鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス 家康 この3句に3人の顔つきや性格がよく表れている。信長は狼、秀吉は猿、家康は狸だ。のっそりした動きは家康だけ。狼も猿も動きが俊敏だが、地を走る狼と空を飛ぶ猿とでは動き方が異なる。信長も秀吉もアイデアマンで、機を見るに敏、敵の裏をかく戦法を好むところはよく似ているが、目のつけどころは違っている。 よく知られていることだが、信長は短気で、意のままにならぬ生き物は殺す残虐性があり、秀吉は努力型だが、家康のようにただじっと腰を据えて忍耐強く待ち続けるのは苦手で、自分で動いて創意工夫する点が優れているという大きな違いがある。 家康は「天道は第一に奢侈を憎む」といって「質素倹約」をモットーとし、戦時中の標語「贅沢は敵」「負けられません、勝つまでは」に通じるものがある。そう考えると、家康が「非常時の総理大臣」には向いてるかもしれない。 家康は「用心深い」「忍耐強い」「ケチ」といわれ、「石橋を叩いても渡らない」と評されてきたが、そうさせたのは信長や秀吉にはない「暗い生い立ち」だ。父も祖父も家臣に殺され、6歳から19歳まで12年間も人質で、その間、金で売買された屈辱も味わった。 軍事同盟を結んだ信長に命じられて妻(正室)と嫡男を殺さざるを得なかった。そういう前半生を考えれば、老いるにつれて〝タヌキ親父〟になっていったのは当然のなりゆきだ。 贅沢三昧の秀吉は「朝鮮出兵」という暴走を犯して「国家の危機管理」の点で失格だし、豪華絢爛たる安土城を築いた信長も光秀の怨みを買って下剋上という非常事態に遭って死んだのだから、非常時の総理大臣には不向きといってよいだろう。家康は佐藤栄作、秀吉は田中角栄、信長は該当者なし? 昔から「氏より育ち」といって、家柄や身分より育った環境やしつけが人格形成に強い影響を与えるとされてきたが、三英傑はどうだったのか。大ざっぱにいえば、信長が「氏・育ち」ともによく、といっても織田家の先祖は尾張の守護代の家臣レベルだが、家康の先祖は全国をめぐっていた遊行僧が土地の有力者の娘の婿に入ったのが始まりで、出自はどこやら怪しげであり、秀吉に至っては氏もへったくれもない。 秀吉は、『太閤素性記』によると、父は木下弥右衛門で信長の父信秀の足軽とされているが、平時は農民、戦時に足軽となったらしい。筆者の先祖は農民だが、名字帯刀を許されていたと祖母に聞かされており、弥右衛門もそれか。 〝天下のご意見番〟大久保彦左衛門が書いた『三河物語』には、平時には徳川家の家臣が田や畑を耕しており、その姿を城主が見て心を痛める話が出てくる。戦国時代には、よくあった境遇である。 では、三英傑を戦後の総理に喩えるとしたら誰が該当するか。筆者なりに考えてみた。 信長の特徴「ワンマン」で歴代首相を眺めると、ワンマン宰相といわれた吉田茂の名が浮かぶが、信長のような‟狂気ばしった専制君主型”ではなく、残念ながら該当者なしだ。 一番わかりやすいのは、〝今太閤〟と呼ばれた田中角栄だろう。中卒の学歴ながら新潟の土建会社社長を経て、政治家に転身し総理まで出世した〝究極の成り上がり〟。「まあ、そのぉ」を連発しながら扇子でせわしなく煽ぎ、ハンカチで顔の汗を拭うエネルギッシュな姿は、秀吉とも重なる百姓上がりのイメージがあるが、細かい数字を頭に叩き込んだ〝コンピューター付きブルドーザー〟。 だが角栄は、「日本列島改造論」をぶち上げたところまではよかったが、〝地価狂騰〟という負の遺産を残し、秀吉が佐渡金山などの鉱山を所有し、腐るほどの金銀財宝を大坂城に秘蔵していたのに倣ったのか、目白の自邸や越山会事務所の金庫には札束があふれ返っていた。そのカネは盟友の実業家小佐野賢次から渡った裏金だったり、のちのロッキード事件で判明する巨額の賄賂だったりで、金銭をめぐるダークな一面も秀吉に通じる。 秀吉は死が迫ると五大老五奉行に誓紙を書かせて息子秀頼に政権譲渡したが、死んだらおしまい。家康は誓紙は反古にして政権奪取。似たような話は角栄にもある。病に倒れるまでは「キングメーカー」として政財界に君臨し、娘真紀子に女性総理の夢を託すが、小泉純一郎政権時に外務大臣に就いたまでだった。 江戸幕府を260年余も続いた平和な長期政権と見れば、兄の岸信介が猛反対を押し切って「日米安全保障条約」を結んだのを受けて、沖縄返還を実現させ、非核三原則を提唱して〝昭和偃武〟を実現、ノーベル平和賞をもらった弟の佐藤栄作が家康か。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408280000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/29
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 住友が銅の生産で一帯を禿山にしたおかげで大水害が発生(1889年=別子大水害)、住友は植林だの精錬所の移転だの後始末に忙殺される破目になり田中正造から皮肉にも褒められることに。 ◆ 日本のテレビコマーシャルの誕生は、この日フィルムの裏表をひっくり返したことで始まった(1953年=NTVが本放送開始)。 ◆ 上の階のピアノのうまさに嫉妬した男が、そのピアノを持っていた一家を皆殺しに(1974年=ピアノ騒音殺人事件)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月28日】黒澤映画の傑作『七人の侍』公開70周年の今、全米で再び脚光を浴びる理由 =後節==NewsWeek_ Opinion / 2024年8月23日(金) / ジョーダン・ホフマン(映画評論家) 語り継がれる三船の魅力技術的な面では、最終決戦の盛り上がりに類似点を見いだすことができる。黒澤は複数のカメラを使って同じ戦いを異なる角度から撮影しているだけでなく、いくつもの小さな戦いをカットでつなぎ、スリリングな最終決戦に向けた盛り上がりを演出している。『七人の侍』で最も強烈な輝きを放つのは三船敏郎だ。エネルギッシュで力強いだけでなく、『欲望という名の電車』のマーロン・ブランドのように、その予測不能な魅力でスクリーンを支配し、観客を魅了する。彼が演じる菊千代は酔っぱらいで粗暴だが、笑えるし、繊細な一面を見せることもある。燃え盛る建物に踏み込んだ菊千代が赤ん坊を救い出すシーンは、おそらく『七人の侍』で最高に感動的だ。ほかの俳優が演じていたら、菊千代はただ「声が大きいだけの乱暴者」になっていたかもしれない。だが三船が演じることで魅力的な人物になった。この映画が今も語り継がれている最大の理由は、たぶん三船の存在にある。公開70周年を迎えて『七人の侍』は初めて4Kでリマスターされ、北米全土(ニューヨークやロサンゼルスだけでなく、オハイオ州やケンタッキー州、カナダのオンタリオ州なども含まれる)で大々的に公開された。なにしろ大作だから、15分の休憩とポップコーンを買いに行く時間も加えたら、映画館で過ごす時間は4時間を超えるだろう。ひたすら忙しくて集中力の持続を苦手とする現代人には、かなりハードルの高い上映時間だ。それでも多くの人が足を運んでくれたことを願う。16世紀の貧乏侍だって犠牲をいとわず、自らのミッションを貫徹したのだから。From Foreign Policy Magazine〈信長、秀吉、家康が首相になったら〉歴代総理の誰に相当?映画「もし徳」から考える「戦国の三英傑」のリーダー像 =前節==Wedge_Online 【徳川家康から学ぶ「忍耐力」】 2024年8月25日 / 城島明彦( 作家) 「コロナで総理大臣が死亡」という緊急事態が勃発した日本を救国するための非常手段として、「AIを活用した家康を首班とする1年間の時限内閣を組閣」という設定のSF小説の映画化で、7月26日から鳴り物入りで全国公開された。原作の小説が発売された3年前(2021年)には想像すらしなかった〝とんでも事件〟がその後の日本で次々と起こった。 安倍晋三元首相の暗殺や今夏の日経平均の〝史上空前〟の大暴落と大暴騰など、「日本はどうなるのか」と誰もが不安に感じる昨今。「AIを通じて過去の偉人の知恵と実行力にすがる日本の国づくり」という、本来ならありえない設定はグッドタイミングというべきか。 映画を観て帰宅後、テレビをつけると、岸田文雄首相が「次の総裁選には出馬しない」とのニュースが流れるオマケまであって驚いた。世間は忘れているし、メディアも報じないが、岸田内閣が支持率低下に突入するきっかけは、主要7カ国(G7)の開催国のホストとしての振る舞いが見事ということで高支持率を得た矢先に放たれた「昨年末に親族を首相官邸に招いて忘年会を催した」という〝文春砲〟だった。 つまり、「公設秘書にしていた息子の〝首相官邸私物化〟」で岸田人気は長期低迷トレンドに突入し、〝死に体同然〟だったが、「権力に恋々としない為政者」としての評価を狙った岸田流の〝引き際の美学〟といったところか。息子の後継者問題で悩みを抱えるのは、岸田に限らず、三英傑もそうで、信長も秀吉も家康も悩み苦しんだ課題ではある。‟自社の神君”に意見を聞く 映画「もし徳」だが、AIで過去の偉人たちを呼び出して〝コロナ突破のための時限救国内閣〟を組閣させるところから始まるキャスティングは、首相が家康(野村萬斎)、財務大臣が秀吉(竹中直人)、経済産業大臣が信長(Gackt)、官房長官が坂本龍馬(赤楚衛二)といった主要閣僚で、そのほか、外務が足利義満、法務が藤原頼長、厚生労働が5代将軍徳川綱吉らに加え、原作にはない紫式部や北条政子の女性閣僚も色を添える布陣だった。そんな〝ぶっ翔んだ発想の映画〟を観ていて、筆者はふと真剣に思ったものだ。 ――「もし徳」のバーチャルな〝コロナ時限内閣〟に入閣した「戦国の三英傑」は、戦後のリアルな歴代内閣でいうと、誰が最も近いのだろう? そういうことを遊び心で考えてみるのも一興というわけだ。いや、どんな企業にもいえるのは、これからの時代、「右せんか、左せんか」という大きな岐路に立たされたときには創業精神に立ち返って考えるべきだろう。その際には、「もし徳」をまねて「〝自社の神君〟をAIで呼び出して経営会議に参加してもらい、意見を聞く」という手法に応用できる時がくるかもしれない。「氏より育ち」か、「育ちより氏」か 三英傑を号令というかキャッチフレーズで比較すると、信長は「天下布武」を唱えたが、人殺しが嫌いな秀吉は話し合いで解決するという意味を込めた「惣無事(そうぶじ)」、家康は「元和偃武(げんなえんぶ)」を掲げた。 元和は「大坂夏の陣」が終わった1615年からの新元号であり、偃武は「武をやめること」「武器をおさめること」で、「長い戦乱の時代が終わり、平和が来た」という意味である。信長が天下を統一するまでの「覇道」を示す標語だったのに対し、秀吉・家康の標語は政権を取ってからの平和な世を目指した「王道」である点に大きな差異がある。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408270000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/28
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 日光街道沿いに鉄道/現伊勢崎線が開通する(1889年)。その後、『らき☆すた』や『クレヨンしんちゃん』でお馴染みの路線となる。 ◆ 1階をスカスカにしてその上に規格化された建材を組み立てた上に屋上に広場を造るという安易さ極まりないモダニズム建築の巨匠として有名なル・コルビュジエが死亡する(1965年)。 ◆ 5か月前にハブに噛まれて死んだ筈の車寅次郎が、突然柴又の団子屋に現れる(1969年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月27日】黒澤映画の傑作『七人の侍』公開70周年の今、全米で再び脚光を浴びる理由 =前節==NewsWeek_ Opinion / 2024年8月23日(金) / ジョーダン・ホフマン(映画評論家) ニューヨーク大学映画学科の新入生の頃、筆者と仲間たちには一風変わった合言葉があった。学内で出会ったら、まず「今日はコメの薄がゆ」と呼びかける。すると相手は「明日はヒエ!」と答える。この合言葉、元ネタは黒澤明監督の『七人の侍』(1954年)にある。当時、私たち学生は「ショット・リバースショット」や「第四の壁」といった映画作りの概念を学ぶために、この映画史に残る偉大な作品を授業の初日に見せられた(まだスマホで映画を見られる時代ではなかった)。退屈な課題かと思ったら違った。ショックを受けた。セリフが骨に染み付いた。それで奇妙な合言葉ができた。『七人の侍』は公開70周年を機に4Kリマスターされ、この夏、全米の映画館で公開された。私もこの「勝ち目のない戦いに挑む正義の味方」の活劇を改めて見た。そして昔と同じようにショックを受け、同じように楽しんだ。ラシュモア山に彫られたアメリカの大統領4人の肖像のように、20世紀半ばに登場した外国映画の偉大なキャラクター4人の彫像を作るとしたら、『七人の侍』で三船敏郎が演じた野性的な剣士・菊千代は確実にその1人となる。その横に並ぶのは、たぶんイングマール・ベルイマン監督の『第七の封印』(57年)でマントをまとった死に神、フェデリコ・フェリーニ監督の『8½』(63年)で黒い帽子をかぶったマルチェロ・マストロヤンニ、そしてフランソワ・トリュフォー監督の長編デビュー作『大人は判ってくれない』(59年)でジャンピエール・レオが演じた反抗的な少年だろう。黒澤は『羅生門』(50年)で既に国際的に知られていたが、『七人の侍』は国内での興行的成功と同時に、心躍る物語で世界を魅了した。 戦後の日本映画は当初、封建時代の話を忌避していた。領主への無条件の忠誠などという概念は過去の遺物とされていたからだ。あの時代の日本映画の名作と言えば、小津安二郎監督の『東京物語』(53年)と本多猪四郎監督の『ゴジラ』(54年)だ。前者は老人を使い捨てる近代性への痛切な批判であり、後者は被爆国・日本のいわば集合的黙示録だった(その後のシリーズでは、日本映画の稼ぎ頭に変身したが)。対して『七人の侍』の舞台は16世紀の戦国時代。多くの武士が主君を失い、しがない傭(やと)い兵となっていた。その一部(7人)が、なぜか正義のために力を合わせて農民を守ろうと立ち上がる。それは古典的ヒロイズムを踏まえつつも、戦後日本の時代の空気を反映した作品だった。戦後ニッポンとの共鳴この作品に描かれた世界観は、明確だった階級制度の壁が崩れ落ちる一方で、急速な近代化を進めていた当時の日本社会と共鳴していた。農家の娘・志乃(津島恵子)に恋する武士の岡本勝四郎(木村功)や、武士ではないことがバレても戦場で実力を証明する三船の菊千代は、ありふれた映画的な人物像にも見える。だが新しいアイデンティティーを模索していた戦後の日本人にとって、古い規範からの逸脱というテーマは深いレベルで心に響いた。『七人の侍』のストーリーは非常にシンプルで、いくつものエネルギッシュな見せ場がある。この207分の大作の舞台は、盗賊と化した野武士が村々を襲い、収穫を奪い、女性を誘拐する時代。以前にもひどい目に遭っていた村人は再び盗賊の標的になると知って、やむなく侍の力を借りて村を守ろうと決意する。町に出て侍を雇おうとした村人たちは、浪人・島田勘兵衛(志村喬)の勇気と創造的思考に感銘を受ける。村人に説得された勘兵衛は仲間を集めるが、その顔触れは氷のように冷徹な剣士の久蔵(宮口精二)、優れた戦術家の片山五郎兵衛(稲葉義男)、熱心な見習いの勝四郎など。そして最後に真の主役・菊千代が加わる。 どこかで聞いたような筋書きに思えてしまうのは、『七人の侍』が何度も西洋の映画に翻案されているせいだ。いい例が西部劇『荒野の七人』(1960年版と2016年版がある)とSF映画『宇宙の7人』(80年)だ。コメディーの『サボテン・ブラザーズ』(86年)やアニメ映画『バグズ・ライフ』(98年)にも『七人の侍』のパターンが投影されている。西洋映画に最も顕著な影響を及ぼしたのは、勘兵衛がチームを編成するくだりだ。彼が候補を見定め、実力を試した上で仲間に引き入れるプロセスは、見ていて単純に楽しい。新しい侍が仲間に加わると思いきや、金も名声も得られないと分かるとあっさり誘いを断る場面も素晴らしい。仲間選びの場面は『特攻大作戦』(67年)や『ブルース・ブラザース』(80年)、『オーシャンズ11』(2001年)などにも採り入れられている。さまざまな映画に影響を及ぼしたもう1つの展開は、村人(そして私たち観客)と勘兵衛との出会いだ。町で盗賊が子供を人質に立て籠もる騒ぎが起きると、僧侶に変装した勘兵衛が現場に乗り込み、見事に子供を助ける。本題のミッションに入る前に「ミニミッション」を見せて主人公を紹介するこの手法は、今ではとても一般的だ。1960年代後半から70年代半ばのハリウッドで、黒澤の影響を最も大きく受けた映画監督はジョージ・ルーカスだ。彼の代表作『スター・ウォーズ』には、黒澤映画の影響がたくさん見られる。例えばR2-D2とC-3POの元になったのは、黒澤の『隠し砦の三悪人』(58年)で姫君の救出に巻き込まれるおっちょこちょいの農民2人だ。「スター・ウォーズ」シリーズには『七人の侍』と共通する要素も多い。まずはシーン間の「ワイプトランジション」という技法だ。暗がりで深い智恵を授ける村の長老の姿は『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(80年)のヨーダに再現されているし、勝四郎と志乃のロマンスもハン・ソロとレイア姫の関係にそっくりだ。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408260000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/27
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ カルカッタで貧しい人々に死に場所を与えた聖女と言う名のマザー・テレサが、アルバニアで生を享ける(1910年)。 ◆ 芥川龍之介脚本の映画『羅生門』が封切り(1950年)。これに合わせて、第1回24時間テレビ 「金はテレビを救う」が放送される(1978年)……両出来事の関係は謎である。 ◆ 芝浦埠頭とお台場の間がデカいつり橋で結ばれる(1993年)。真下をデカい船が通る上に大量の車を捌くことから、勝鬨橋のバージョンアップとはならず。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月26日】〈トランプ再来は悪夢!〉ビヨンセ、テイラー・スウィフトの女性パワーが大統領選の行方を左右するか? =後節==Wedge_Report 【日本人なら知っておきたい近現代史の焦点】 2024年8月22日 /廣部 泉( 明治大学政治経済学部 教授) 今回の選挙で、ビヨンセの楽曲「フリーダム」がハリス陣営に力を与えるのは、ビヨンセの人気だけによるものではない。この曲は前述の「フォーメーション」が収録されていたのと同じ2016年のアルバム『レモネード』の中の作品で、20年にジョージ・フロイド氏が白人警官に殺された事件に抗議する運動の讃歌として使われた、強いメッセージ性を持つ曲である。 そもそもビヨンセが莫大な私財を投じてまでハリスを当選させたいと考えるのは、ひとえにトランプの当選阻止を狙っているからである。自由と多様性を重んじるビヨンセにとってトランプの再来は悪夢でしかない。差別が横行する過去へと戻そうとするトランプに対し、「自由よ、わが身を解放せよ」とビヨンセは歌う。「昔に戻りたい」力に勝てるか 米国で建国時から今日まで大切にされてきた政治文化の概念が三つある――自由、平等、民主主義である。この順番が重要であり、米国人は何よりも自由を大事にする。英王ジョージ三世による抑圧に命を懸けて戦って独立したのも、自由を欲したからである。 実は自由を貴ぶ歌は、大統領選挙において建国期から謳われてきた。最初の大統領選挙キャンペーン・ソングとして挙げられることも多い「アダムズと自由」という曲のアダムズとは、第二代大統領ジョン・アダムズのことである。第三代大統領トマス・ジェファソンのための曲「ジェファソンと自由」は「自由の息子たちは高らかに謳う、恐怖の治世はもう終わりだと」と自由が恐怖に打ち勝つ様を謳ったものである。つまり、建国期から米国人は歌が人を動かす力の大きさを知っていたのである。 一方、トランプ陣営は、ビヨンセがハリスに公式に使用を許可した「フリーダム」をBGMにトランプが飛行機のタラップを降りて来る映像を民主党大会中にネットへ勝手に上げた。このことから、トランプ陣営もビヨンセの影響力の大きさを利用しようとしていることがうかがえる。 ハリスはこの選挙戦を、「過去に戻そうとする」トランプと「明るい未来を信じる」自分たちとの戦いと表現した。言い換えれば、多様性を大切にする者たちと、多くが抑圧されていた昔を懐かしむ者たちとの戦いである。白人が支配するエンターテインメント業界で耐えてきたビヨンセの過去の歩みと、弱者に寄り添う彼女の姿勢を知る米国人の心をつかむビヨンセの歌声は、ハリスの選挙の後押しとなるだろう。 しかし、昔に戻りたいと考える人々の力はいつの時代も侮れない。白人男性が白人男性らしく生き、非白人が分を弁えて暮らしていた時代に戻るのか、それとも様々な異なった生き方が尊重される未来が支持されるのか、次の大統領選挙で試されるのはそういった点でもある。「路上でアクロバット芸」「不妊の体に」...... 中国五輪金メダル至上主義の数えきれない犠牲者たち=NewsWeek_ Superpower Satire(China) 風刺画で読み解く中国の現実 / 2023年08月22日/ ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)政府によって人材と資源を組織的に集中させ、挙国体制で体育強国を目指す中国。だが、今年のパリ五輪でメダル総数は2 位、金メダルの数も40個とアメリカに勝つことができなかった。「外国人は私たち中国人のことを『東亜病夫(東アジアの病人)』と呼んでいる」──中国人の誰もが子供の頃から、この屈辱的な記憶を心に刻まれる。差別された被害者の記憶を喚起することも大事な愛国教育の一環だ。選手を含め、そんな教育を受けた中国人が皆、オリンピックなど世界レベルのスポーツ試合を中国の恨みを晴らす舞台と思うのも当たり前だろう。 今回のパリ五輪競泳男子100メートル自由形決勝で、世界新記録を達成して金メダルを獲得した潘展楽(パン・チャンロー、風刺画中央)のインタビューを見るとよく分かる。潘は自分が欧米の選手に「無視され」「彼らがわれわれを見下しているように感じ」そして「私は彼ら全員に勝った」と語気を強めた。選手がそうなら応援する国民はなおさらだ。金メダルのため政府がいかなる代価も惜しまないのは、それが単に「中国人が立ち上がった」ことだけでなく、「共産党政権こそ中国を救える」という物語を証明するからだ。ただ、「いかなる代価」の「代価」は、政府が挙国体制によって調達しているカネではなく、実は選手そのものだ。例えば、体操の世界王者だった張尚武(チャン・シャンウー)。1983年生まれの張は5歳から親元を離れて体操選手を目指し、12歳で国家体操チームに入り、2001年の北京ユニバーシアード大会で金メダルを2 個獲得した。しかし過酷な練習で両足のアキレス腱を断裂し、五輪に無縁のまま引退した。毎日練習ばかりで実質的に中卒の学歴しか持っていなかった張は、北京の路上でアクロバット芸を披露して生計を立てた。元全国チャンピオンの重量挙げ女子選手の鄒春蘭(ツォウ・チュンラン)は引退まで毎日、メタンジエノンという筋肉増強剤を飲まされた。薬物を飲み続けた鄒はひげが生えて男のような声になり、不妊の体になった。張と鄒は中国メディアに取り上げられ、社会的に注目されただけましだ。数え切れない無名の「代価」たちはどうなっているのだろう。中国の金メダルは世界一重い ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408250000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/26
