Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年07月29日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-485
 定理九 精神が同時に観想する多くの異なった原因に関係する感情は、ただ一つの原因あるいは少数の原因に関係する等しい大いさの他の感情の場合に比し、害がより少なく、我々はそれから働きを受けることがより少なく、また我々はその原因のおのおのに対して刺激を感ずることがより少ない。
 証明 感情は精神の思惟する能力を妨げる限りにおいてのみ悪あるいは有害である(第四部定理二六 我々が理性に基づいてなすすべての努力は認識することにのみ向けられる。そして精神は、理性を用いる限り、認識に役立つものしか自己に有益であると判断しない。及び、同第四部定理二七 我々は、真に認識に役立つものあるいは我々の認識を妨害しうるもののみが善あるいは悪であることを確知する。により)。したがって精神を同時に多くの対象を観想するように決定する感情は、精神をただ一つだけのあるいは少数の対象のみの観想に拘束しておいて他のことを思惟しえないようにさせる等しい大いさの他の感情よりも害がより少ない。これが第一の点であった。次に精神の本質すなわち(第三部定理七 おのおのの物が自己の有に固執しようと努める努力はその物の現実的本質にほかならない。により)精神の能力はただ思惟にのみ存するのであるから(第二部定理一一 人間精神の現実的有を構成する最初のものは、現実に存在するある個物の観念にほかならない。により)、このゆえに精神は、多くの物を同時に観想するように自分を決定する感情からは、ただ一つあるいは少数の対象のみの観想に自分を拘束しておく等しい大いさの他の感情からよりも働きを受けることがより少ない。これが第二の点であった。最後にこうした感情は(第三部定理四八 愛および憎しみ、例えば、(*パウロの)ペテロに対する愛および憎しみの感情は、憎しみが含む悲しみおよび愛が含む喜びが他の原因の観念と結合する場合には消滅する。また両者、愛および憎しみは、ペテロがそのどちらかの感情、喜びあるいは悲しみ、の唯一の原因でなかったことを我々が表象する限りにおいて減少する。により)、外部の多数の原因に関係する