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 船代をケチったイギリス人の船乗りが、泳いでドーバー海峡を渡るのに成功(1875年)。クラゲに刺され潮流に流されもしたが21時間45分かけて泳ぎ切った。以降、後継者達がチラホラ。大和撫子・大貫映子が9時間32分(1982年)で泳いだ。 ◆ パリを4年間も我が物顔に振る舞ってきたナチスとその協力分子に、市民の不満が爆発。この日から数年間、市内全域をリンチの嵐が襲うことに(1944年=パリの解放)。 ◆ 安藤さんちがお湯をかけて3分で食える袋ラーメンをロールアウト(1958年)。故に即席ラーメン記念日ってことになってしまっているが、同業他社にとってはお察し下さい。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月25日】〈トランプ再来は悪夢!〉ビヨンセ、テイラー・スウィフトの女性パワーが大統領選の行方を左右するか? =前節==Wedge_Report 【日本人なら知っておきたい近現代史の焦点】 2024年8月22日 /廣部 泉( 明治大学政治経済学部 教授) この夏、米国東部のある大学を訪問したが、そこの図書館の男性用トイレには生理用品のタンポンが置かれている。今回の大統領選挙で民主党副大統領候補に指名されたミネソタ州のティム・ウォルズ知事が、トランプ陣営から最近「タンポン・ティム」と呼ばれていることが想起された。 2023年にウォルズ知事は、ミネソタ州内の公立学校のトイレに無料で生理用品を設置することを義務付ける法案に署名した。その法案が求めたのは、「生理中のすべての生徒」のための生理用品の設置であった。女性用トイレだけではなく男性用トイレにも設置を義務付けたのである。 すなわち、さまざまな性的少数者を助けるために、男性用トイレにも設置することを求めるものであった。これに対しミネソタ州の共和党議員の一部は、この「すべての生理中の生徒」という文言に噛みつき、生理用品は女性用トイレのみに設置されるべきと主張した。性的少数者へのいきすぎた配慮だというのである。 保守派の司会者は、この件を取りあげ、ウォルズ氏の顔を合成したタンポンのパッケージの写真を創り、「タンポン・ティム」と呼んで彼を馬鹿にした。トランプ陣営もこれに乗っかり、民主党は副大統領候補に「タンポン・ティム」を選んだと揶揄した。この呼び方はトランプ支持者に広がった。 一方、民主党支持者の間では、このウォルズ氏の姿勢を支持する動きが広がっている。男性用トイレにも生理用品を設置することが、様々な少数者への行き届いた配慮を表していると受け止められたのである。 ヒラリー・クリントン元国務長官をはじめ民主党有力者も、ウォルズ知事の姿勢を高く評価する見解を表明している。知事本人も「タンポン・ティム」と呼ばれることをむしろ「光栄」だと発言している。 つまり同じキャッチフレーズが、共和党支持者の間では、ネガティブなものとして、民主党支持者の間にはポジティブなものとして流通しているのである。これは米国の分断を象徴した現象と言えよう。 テイラー・スウィフトを〝利用〟するトランプ陣営 そもそもトランプ支持者たちが「タンポン・ティム」をネガティブなものと考えるのは、トランスジェンダーやノンバイナリーなど既成の枠組みに入らない多様な存在を認めたくないという考えがある。加えて、男性が生理といったものに関わるなど女々しいというメイルショーヴィニスト(男性優位主義)的な考えが根底にあるからである。 そのような男性優位的な考えが根底にあるトランプ陣営ではあるが、ハリス陣営の勢いを受けて女性の助けも必要なようである。最近トランプは、国民的人気シンガーソングライターのテイラー・スウィフトをAIで加工したいくつかの図像をSNSに発信した。 その図像の中には、かつて米国政府が愛国心に訴えて志願兵を求める時に作成した「あなたが必要だ」という有名なポスターを、テイラーに模して加工したものもある。それはさも、テイラーがトランプへの支持を愛国心のある国民に訴えているかのようである。 テイラー・スウィフトは元来民主党支持で、20年の大統領選挙ではバイデン支持を表明したこともある。その影響力は大きく、テイラーがSNSなどで選挙登録を呼びかけるたびに選挙登録者が急増する。そして、そのほとんどが民主党に投票すると推定されている。 選挙に投票するには事前の選挙登録が必要な米国で、それまで登録していなかった層を動かす彼女の力は非常に大きい。しかしその影響力の大きさゆえに、テイラーが脅迫の対象となることもあり、彼女の身の安全を心配する家族からは大統領選挙について政治的な発言をすることを止められている。 現時点でテイラーは今回の選挙について旗幟を鮮明にしていないので、トランプに無許可で自分の合成画像を発信されてもそれを止めることはしないだろう、とトランプ側が嵩を括っての発信とも考えられる。いずれにせよ、トランプ陣営は男性優位の立場を支持しつつ、困ると女性のパワーに頼っているのは確かである。 ビヨンセの支持を得る〝威力〟 同様に女性のパワーと言えば、米国を代表する歌手のビヨンセが、次期大統領選挙を戦うハリス陣営に対し、400万ドルの寄付を表明し、楽曲「フリーダム」の使用を認めた。これはハリス陣営にとって勝利への大きな推進力となると受け止められている。 400万ドルというのは途方もない額であるが、大きな力となると考えられるのは資金だけではない。米国でも数少ない黒人にも白人にも熱狂的に受け入られているエンターテイナーの一人であるビヨンセの支持を得たということの意味の大きさがそこには潜んでいる。 ビヨンセは、かつては黒人としてメッセージ性のある楽曲よりも、幅広いファン層が受け入れやすい作品を発表していた。しかし、相次ぐ警官による黒人殺害事件の発生に触発され、16年に黒人性を前面に押し出した新曲「フォーメーション」を発表した。 この変化がもたらした影響はすさまじく、歴史ある人気コメディ番組サタデー・ナイト・ライブ(SNL)が、「ビヨンセが黒人になった日」という架空の映画の予告編を作成したほどであった。それは、これまでビヨンセのことを白人であると信じて曲を聴いてきた白人たちが、黒人性を前面に出した新しいアルバムの登場によって、ビヨンセが黒人であったことに初めて気づき、宇宙人が来襲したのと同じくらい驚いた、という内容であった。 何も驚かない黒人をよそに、ビヨンセの新しいアルバムを聴いた白人たちが、まるでそれまで信じていた世界が崩れたように感じて半狂乱になって逃げ惑う姿を笑うというSNLらしい皮肉の効いたものだった。もちろんビヨンセに黒人の血が流れていることは周知であったが、彼女の作風やパフォーマンスの変化がそれほど劇的であり、衝撃を持って受け止められたということを表していた。・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408240000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/25
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 1572年のフランス(サン・バルテルミの虐殺)や1929年のエルサレム(嘆きの壁事件)などこの日は神の名の下に異教徒を幾らでも血祭りに挙げても赦される日らしい。 ◆ ソビエト連邦共産党(1991年=ミッチィが党の解散を宣言)と冥王星(2006年)がリストラされた日。 ◆ アメリカに不法占拠された松江市が、右も左もない連中によって攻撃を受ける(1945年)が、ポンペイが消えて無くなった(79年)事件に比べれば屁のような事件で1ヶ月遅れで報道された。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月24日】【日系自動車メーカーは喰われるか?】中国EVが東南アジアへ進出する理由、激変する市場の行方 =後節= =Wedge_Report 【チャイナ・ウォッチャーの視点】 2024年8月21日 /高口康太( ジャーナリスト、千葉大学客員教授) 中国EVメーカーの苦悩 さて、ここまでは「東南アジアを失う危機」という日本企業の目線から見てきた。では、中国企業目線で見ると、どう映るのだろうか。ポジティブな面で見ると、「中国市場と東南アジア市場の類似性」が挙げられる。 中国企業の発展を理解するカギとなるコンセプトが紅利(ボーナス)だ。労働人口の増加、インターネット普及率の増加、スマートフォン普及率の増加など、市場のパイそのものが拡大していく追い風にうまく乗ることができれば、企業は急激に発展できる。東南アジアは中国の3~5年遅れでビジネストレンドがやってくるとみられており、中国での成功例を移植すればチャンスは大きいとみられていた。 このロジックにのっとってIT企業やスマートフォンメーカーは進出を続けた。電子商取引(EC)、配車アプリ、動画配信、ショート動画など成功例は多い。そして次はEVの番だというわけだ。 一方で、しぶしぶ東南アジアを選んだという側面も見すごせない。ポイントは「やむをえない選択肢」「中国国内の競争激化」の2点だ。 まず、「やむをえない選択肢」について、中国経済誌『財経』ウェブ版は24年7月8日に「中国車はなぜ東南アジアで売れるのか?」との記事を掲載した。そこに「中国メーカーにとって東南アジアという選択肢は主体的なものであると同時に、受動的なものでもある」という一節がある。 テスラなど他国のEVメーカーがまだ地盤を築いていないブルーオーシャンであるという意味では主体的に進出したい市場も多い。一方で大きなマーケットである米国や欧州は米中対立や貿易摩擦の問題から大々的な展開は難しく、残されためぼしい選択肢は東南アジアと南米ぐらいしかない。 海外進出できなくても、世界最大の中国市場があるのだから安泰、という話でもない。これが第二のポイントである「中国国内の競争激化」だ。 中国EV市場全体で見ると成長しているが、激しい競争がくり広げられており、企業別に見るとすでに淘汰のフェーズに突入している。なんといっても最大手のBYDが強すぎる。 コスト改善能力に優れ、EVでは唯一の黒字企業だ。その体力を生かして積極的な価格競争をしかけている。 赤字続きの他メーカーも値下げに追随せざるを得ず、結果として中国国内ではいくら売っても儲からない状況だ。中国以外の市場ではより高い価格で販売できることから生き残るために海外進出を加速させるという構図がある。 その象徴とも言えるのがNETA(哪吒汽車)だ。22年には約14万台を出荷し、新興EVメーカー(10年代に設立されたEVメーカーを指す。BYDは含まれない)でトップの製造台数を記録したが、翌年からは一転、激しい競争に敗れ倒産危機に直面している。同社はタイ市場に望みをかけ、現地に工場を作るなど大々的に進出したが、ここでもBYDとの戦いが始まり、劣勢に追い込まれている。タイ市場における24年上半期の販売台数は前年同期比で半減している。 東南アジアの論理 ここまで日本と中国の視点から東南アジアのEV普及を見てきた。最後に東南アジア側の論理も考えておきたい。中国がどう攻めるのか、日本がどう守るのかといった筋書きで語られることが多いが、東南アジアの国々、現地企業には独自の戦略とソロバン勘定があることも抑えておくべきだろう。 現地のEV振興策はまるで日本車イジメに見えるが、脱炭素計画やグリーン産業をいかに誘致し振興させるかという地元の考えは無視できない。日本自動車メーカーが現地に雇用と技術をもたらしたように、中国EVメーカーも技術移転や現地のサプライチェーン育成といったメリットをもたらす可能性は高い。そもそも、EVの前から盛んだった中国IT企業の進出は東南アジア各国のデジタルサービスを大きく向上させるもので、そこで得たノウハウや技術は現地企業の成長にもつながっている。 つまり、中国EVメーカーの東南アジア進出は受け入れる現地の側が仕掛けているという側面もある。現地工場建設を条件にEVの輸入関税を引き下げたタイが好例だ。 新興国の経済成長、技術力向上には外資の力が不可欠である。その選択として中国という新たな要素が加わったことはウェルカムだろう。 この選択肢は二者択一ではない。政治的に米国に近い、あるいは中国に近いという国際関係の力関係はあるものの、経済的にはなにか一つを選んで他の選択肢を放棄するのではなく、自国の発展のために複数の選択のベストミックスを探るという手法が採られるわけだ。日本が考えるべきは、日本”陣営“に引き入れることではなく、現地の人々が選ぶ選択肢の中にいかに多くの日本カードを入れるかであろう。 ・・・・・・・・完・・・・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408230000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/24
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 白虎隊が腐女子の妄想の種にされた末に、やおい穴をおっぴろげて滅亡(1868年)。&so、東京・竹橋で近衛兵が反乱したのは10年後。白虎隊の怨念が再燃したか…… ◆ 新潟の萬代橋の欄干が崩落。一万年どころか20年しか持たなかった(1948年=花火大会の見物客が殺到、死者11人)。 ◆ 伝説の名文句、『何のための前進守備だ!』が横浜スタジアムから全国に鳴り響く(2006年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月23日】【日系自動車メーカーは喰われるか?】中国EVが東南アジアへ進出する理由、激変する市場の行方 =前節= =Wedge_Report 【チャイナ・ウォッチャーの視点】 2024年8月21日 / 高口康太( ジャーナリスト、千葉大学客員教授) 中国電気自動車(EV)、東南アジアでの販売が急伸!日系自動車メーカー危うし この1年というもの、こうしたニュースを目にする機会が増えた。実際、東南アジアでの中国EVの販売台数は急増している。調査会社カウンターポイント・リサーチによると、今年第1四半期の東南アジアにおけるEV販売台数は前年比で倍増し、うち7割超は中国メーカーが占めている。 中国からの輸出が増えているだけではない。中国EV最大手の比亜迪(BYD)は7月、タイ工場の稼働を発表した。タイといえば日系自動車メーカーの一大生産拠点だが、現在は中国EVメーカーの工場建設ラッシュが続く。計画中・建設中を含めると、広州汽車集団の「AION(アイオン)」、合衆新能源汽車の「哪吒汽車(NETA)」、上海汽車、長安汽車、長城汽車、奇瑞汽車と多くのメーカーがタイに生産拠点を構える。タイだけではない。インドネシア、ベトナムでも中国EVの成長が続いている。 とはいえ、現時点ではまだ日系メーカーのシェアは圧倒的だ。タイの2023年新車販売台数を見ると日系のシェアは78%、中国系は11%と大きな開きがある。コロナ前は日系が90%前後、中国系は3%弱だったので変化は大きいとはいえ、日系が強い現状は変わっていない。EVシフトの天井はどこに? 問題はEVシフトと中国系の快進撃がどこまで続くかだ。新しもの好きのアーリーアダプターの需要が一巡した後も売れ続けるのか、充電インフラの不足がネックになるのでは、修理代や保険の高さが知られると敬遠されるのでは、火災リスクが深刻、リセール価格が低く資産価値の低さが問題になるのでは……。 「EVがさっぱり売れない国・日本」ではEVの弱点が繰り返し語られている。そうした意見を聞いていると、今の勢いが一時のものではないかと思うのも無理はない。 ただ、中国市場という前例は注意すべきだ。「EV成長もいつかはボトルネックにさしかかる」。世界最大の自動車市場である中国では、そうした疑いの目を跳ね返しながらEVは力強く成長を続けている。NEV化率(自動車販売台数全体に占める純バッテリー車とプラグインハイブリッド車のシェア)は18年の4.5%から爆発的に上昇し、24年7月には43.8%に達した。車両価格は内燃車と同等以下、保守費用と燃費(電費)は圧倒的に安いというコストパフォーマンスの高さに加え、大型ディスプレイによるエンターテイメント機器や音声操作、スマートフォンからの遠隔操作、先進運転支援システム(ADAS)といった、EVとの親和性が高い機能も評価が高い。すでに「消費者が欲しい車」の座は内燃車からEVに変わった。 中国では内燃車の販売は大きく減少している。この煽りを食らって日系メーカーのシェアは最盛期からほぼ半減となる10%強にまで低下している。 ホンダが早期退職を募集、日産が生産台数を大幅削減、三菱自動車が撤退とその影響は深刻だ。21年のEV躍進元年からわずか4年で中国市場は激変した。この前例がある以上、「いくら伸びているといってもまだ少数」とは侮れない。 「クレイジーなレベルのEV普及策」は不可能 日本では「アーリーアダプターの購入が一巡したあたりでEV普及率は天井になる」との見立てを聞く機会が多いが、中国の自動車業界関係者では「EV普及率が閾値を超えると、そこからの急成長は止まらない」という楽観的な見方が主流だ。中国の見方が正しいという保障はないが、なにせ自国市場での成功が続いているだけに自信満々というわけだ。 東南アジアでも中国並のペースでEVシフトが続くのか。予測は難しいが、個人的には中国と同じペースで普及は進まないのではないかと見ている。 EV普及には優れた車両だけでは不足で、充電や保守整備、保険など関連インフラの整備が不可欠。中国がくり広げた「クレイジーなレベルのEV普及策」を、東南アジア諸国が模倣できるとは考えがたい。 それでもEVシフトは一定のペースで進むはずだ。東南アジア諸国も脱炭素の計画を策定している。 タイは30年までに販売台数の50%をEVにする。インドネシアは35年までに製造台数の30%をLCEV(ロー・カーボン・エミッション・ビークル、EVやハイブリッドなどを指す)に転換。ベトナムは50年までのカーボンニュートラル達成を目指す。計画実現にはEV振興は不可欠であり、購入補助金や充電インフラ整備はなんらかの形で継続されるはずだ。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408220000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/23
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 千島列島全部が日本の領土になる(1875年=樺太・千島交換条約批准)が、現在ではそのうち日本に近いほんの一部分さえも相手に実効支配を許している有様。 ◆ 世界の美術館に飾られている名画にとっての厄日。謎の微笑みをたたえた婦人(1911年=「モナ・リザ」が盗難)も絶叫するおっさんや磔された女(2004年=「叫び」と「マドンナ」が盗まれる)もこの日にご難。 ◆ アメリカの空襲に心配する必要が無くなったため、日本に於ける地球大気の情報公開が再開される(1945年=天気予報のラジオ放送復活)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月22日】 英暴動は他人事ではない......偽・誤情報の「不都合な真実」 = 4/4 ==NewsWeek_ コラム:デジタル権威主義とネット世論操作 / 2024年08月16日/ 一田和樹 「健全」と「健康」が殺す「事実」最後に情報空間の健全性や、情報的健康という言葉について書いておきたい。総務省は「健全」という言葉をよく使う。一部の専門家は「情報的健康」という言葉を作り出した。「健全」も「健康」の定義は時とともに変化する。権威主体がその言葉で情報空間を規制することは、警戒主義を蔓延させ、これまで述べてきたリスクを増大させる懸念がある。「情報的健康」という言葉を作り出したプロジェクトのレポート「デジタル空間とどう向き合うか」(鳥海不二夫、山本龍彦、日経BP)の「おわりに」には、こういう文章がある。「フロイト(心理学)とチューリング(情報科学)の強力なタッグに、カント(啓蒙哲学)はもう太刀打ちできません」アラン・チューリングはコンピュータの発展を語るうえで欠かせない人物のひとりであり、第二次世界大戦でドイツ軍の暗号解読に成功した功績もある。しかし、同性愛者であったため(当時の英国では同性愛は罪だった)治療を受けさせられ、1954年に自殺した。「健全」あるいは「健康」による規制はチューリングに犯罪者の汚名を着せて葬った。英政府が公式に謝罪したのは半世紀以上後の2009年、恩赦によって無罪となったのは2013年だった。 「健全」や「健康」が時代によって変わる概念であり、それらに基づく規制は時に深刻な人権侵害をもたらすことを、チューリングの悲劇は語っている。皮肉なことに、「情報的健康」のレポートは、「おわりに」で、「健康」の概念の犠牲となった悲劇の天才の名前を挙げていたことになる。スノーデンの告発でアメリカが世界中を盗聴していたことがわかったが、スノーデン以前は陰謀論扱いされていなかっただろうか? ツタンカーメンは伝説から事実に変わった。過去の薬害や公害では、当初は政府や科学者が認めなかったものの、のちに検証されたものも多い。多くの人は、「時間の経過によって、誤りとか陰謀論と言われていたことが事実だったとわかることはありますね」というと肯定する。つまり、誤りや陰謀論の中には、事実になるものもあるということだ。逆に言えば、誤りと陰謀論を排除することは事実の可能性を消すことになる。解像度を高くして、社会の脅威となるものだけを慎重に峻別しなければならない。その基準はその時点で権威が認める事実であってはならない。なぜなら権威は「事実」を作ることができるのだ。むしろ権威の提唱する「事実」は検証すべき対象とすべきだろう。攻撃側と同じかそれ以上に、解像度を高くすれば有効かつ副作用の少なく実効性のある対策はいくらでもある。民主主義を標榜する国で、この問題に取り組んでいる人々が早くそのことに気づくことを期待したい。 そうならなかった時、日本は中露の情報工作につけ込まれる隙の多い国になり、日本国内ではIBVEsによる事件が起きるだろう。ひとたび事件が起きれば過剰なメディアと政府のアナウンスでさらに多くの事件が誘発される可能性が高い。英暴動は他人事ではないのだ。今回、ご紹介した問題は日本ではあまり紹介されていない調査研究で指摘されている。偽・誤情報、認知戦、デジタル影響工作は、さまざまな領域にまたがる問題であり、それらを網羅して調査研究している機関は世界のどこにもないと言ってもよいだろう。先日、日本国内にこの領域の知見を集めるハブになるための組織、新領域安全保障研究所が発足した。他分野の専門家が参加しており、僭越ながら筆者も末席を汚している。8月21日にウェビナーを行う予定になっている。今回、とりあげたテーマについてもご紹介する予定だ。関心ある方のご参加をお待ちしている。一田和樹 : 複数のIT企業の経営にたずさわった後、2011年にカナダの永住権を取得しバンクーバーに移住。同時に小説家としてデビュー。リアルに起こり得るサイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表している。 ・・・・・・・・完・・・・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408210000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/22
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 現人神が山形、宮城、群馬、栃木、埼玉、長野、静岡、岐阜、京都、兵庫、福岡、大分の国々をお産みになられた。しかし、不逞な輩が蔓延っていた諸国の大半は抹殺され、鳥取の国は神の国に編入され、庄内の国は沿岸との交流を妨碍され、浜通りの国は窮乏と核災難を確約された(1876年= 第2次府県統合) ◆ カメルーンのニオス湖が大きく息を吐き出して、その二酸化炭素の量が多過ぎて周辺住民1800人が死ぬ(1986年)。 ◆ 夏の高校野球の優勝旗が、阿蘇山はおろか桜島をも越えて沖縄県のものに(2010年)。因みに、第92回目の快挙であるも 以降 この時期の報道は野球に染まる偏向報道。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月21日】 英暴動は他人事ではない......偽・誤情報の「不都合な真実」 = 3/4 ==NewsWeek_ コラム:デジタル権威主義とネット世論操作 / 2024年08月16日/ 一田和樹 中露イラン、IBVEs、メディアが構築したwinwinの偽・誤情報ネットワーク攻撃側である中露イランなどの国は、IBDを見つけては拡散し、それによって極右などのIBVEsはリーチを拡大し、フォロワーと広告収入を増やす。IBVEsと中露イランの間に直接の関係はないため、どちらも強く非難できない。中露イランなどのプロパガンダメディアを規制することは可能だが、無数のプロキシを持っているため、拡散を止めることはできない。メディアは優先的に偽・誤情報を取り上げることで、拡散の手助けをする。メディアが偽・誤情報を取り上げることによって、拡散を広げるマイナスの効果(ウォードルの拡散のトランペット)が生まれることは6年以上前から知られている。ファクトチェックには一定の効果があるが、同じく偽・誤情報の拡散を加速したり、警戒主義を招くマイナスの効果もある。結果として、対策は社会に情報に対する猜疑心と警戒感を広める負の効果をもたらしている。前述のように、各アクターは初期段階で毎回ほぼ同じようなことをやっているのだが、仕掛ける側の方が有利なのは当然だ。問題が起きた時点で、すでに成功なのだから。中露イランなどのFIMI、IBVEs、メディアが主たる受益者であり、専門家は注目され、仕事が増えるメリットを受けることもある。後述するように政府は失政を偽・誤情報問題にすり替えることができるメリットがある。短期的には関係する全てのアクター(市民をのぞく)にとって、偽・誤情報の脅威を誇張することにメリットがある。整理すると、現状、初期段階において偽・誤情報の拡散を止める有効な手段はとられておらず、中露イラン、IBVEs、メディアの連携によって逆に拡散しやすくなっている。下図は一般的な影響工作の図だが、欧米で偽・誤情報に関する問題が発生した際、一気に複数国のメディア、著名人、政治家などまで広がりやすくなっている。今回の英暴動やトランプ暗殺未遂事件がよい例で、一気に世界に偽・誤情報が広がり、各国の警戒主義を強化した。 偽・誤情報の解像度の致命的な粗さ実は、ここまでの話には大きなすれ違いがある。FIMI、IBVEsは狭い範囲かつ目的を絞ったツールとして偽・誤情報を使っている。具体的に言うなら、偽・誤情報の内容は、自分たちの正当性と相手の非正当性の主張や、相手を分断させるものにほぼ限定されている。一方、メディアや政府はきわめて広範かつ曖昧な定義で使っている。たとえば、最近の日本政府や当局の資料や発表を見ると、フィッシング詐欺、なりすまし広告までも含まれていたりする。偽・誤情報は情報空間のゴミ箱のような状態だ。細分化や絞り込みとは真逆の方向なので、実態の把握も対策の立案も困難になる。これにはメディアや関係組織に訊かれた時に、「偽・誤情報対策に取り組んでいます」と答えられる利点がある。浅学非才な筆者の頭にはそれ外はマイナス面しか思い浮かばなかった。表に次のようになる。実害は実際に被害が発生していることを表す。隠蔽は偽・誤情報として扱うことで本来行うべき他の解決策をしないで済むようにしていることを指す。緊急時には行政が信頼できる情報伝達手段を確保しておくべきだが、偽・誤情報をなくす方向に話が進んでいる。実害に比べて、隠蔽や警戒主義の強化といったマイナス面の方が幅広い。特に警戒主義は騙されにくいが、正しい情報も信じられなくなり、民主主義への不満が増え、規制に対して容認しやすくなるマイナスの効果がある。偽・誤情報よりも、それ以外の情報の方がはるかに多いため、当然ながらマイナスの効果の影響の方が大きくなる。 最近の論文では、事前に情報を流して偽・誤情報に騙されにくくするプレバンキングの効果が薄れてきたという報告もあり、その原因として警戒主義が蔓延したためにプレバンキングしなくてもあらゆる情報を疑ってかかっているためである可能性が指摘されている。現在、防御側が偽・誤情報に含めている多くは、解像度をあげて、細分化し、それぞれに適切な対策を講じることで解決できる。例えば災害時の救援要請デマはFIMI、IBVEsの主たる狙いにはあまり効果がない。そのため行政が民間のSNSにただ乗りするのではなく信頼できる情報伝達手段を用意し、利用を促進することで解決できる。偽・誤情報で特別な対策が必要なのはあくまでFIMIやIBVEsが利用するケースに限られる。メディアや政府機関が言う偽・誤情報に関連する問題の多くは、本質的には偽・誤情報ではないことの方が多くなってきているため、有効な対策を立てることが難しくなっている。よく使われる「民主主義への脅威」という言葉も広すぎる。そのままの素直に受け取ると、民主主義以外の主張を弾圧するように聞こえる。「民主主義への脅威」という言葉は、この問題が実態として、ほとんど影響をもたらしていないにもかかわらず、影響が甚大であることを表現するためにひねり出した苦肉の策なのだ。この防御側の解像度の粗さは社会に致命的な悪影響を与える。なぜなら、すべての議論は解像度が荒すぎて役に立たず、対策の有効性も期待できないからだ。・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408200000/】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/21
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 日本で小学校令が改正。授業料が無料化、それをきっかけに子を小学校に行かせる親が急増。その日に500万人の子供が自由を奪われ、胡乱になったとか(1900年)。 ◆ 人やら馬やら路面電車・自動車やら、おまわりさんの手に負えないくらい交通量が多くなった東京の34地点で3色灯自動信号機が取り付けられる(1930年)。見物人が屯することになり益々混乱。 ◆ プラハでソ連主催による5,000輛の戦車による戦車道のデモンストレーションが始まる(1968年= プラハの春: チェコ事件)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月20日】 英暴動は他人事ではない......偽・誤情報の「不都合な真実」 = 2/4 ==NewsWeek_ コラム:デジタル権威主義とネット世論操作 / 2024年08月16日/ 一田和樹 今回の英暴動も偽・誤情報発生時のパターンをなぞっていることがわかる。その理由は簡単で、偽・誤情報に関する出来事に注目するとパターン化されていることが多いためである。目立った騒動が起きれば必ず偽・誤情報が発生する。ロシアなどのFIMIはそれらを拡散し、IBVEsも同様に拡散し、場合によってはリアルに騒動を起こす。特に人が死ぬような事件や悲惨な事件の場合は、FIMIやIBVEsに利用されやすい。そして偽・誤情報はメディアにとって、おいしいネタであるため、すぐに飛びついてニュースにする。欧米のメディアの購読者は知的な富裕層が多く、偽・誤情報記事への反応がとてもよい。2015年から2023年にかけてニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、USAトゥデイ、AP通信の見出しを調査した結果によると、移民と失業に次いで3番目に多く取り上げられていたのが偽・誤情報だった。偽・誤情報は一貫して読者から高い関心を持たれており、党派を超えてアピールし、広告主との間で問題が起きることもない。しかも無尽蔵に湧いてくる。メディアからすると貴重な金のなる木なのだ。メディアはトランプのおかげで、この旨みを知った。欧米各紙がファクトチェックに乗り出しているのも当然で、ファクトチェックによって、ひとつの偽・誤情報から二度、三度と旨みを味わうことができる。そして、偽・誤情報を扱う時のトピックスはSNSプラットフォームの責任が圧倒的に多かったことがわかっている。メディアが大々的に扱えば政府も配慮せざるを得なくなる。欧米民主主義国の政府は中露イランなどからのFIMI、メディアが叫ぶSNSプラットフォームの責任とIBD、そして国内の治安に深刻な脅威となっているIBVEsなどの各方面に目配りして発言することになる。専門機関もメディアと同様だが、ロシアなどFIMIの脅威を取り上げがちだ。Metaが四半期ごとに公開する脅威レポートには数年前からロシアが、最初から検知されてメディアが取り上げることを狙って、効果がなく検知されやすいデジタル影響工作を実施していたことが何度か指摘されている(パーセプション・ハッキングの応用)。 各アクターの推しアジェンダには根拠がないこうした各アクターの推しアジェンダ設定は誤報にはならないものの、ミスリードにはなる。トランプ暗殺未遂事件が起きた時、専門機関のいくつかはロシアが偽情報を仕掛けてきているという速報を出した。確かにロシアは偽・誤情報を拡散していた。しかし、目立つ事件が起きればロシアは必ず反応するのであり、特別なオペレーションでなければ警戒するほどのことはない。この分野で有名なデジタルフォレンジック・リサーチラボは事件後の2024年7月18日に、ロシアの干渉の可能性を示唆する記事を出したが、あまり根拠となる定量的な裏付けはなかった。続報がしばらくないことから、自身でフライングだったことに気がついたのだろう。前述のパーセプション・ハッキングの応用の典型的な例であり、ロシアはほとんどないもせずに、アメリカの権威ある専門家の手によってアメリカ国内の情報空間を汚染することができた。また、メディアの多くはトランプ暗殺未遂事件で偽・誤情報が氾濫したかのような報道を行っていた。後から誤報と言われるのを避けるために、意図的にSNSでの偽・誤情報が全体のどれだけの割合を占め、どのような影響が出ているかの説明をしないのがメディアでは通例となっている(きわめて不誠実だと思うのだが、なぜか容認されている)。全体量に対して偽・誤情報の割合がきわめて少なく、影響も確認できなければ氾濫しているような表現や、それが問題であるという指摘はミスリードになる。しかし、偽・誤情報そのものがあったことは間違っていないので誤報にはならない。ミスリードにならない表現を巧みに使っている。偽・誤情報はネットを検索すれば見つけられるし、ツールを使えば閲覧数の多い投稿をピックアップできる。「こたつ記事」と言ってもよいだろう。 トランプ暗殺未遂事件の場合、この期間の全体あるいはこの事件に関する合計投稿数や合計閲覧数を明示したメディアは私の知る限りなかった(なお、前掲のデジタルフォレンジック・リサーチラボだけは「Trump」を含んだ投稿の総数を出している。専門機関としての誠意なのだろう)。もちろん、ほんとうに氾濫していた可能性は否定できないが、報道するならその根拠を示さないのは不誠実だ。脅威を誇張することは情報そのものへの猜疑心を煽り、警戒主義に陥らせる可能性が高い。調査によれば警戒主義は民主主義への不満を大きくし、規制強化を支持するようになる。まさにアメリカや日本で起きていることだ。政府および当局の発表には、専門家やメディアよりも根拠がないことが多い。たとえば、日本政府は近年、偽・誤情報対策を積極的に進めようとしているが、SNSの投稿総数や閲覧総数に対しての偽・誤情報の割合が掲載された政府資料は見たことがない。対策するほどの脅威ならば根拠となる数値を示してほしいと考えるのは私だけだろうか? 「民主主義への脅威」という表現は日本でも欧米でもよく使われるが、具体的に言及されるのは事例だけであり、過去のメタアナリシスやシステマティック・レビューを踏まえた定量的な影響評価は見たことがない。繰り返しになるが、政府が提示するのは偽・誤情報の事例や投稿数や閲覧数だけのことが多く、全体に対する割合はもちろん影響も公開されない。こちらも警戒主義を台頭させることになる。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408190000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/20
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 中京商業が準決勝で5時間近くも甲子園で粘りながらやっと1点差で勝利(1933年)。この結果同校はこの年の甲子園で栄えある日本一となるが、81年後には同じ中京と名のつく高校が硬式と軟式の違いとは言え同様に準優勝で3日連続も粘った挙句日本一の座を手にした。 ◆ 在日米軍が戦車7台・飛行機3機などを投入し、東宝砧撮影所に空と陸から攻撃(1948年=第3次東宝争議)、しかし全力を挙げて見逃す失態を犯したため6年後にゴジラが首都圏を破壊することに。 ◆ 中日球場での名古屋対巨人の試合中、観客の捨てたタバコの吸い殻が紙屑に引火し火災が発生。瞬く間に火は燃え広がり球場は全焼、4人の死者を出す大惨事に(1951年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月19日】 英暴動は他人事ではない......偽・誤情報の「不都合な真実」 = 1/4 ==NewsWeek_ コラム:デジタル権威主義とネット世論操作 / 2024年08月16日/ 一田和樹 多くの国で「民主主義への脅威」とみなされている偽・誤情報だが、悪影響がちゃんと検証されているわけではない。偽・誤情報とその対策については多くの調査や論文があり、それらについてのメタ・アナリシスやシステマティック・レビューによれば、方法論などに問題があるものも多く、検証されたとは言えない状況だ。また、以前の記事でご紹介したように偽・誤情報対策がむしろ逆効果になっているという指摘もある。おそらく中露イランや極右などは、欧米の対策が逆効果になるのをわかったうえで、情報工作を続けている。彼らからすれば、欧米の政府機関やメディアが偽・誤情報を発見し、注意喚起すればするほどより多くの効果を期待できる。中露イランが関わる情報工作で、目立った成果は認められなかったという結論のレポートを見たことがある方も多いと思う。情報工作そのものよりも、それを脅威としてアナウンスさせ、対策させることでマイナスの影響力を狙っている作戦も数年前から存在するのだ。先日の英暴動は、その実態をあらためて浮き彫りにした。英国で7月29日に発生した刺傷事件が発端となった暴動は、各地に飛び火し、その後、英政府が断固たる姿勢で暴徒に対応し、多くの人々が暴徒に対して立ち上がり、暴動は鎮静化している。おおまかに下記のような要因が関連していた。・ロシアの干渉 初期の報道や専門調査機関からのレポートでロシアの関与が指摘された。その後、デマの拡散には関与したものの、中心的な役割を果たしたわけではないことがわかった。・経済格差、不可視化民 事件の背景には英国の経済格差や白人弱者の問題があるという指摘。全米ラジオ放送(NPR)は暴動が起こった地域は多様性に乏しく、不可視化された白人弱者が扇動されたと分析している。近年の偽・誤情報関連の事件には不可視化された人々の関与していることがある。・ポスト組織の極右インフルエンサー 初期の拡散で重要な役目を果たしたのは極右などのインフルエンサーたちだった。大規模な組織は持たず、ネット上でゆるくつながっているため、全体を把握しにくく、芋づる式の摘発ができない。・反ファシスト組織 移民を守るために暴動に対抗して立ち上がった市民団体。いくつもの地域で襲撃対象になっている建物を守ろうとした。・英国の偽・誤情報対策 当初は、ロシアの関与の調査、拡散に加担した極右などのインフルエンサーの非難を行っていた。偽・誤情報を拡散した者も処罰の対象とするとアナウンスし、実際に逮捕者も出ている。・メディアの報道 メディアはSNSプラットフォームの問題を指摘する他、偽・誤情報の拡散について調査しレポートしていた。ロシアの関与や、極右インフルエンサーなどについての言及もあった。これらの要因は多かれ少なかれ、世界のどこかで偽・誤情報に関連した騒動が起きた時には関係しているものと言っても過言ではないだろう。英国の主要な要因を一般化すると下記になる。 ・FIMI(Foreign Information Manipulation and Interference)=海外からの情報操作と干渉・経済格差、不可視化民・IBVEs(Indenty Based Motivated Violent Extremists)アイデンティティ(人種、ジェンダー、民族、宗教など)に基づく攻撃を行う過激派。RMVEs(Racially or Ethnically Motivated Violent Extremists)などIBD(Indenty Based Disinformation)を信じたり、拡散したり、行動するグループや個人。・市民団体。人権擁護団体、民主主義団体・偽・誤情報政策・メディアの報道こうした関係するアクターの多くは問題が起きた時に、同じ対応をすることが多い(特に初期段階で顕著)。一般的な傾向をもとに表にすると下記になる。主要でないものは含んでいない。=上図参照=今回の英暴動も偽・誤情報発生時のパターンをなぞっていることがわかる。その理由は簡単で、偽・誤情報に関する出来事に注目するとパターン化されていることが多いためである。目立った騒動が起きれば必ず偽・誤情報が発生する。ロシアなどのFIMIはそれらを拡散し、IBVEsも同様に拡散し、場合によってはリアルに騒動を起こす。特に人が死ぬような事件や悲惨な事件の場合は、FIMIやIBVEsに利用されやすい。そして偽・誤情報はメディアにとって、おいしいネタであるため、すぐに飛びついてニュースにする。欧米のメディアの購読者は知的な富裕層が多く、偽・誤情報記事への反応がとてもよい。2015年から2023年にかけてニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、USAトゥデイ、AP通信の見出しを調査した結果によると、移民と失業に次いで3番目に多く取り上げられていたのが偽・誤情報だった。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408180000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/19
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 1928年 - 三井財閥の大番頭・中上川彦次郎の娘・あきがにテノール歌手・藤原義江を追って2児を残してミラノへ出発。 そして、翌年のこの日 谷崎潤一郎と妻・千代子が離婚し谷崎の友人・佐藤春夫が千代子と再婚することを3人連名で発表。 ◆ 尋常じゃないくらいのドシャ降りでバス2台が巻き込まれてしまい、飛騨川に100人以上もの乗客ごと押し流すことに(1968年)。結果的にダムを〆切って川底まで浚う手間にまでなったとか。 ◆ インスタントラーメンで安藤さんとこに煮え湯を飲まされたマルちゃんが、赤狐と緑狸を使い魔として召喚しうどんとそばでリベンジを図る(1978年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月18日】【悲惨だった朝鮮半島】戦後79年、知られざる歴史 南北で分けた終戦直後の在朝鮮日本人たちの運命 =後節==Wedge_Online 【Wedge REPORT】 2024年8月15日 / 吉永ケンジ( ジャーナリスト 北部では、全く異なる状況 一方で、38度線以北は全く異なる状況を見せていた。北朝鮮地域の日本人は約25万人で、終戦前後に満州からの避難民約7万人が雪崩れ込んだ。ここからは城内氏の著作『奪還 日本人難民6万人を救った男』から当時の状況を辿っていく。 9月9日、日ソ中立条約を一方的に破棄したソ連軍はソ満国境を侵犯すると同時に、朝鮮半島北部の日本海側の港町、羅津と雄基を攻略した後、13日に主要港である清津港を攻撃し、19日には占領を終えた。 大日本紡績清津化学工場に勤労動員されていた赤尾覺氏が、「遠い南の島の出来事と思っていた戦争が、いきなり襲いかかってきた」と述べているように、ソ連参戦は北朝鮮地域に暮らす日本人にとっても寝耳に水の出来事だった。 ソ連国境に接する咸鏡北・南道が戦火に見舞われたことで、日本人の立場は支配者から避難民に転落した。加えて、ソ連軍が南北間をつなぐ鉄道を38度線で遮断。南側へ逃げることもできず、総督府と軍の庇護から切り離された非難民は、事実上の棄民となった。 そのような中を雄基国民学校6年だった大嶋幸雄氏は、軍が計画していた避難経路を大人とともに6日間歩き続け、中朝国境の会寧にたどり着いた。逃避行は「寝場所の奪い合い」で、「どこに行っても人が泊まった後は、うんこだらけ」だったと、異常な状態に置かれた人々の不可解な行動を指摘している。 羅津高等女学校3年だった得能喜美子氏は山中の逃避行の3日目、獣道に生後2、3カ月の乳児が置き去りにされているのを見かけた。おおよそ、ソ連軍に泣き声を聞きつけられることを恐れた避難民が、母親に棄てることを強く求めたのだろう。 得能氏は、「十代半ばの少女が山中に乳児を置いていかれるのを何度も見たんです。もう、頭がおかしくなりそうでした」と、悲劇を振り返る。 しかし、棄民の逃避行を待ち受けていた悲劇は、これだけではなかった。 ソ連兵が起こす惨状 満州での惨劇と同様にソ連兵による婦女子への暴行は凄まじく、「マダム・ダワイ!(女を出せ)」と叫びながら、見境なく襲いかかった。日本窒素肥料興南工場に勤務していた鎌田正二氏の手記には、ソ連兵の集団が日本人宅に押しかけ、夫に拳銃を突きつけ部屋の外に連れ出し、子供を放り投げた後、残った母親を性的暴行を加える場面が描かれている。 「死んだようになった女は、身を伏したまま泣いている。夫は歯を食いしばって、すごい形相をしていたが、やにわに包丁を手にソ連兵を追おうとする。近所の人たちは、『がまんしろ』と押しとどめる。みんなに迷惑がかかるからと頼む」 このような惨劇は至るところで見られた。戦後まとめられた「北鮮戦災現地報告書」によれば、咸興だけで「昼夜別なく不法侵入による盗難・暴行・陵辱事件が頻発、この届出が1日20件から30件」を下らなかったという。 そして、36年にわたり日本人に支配された朝鮮人も牙を剥いた。ソ連と国境を接する北朝鮮地域では共産主義の影響が強く、ソ連が朝鮮人の共産主義者による人民委員会を通じて間接統治を始めたことも大きく影響した。 後に北朝鮮の最高指導者となる金日成が初代司令官を務めた保安隊は、検問と称して日本人から物を奪うだけではなく、警察官など朝鮮人から目の敵にされていた者を連行した。彼らは「厳しい拷問にあって見るかげもない死体となって返された」という。 城内氏の著作では、これら北朝鮮地域で日本人を襲った悲劇とともに、戦中は「アカ」(共産主義者)と白眼視されながらも、ソ連軍や朝鮮人と丁々発止の交渉を行い、日本人を集団脱出させた松村義士男(34歳)の功績に光が当てられている。 なぜ、南北で状況は異なったのか 終戦直後、朝鮮半島に残された日本人の運命が38度線という見えない境界線によって隔てられたことがわかっただろう。だが、境界線の南北で何が異なり、運命に影響を与えたのだろうか。 一つは、統治機関、特に軍隊の存在だ。南朝鮮地域では、数日間の混乱は見られたが、日本軍が治安を維持したため、日本人の虐殺など悲惨な報復はほとんど起こらなかった。また、米軍進駐後は、米軍政庁が軍政を敷き、日本人の早急な帰国を命じて、それを実現した。 一方の北朝鮮地域では、ソ連軍に武装解除された日本軍がシベリアに送られたため、民間人は軍隊による庇護を受けることができなかった。 もう一つは、共産主義者による支配だ。南朝鮮地域では、左右が集まった朝鮮建国準備委員会を共産主義者が乗っ取り、一時は朝鮮人民共和国の建国を宣言したが、米軍はこれを認めず、共産党を非合法化した。 一方の北朝鮮地域では、ソ連と朝鮮人の人民委員会が支配権を持ったので、日本人への虐待が階級闘争として正当化され、被害を大きくした。 しかし、筆者は、朝鮮半島のみならず、外地での日本人の惨状に目を向けるとき、なぜそこに日本人が存在していたのかという点を深く自省しなければならないと考える。現在の価値観で過去を裁くことは愚かだが、他国を侵略した国家と国民が恨みを買うという単純な事実は、現在のロシアを見ても明らかだろう。 最後に、日本人の韓国と北朝鮮に対する感情が大きく異なるのは、本稿で記した終戦直後の日本人に対する取り扱いが大きく影響しているのではないかと指摘したい。 ・・・・・・・・完・・・・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408170000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/18
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 源頼朝が、以仁王/ 後白河法皇の令旨を受けて「めんどくせー」と言いながら挙兵(1180年)。 ◆ 昼間の軍務の最中じゃ生でプロ野球が観られねぇ!!との米軍の不満に応える格好で、横浜ゲーリック球場で照明に照らされながら野球選手が残業をすることに(1948年)。 ◆ ビルがモニカとの不適切な関係を認め、スキャンダルによる政治の混乱を打開しようとする(1998年)。さりとて、ビルはヒラリー夫人の尻に敷かれたが、J.F.K.とM.Monroeの不適切な関係はFBIにして強権に封印された 【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月17日】【悲惨だった朝鮮半島】戦後79年、知られざる歴史 南北で分けた終戦直後の在朝鮮日本人たちの運命 =中節==Wedge_Online 【Wedge REPORT】 2024年8月15日 / 吉永ケンジ( ジャーナリスト 1945年8月9日、広島・長崎への原爆投下とソ連参戦を受けて、日本はポツダム宣言受諾を決意し、10日には中立国を通じて連合国に降伏の意図を伝えた。 だが、総督府にはこの重大な決断は伝えられず、総督府はソ連参戦とポツダム宣言受諾を「同盟通信」が受信した米国の短波放送「米国の声(VOA=Voice Of America)」で知るに至った。 これは陸軍も同じで、井原潤二郎第17方面軍参謀長は、「私がこの事実(日本の敗戦)を知ったのは前日(注:8月14日)の午前10時、同盟通信からであった。陸軍省や海軍省からではなく同盟通信の京城支局長が電話をかけてきた」と回想している。 そして、8月15日午前、総督府ナンバー2の遠藤柳作政務総監と独立運動家の呂運亨との間で、解放後の治安維持を委任するための会談が行われた。この背景には、京城(現在のソウル特別市)を占領するのはソ連軍であるとの見立てがあった。 遠藤と総督府ナンバー3の西広忠雄警務局長は、「ソ連軍が京城に入れば、西大門刑務所などに収監されていた共産主義者を大挙釈放して、朝鮮に共産党政権を樹立することが火を見るより明らかであった。これに付和雷同した朝鮮人が、約70万人の日本人に危害を加えたらどうなるのか」という最悪の状況を懸念していた。朝鮮人から名声が高い呂運亨に治安維持を託すことで、日本人への危害を防ごうと考えていたのだ。 それから数時間後の正午、京城でも玉音放送が流れた。 変わる朝鮮人と日本人の態度 総督府庁舎第1会議室に集まった職員は起立したまま玉音放送を聴いた。東京から直接放送されたため、雑音がひどく聞きづらかったという。 東京帝国大学法学部を卒業して高等文官試験に合格した崔夏永農政課長ですら、「天皇の声が小さくて、なにを言っているのか正確に理解できなかった」と述べているのだから、一般の朝鮮人はなおさらで、「日本が連合国に無条件降伏することを理解できた朝鮮人は多くなかった」という状態だった。 これは日本人も似たようなもので、無条件降伏したことは理解できても、明日、いや数時間後にどのような未来が到来するのか、誰も知る由がなかった。 総督府に臨時雇用されていた長田かな子氏(21歳)は、当時の日本人にとって恐怖の対象であったソ連のことを考えると、「どうすれば苦しまずに死ねるのかという、重く辛い思いが頭を離れなかった」と回想している。 運命の8月15日について、京城では万歳デモは起こらず、平穏だったという証言や研究が多い。しかし、長田は、「これまでと全く違うという感じを受けた。通りには白い朝鮮服を着た人々が闊歩し、家々には日章旗に四卦を描いた太極旗がはためいていた。街の人並みはより多くなり、人々の顔には生気が満ちあふれていた」と、やや違った感想を述べている。 朝鮮人が解放の喜びを徐々に表す一方で、日本人の態度は一変し、朝鮮人に媚びはじめ、どこに行くにも2人以上で動き、さらには手に小さな太極旗を持つようになった。 そして、総督府では日本人職員と朝鮮人職員が水と油のように分離し、一緒に会議することがなくなり、警察専用電話の交換・接続や車両の運転を行なっていた朝鮮人が欠勤したり、時には露骨に命令を無視したりするようになったという。 玉音放送からわずか数時間で、日本が36年かけて築き上げた統治機構が音を立てて崩れ始めようとしていた。在朝鮮日本人の運命 日本の支配体制は崩壊を起こしていったが、総督府が懸念していた日本人に対する報復は極めて少なかった。 むしろ、日本人よりも朝鮮人の巡査や下級官吏への憎しみが大きく、「憲兵の手先、特高の手先だった連中がたくさんやられた。素早く逃げた奴は助かったが、捕まった奴は全員死んだ」「解放は日本の手中から脱する幸福である一方で、憎しみを晴らす機会でもあった」という、朝鮮人の証言が残されている。 しかし、敗戦による市中の混乱は、わずか2日で収まった。8月17日以降、無力となった警察に代わり軍が治安維持に乗り出すと、総督府は治安と行政権の回復に成功する。そして、9月9日の米軍との降伏文書調印式をもって、日本の朝鮮半島支配は終焉を迎えた。 当時の朝鮮には、在朝鮮日本人2世・3世も多く存在し、彼らにとって朝鮮は文字通り「故郷」だった。彼らは終戦後も各地で「日本人居留民団」を組織し、そのまま朝鮮に居住することを望んだが、他方の朝鮮生活が長くない人々は帰国を急ぎ、それぞれが残留派と帰還派に分かれて対立することになる。 残留派は朝鮮語取得のための教育機関を設けたり、日本人学校を設置しようとしたりしたが、9月12日にトルーマン大統領が「在朝鮮日本人は速やかに本国に送還される」と表明すると、米軍は日本人の10キロメートル圏外への外出を制限したり、日本企業を接収し、朝鮮人に払い下げたりと、日本人の送還を急いだ。 米軍は、10月10日に3000人の日本人を乗せた列車を釜山に向けて出発させた。朝鮮を離れるにあたり所持できる現金はわずか1000円、リュックサック2個に制限されたが、同年春までにほとんどの日本人が帰国した。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408160000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/17
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 前の日にユダヤ人が騒いでいた嘆きの壁をアラブ人が大掃除。ユダヤ教の祈りの書までゴミ扱いしたことからユダヤ人が当局に抗議する事態に(1929年)。 ◆ イタリアはミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会が連合国の空襲で徹底的に破壊されるも、最後の晩餐は主の恩寵故に奇跡的に残った(1943年)。 ◆ 松井秀喜が高校生にしては度を越える強さ故に、試合相手の明徳義塾から徹底的にスルーされる。これで明徳義塾は試合での勝利を手にしたのに、日本中からブーイングの雨霰を浴びる破目に(1992年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月16日】日本でも広がる「森のラストベルト」日本とアメリカで起こる怨恨の実態、もう一つの分断=後節==Wedge_Online 【Wedge REPORT】 2024年8月13日 / 田中淳夫( ジャーナリスト):静岡大学農学部卒業。出版社、新聞社を経て、主に林業を中心に取材・執筆。 日本の森のラストベルト 海の向こうの話で終わらない。日本でも、森のラストベルトは確実に広がっている。森林を多く抱える地方の自治体は、農林業の衰退によって過疎にあえいでいるからだ。 若者は進学や就職を機に都市に出ていく。山村なのに林業従事者はほとんどいず、地場の小さな製材所も姿を消した。 地方創生を掲げて設けられた観光施設なども、閑古鳥が鳴き、廃墟になったものも少なくない。集落でも空き家が増え、残された者は高齢者ばかりだ。 そんな放置された森林地帯に、近年は高性能林業機械で山を丸ごと伐っている業者が入って来た。伐るのは、戦後植えて営々と育ててきたスギやヒノキ、カラマツなどの人工林だ。ようやく使える太さまで育ったというのに、森林所有者は町に移り住んだことで森林に興味を失い、木材価格も下落して林業を営む意欲を喪失していた。 そんな山を安く買いたたいて伐る、あるいは許可も得ずに他人の山を勝手に伐ってしまうのだ。補助金で山に道を入れ、補助金で購入した巨大な林業機械で、野放図な伐採を繰り広げている。 山肌は重機のキャタピラで攪乱され、草も生えなくなる。しかも伐採跡地の再造林はあまり行われていない。 盗伐した場合はもちろん正規の伐採地でも、植えられるのは、せいぜい3割程度だ。再造林しない伐採は厳密には違法だが、警察や行政は見て見ぬふりで止めようとしない。 過疎化と国土破壊という日本特有の問題 伐られた木材の行き先は、町にある大規模な製材所かバイオマス発電所だ。木造建築や再生可能エネルギーは「地球に優しい」と説明されるが、森林には優しくない。伐採によって傷つけられた山肌は、多発する大雨などで山崩れや大洪水など災害を誘発し、もう一つの地球的課題である生物多様性も破壊した。 そして木を伐り尽くしたら業者は去り、荒れたはげ山だけが残る。森のラストベルトが製造業の町より厄介なのは、環境、そして国土を破壊する度合いが大きいことである。 日本のラストベルトは、米国のように薬物汚染や犯罪多発には至っていないが、むしろ過疎化の進行が早く進む傾向にある。人口が減れば、政治に訴える力も小さくなるだろう。 だが、都市と地方の格差は経済だけでなく意識の面でも広がり、社会の分断を進める。これこそがラストベルトのもたらす最大の厄難だ。町に残る人々も、町に出た人々も、賑やかだった昔の思い出と故郷を喪失したルサンチマンをため続ける。 米国大統領選挙を通してラストベルトの存在を知った今こそ、自らの足元に膨れ上がっている森のラストベルトに気づいてほしい。 【悲惨だった朝鮮半島】戦後79年、知られざる歴史 南北で分けた終戦直後の在朝鮮日本人たちの運命 =前節==Wedge_Online 【Wedge REPORT】 2024年8月15日 / 吉永ケンジ( ジャーナリスト、セキュリティコンサルタント):防衛省などで30年以上にわたり、対スパイ活動や海外情報収集などHUMIT(人的情報活動)の最前線に従事した元インテリジェンスオフィサー。ある韓国関係の会合で日本の敗戦に話題が及んだとき、「満州に残された日本人の惨状は知っていますが、朝鮮半島で暮らしていた日本人はどのような運命に見舞われたのでしょうか」と質された。 この疑問は、多くの日本人に共通するものだろう。満州での惨事はさまざまな証言や資料があるが、36年間にわたり日本が支配した朝鮮半島で、日本人がどのような運命に見舞われたのかは情報が少ない。 そこで本稿では、韓国・ハンギョレ新聞の元東京特派員である吉倫亨氏が著した『1945年、26日間の独立 韓国建国に隠された左右対立悲史』( ハガツサブックス)と元中日新聞論説委員の城内康伸氏が著した『奪還 日本人難民6万人を救った男』(新潮社)の内容を中心に、朝鮮半島に残された日本人の運命を紐解いてみたい。独立運動家・呂運亨と決めた終戦後の方針 終戦時の朝鮮半島には、統治機構である朝鮮総督府の官吏や警察官、銀行やインフラなど民間企業の従業員、それらの家族など約70万人が暮らしており、これとは別に陸軍第17方面軍など軍人・軍属約23万人が駐屯していた。 このうち、約45万人の民間人が南朝鮮にいた。まずは、吉倫亨氏の著作『1945年、26日間の独立 韓国建国に隠された左右対立悲史』から当時の状況を辿っていきたい。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408150000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/16
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 不景気の憂さを踊って晴らそう!という趣旨で、この日から五日間日比谷公園で盆踊り(1932年)。この時流れた音楽がやがて全国津々浦々の盆踊りで流れる流行歌に。 ◆ ヒトラーもムッソリーニも既に死んでいるのに神州不滅を信じて日本列島での地上戦をもやり兼ねなかったのが、突然白旗を挙げたことで連合国の兵士も市民も戦争が終わった!と狂喜乱舞(1945年)。 ◆ 第二次世界大戦の勝利を享受した若者たちが、ニューヨーク州の広い野っ原にて3日連荘でロックを大音量で流して大騒ぎ(1969年=ウッドストック・フェスティバルが開幕)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月15日】日本でも広がる「森のラストベルト」日本とアメリカで起こる怨恨の実態、もう一つの分断=前節==Wedge_Online 【Wedge REPORT】 2024年8月13日 / 田中淳夫( ジャーナリスト):静岡大学農学部卒業。出版社、新聞社を経て、主に林業を中心に取材・執筆。 米国の大統領選挙を報じるニュースで、再びラストベルト(さびついた工業地帯)が話題に上っている。共和党副大統領候補に指名されたJ・D・バンス上院議員の育ったオハイオ州は、ラストベルトの一角だからだ。そして大統領選挙の勝敗を左右するのが、ラストベルト諸州の動向ということもある。 オハイオ州を含む米国中西部は、かつて自動車や製鉄など重厚長大な製造業地帯だった。しかし安価な労働力を求めてメキシコなどへ工場の移転が進み、失業者が溢れた。 長く製造業に従事していた労働者は金融やIT産業といった新産業への転職もままならず、酒や薬物に溺れ、貧困のループから抜け出せなくなる。地域の治安も悪化した。そうしたルサンチマン(怨恨)が、米国社会の分断を生み出したのだろう。もう一つのラストベルト このようなラストベルトが、北米西海岸にも広がっている。主にカリフォルニア州北部からオレゴン州、ワシントン州、そしてカナダのブリティッシュ・コロンビア州にかけての森林地帯だ。従来の林業や木材産業の衰退で、「森のラストベルト」と化している。 北米大陸に入植したヨーロッパ人は、広大な森を伐り開きながら白人の国を建設していった。その伐採の波は、19世紀には西海岸に達し、そこで「赤い金塊」と呼ばれるレッドウッド(セコイア)の森に出会う。直径10メートルを超えるレッドウッドを伐れば莫大な富が得られた。この〝ゴールドラッシュ〟は、大木を伐採する伐採者「ロガー」を多く生み出した。彼らにとって木を伐ることは森とともに生きる証であった。 だが無限にあると思われた「赤い金塊」も尽きる時代がやってくる。もはやレッドウッドの95%は失われ、伐採反対の声が強まった。 1990年代には原生林に棲むマダラフクロウを守れという合い言葉によって森林保護の訴えが米国全土に広まった。運動の主役には、都会からやってきた高学歴の白人が多数占める環境保護論者、そしてヒッピーなどのカウンターカルチャーの人々も多くいた。 彼らは原生自然を神聖視して「アース・ファースト!」を唱え、「地球の敵に妥協せず」を旗印にした。環境保護に賛同する都会の富裕層や政治家の支援を受けて運動は拡大した。その結果、原生林の多くが保護区となり従来の林業家は締め出される。 ロガーたちは、都会の涼しげなオフィスで働くことはできなかった。いや拒否した。その結果、酒や薬物に溺れて家庭を崩壊させ貧困に喘ぐ。そして都会のインテリを憎悪した。その姿は、工業地帯のラストベルトとそっくりだ。ロガーたちの〝復讐〟 森から追われた「森を愛する伐採者」たちにとっての〝復讐〟は、盗伐である。伐採が禁止された国立公園の森にこっそり潜入し大木を伐採する。そして幹にできた瘤(バール)だけを切り取っていく。バールには複雑で美しい木目があり、木工で珍重されて宝石のように高く売れるからだ。 北米全体の盗伐被害額は、年間10億ドルに達すると推定されたこともある。そこで取り締まるレンジャーが配置され、森の中にカメラやセンサーを設置し、闇夜の林道で張り込む。銃で狙われる不安を抱えつつ、盗伐者と対峙するのである。彼らも命懸けだ。 ところで西海岸の森林地帯の林業は衰退したのかというと、そうではない。むしろ新たな林業、新たな木材産業が勃興している。それはバイオマス発電燃料となる木質ペレットの生産だ。 石炭石油の代わりに木を燃やしても理論上は二酸化炭素(CO2)を排出したことにならないとされたからだ。つまりバイオマス発電所は脱炭素に貢献し、再生可能なエネルギー源だとされて、木質ペレットの需要が爆発的に拡大したのだ。 米国の私有林の多くは、21世紀の初頭にTIMO(林業投資経営組織)やT-REIT(林業不動産投資信託)と呼ばれる大手ファンドの所有になった。そこで働くのは地元のロガーたちではない。巨大な林業機械を操縦して森を皆伐する林業会社の従業員である。伐られた木は、遠くの町の製材所かチップにされて木質ペレット工場に運ばれていく。 この大規模な森林伐採行為は合法とされる。伐採跡地に植林をすれば森林面積は減ったことにならず、カーボンニュートラルになるから地球環境にも寄与すると認められる。ラストベルトの住人が行う盗伐のように1本2本とこっそり盗み伐るのは犯罪だが、山を丸ごと皆伐しても「アース・ファースト」な事業と見なされたのである。 ブリティッシュ・コロンビア州では、年間20万ヘクタールもの原生林を伐採して、木質ペレット生産に力を入れている。原料は間伐材や林地残材(根株や枝、梢など)のほか、製材後の端材や枯れた木だと工場主らは主張しているが、現実には原生林を伐採した木を丸ごとチップにする分も少なくないとされる。またペレット工場周辺では、騒音や粉塵、煤煙による健康被害を訴える住民が増えて訴訟沙汰も起こしている。 なお生産された木質ペレットは世界中に輸出されるが、日本もその一つだ。カナダからは生産量の半分を超える約158万トン、米国からは約126万トン(いずれも2023年)が日本に運ばれ、バイオマス発電所を稼働させている。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408140000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/15
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 前日起きた強盗殺人事件の容疑者として吉田石松を逮捕、以後50年にわたる日本岩窟王の幕が開ける(1913年)。 ◆ 米国の陰謀ご好意=ガリオア資金=によって、全国の学校で昼食にパンが食べられる様になる(1950年)。 ◆ ポーランドはグダニスクの造船所で俺達は政府の言いなりにはならねぇ!と労働者が連帯(1980年)、彼らの要求は9年後に現実のものとなったが造船所自体は(皮肉も彼らの要求のお陰で)16年後に店仕舞いする破目に。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月14日】【第4回】「資本主義」は社会の発展に不可欠な必要悪? =後節=仮面ライダー と対峙するショッカー戦闘員が妙に貧弱に見えるワケ=Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】2024年7月29日 / でめぐる世の中の主義・思想』(さくら剛)より / さくら剛( 作家) ショッカー戦闘員が「打倒・仮面ライダー」を果たすには? 資本主義経済の下では、誰もが自由に商売をする権利があります。集団の一員として働き続ける義務はなく、誰でもいつでも自由に独立していいんです。そして独立して仕事をしている人は、自分の貢献はプラスにせよマイナスにせよしっかり報酬に反映されます。自分のパフォーマンスがそのまま組織の成果です。他者の関わりも自由に制御できます。でも自分がやらなきゃ誰もやらないので「誰かがやるだろう」の発想は出て来ません。 そのような環境であれば、社会的手抜きは発生しないんです。自分が唯一無二のポジションに就いて主体的に活動する場においては、全力を出そうと思ったら本当に100%の全力が出せるんです。 その点では、私は自分が「フリーランスの作家」という独立したポジションで本当に良かったと思っています。なにしろ社会的手抜きが発生せず、自分の全力を100%発揮できる仕事ですからね。 えっ? それにしては本がたいして面白くないって……? うるせえなっこれが俺の100%じゃっ!!! 自分の力を1%も余すことなく発揮した結果がこれじゃ!!! 他の作家とグループで一緒に原稿書いたらもっとつまらなくなるわっ(涙)!!! まあまあ、落ち着いて。はい落ち着きます。ううっ……(泣)。 もちろん、資本主義の社会でも誰もが独立するわけではない……というか割合としては独立しない人の方が多いわけですが、資本主義ならば、組織のあり方もそれぞれの組織が自由に決めていいんです。社員に揃って同じ仕事をさせる義務もなければ給料を揃える義務もない。社会主義のショッカー集団開発公社では戦闘員を全員まとめてヒーローにぶつけるだけですが、資本主義のショッカー株式会社では、各道路や建物ごとに戦闘員を1人ずつ配置し、各々に自由に攻撃方法を考案させ、ライダーを倒したり腕をもぎ取ったりすればしっかり成果に応じた報酬を与える、というような方針を取ることができます。 各自が「俺こそがライダーを倒してやるぜ!」という向上心を持てば、創意ある戦闘員は空前絶後のすごい武器や超絶怒濤のやばい罠を発明して(詳細は不明)、悪の組織界にイノベーションをもたらすこともありそうです。そのように自由を尊重するショッカー株式会社の下では、戦闘員はまるで一人一人が単独の怪人になったかのように、100%もしくはそれ以上の頼もしい力を発揮してくれることでしょう。 この戦闘員の力が現実世界での「国民の労働への意欲や生産性」だと考えれば、資本主義が経済面においてどれだけ強い制度かということがイメージしていただけるのではないでしょうか?人はそれを見せてもらうまで、『自分が何を欲しいのか』がわからない 中国もかつては典型的な社会主義国で、例えば農業は集団農場において「全員が公務員」という形で運営され、その結果、深刻な食糧不足が起きるレベルにまで生産性が下がってしまいました。しかし慌てた政府が「各自で自由に農作物を作っていいし自由に売っていいよ」という資本主義に近いルールを設定したところ、食糧事情は一気に解消しました。そして他の産業も同様に自由化したことで中国の経済は凄まじい勢いで上向き、あっという間に世界の経済大国にまで成長を遂げたのです。10億人を超える国民一人一人が下級戦闘員から正規の怪人クラスにまで戦闘力を上げたのだから、そりゃあ世界を支配できそうなほどの国力もつくというものです。 なお、ショッカー株式会社の戦闘員が空前絶後の武器を開発してイノベーションを起こしたように(私が勝手に妄想しただけだけど)、資本主義の下では、「今までになかったようなまったく新しい物や仕組みが生まれ、社会が進歩する」という現象も発生しやすいと言えます。例えばデジカメとかスマホとかVRとか、SNSとか動画配信サブスクとかクラウドファンディングとか……。 社会主義では国全体の生産計画をごく限られたトップのエリートたちが立てるわけですが、その時には、「この国に足りていない食べ物はなにか? 足りない工業製品はなにか?」という考え方になります。 するとどうしても、「計画者が知っている物」しか作れなくなるんです。なにしろ国の経済を背負い大量の労働者を動かすわけですから、変な冒険はできません。「珍しい食材を買って来てインスピレーションで料理を作る」という、まれに革命的なメニューも生まれるが9割9分は失敗する冒険は、一人暮らしならできますが栄養士さんが給食のメニューを決める時にはできないんです。たくさんの人に影響することですし、失敗は自分の首を飛ばしかねないわけですから。慎重になるのが当然です。 しかしそれだと、新しいものは生まれないのですよ。 「自動車王」と呼ばれたヘンリー・フォードの言葉に、「もし『何が欲しいか』を顧客に尋ねていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えただろう」というものがあります。また、Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズは、「多くの場合、人はそれを見せてもらうまで、『自分が何を欲しいのか』がわからないものだ」と言いました。 iPodやiPhone、そしてフォードの時代の自動車など、「事前には誰も欲しいと思わないけど、それが登場したらみんな欲しがるかもしれない新しいもの」は、社会主義的な慎重な事業計画では生まれられないんです。エリートは失敗が許されないんですから。資本主義の、なんでも自由にやっていいし何回でも再チャレンジが可能な制度の中でなければ、革新的な製品や仕組みは登場しないんです。 もちろん、資本主義は資本主義で、自由に無謀運転をする起業家のPDCA事故に巻き込まれて血みどろになる犠牲者が続出するという欠点もあるわけですが……。 結局、国および組織の運営において、自由と平等どちらを優先すべきかというのはなかなか結論を出しづらい課題です。しかし幸い、我々の住む日本は自由なチャレンジが許される資本主義社会です。自由と平等、両方のメリットが最大限発揮されるような、革新的な制度の開発にみなさんも挑戦されてみてはいかがでしょうか? ・・・・・・・・完・・・・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408130000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/14
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ リヒャルト・ワーグナーが自分でおっ建てた豪華な劇場でリサイタルを開催(1876年=第1回バイロイト音楽祭開幕)、だが派手にやった割に大赤字となりワーグナー自身も精神的なダメージを被る破目に。 ◆ 東ドイツが西側に無断で大規模土木工事に着工、手始めに予定地を有刺鉄線で封鎖する(1961年=ベルリンの壁の建設を開始)。 ◆ 日の丸と君が代が正式に日本の国旗と国歌になる(1999年)。強制はしないという建前だが、実際のところはお察し下さい。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月13日】【第4回】「資本主義」は社会の発展に不可欠な必要悪? =中節=仮面ライダー と対峙するショッカー戦闘員が妙に貧弱に見えるワケ=Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】2024年7月29日 / でめぐる世の中の主義・思想』(さくら剛)より / さくら剛( 作家) そんなわけで、資本主義を悪だと断定した社会主義が失敗することによって逆に資本主義の良い部分があらためて浮き彫りになる、というなんだかどこかの国のいつかの政権交代を思い出させるような皮肉な展開になったのですが、では、「資本主義の良い部分とはなにか?」について、もう少し見ていきたいと思います。 今さらですが、ざっと説明をしますと「誰でも土地や工場や機械や人材などの生産手段(資本)を持ち、それを使って商売をすることが許されている制度」を資本主義と言います。要するに「自由にお金儲けしていい」のが資本主義。反対にそれが許されずすべて国に管理されるのが社会主義。 自由にみんなが商売をすることでどんな良いことがあるかというと、なんと言っても「一人一人のパフォーマンスが向上する」のです。その理由は「競争して切磋琢磨するから」でもあるし、もうひとつ似ているようで新しい視点を出すと、「手を抜く要因が排除される」からでもあります。 資本主義は自由なので「個人個人で独立して勝手に頑張れる」わけですが、実はこれがすごく大事なんです。なぜならば、人間というのはなにかを「みんなと一緒にやる」と、必ず手を抜くようにできているんです。無意識にパフォーマンスが6割も低下する「社会的手抜き」 「ビブラタネの拍手実験」というものがあります。アメリカの心理学者ビブ・ラタネさんが行った実験です。 ビブさんは、大学生の被験者に「全力で拍手をしてください」と依頼し、その被験者が1人でいる時と、2人~6人の集団の一員である時において、「全力」の程度がどれくらい変わるかを計測しました。厳密には、被験者は常に1人でいるのですが、目隠しとヘッドホンをした上で「今あなたの周りには〇名の人がいます」と伝え、「自分は〇人の中の1人だ」と被験者に思い込ませて1人で拍手をさせたのです。そうして、その拍手の音の大きさを測りました。 すると、被験者が「自分は○人の中の1人だ」と思っているその○の数が増えるごとに拍手の音は弱まり、「6人の中の1人だ」と思っている時には、最初の4割ほどにまで音が小さくなってしまったのです。自分1人だけでやっている時に出せる力を100%とすると、同じことをする仲間の数に反比例して個人の力は減り、6人では半分にも満たない力しか出なくなってしまいました。 なお同様の実験にリンゲルマンさんが行った「リンゲルマンの綱引き実験」というものもあり、綱引きで発揮される一人一人の力も、チームの人数が増えるごとに低下してしまうことがわかっています。 ポイントは、「本人は毎回100%の力でやっているつもりなのに、『自分は集団の中にいる』と感じると無意識のうちに手抜きをしてしまう」という点です。その人の「本気の全力」が、「集団に属している」という環境があるだけで(環境がなくとも本人がそう思い込んでいるだけで)、例えば6人で同じことをすると4割のパフォーマンスにまで低下してしまうのです。 ということは……、例えばおそ松くんの親御さんが息子に「草むしりをしなさい」と一斉に命令すると、6つ子なのに実質2.4つ子分の仕事量しかこなせないということになりそうです。あるいは黒澤映画随一の名作「七人の侍」でも、村のために尽くした7人は共同で作業をしたせいで「実質三人弱の侍」程度の働きしかしていなかった可能性があります(可能性ね)。七福神も実質三福神くらいしか福を呼ぶ効果がないのかも……(涙)。 このように、「集団の中にいると無意識に自分の力をセーブしてしまう現象」を、社会的手抜きと呼びます。「集団の中にいると無意識に自分の力をセーブしてしまう現象」を、社会的手抜きと呼びます。ポイントは、「本人は毎回100%の力でやっているつもりなのに、『自分は集団の中にいる』と感じると無意識のうちに手抜きをしてしまう」という点でした。その人の「本気の全力」が、「集団に属している」という環境があるだけで(環境がなくとも本人がそう思い込んでいるだけで)、パフォーマンスにまで低下してしまうのです。 なぜ社会的手抜きが発生するか? というと、1.自分1人だけが良いパフォーマンスを見せても全体の成果に大きく影響するわけではない 2.よって、集団として評価される場では自分だけ頑張っても貢献に見合った報酬が期待できない 3.「他者の存在を意識する」という心の動きが集中力、没頭力を鈍らせる4.「自分がやらなくてもきっと誰かがやるだろう」という思いにより個々の責任感が薄れる(この部分は特に「傍観者効果」とも呼ばれます) などの要因が挙げられます。 女性はあまりピンと来ないかもしれませんが、仮面ライダーなんかを見ていると、ライダーが怪人と戦う前に前座として下級戦闘員がワラワラと沸いて来ますよね。正規の怪人に先んじて大量のショッカー戦闘員が登場し、あっという間になぎ倒されて退場して行きます。 あの集団が妙に貧弱なのは、常に数十人単位で行動するため「自分だけ頑張ったところで全体の力を大きく上げられるわけではない」「よって自分だけ良いパフォーマンスを見せても見返りは少なそうだ」「戦闘員が多すぎて邪魔でうまく動けない」「自分がやらなくても誰かがライダーを倒すだろう」などの心理が、無意識のうちに働くからではないでしょうか。悪の組織に所属するくらいだから本来一人一人はそこそこ腕に自信のあるワルなのでしょうが、そのように激しい社会的手抜きが発生する結果、集団戦闘員となった場合にはライダーのパンチ1発でやられるレベルにまで弱体化してしまっているのでしょう。このような事態が、やはり「常に集団の一員として働く」という社会主義体制下でも起きていると想定されるのですが、これが、資本主義では発生しにくいのです。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408120000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/13
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ サルの言いつけで三河の狸親父が関東地方全域の支配者に(1590年)。そして、時は流れ、のび太行きつけの三河屋でコカ・コーラが1本しか売れず、その王冠が一時はウン千万円の値がつく(1975年)。 ◆ キツネ目の男がグリコ・森永事件の事件終息を宣言(1985年)。ちなみに、この事件に巻き込まれていたハウス食品の社長は事件終息を先代である父の墓前に報告しに行く途中、下の日航機事故=御巣鷹の尾根=で死亡。運が悪すぎる… ◆ 四万十川の水まで温まりアユも水煮になり兼ねないくらいの猛暑で、真夏の暑さにしても限度があるだろ!って誰もが思った日(2013年=日本国内観測史上最高の41.0度)。…今年を経験する以前のお話【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月12日】【第3回】最大多数の最大幸福を目指す「功利主義」…… =後節=“最大多数”に人間以外の生き物は含めるべき?=Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】2024年7月29日 / でめぐる世の中の主義・思想』(さくら剛)より / さくら剛( 作家) みなさん、去年1年間で、鳥を何羽食べましたか? 魚を何匹食べましたか? 農林水産省によると、日本人は1人あたり年間12・6㎏の鶏肉を消費しているそうです。1羽の鶏から取れる肉が1200g程度だそうなので、我々は平均して1年に10羽の鶏を食べていることになります。10年なら100羽です。しらす丼なら1食でイワシの稚魚の命を1000ほど奪うことになります。 つまり、人間以外も多数に含めるのならば、ヴィーガニズム(完全菜食主義)の実践者でもない限り我々は功利主義に逆行する行動を取っていることになります。むしろ、人間を1人殺せば何百という鶏、何千という魚の命が失われずに済むわけですから、殺人こそが最大多数の最大幸福を生む行為ということになります。 生物に入れていいのか評価は割れると思いますが、ゾンビもそうです。私は過去にゾンビが哲学する本(なんだそれ)を書いたことがあり、その準備としてゾンビ映画を見るたび功利主義について考えさせられていました。 ゾンビ映画を見ていると、人間とゾンビでは、圧倒的にゾンビの方が数が多いですよね? 少数の生き残りの人間が大量のゾンビに囲まれるというのがゾンビ映画のセオリーです。しかも物語が進むにつれ人間の数は減りゾンビが増えます。 ゾンビの映画やドラマを鑑賞する時、我々は恐ろしいゾンビから人間たちがいかに逃れられるかをハラハラしながら見守るわけですが、功利主義の観点からすると、少数の人間はさっさとゾンビに食われるべきだということになります。5人や10人の人間が死のうと、多数のゾンビがご馳走にありつける方が総合的な幸福度は大きくなるわけですから。それこそが最大多数の最大幸福であるし、現に我々人間が牛や豚に対して行っていることでもあります。 功利主義の採用にあたっては、適用範囲や適用場面について、十分に検討する必要がありそうですね。 == 【第4回】「資本主義」は社会の発展に不可欠な必要悪? 仮面ライダー と対峙するショッカー戦闘員が妙に貧弱に見えるワケ(前編) == 本来、社会主義は「資本主義の悪の部分を排除する」ことを主目的に考案された仕組みでした。 マルクスや、あるいは19世紀の労働者たちの頭の中では、資本家というのは顔面にペイントして竹刀で労働者をビシバシしごくような、さながら悪役レスラーのような恐ろしい存在だったのです。 その極悪な資本家軍団を追放し、平和な環境を構築するため、いくつかの国では労働者が革命を起こし、社会主義経済が導入されることになりました。 ところが……、実際に社会主義を運用してみると、実は資本主義こそが、社会主義の欠点を先回りして補っているシステムだったということがわかったのです。 「極悪人は排除だ!」ということで資本主義(および資本家)を追放してみたものの、皮肉にも新しく採用した社会主義が軒並みうまくいかないという結末により、「実は極悪な資本主義や資本家こそが、社会を大きく発展させる貢献者だったのだ」ということに世界は気付くことになったのです。 まさしく、かつて一世を風靡した女子プロレス界の極悪同盟と同じではないですか。 極悪同盟は言わば「女子プロレス界の反社」とも呼べる軍団であり、構成員のダンプ松本さんやブル中野さんは、ライバルであるクラッシュギャルズの髪の毛をバリカンで刈ったり鎖で首を絞めたりフォークやハサミで刺して血まみれにしたりと、リング上で悪の限りを尽くしていました。 子供の頃の私は、テレビ中継でその残虐行為を見るたび「なんでこんな悪い奴らを追い出さないんだ! こんな悪党はとっとと警察に突き出せ‼」と憤っていました。同じ感想を持った人はたくさんいたようで、当時ダンプさんは道を歩いているだけで石を投げられたり、車を傷つけられたり家の窓を割られたりと、散々な目に遭ったそうです。 しかし、今ではよくわかります。あの頃、女子プロレスに日本中が熱狂したのは、あの悪の(悪を演じていた)レスラーたちがいたからなんですね。正義のクラッシュギャルズの人気が断トツでしたが、クラッシュの人気は極悪同盟との抗争なくしてはあり得ず、極悪同盟がいなければクラッシュの人気どころか女子プロレス界の隆盛もなかったはずです。プロレス界全体が盛り上がり莫大な経済効果が生まれたのは、明らかに極悪同盟の功績なんです。 当時の私が仮になにかの間違いでちびっ子女子プロレス社長となり、「クラッシュギャルズを虐める悪者は許せん!」と極悪同盟を追放、リング上に平和な環境を構築してしまっていたら、女子プロレスの人気は一気に冷めてしまったに違いありません。そしてチケットも売れず業界全体が大不況となったところで、「ああ、極悪同盟こそがプロレス界を支えていた、必要悪だったのだな……」と気付き、大変な後悔をしたことでしょう。「資本主義」の排除による大きな代償 社会主義を採用し、そして貧乏になっていった国々は、まさにそのような流れ(ちびっ子社長の妄想経営のような愚かな流れ)を辿ったのです。 マルクスやレーニンなどの社会主義者たちは、資本主義あるいは資本家を「排除されるべき悪」と断定していたわけですが、実はそれらは社会の発展のために不可欠な必要悪だったんです。 多くの社会主義国はそれに気付き、結局資本主義へと回帰することになりました。でもその頃にはもう他の国と経済的に埋められない差がついていたり、あるいは国がバラバラになってしまったりと、大きな代償を払うことになったのです。・・・・・・・・明日に続く・・・・・○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408110000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/12
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ ベルリンオリンピックで試合を観戦していた一個人の前畑ガンバレが、公共の電波に乗るアクシデント(1936年)。いや、作家マーガレット・ミッチェル、風と共に去る(1949年)。…ともにフェィクだね。 ◆ ロナルド・レーガンがラジオ演説前の予習で「今から5分後にソ連攻撃を始める」と口走って、ボケているんじゃないか?と全世界から訝しがられる(1984年)。 ◆ 初の4日間開催となったコミックマーケット3日目で待機列が実に3時間以上炎天下にさらされて、熱中症で危篤状態になる人も。これも全部来年の東京オリンピックのせいだ(2019年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月11日】【第3回】最大多数の最大幸福を目指す「功利主義」…… =中節=“最大多数”に人間以外の生き物は含めるべき?=Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】2024年7月29日 / でめぐる世の中の主義・思想』(さくら剛)より / さくら剛( 作家) 快の合計点が最も高くなるように行動する 快楽計算では、食べ物でも娯楽でも、ジャンルが異なる快も同じ基準・単位で計算します。「人の点数」ですら、計算基準は同じです。 じゃあ今度は、私の彼女の点数も出してみましょうか。私の彼女はめっちゃかわいいので強度は10(エッヘン!)、お店に通い続ける限りは会えるので持続性は9、ただお店を辞めちゃう可能性はあるので確実性は5、歌舞伎町までは電車で2時間かかるので遠近性は3、彼女を訪ねればお酒も飲めるので多産性は6、ただしセット料金に指名料にプレゼント代にと高額の出費がデメリットなので純粋性は2、私以外にもたくさんのお客さんを癒してあげているようなので適用範囲は10。合計は、45点。さすが、スマイルバーガーには楽勝だぜ‼ ………………。 え、なんですか? はい。そうですよ。仰る通り、お店の女の子を彼女だと思い込んでいるだけですよ。はいはいそうですね、別にいいでしょ妄想で恋愛するくらいっ‼ そういうところでしょ歌舞伎町のお店っていうのは‼ お金払ってるんだから夢くらい見させてよ‼ 新システムのボトルサブスクも申し込んで売り上げに貢献してるんだからなっ(涙)!!! ちなみに私自身の人としての点数は合計10点です(遠近性のみ10、他は0)。 ……まあ、倫理が崩壊したおじさん(私)の話はさて置いて、この快楽計算を使い、みんなの快の合計点がもっとも高くなるように行動しようというのが、功利主義、「最大多数の最大幸福」の考え方です。休日に「1日中家でゴロゴロして英気を養う」のがいいのか、「午前は掃除をして午後はジムに行く」のがいいのか「日帰りで鎌倉観光に出かける」のがいいのか、それぞれ点数をつけてみて最高値のプランを選ぶ。これが功利主義です。 人の幸福すなわち「快」を、「強度(どれだけ強いか)」「持続性(どれだけ続くか)」「確実性(確実に手に入るか)」「遠近性(すぐに手に入るか)」「多産性(他の快も生み出すか)」「純粋性(純粋な快なのか、不快も含まれているのか)」「適用範囲(どれだけ広く行き渡るか)」の7つの項目で採点して数値で表す快楽計算。これを使い、みんなの快の合計点がもっとも高くなるように行動しようというのが、功利主義、「最大多数の最大幸福」の考え方です。休日に「1日中家でゴロゴロして英気を養う」のがいいのか、「午前は掃除をして午後はジムに行く」のがいいのか「日帰りで鎌倉観光に出かける」のがいいのか、それぞれ点数をつけてみて最高値のプランを選ぶ。これが功利主義です。 もっとも、ケンブリッジ大学の研究によると、人間は1日のうちに小さなものから大きなものまでトータルで35000回の選択をしているそうです。その35000回すべてで各選択肢の「強度」「持続性」「確実性」「遠近性」(以下略)の7つの項目を計算し最適な選択をする、という完璧功利主義を実践していたら、1日分の選択が終わる頃には世間では20年くらい経っていた、なんてことにもなりかねないので(4日分の計算を終える頃に人生も終わります)、あくまで快楽計算は要所に絞って発動させることが大事です。 功利主義は個人にとっても有用ですが、集団の方向性を決定する時にもっとも効果を発揮する思想であるとも言えます。 例えば、飛行機って、時々落ちますよね? 世界では過去に飛行機が一度も墜落しなかった年はないし、おそらく今後も何十年、もしかしたら何百年と、飛行機が運用され続ける限り毎年どこかで飛行機は落ち、一定数の人が亡くなることでしょう。 でも、飛行機は廃止されません。もし今年いっぱいで飛行機を廃止すれば、来年飛行機事故で死ぬはずの何百人もの命が確実に助かるとわかっているのに廃止されません。それは、「来年飛行機を使って無事に移動できる人たちが飛行機を使ったことで得られる快の総合計値」が、「来年飛行機事故で死ぬであろう人たちやその遺族の苦しみの不快の総合計値」を上回っているからです。 ゴミ処分場や基地や原発などが、いくら近隣住民が反対しようと補償や強制執行を経て結局は作られるのも、政治というものが功利主義的な考え方で運営されているからです。 「最大多数の最大幸福」の適用範囲 さて、この功利主義にはひとつ興味深い論点があります。それが、「最大多数の最大幸福」の「多数」に、人間以外の生き物も含めるべきかという点です。動物や魚の幸福も幸福に数えるかということですね。 果たして動物の幸福も、人と同じ基準で計算するべきなのか? ベンサムは「人間以外の幸福も含めるべき」だと考えましたが、一方で、時代は違いますがアリストテレスやヘーゲルなどの哲学者は、動物には人格がないため人間と並べるべきではないと主張しました。 これは非常に難しい問題です。ペットを飼っている人にとっては、犬や猫は当たり前に家族の一員、その幸福を願わないなんてことはあり得ないはずです。動物だって「多数」の一員として、幸福の計算に入れてあげるべきと考えるでしょう。 しかし、仮に動物もすべて数に入れた上で功利主義を採用すると、我々は肉も魚も食べられなくなります。 みなさん、去年1年間で、鳥を何羽食べましたか? 魚を何匹食べましたか? 農林水産省によると、日本人は1人あたり年間12・6㎏の鶏肉を消費しているそうです。1羽の鶏から取れる肉が1200g程度だそうなので、我々は平均して1年に10羽の鶏を食べていることになります。10年なら100羽です。しらす丼なら1食でイワシの稚魚の命を1000ほど奪うことになります。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408100000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/11
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 最初の神からの啓示を与える大天使にして魔界天使ジブリールがムハンマドの前に現れ、目前にしたムハンマドがハァハァー (610年)。 ◆ 進水したばかりのスウェーデン海軍の戦列艦ヴァーサが海の底へ出航(1628年)し、230年の時を経て帰還を果たす。&so、16世紀に冒険に出たマゼランがようやく金星に到着(1990年)。 ◆ 国際宇宙ステーションでロシアの宇宙飛行士が結婚(2003年)、花嫁は宇宙へ行けなかったため衛星通信を通じて愛を誓った。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月10日】【第3回】最大多数の最大幸福を目指す「功利主義」…… =前節=“最大多数”に人間以外の生き物は含めるべき?=Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】2024年7月29日 / でめぐる世の中の主義・思想』(さくら剛)より / さくら剛( 作家) 価値観の異なる相手とぶつかるのではなく、「みんなちがって、みんないいよね」とお互いを尊重する相対主義。社会に平和と自由をもたらす、素晴らしい思想だと思いませんか? と、思いきや。 古代ギリシアで相対主義がもてはやされた結果、困ったことが起きました。 なんと、人々の、倫理が崩壊してしまったのです。 相対主義は、ちょっと自由すぎました。あれもいいよねこれもいいよねと、どんな価値観でも肯定しようとすると、「俺は定時前でも帰りたい時間に勝手に帰るぞ‼」という、倫理に反した早退主義すら認めなければいけないことになります(そんな主義はない)。 現代の社会情勢を見るとわかりやすいかもしれません。 21世紀もまた「みんなちがって、みんないい」という言葉がCMで流れる時代ですから、古代ギリシアに続く相対主義の隆盛期と言えるでしょう。しかし、「すべては人それぞれなのだ」とあらゆる価値観を認めることによって、「線路に入って記念撮影してもいいよね」「人の傘を持って行ってもいいよね」「キャンプ場にゴミを置いて帰ってもいいよね」「我が子を小学校にも通わせずクラウドファンディングで資金を集めてアンチを罵りながら配信旅行をしてもいいよね」と、倫理的に問題がある行動を取る人間が続出してしまっています。※架空の例であり、実在の人物や団体等とは一切関係ありません もちろん、子供に義務教育も受けさせずにス〇ディ号で日本一周みたいな(※実在の人物や団体等とは一切関係ありません)、そういう行為まで世間の人たちが「みんなちがってみんないいよね」と認めているわけではないでしょうが、しかし「多様性を認めよう!」という現代社会の風潮が、「小学校にも行かず『少年革〇家』を名乗ってYouTuberになってもまあ許されるだろう」と彼らに思わせてしまっているという部分はあるはずです。※実在の人物や団体等とは一切関係ありませんと自信を持って言い切れない今日この頃です 結局、あらゆる価値観を認めようというのが相対主義の主旨なので、主旨に厳密にこだわれば 「倫理違反や悪の行為も認めるのが相対主義」となってしまうのです。 ある人の幸福は他の人の幸福とぶつかるという中で、みんなが好き好きに動いたら社会の秩序は保てません。その点で相対主義は大きな欠点を持つことになります。 では、このような倫理の崩壊を生まずに済む、他の思想はあるのでしょうか? そこで紹介したいのが、功利主義です。 功利主義は、18世紀にイギリスの哲学者ジェレミー・ベンサムが体系化した思想です。概念自体はもっと古くからありましたが、それをかっちり形にしたのがベンサムです。 功利主義を象徴するフレーズが、「最大多数の最大幸福」です。これは、社会の幸福の合計値がもっとも高くなるように、法や政治や人々の行動の指針を決めようという考え方です。テレビゲームの中では当たり前に行われている「快楽計算」 ベンサムが画期的だったのは、人の幸福すなわち「快」を、「快楽計算」という数学的な方法で数値化したことです。 幸せや人の感情のような目に見えないものを数値化することは、18世紀には突飛なことでも、現代の人々にはすんなり受け入れられることのような気もします。おそらく、テレビゲームの中などでは当たり前に行われていることではないでしょうか? 私自身は残念ながら、ゲームには疎かったりします。日々英会話やパーティに忙しい私は、ゲームにうつつをぬかす時間なんてないんです。だから知識もまったくありません。ゲームより現実の仲間とのかけがえのない時間を大切にしたいタイプの人間ですから私は。 ただ想像で言わせてもらうと、例えば「龍が如く」の食事アイテムはスマイルバーガーが体力30回復で赤牛丸の牛丼だと45回復だとか、「ときめきメモリアル4」で語堂つぐみちゃんを中央公園に誘うと親密度が20上がる一方でエリサ・D・鳴瀬をボウリング場に誘うと15下がるとか、「信長の野望 革新」で家臣へ褒美として与えた時に上昇する忠誠度は九十九髪茄子(つくもかみなす)の場合55で曜変稲葉天目(ようへんいなばてんもく)では42だとか、そういう現実世界では難しい「人の状態や感情を数値化する」ということが、おそらくゲーム界隈では行われているのではないでしょうか? 私はゲームに疎いのでわからないですが。まったくの想像で例えを書いてみました。 ベンサムがやったのも、こういうことなんです。スマイルバーガーを食べることの幸福度は〇ポイントで、語堂つぐみちゃんに告白される幸福度は〇ポイントで九十九髪茄子(茶碗)を購入すると〇ポイント、というように「幸福」「快」を数字で表すことを彼は試みたのです。 もっとも、食べ物の種類だけでもこの世に何万種類とあるわけですからベンサムがそのすべてを採点したというわけではなく、彼がやったのは「採点の基準」を作ったことです。 快楽計算では、幸福・快を「強度(どれだけ強いか)」「持続性(どれだけ続くか)」「確実性(確実に手に入るか)」「遠近性(すぐに手に入るか)」「多産性(他の快も生み出すか)」「純粋性(純粋な快なのか、不快も含まれているのか)」「適用範囲(どれだけ広く行き渡るか)」の7つの項目で採点し、合計点を算出します。例えばスマイルバーガーはかなり美味しいので強度8、でも食べたらなくなるので持続性は1、お金を払えば手に入れられるので確実性は9ですぐ手に入るので遠近性も9、ひとつ買うとおまけで呪術廻戦グッズがもらえるので多産性は7、ただし高カロリーというデメリットがあるので純粋性は3、私以外への広がりは特にないので適用範囲は1。ということで、スマイルバーガーの総合快楽度は、38!というように評価を出します。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408090000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/10
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ イタリアはピサの大聖堂で鐘楼となる塔が着工(1173年)、しかし建築最中から傾き始め地盤の軟弱さを計算に入れない欠陥建築だったことが判明することに。 ◆ テニアン島を飛び立ったB29がコクラに核物質を大喰らいしたデブを投下しようとするが、曇っていたので標的をナガサキのミツビシに変更。でも外れて天主堂の近くで炸裂した(1945年)。 ◆ 冷戦時代に一強を誇ったアメポチ政党が、結成後38年で初めて野党に転落(1993年=細川護熙内閣が発足。38年ぶりの非自民政権)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月09日】【第2回】もしも新選組が「相対主義」だったら……!? =後節=『君たちはどの主義で生きるか ~バカバカしい例え話でめぐる世の中の主義・思想』より=Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】 2024年7月22日 / でめぐる世の中の主義・思想』(さくら剛)より / さくら剛( 作家) 「いえいえ、ワタシの日本語はまだまだデスよ」と謙遜したりするんですよ。 「日本語」と「日本人的な謙虚さ」みたいなものって、きっと分割不可能で、抱き合わせで習得されるのではないかと思います。だから日本語ペラペラのイラン人やパキスタン人は謙虚で、一方で日本語喋れないテリヤキ運転手とかは「俺は日本語が喋れるぜ~!」とおごり高ぶって言えてしまうのでしょう。まあ尺度は人それぞれだから言っても全然問題ないんですけどね……。 相対主義が生まれた当初、つまり古代ギリシア時代には、「自然の事象に相対主義を適用するのは難しい」と考えられていました。例えば「太陽が昇る時間や沈む時間は誰にとっても同じ=絶対的」のように。 ところが、アテネ市民の中では日の出や日没の時間が同じでも、他の大陸に住む人にとっては違います。実は地球は丸かったので、時差があるんですよね。アテネの人々が絶対的だと信じて疑わなかった太陽の昇る時間すら、実は相対的なものだったわけです。 さらに20世紀になると、アインシュタインが発表した相対性理論によって、「時間の流れ」ですら人によって異なる、相対的なものであったということが明らかになります。 一般相対性理論では、「重力が強いと時間が遅れる」ということがわかっています。地球の重力は地球の中心に近いほど強く、遠いほど弱いため、海辺に住んでいる人と山の上に住んでいる人では、重力の強い海辺に住んでいる人の方がわずかに時間の進みが遅れることになります。ということは、山に住んでいる人の方が歳を取るのが早いのです。もっとも、同じ地球上であれば重力の差などたかが知れているので、誤差の範囲ではありますが。参考までに、高度2万㎞の上空を飛ぶ人工衛星で、地上より早く進む時間は1日あたり100万分の38秒となります。 このように、古代には絶対不変だと思われていた「時間」すら、実は相対的な存在だったということが今ではわかっています。それならば「正義」や「道徳」や「善悪」のような曖昧なものにはなおさら絶対的な正解などあるわけがなく、結局のところあらゆるものは「人それぞれ」ということになるのです。他人の価値観や思想について、いちいち「これが正しい」「あれは間違っている」とジャッジするよりも、「みんなちがって、みんないい」と、お互いを尊重しながら過ごした方が気持ち良く日々を送れそうですよね。相対主義の物語は面白くない? もし新選組の沖田や土方、攘夷派の望月や宮部が相対主義者でいてくれたら、池田屋であんなに人が死なずに済んだのになと思います。 新選組と攘夷派志士たちが、互いの思想を認め合ってくれていたら。斬り合うのではなく、「攘夷派さんも一理ありますね」「いえいえ新選組さんこそごもっともです」「では先斗町で一献いかがですか?」「それはよいですなあ」と、互いにリスペクトを持って交流してくれていたら……。もしそうだったら、なにが面白いんだそんな新選組……。人が死なない大河ドラマなんてなにも面白くないよね……卑怯な作戦で相手を殺してこその新選組なんだから……。 考えてみれば、相対主義は「みんなちがってみんないい」で争いを消し去る主義なので、とりわけ男子が好むような物語は、相対主義が採用されたら軒並みつまらなくなりますね。「人類も巨人も、みんなちがってみんないい」「青銅聖闘士(ブロンズセイント)も黄金聖闘士(ゴールドセイント)も、みんなちがってみんないい」「嬴政も羌瘣も蒙驁も麃公も肆氏も録鳴未も楊端和も、みんなちがってみんないい」と和気あいあいやっていたら、「進撃の巨人」も「聖闘士星矢」も「キングダム」も人気低迷で連載が終わってしまいそうです。敵同士が互いを尊重する少年マンガなど、誰が読みたいものか。 が、しかし、物語と現実社会は別です。 娯楽のストーリーで思い切り対立を楽しむ分、現実の世界では相対主義に基づき対立せず干渉せず自分の好みに従って自由に生きる。 主義としてはもっとも古いもののひとつですが、価値観の多様化した21世紀にこそ最大の効用を発揮するのが、この相対主義だと言えるかもしれません。=== 第2回、おわり。 第3回へ【第3回】最大多数の最大幸福を目指す「功利主義」……“最大多数”に人間以外の生き物は含めるべき?(予編) 価値観の異なる相手とぶつかるのではなく、「みんなちがって、みんないいよね」とお互いを尊重する相対主義。社会に平和と自由をもたらす、素晴らしい思想だと思いませんか? と、思いきや。 古代ギリシアで相対主義がもてはやされた結果、困ったことが起きました。 なんと、人々の、倫理が崩壊してしまったのです。 相対主義は、ちょっと自由すぎました。あれもいいよねこれもいいよねと、どんな価値観でも肯定しようとすると、「俺は定時前でも帰りたい時間に勝手に帰るぞ‼」という、倫理に反した早退主義すら認めなければいけないことになります(そんな主義はない)。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408080000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/09
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ この日になって暑中見舞いを出そうなんて考えない様に。今日から出すなら残暑見舞い。されるならばと人々が「ハハハハハハハハハハハハ!(888…)」と笑いすぎて横隔膜が崩壊する事態が続出する日。 ◆ 前日のガダルカナル島への殴り込みに対し、日本軍がソロモン海で夜討ち。日本は勝った筈が、例によって全力を挙げて見逃し更にフロリダ諸島を奪われる羽目に(1942年)。 ◆ 例の「公共放送をぶっ壊す」とほざいた政党の党代表が総務省に「NHK受信料の徴収方法に異議あり!!」と提訴。令和一発目の野党の裁判沙汰である(2019年)【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月08日】【第1回】もしも新選組が「相対主義」だったら……!? =中節=『君たちはどの主義で生きるか ~バカバカしい例え話でめぐる世の中の主義・思想』より=Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】 2024年7月22日 / でめぐる世の中の主義・思想』(さくら剛)より / さくら剛( 作家) 相対主義は、紀元前5世紀、今からおよそ2500年も前にこの世に生まれました。古代ギリシア・アテネで民主制が発展したことにより、政治家の弁論術として考案されたのが発端です。 古代ギリシアの哲学者プロタゴラスは、「人間は万物の尺度である」という言葉を残しています。 「尺度」は、定規とか物差しのこと。人間は万物の尺度というのは言い換えると「人はみな、自分なりの主観的な物差しで物や事を認識するのだ」ということです。主観的なので、人によってバラバラというのがポイント。その人がどのような尺度を設定するかによって、物事の受け止め方や評価はガラッと変わるんです。新選組の側に立つか龍馬の側に立つかで善悪の概念も180度変わってしまうように。 新選組以外にも、いろいろ具体例を考えてみましょう。 これはどうでしょう。「富士山」は、大きいでしょうか? それとも、小さいでしょうか? ……はい。そうです。正解は、「人それぞれ」です。 富士山が大きいか小さいかは、相対的=見る人によって変わる、のです。普通の日本人の感覚では大きいでしょうが、ネパールのシェルパや、国際宇宙ステーションから地球を見下ろしている若田光一さんにとっては、富士山なんて小さな存在でしょう。「大きい」のか「小さい」のか、どちらかが正しいわけではなく、「両方正しい」のです。 次、これはどうでしょう。「高校生」は、若いでしょうか? それとも、もう若くはないでしょうか? そうです、この答えも「人それぞれ」になります。 大人からすれば、10代の高校生など若さの象徴にしか感じられないでしょう。しかし先日私が女子プロレス団体「スターダム」の試合を見ていたところ、現役女子中学生レスラーが、現役女子高生レスラーを「こぉのクソババア~~~ッ!!!」と罵りながら蹴り倒していました(本当です)。 私からしたらどっちも子供なのに、中学生から見れば高校生なんてもうババア扱いという。17歳でババアだったら、アラフィフの私はもう化石も通り越して化石燃料なのでは……と、私はリングに上がってもいないのに胸が痛くなったものです。そしてまた、女子高生をババアと認識しているならもっとババアを大事にしろよと、高齢者をマットに投げて顔面を踏みつけるとは何事だと、敬老精神のない中学生レスラーを説教したくなりましたが、ともかく人の若さだってまた、相対的なものなのです。あたなは「英語を話せますか?」 さらに次です。テストの点数などで絶対評価を受けがちな「自分は勉強ができるかできないか」の認識なんかも、尺度次第で変わったりするのです。 語学を例にしてみますが、「英語を勉強している日本人」って、自分で「僕、英語喋れますよ」とはまず言わないものです。日本人の英語学習者100人に「Do you speak English?(英語喋れる?)」と聞けば、98人は「I can’t speak English!(喋れません!)」と胸を張って自信満々に答えることでしょう。 私もそうです。かれこれDMM英会話を2年間続け、レッスンではたまにスラスラ喋ることもありますが、「英語喋れる?」と問われたら、答えは迷わず「I can’t speak English!」です。たとえあと40年DMM英会話を続けたとしても、87歳になった私は「I can’t speak English……」と遺言を語りながら死んでいくことでしょう。 なぜかというとまず、日本人は謙虚なんですよね。「自分はできる奴だぜ!」という態度を出すと顰蹙を買いかねない、謙遜を美徳とする文化に我々は生きているため、自分で「I do speak English!(俺は喋れるぜ!)」とはなかなか言えない。 その上でさらに、多くの日本人は「英語が喋れるかどうか」を判断する時に、海外の映画やドラマを尺度にしてしまうんです。あるいはアメリカ大統領の記者会見とか、BBCニュースとか。 そんな厳しい尺度を設定してしまうから、我々は「英語学習年数」と「『I can’t speak English』を言い続ける年数」が永遠に同じ、という悲しい事態を招いてしまっているのです。 しかし、それが外国の人だとまた違う尺度だったりするんです。 私は一時海外を貧乏放浪していたことがあるんですが、例えばインドなどでは、尋ねてもいないのに「アイ キャン スピーク ジャパニーズ!(俺は日本語が喋れるぜ!)」と得意気に主張して来るタクシーの運転手なんかがいたりします。そこで「えっすごいですね、じゃあなんか喋ってみてくださいよ」と求めてみると、運転手さんは唐突に「ナカター‼ テリヤキーー! ソンナノカンケーネー、オッパッピー‼」と大声で叫び、それで終わりだったりします。いやそれだけかよっ!!! と、さすがにこちらもツッコまさせられるという。 でも、私の尺度では彼は「日本語喋れない人」ですが、彼の尺度では彼は「日本語喋れる人」なんですよね。人間は万物の尺度なのだから、彼の尺度で測れば彼は日本語が喋れるんですよ。そこに正解も間違いもないんですよね。……………。まあ、いったい彼はなにを尺度に設定したのかはちょっと聞いてみたい気がしますが……。そのへんの牛を尺度にしたんですかね? 余談ですが、インドのお隣のパキスタンやイラン、バングラデシュなどの国では本当に「日本で働いていたことがあるので日本語ペラペラの人」によく出会いました。ただ、「日本で働いていたことがあるので本当に日本語ペラペラの人」は、「うわー日本語お上手ですね!」と褒めると、意外と意外と「いえいえ、ワタシの日本語はまだまだデスよ」と謙遜したりするんですよ。 ・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408070000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/08
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 「耳の日」「虫歯予防デー」「目の愛護デー」程知られていないが、本日は鼻の日。 ◆ 1801年- 富山元十郎らが千島列島のウルップ島に「天地長久大日本属島」の標柱を立てる。&so、日本初の正確な地図が江戸幕府に献上(1821年)されるが、制作を指揮した本人はその席に立ち合えぬまま十万億土に旅立った後だった。 ◆ 多摩川に「タマちゃん」現れ人気者に。-2002年-その後、姿を消したので彼方此方アザさラシすれど行方不明の賞金首に!!?【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月07日】【第1回】もしも新選組が「相対主義」だったら……!? =前節=『君たちはどの主義で生きるか ~バカバカしい例え話でめぐる世の中の主義・思想』より=Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】 2024年7月22日 / でめぐる世の中の主義・思想』(さくら剛)より / さくら剛( 作家) ===== 人気作家のさくら剛さんが、世の中の「主義・思想」をユーモアたっぷりに、そして皮肉たっぷりにご紹介する哲学・超入門エッセイ。価値観が多様化する現代、人生というダンジョンに地図もなく放り出された私たちは、これからどう生きるべきか? 第1回では、「相対主義」について取り上げます。 *本記事はさくら剛氏の著書『君たちはどの主義で生きるか ~バカバカしい例え話でめぐる世の中の主義・思想』(ウェッジ)の一部を抜粋したものです。 =====最初に紹介するのは、「相対主義」です。 唐突ですが、私は一時期、新選組にハマっていました。 なんと言っても「池田屋事件」がシビれます。京都の警備隊である新選組が、旅館・池田屋に乗り込んで、テロの謀議をしていた尊王攘夷派の志士たちを叩きのめした事件です。 新選組はなんと、たった4人で大勢の敵の中に斬り込んだのです。戦いの中で沖田総司は病のため吐血、藤堂平助は額を斬られて危機一髪となりましたが、ああもうダメだっ、やられる‼と思ったその時、土方歳三率いる新選組別働隊が到着。長州や土佐の攘夷派志士たちを一網打尽にすることができたのです。 新選組のドラマや小説で池田屋のシーンが出て来るたび、毎回私は大興奮でした。うおぉ~行け新選組‼ テロリストどもをぶった斬れ‼ ああっ、沖田が血を吐いてる! がんばれ沖田! 負けるな沖田‼ もうすぐ土方さんが加勢に来るぞ‼ ファイト新選組!!! ……と、必死に新選組を応援したものです。 ところが。 その後、私は一転して、坂本龍馬にハマりました。龍馬は尊王攘夷派の仲間なので、そちら側の視点では、新選組は憎い敵になります。 それから龍馬のドラマや小説で池田屋のシーンが出て来るたび、私は逆の大興奮です。ウオォ~行け尊王攘夷派志士‼ たった4人で殴り込みとはナメ腐りやがって新選組‼ 権力の犬どもなど革命戦士・攘夷派が返り討ちじゃっ!!! おっ、よっしゃ、沖田が血ぃ吐きやがったぞ‼ ざまあっっwww!!! 今やっ、その軟弱野郎を囲んで串刺しやっ!!! おいっ、藤堂平助の額斬った奴、まだ藤堂生きてるやないか‼ もっと顔面真っ二つになるくらい気合い入れて叩き割らんかいっ!!! 確実に殺さんかい藤堂のボケをっっ!!! 急げっ、もうすぐ土方のボンクラが仲間のチンピラを連れて加勢に来るぞ!!! 負けるな尊王攘夷派志士‼ ファイト尊王攘夷派志士‼ ……と、我を忘れて志士たちを応援したものです。 で、その後また新選組のドラマを見ると、 このドグサレ尊王攘夷どもがっっ!!! 徳川様に弓引くカス侍どもは地獄の制裁を受けろやっ!!! ああっ沖田大丈夫か~~っ、がんばれ、俺がついてるぞ‼ 土方さんが来るまで踏ん張れ‼ 負けないでもう少し最後まで走り抜けて沖田~~っ‼ I was born to love you 沖田~~~っ!!! と……(以下略) ………………。 とまあ、そんな口の悪い日和見を繰り返しつつ、最終的には「新選組も攘夷派志士も、みんなちがって、みんないいよね」という、金子みすゞさんの境地に今の私は達しているのでした。さて。 これが、相対主義です。 つまり、AとBの2つ(あるいはそれ以上)の意見がある時に、どちらかひとつだけを絶対的な善とするのではなく、「どちらにも正しさはある」と考える姿勢。「どちらが正しいのか?」ではなく、「正しさは立場によって異なる」、そして最後には「どっちもいいよね」「全部ありだよね」に到達するのが相対主義の考え方です。「人はみな、自分なりの主観的な物差しで認識する」 世の中には様々な価値観があります。特に現代社会では、モラルも宗教も礼儀も生き方も趣味趣向も、無限の様式が存在すると言っていい。 そんな中で、「お釈迦様は認めるけどキリストは認めないよ」「異性愛は認めるけど同性愛は認めないよ」「きのこの山は認めるけどたけのこの里は認めないよ」「『鬼滅の刃』の禰豆子の身体再生能力覚醒は認めるけど鬼舞辻無惨消滅後の竈門炭治郎の鬼化は認めないよ」などといちいち争っていたら、キリがありません。 みんなちがって、みんないい。私とあなたは違うけれど、どちらも同じくらいいいよね。とするのが相対主義です。 相対主義は、紀元前5世紀、今からおよそ2500年も前にこの世に生まれました。古代ギリシア・アテネで民主制が発展したことにより、政治家の弁論術として考案されたのが発端です。 古代ギリシアの哲学者プロタゴラスは、「人間は万物の尺度である」という言葉を残しています。 「尺度」は、定規とか物差しのこと。人間は万物の尺度というのは言い換えると「人はみな、自分なりの主観的な物差しで物や事を認識するのだ」ということです。主観的なので、人によってバラバラというのがポイント。その人がどのような尺度を設定するかによって、物事の受け止め方や評価はガラッと変わるんです。新選組の側に立つか龍馬の側に立つかで善悪の概念も180度変わってしまうように。・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408060000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/07
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ カール大帝によってでっち上げられた「ローマ帝国」が、ローマ帝国の面影はおろか神聖もなくしたフランツ2世がコルシカの山師の蹂躙によって800年以上の歴史に幕を下ろす(1806年)。 ◆ 戊辰戦争における官軍の英霊をもって、朝敵の怨霊を調伏する目的で靖国神社を鎮座せしめる(1869年)。 ◆ スイス在住のソフトウェア技術者・ティムが「こんなの作ったんだけど結構面白いwww」とインターネット上でWorld Wide Webを公言(1991年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月06日】バブル崩壊以降の日本の停滞はなぜ起きた? =後節=米国流のコピーやめ、独自の強みを生かした市場経済の構築を=Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】 2024年7月31日 / スティーヴン K. ヴォーゲル・カリフォールニア大学バークレー校主任教授インタービュー 日本は米国型の企業統治を導入すべきではない よく日本では「大企業にはイノベーションはできない」「図体が大きいため動きが遅い」と言われるが、独立子会社を設立するなど方法はある。ITやユーザーサイドの意見を生かし、良い循環を作り上げるべきだろう。 そのためには、「日本の強み」を理解する必要がある。まず挙げたいのは政府と企業間の調整力が優れているという点だ。日本はまさに「調整型市場経済」だと言える。一方で米国は政府系各機関と産業政策がマッチしていないことが多々ある。行政の中での分散、連邦政府と州自治体での差など、調整すべき点が多い。 またコーポレートガバナンスの面でも、米国は株主重視なのに対し、日本はステークホルダー全体に配慮したものになっている。 私は、日本には、米国型の企業統治を導入すべきではないと考える。なぜなら株主重視の方針がパフォーマンスにつながるという証拠はないからだ。 一方で日本の企業統治に欠けているのは多様性の側面だ。女性や外国人登用など、他の先進国と比較すると導入が遅れている。また説明責任を明確にするための第三者による視点もやや欠けている面がある。 バブル崩壊以降、日本ではコストダウンが叫ばれてきたが、短期的には利益が上がるように見えても長期的に見ればマイナスに働くことも少なくない。特に2014年以降は企業の利益率は上がってきているが、労働分配率は下がっている。つまり労働者の犠牲の上で利益を上げていることになる。 日本企業が考えるべきは、「国内重視から国外へ目を向けること」、会計の専門家などを招聘し、「説明責任を果たすこと」、「多様性を実現すること」などではないだろうか。また四半期ごとの決算を重視するのは短期的見方であり、中長期的イノベーションに注力すべきだと考える。 これらをまとめると、日本の変えていくべき点として以下の3点が挙げられる。1.日本型教育の強みを生かした人材育成。さらにソフトウェア教育の充実など、高等教育へのテコ入れが必要である。2.イノベーションのための政府支援。自由型経済という幻想にこだわる必要はない。調整型経済の利点を生かし、中長期的イノベーションを育てるための適切な政府支援が必要である。3.労働改革による労働市場の改善。日本でも「働き方改革」など、労働者有利の政策が進められているが、現状は不十分であり、将来の日本のニーズと社会的ニーズに合致した労働市場を築くべき。 さらに言えば、米国型のコーポレートガバナンスを過度に目指さないことだ。デメリットはあるものの、日本では政府教育支出は富裕層、中間層、貧困層に対しほぼ平等に行われている。米国では富裕層への支出が大きく、欧州では貧困層への支出が多い。 最後に、私はバークレーで政治経済を担当しているが、最近では純粋な「経済学」よりも「政治経済学」を目指す学生が増えている。社会格差、気候変動など、従来の経済学的視点だけではなく、政治経済的視点でアプローチしなければ解決が困難な問題が増えているためだ。 さらにデータやコンピューターサイエンス、さらには社会系学問との連携も必須になりつつある。特にAIと倫理など、一つの学問では解決できない問題も浮上している。 今後はアカデミアとビジネスの調和もより必要となるだろう。現時点では両者の間に壁があるのも事実だが、より総合的な教育を行うことで今後の社会に出現する諸問題に双方から解決策を模索していく必要性があり、日本の教育の現場でもこうした観点を取り入れることが必須となる。スティーヴン K. ヴォーゲル(Steven K. Vogel)カリフォルニア大学バークレー校 主任教授『日本経済のマーケットデザイン』(日本経済新聞出版社)著者。ジャパンタイムズ紙の記者などを経てカリフォルニア大学アーバイン校、ハーバード大学などで教鞭を執った後、現在はカリフォルニア大学バークレー校の政治経済学科主任教授。父であるエズラ・ヴォーゲル氏は『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者で日本社会、経済への造詣が深い。 ※ 日本経済の マーケットデザインスティーヴン K. ヴォーゲル 著日本経済新聞出版社 3680円(税込)「自由市場」と「規制」は対立するものではない。むしろ、各国の法や慣行のもと、時には規制をしながらデザインするものである。本書では、コーポレートガバナンス、企業の財務会計、知的財産、労働法などの分野のマーケットデザインを日米比較しながら論じている。 ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408050000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/06
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ アメリカのセックスシンボル、マリリン・モンローが36歳の若さで変死(1962年)。彼女とのアーン♥♥が噂されていたジョン・F・ケネディ大統領は、彼女のパンティーのサイズを決めたことに関して口を閉ざしていたが、翌年暗殺され、真偽の程は今日に至るまで不明。 ◆ 毛沢東同志が年甲斐もなく壁に自分のアジ演説論文『司令部を砲撃せよ - 私の大字報』を落書きする(1966年)。 ◆ 1984年 - ロサンゼルスオリンピックで、オリンピックで初めての女子マラソンを実施。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月05日】バブル崩壊以降の日本の停滞はなぜ起きた? =前節=米国流のコピーやめ、独自の強みを生かした市場経済の構築を=Wedge_Online 【JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ】 2024年7月31日 / スティーヴン K. ヴォーゲル・カリフォールニア大学バークレー校主任教授インタービュー 私の著書である『日本経済のマーケットデザイン』(日本経済新聞出版社)では、繰り返し「完全自由市場というものは存在しない」、「市場は創造するものでクラフト、つまり『既存の制度などを利用して、各国の文化や状況に応じてデザインしていくもの』」と強調している。 そもそも完全自由市場という概念は経済学の理論として生まれたものだ。市場を自主独立に任せ、失敗があった時のみ政府が介入する、という考えだが、現実にはこうしたシステムは存在しない。根本的に経済学という学問上の「市場VS政府」という発想が埋め込まれた概念だ。 しかし政府にとっても自由市場という考えが、有利となる場合もある。特に米国ではレーガン政権下の「新自由主義経済」の下、イデオロギーとして政治利用された経緯もある。つまり経済学上の概念と政治的利用により、自由主義市場という言葉が独り歩きしてきたと言える。 しかし現実を見ると、例えば「規制緩和」という言葉は、それにより競争を激化させるというイメージがあるが、実際にはより規制を強化する結果となる場合が多い。規制緩和という考えは、シカゴ学派のミルトン・フリードマンなどが提唱した概念で、経済改革の一つの手段として生み出されたものだが、企業とはもともと競争を好まない存在だ。 1980年代、日本では中曽根康弘政権下で3公社の日本電信電話公社、日本国有鉄道、たばこと塩を扱う日本専売公社を民営化し、それぞれ、NTT、JR、JTになった。規制改革の象徴にもなったが、民業圧迫などと経済界は大きく反発したのは記憶に新しい。 また、日本では、「規制改革」を掲げつつも、中央省庁が依然として運輸や電力、通信業界に対するさまざまな規制権限を維持している。事実、日本では多数の「規制緩和」が進められたにもかかわらず、現実として規制の数は2002年に1万621件だったのが、15年には1万4908件に増えている。 成長だけが 良いことなのか ところで、日本では国内総生産(GDP)がドイツに抜かれて世界4位になったことが大きく報道された。しかし、ここで考えるべきなのは、「成長だけが良いことなのか」という点だ。一人当たりGDPを見ると、日本はその変化があまり大きくない。 一方で米国を見ると、1950年代から80年代、さらに現在に至る数字を見ると、生産性は上がっていても国民の平均収入はそれほど上がっていない。国内での格差は広がる一方だ。 格差があると消費が抑えられるため、成長の足かせとなる。日本の場合、第二次世界大戦後に「成長」と「平等」が同時に存在したが、90年代以降は双方が下がる結果となっている。それでも日本には優れた教育制度があり、機会平等が存在する社会になっている。 ただし、基礎教育では強みのある日本だが、高等教育では差が出てしまう。米国の大学には学ぶべき点が多くあるだろう。特に技術教育を考えると、日本ではソフトウェア教育が不足している。 もう一つの問題は超高齢社会による労働力不足で、「移民を受け入れるべきか、否か」という議論が浮上する。 経済的に移民はプラスに働く。若い労働者層が増えるためだ。米国は移民の受け入れに積極的な社会であり、初期は成功していたと言える。しかし、最も古い移民である黒人と白人の対立は今も続くなど、差別につながる政策も多く見られる。 労働力不足を補うために移民受け入れは良い政策ではあるが、その入れ方については慎重になるべきだろう。社会の「多様性」は、さまざまな利点をもたらす一方で、差別や格差など、社会に軋轢を生む可能性もあるためだ。 ところで、移民受け入れに成功した例としてシリコンバレーが挙げられる。独自のエコシステムを構築し、IT革命に成功した。これはマーケットクラフトの好例と言える。しかしGAFAMが強大になりすぎて独占禁止法で規制する動きも見られる。規制を批判する声もあるが、実際にGAFAMはM&Aにより、「反競争的行動」をとっている面がある。ライバル会社を吸収することにより、市場は安定するが、競争は低下するためだ。 独禁法といえばよく例に挙げられるのが80年代にあった「日米半導体戦争」だが、そもそも日本は日立などの電子機器メーカーが半導体も作っていた。しかし米国では、自社使用ではなく、他社に販売する場合、独禁法により、両方を作ることは禁じられていた。これを不平等だ、と訴えたのが半導体戦争の始まりだったのだが、結果的には米国の独禁法が成功したと言える。 なぜなら特定の製品に特化することにより、「モジュール化」という技術のパラダイムシフトが生まれたからだ。ソフトウェアと半導体を別の企業が作ることにより、効率化が進んだのだ。これを象徴する「Wintelism」(ウィンドウズとインテル双方の成功を表す言葉)が生まれたほどだ。 このようにシリコンバレーを中心とするイノベーションはインターネット産業を基軸にして発展してきたのだが、日本の経済産業省はシリコンバレーを真似て、失敗を繰り返してきた。日本独自のイノベーションを刺激する政策が、打ち出されてこなかったためだ。・・・・・・・・明日に続く・・・・・ ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408040000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/05
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 修道士ドン・ペリニヨンが発酵で溜ったガスで澱を取り除くことを思いつき、シャンパンを発明(1693年)。 ◆ 上地令でミソをつけた水野忠邦が、オランダ国王からのカイコクノススメの対処から老中に呼び戻される(1844年)。 ◆ 三木総理が、検事総長の声を聞き分けられない程耳が悪いことが判明(1976年=ニセ電話事件)。一つ誤えると、ロッキード事件が闇から闇へ…。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月04日】「機構を作れば平和になる訳ではない」創設時の NATO創設時から今につながる“危惧“ の意味と今必要な理由、先人の至言を振り返る=Wedge_Online 【世界潮流を読む 岡崎研究所論評集】 2024年8月2日 / 岡崎研究所 2024年7月12日付 ワシントン・ポスト紙は、「創設時の 北大西洋条約機構(NATO) の意味とそれが今必要な理由」と題する社説を掲げ、NATO 創設当時の同紙(1949年4月5日付)社説を再掲している。 大西洋諸国の政治家が北大西洋条約に署名する際に示した「献身」は印象的だ。トルーマン大統領は基調演説で「この約束は平和に前向きな影響を与える」と述べた。 12かカ国の代表の顔には肯定的信念が示されていた。彼らは多様で異なっていたが、大統領の感情を違った方法で繰り返し表明した。彼らは自国民の生命への懸念を持っている。 これらの指導者がべビン英外相の言う「平和の貯水池」に結集したのは、国民の勤労と幸福追求を妨げている戦争の影を除くためだ。しかし署名だけで平和は達成されない。人生の何物も努力無しには得られない。そして平和は毎日の努力で達成する必要があるものだ。これは戦後の安心と喜びで忘れられてきた。そして悪魔は休息と怠惰に付け込む。 もう一つの危険は、若い世代が、何らかの機構を作れば平和は自動的に達成されると考えがちなことだ。例えば、今日の米国の若者達には、国連の失敗という幻想が存在しているが、これは間違っている。 国際連合は国際連盟と同様に、失敗した訳では無く各国がこれを作るに際して語ったことを実現できていないだけだ。多くの国々が努力を再開し他国から押し付けられ無行動から自らを解き放ち自身の義務を再確認する用意があるのは喜ばしい。 新たな誓約の言葉は明瞭な約束だ。これらは厳しい経験で研ぎ澄まされたものだ。神学者のケンピス曰いわく、全ての人は平和を望むが、平和の代償を払う用意がある人は少ない。 昨日の式典から判断するに、署名者だけでなくその背後に居る数百万の声無き声と大衆にとり、これは「希望の式典」で、国連の考え方が人々の心と政治家の計算に脈々と生きていることを示している。少なくとも、ルクセンブルグのベック外相が節度を持って述べたように「これは世界に永続する平和という有益な時期を提供するかもしれない」。 時間稼ぎはできた。しかしその間にこの誓約に基づき努力を積み重ねなければ意味が無い。集団による抵抗は、隣人との共存と両立すべきだ。イタリアのスフォルツァ外相が述べたように、この約束は継続的創造であるべきだ。 信念と誓約に作業を加えることで進歩が齎もたらされる。この点で条約署名前夜に、白と蘭に続き仏と伊が関税同盟への一歩を進めたことは留意されるべきだ。これは、各国を共同事業に向けて協働させるための行進の一里塚だ。 北米はこの統一の進展に利害関係を持っており、それに貢献すべきだ。マーシャルプランにより、共同事業に向けての協働の舞台は整った。言うならば、資金は銀行に有る。そして、欧州プロジェクトのために各国が資金を供出すれば、大統領が説明したように、北大西洋条約機構による積極的な平和構築の証拠になる。 * * *予測されていた世界の混沌 大変に興味深い内容である。この社説を読むと、75年前のNATO 創設当時の人々の心持ちが良く分かる。同時に、現在我々われわれが直面している問題の殆ほとんどを正しく予測していることに驚かされる。 「人生の何物も努力無しには得られない」、「未来の世代が、何らかの機構を作れば平和は自動的に達成されると考えがちなことが問題だ」、「全ての人は平和を望むが、平和の代償を払う用意がある人は少ない」との点は、正に現代に通じる至言だ。 今回のNATOサミットに向かう過程で、多くの欧州諸国が漸ようやく国内総生産( GDP) の2%を国防に支出するとのコミットメントを実現する見通しになったことは、非常に意義深い。もちろん、その実現のためにトランプ的な発言(コミットメントを果たさない国にロシアは何をしても良い等)が必要だったのかは別問題で、そのような発言は、同盟の信頼性と米国の権威を落とすことに繋がるという大きな懸念がある。 が、言い方は別にして、欧州のコミットメント未達成への懸念は、トルーマン以降、共和党・民主党を問わず歴代米国大統領が一貫して持ってきた問題意識だ。そして、第二次世界大戦終了後3年半足らずの時期で、冷戦が華やかなりし時代に、既にこのような点を指摘しなければならないような状況(緊張感の弛緩)が起こっていたと言いうのは、大いに興味深い。 換言すれば、冷戦が米国の勝利で終わってから35年経った今、我々われわれの危機意識が緩んでいるのは、ある程度止むを得ないことかもしれない。集団安全保障措置を補完 もう一つ面白いのは、NATOを国連との関係で論じていることだ。この社説は、NATOの創設を「国連の考え方が人々の心と政治家の計算に脈々と生きていることを示すものだ」としている。また、「国連が失敗した訳では無く、各国がこの機関を作るに際して語ったことを実現できていないだけだ」とも言う。これはその通りである。 国連憲章は、武力行使の一般的禁止と言いう一大転換を行う一方で、各国の安全は、当初は個別的・集団的自衛権の行使で守り、その後は、加盟国が団結して提供することが期待される集団安全保障措置により担保されるというのが基本的考え方だ。が、その意味で、NATOは(地域を限った)集団安全保障措置であり、本格的な国連の集団安全保障措置の発動に不可欠な安全保障理事会の機能が既に当時から麻痺しがちだったことに鑑み、限られた形の有志連合で、集団安全保障措置を補完する枠組みを作ったのが NATOだということなのだろう。 ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408030000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/04
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ クリストファー・コロンブスが、大西洋を兎に角横断すればインドへ着けるというぴーな発想から航海に出発(1492年)。無論、その途中にアメリカ大陸があるなど知る由も無かった。 ◆ 1958年 - アメリカ海軍の原子力潜水艦「ノーチラス」が世界で初めて潜航状態による北極点通過を果たす。 ◆ 千葉県君津市のお寺でペットとして買われていたトラが成長し過ぎて野に放たれてしまい、以後27日間にわたり地域住民を恐怖と混乱に陥れる(1979年=神野寺虎脱走事件)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月03日】<ハマス最高指導者ハニヤ暗殺>見せつけた情報機関モサドの実力、ネタニヤフの思惑とは?=Wedge_Online 【教養としての中東情勢】2024年8月2日 / 佐々木伸(星槎大学大学院教授) イスラム組織ハマスのハニヤ最高指導者が8月31日、イランの首都テヘランで暗殺された。ハマスはイスラエルの作戦と非難、イランの最高指導者ハメネイ師はイスラエルへの報復を命じ、緊張が中東全域に高まった。イスラエルの対外特務機関モサドの暗躍が取り沙汰されている。背景には米国を紛争に引きずり込みたいイスラエルのネタニヤフ首相の思惑がありそうだ。イランに深く浸透するスパイ網 ハニヤ氏は暗殺された前日にテヘランで行われたイランのペゼシュキアン新大統領の就任式出席のため同国を訪問中だった。滞在していたのはテヘラン北部にある6階建ての迎賓施設。イラン革命防衛隊に近いネットメディアが投稿したとされる写真では、同氏が宿泊していた部屋周辺が正確に攻撃を受けた状況が映っている。 ハマスは「ミサイルが同氏の部屋を直撃した」としている。建物の他の部分には損害が見られず、精密誘導弾が使用されたもよう。イスラエルの作戦だとしても、本国からの長距離ミサイルなのか、イラン国内から発進したドローンが発射したものかは不明だ。 イスラエルは4月、中部イスファハンの軍事基地に3発のミサイル攻撃を加え、またイラン国内からのドローンも攻撃に参加しており、いずれの攻撃の可能性もある。ただし、今回はハニヤ氏の滞在先が迎賓施設の何階のどの部屋か、攻撃を受けた午前2時頃に確実に部屋にいるのかなどを現場で確認することが不可欠だった。 こうしたことから世界最強のスパイ機関と称されるモサドの工作員が暗躍、指示したとみられている。大統領就任式にはハニヤ氏をはじめ、レバノンのシーア派組織ヒズボラやイエメンの反政府組織フーシ派などイラン支援の反米、反イスラエルの「抵抗枢軸」のメンバーも出席していたが、その行動は極秘事項。モサド諜報網がイラン内部深くに浸透していることが浮き彫りになった。 イラン国内では数々の暗殺事件が起きており、モサドによる作戦とみられている。2010年から同12年まで、イランの核科学者ら3人が車爆弾などで殺害され、20年11月には白昼、「核開発の父」と呼ばれたファクリザデ氏がテヘラン市内で、リモート操作の自動小銃で射殺された。このほか、22年には科学者2人が毒殺され、革命防衛隊の大佐も銃撃で殺された。暗殺だけではなく、破壊工作も頻繁に起きている。核開発の中枢である中部ナタンズの核施設が爆破され、軍需工場や発電所などに対する放火事件も相次いだ。 18年には、モサドがテヘランの秘密倉庫に侵入、イランの核開発文書を入手した。これについてはネタニヤフ首相自身が自慢げに発表している。メンツ失ったハメネイ師 今回の暗殺で一番衝撃を受けているのがイランだ。何よりも新大統領の就任式に招待した外国人の要人を自国内で殺されたからだ。 イラン国内に外国工作員を野放しにし、防空網や治安態勢に大きな穴があることを内外に露呈してしまった。しかもハニヤ氏は事件の前日にハメネイ師と親しく面談していたこともあり、同師は完全にメンツを失った。 同師は事件後、緊急の最高国家安全保障会議を開催。これにはペゼシュキアン大統領も出席した。 ニューヨーク・タイムズによると、ハメネイ師はこの席で「イスラエルに直接報復するよう」軍や革命防衛隊に命じたという。同時に、イスラエルとの間で戦争状態になった場合に備えて、国防態勢を整備するよう指示した。 イラン側の報復がどのような形になるのかはまだ不明だが、ハメネイ師が報復を命じたことはこれまでに2回ある。1回目は20年、革命防衛隊の対外作戦担当のコッズ部隊司令官ソレイマニ将軍が米軍のドローンで暗殺された事件だ。革命防衛隊は命令に従い、イラクの米軍基地に弾道ミサイルを発射、米兵約100人が負傷した。 2回目は24年4月、シリア・ダマスカスにあるイラン大使館がイスラエルの空爆を受けた事件。イランは同13日に350発に上る弾道ミサイルやドローンをイスラエル本土に発射した。 今回は殺害されたのがイラン人ではなく、支援する組織の人間だったことから、ヒズボラやフーシ派、イラクの民兵などがイランの代理でイスラエルを攻撃する可能性もある。 真の狙いは「停戦協議つぶし」 イスラエルの狙いは何だったのか。ネタニヤフ首相はガザ戦争終結の条件として、ハマスの壊滅を挙げており、ハニヤ暗殺はその目的に合致している。 ハニヤ氏はかつてガザの指導者だったが、19年にカタールに亡命し、そこから指揮を執ってきた。今回のガザ戦争では、子どもと孫をそれぞれ3人ずつイスラエル軍に殺され、姉も犠牲になった。 イスラエルは暗殺について「戦略的な沈黙」を貫いているが、国内治安機関シャバクの長官はガザ戦争ぼっ発後、ハニヤ氏を暗殺すると語っていた。無論、ハマスに打撃を与えることは暗殺の目的の一つだが、「ネタニヤフの真の狙いは2つ。イランと米国にメッセージを発することだ」(ベイルート筋)。 イランに対しては、イスラエルに手を出したり、核開発をこれ以上進めたりすれば、いつでも攻撃できることを警告するため。米国に対しては、ハマスの壊滅なしにはガザ戦争の停戦協議に応じられないことをあらためて突き付けるためだろう。 暗殺でバイデン大統領の停戦提案が実現するのは当面困難になったとみられているが、バイデン氏や民主党の次期大統領候補ハリス副大統領はこのほど訪米したネタニヤフ氏に早期停戦を強く要求していた。たが、ネタニヤフ氏が暗殺を通して回答したのは「停戦協議つぶし」ということだ。退路を断ったバイデンはどう動くか ネタニヤフ氏には3つ目の狙いもあるのではないか。それはイランを巻き込んだ戦争に拡大し、そこに米国を引きずり込むことだろう。 米国をイスラエルの軍事行動にがんじがらめにして支援させることだ。ネタニヤフ氏が米議会演説で米国との連帯、一体化を強調した真意がここにある。 暗殺の直前、イスラエル軍はレバノンの首都ベイルートを空爆し、ヒズボラの最高幹部シュクル司令官を殺害した。バイデン政権が中東の緊張を緩和させようと尽力すればするほど、ネタニヤフ政権がぶち壊しにかかる構図だ。 イランが報復行動に出た時、再選のくびきから脱したバイデン氏がどう腹をくくるのか、中東は重大な岐路に立たされている。 ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202408020000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/03
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 全世界の変態が大喜びしながらも、無地か縞パンかキャラ入りかで論争しまくるパンツの日。「パン(8)ツ(2)」が認定されるならばと「ハ(8)ーブ(2)」にしてハープの日、ビーズの日、オートパーツの日、帆布の日、ハラスメントフリーの日、ハブの日、云々etc ◆ 士農工商を廃止して平等を謳った筈の明治政府が、国民を3等級に選別(1869年)。 ◆ 核開発を促す提言書をフランクリン・ルーズベルト大統領が受け取り、(訳も解らずに署名しただけの)アインシュタインが賛成しているなら好いか、と原子爆弾開発にGOサインを出す(1939年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月02日】<明日にでも起きる中国によるの台湾「隔離」作戦>「限定」か「全面」か、起きることとして準備をシナリオ=Wedge_Online 【世界潮流を読む 岡崎研究所論評集】 2024年8月1日 / 岡崎研究所 2024年6月5日付のCSIS(戦略国際問題研究所)のサイトで、同研究所のボニー・リン上席研究員らによる中国の対台湾作戦に係る報告書が公表された。そこでは、中国が台湾を隔離する可能性が高く、その場合限定隔離と全面隔離の二つのシナリオが考えられるが、台湾の強制統一には軍事封鎖が必要になるだろうと述べられている。この報告は、隔離の動機と利点を明らかにし、中国の作戦につき2つのシナリオを提示する。ここでは「隔離」と「封鎖」を区別し、「隔離」は特定の地域内の海空交通を制御するための法執行主導の作戦、「封鎖」は交通を大幅に制限する軍事主導の作戦と定義する。隔離は、台湾への出入りの条件を中国が設定し、台湾支配の主張を強化することを目的とする。 隔離には、利点がある。第一は、範囲が限定的で、戦争行為とは見なされない。第二は、実行可能で、脅威だけで海運会社を従わせることができる。第三は柔軟性で、中国が取り得る方法が、追加作戦も含め多々ある。第四に、法執行主導のグレー作戦は、台湾や米国等の対応を難しくする。 隔離を主導するのは法執行当局、主に中国海警局(CCG)と民間海上安全機関である中国海事局(MSA)である。これらを、中国軍と海上民兵が支援する。軍は、海軍、航空、ミサイル、サイバー等の部隊が展開して台湾を威嚇し、外部介入を抑止し、情報収集・監視・偵察(ISR)を提供する。 二つのシナリオが考え得る。第一のシナリオは限定的な海上隔離。主要な一つの港(高雄港)を目標とする。「通関検査強化措置」を発表し、全船に中国当局への事前通関申告を要求する。 沖合に10隻以上の法執行船を配置し、従わない船舶は停止させる。台中港や台北港の沖合にも、法執行船が展開し、また約20隻の民兵船が接続水域内外に配置される。中国海軍は、5の艦船群(SAG)を展開して、遠くから台湾を囲む。それは30隻近くになる。台湾に脅威を与え、外国部隊の関与を抑止し、中国の海洋状況把握(MDA)を太平洋まで拡大することを目的とする。 軍は有人、無人の航空機を継続的に飛行させる。1週間に亘わたり台湾の船舶に臨検を行う。その後数週間は周辺に相当数の法執行及び軍事プレゼンスが残り、「新たな常態」が築かれる。 第二のシナリオは全面隔離。第一シナリオを大幅に拡大したもので、台湾全島が対象。10隻以上の海警局、全局の船舶が高雄港の沖に配置され、更に台北港、台中港沖に10数隻、基隆港沖に 9隻、花蓮港や蘇澳港沖に6隻が展開する。 約40隻の民兵船が接続水域に集結。海軍は5艦艇群を配置。空母山東と攻撃飛行隊が台湾の東南海域に展開する。 全面隔離では、臨検が一層活発になる。従わない船は拿捕し、中国の港に連行する。不確定性が高まり多くの海運会社は運送を先延ばし、台湾への貿易は減る。作戦は2週間以上続き、多くの CCG や軍のプレゼンスが無期限に残る。 隔離の目的は、台湾を動揺させ、台湾に対する主権を主張し、海運会社の反応を試し、台湾の貿易を削減し、台湾、米国等の出方を見ることだ。中国は隔離を成功させる能力を持つが、複雑な作戦は大きなリスクを伴い、その成功は台湾、米国等の反応に依存する。 台湾の降伏が目的であれば、軍事行動が必要となる。全面侵攻を行わずに台湾を強制的に統一するためには、軍事封鎖が選択肢となる。 * * * 大いにあり得るシナリオ 興味深い報告書である。この報告は、以下の5つを指摘する。① 中国は台湾をの「隔離」をする可能性が高い、隔離には限定性、実現可能性、柔軟性、相手方の対応が難しいといった利点がある、。②作戦には、限定隔離と全面隔離の二案があり得る、何いずれの場合も海警局、海事安全局という法執行機関が主導し軍と海上民兵が支援する、税関申告強化を発表し台湾に入港する船舶に事前申請を求めて必要に応じ臨検する。、③限定隔離の作戦は約1週間、標的は高雄港(中国側に位置、台湾最大の港湾ハブ)になる。、④第二の全面隔離シナリオでは、台湾全土が対象になり、特に高雄、台中、基隆、花蓮、蘇澳の港が標的になる、夫々の港湾沖合に海警局船等が展開し、軍は空母山東等大部隊が台湾を囲むように展開、法執行機関を支援する(期間は2週間以上)。⑤これらグレーゾーン作戦の象徴的意味合いは大きいが、台湾の強制統一のためには軍事封鎖が選択肢となる、と言う。 大いにあり得るシナリオであろう。台湾への作戦としては、離島占領の指摘もあったが、この報告が述べるように、最初に隔離、その後に軍事封鎖というのが、一層現実味があろう。 限定隔離でも中国にはリスクのある大作戦となるが、その象徴的、軍事的意味は大きく、決して軽い作戦ではない。多くの法執行船舶や軍のアセットの展開(空母等)は、当該地域の緊張を一挙に増大させるだろう。エスカレーションを孕はらんだ新事態が常態となる可能性がある。日本ができる「準備」 このようなシナリオを想定して、模擬訓練を含め対応を事前に良く検討することが重要である。先まず、隔離シナリオが起きないように、外交、軍事的対処を続ける必要がある。現状維持のための外交と軍事的抑止、対話の継続が重要だ。 第二に、中国が作戦を始めた時の素早い初期対応が非常に重要だろう。米国、台湾の対応が鍵となる。その際に成すべき外交、準軍事、経済等の課題は多い。 国際法上の立場、多国間連携を含む外交上の措置や情報発信等を速やかに打ち出し、国際情報戦、心理戦等で先ず勝つ必要がある。更さらに軍事、準軍事の多国間協働行動の準備が重要となる。 また船会社等との連携や台湾への物資支援も課題となろう。船舶の拿捕・連行が起きれば一層重大なことになる。 「台湾有事は日本有事」と言うが、「有事」前のグレー・ゾーン対応から、しっかり抑止し、脅威を拡大させないよう事態を管理できることが大切だろう。そのためには、一層の日米同盟の強化や多国間連携が不可欠になる。 ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202407310000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/02
コメント(0)
★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳★◆ 空気マニアのジョゼフ・プリーストリー、何か清々しい空気を発見。これが酸素であることを知る由もなかった(1774年)。 ◆ 甲子園球場が完成(1924年)。以後、2022年現在までに未成年達の穢れを物ともしない死闘や、更にはトラキチたちが観客席で応援だか罵声だか判らない興奮する様が繰り返されている。 ◆ アドルフ・ヒトラープロデュースのベルリンオリンピックが開幕(1936年)。何かと物議をかもす聖火リレーはこの時に始まった。&so、ヒットラーに犯され、ハイパーインフレに悩まされていたハンガリー、紙切れ同然の旧通貨に代わり額面を40穣 (4×1029) 分の1にした新通貨を発行(1946年)。【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年08月01日】イランが手を下すより先に自滅の道をひた走るイスラエル=NewsWeek_ Opinion / 塗り替わる世界秩序 /2024年07/29日 / シュロモ・ベンアミ(歴史家、イスラエル元外相) イスラエルが2040年に滅亡するまでの日数を表示したカウントダウン時計が、イランの首都テヘランに現れたのは2017年。パレスチナ広場に設置されたその時計は、ユダヤ国家を滅ぼすというイランの長年のコミットメントを体現するものだ。イラン革命を率いた故ルホラ・ホメイニ師は、イスラムの衰退は外国の陰謀が原因だとし、欧米列強がシオニズムを利用して中東に侵入していると非難。これに基づけば、エルサレムをイスラエルの支配から解放し、ユダヤ国家を破壊することがイスラムの再生につながることになる。懸念すべきはイラン政府内に、今こそこの神聖な目標を達成すべき時だと考える向きが多いことだ。イスラエル軍が昨年12月、シリアを空爆し、イラン革命防衛隊の上級将官を殺害したことを受け、同隊のホセイン・サラミ司令官は「イスラエルを地上から消し去る」と宣言した。アドルフ・ヒトラーからウラジーミル・プーチン、さらにはウサマ・ビンラディンまで、イデオロギーに触発された脅威は額面どおりであることを、歴史は教えてきた。けれどもイランは慎重に行動している。過激であることが、必ずしも非合理で自滅的であるとは限らない。ガザ戦争では、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラや、ガザを実効支配するイスラム組織ハマス、ヨルダン川西岸のイスラム聖戦などの代理勢力がイスラエルを包囲。イランは直接対決を避け、イスラエルを消耗させることを狙っている。 イランが代理戦争に力を入れるようになったのは、ハマスがイスラエルを孤立化させ、弱点を露呈させるという驚くべき能力を発揮したからだ。ハマスによる昨年10月7日のイスラエル攻撃は、イスラエルとの国交正常化を考えていたサウジアラビアの計画を頓挫させた。アメリカが支援するアラブのスンニ派とイスラエルが反イラン同盟を組むというバイデン政権の壮大なビジョンは水泡に帰した。このところイランの核兵器開発に憂慮すべき進展があるとの見方もあるが、イランがテルアビブに向けて核ミサイルを発射するというわけではない。むしろこの核の傘を利用し、通常兵器を使ってイスラエルを弱体化し崩壊させる可能性がある。イスラエルがレバノンを攻撃したら「抹殺戦争」を起こすとイランが警告しているのは、イスラエルを抑止し、レバノンとの非核戦争を防ぐためだ。こうした背景を考えると、イランが仕掛ける消耗戦を助長しているのは、実はイスラエル政府だとも言える。 ネタニヤフ首相が掲げるガザでの「完全勝利」という非現実的な目標は、決着のない紛争でユダヤ国家を破壊するというイランの戦略に資するものだ。ネタニヤフ政権は不必要に戦争を長引かせ、ガザでのパレスチナ自治政府の役割を認めないことで、イスラエルを孤立させている。この危険な均衡の中で、理性を失って引き金を引きたがる狂信者は、ネタニヤフと、ガザとレバノンで黙示録的な戦争を遂行する神政主義のファシストだけだ。イスラエル北部がこれまでで最大のヒズボラのロケット弾砲撃を受けるなか、イスラエルの入植地担当相で宗教的シオニスト党のオリット・ストロークは7月上旬、ヨルダン川西岸の入植には「最高のタイミングだ」と発言した。いわく、神がイスラエルの敵を滅ぼして土地を与えるのだという。こうした夢想家たちには、ネタニヤフという熱心な協力者がついている。彼らは手を結び、イランが単独でなし得る以上の勢いで、ユダヤ人国家を消滅させようとしている。©Project Syndicateシュロモ・ベンアミSHLOMO BEN-AMI ; イスラエル元外相。世界各地の紛争解決を目指す「トレド国際平和センター」副所長。著書に『戦争の痕、平和の傷──イスラエルとアラブの悲劇』がある。動画資料 ⇒ https://youtu.be/zSsC0FSGasI動画資料 ⇒ https://youtu.be/L598mC7sXKU ○◎ ○◎ ◎ ◎ ◎ ◎○ ◎○ ◎○ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ・・・・・・・・・・ ---------前日記載への閲覧は下記のURL -------------- 【前節; https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202407310000】---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2024/08/01
コメント(0)
全31件 (31件中 1-31件目)
1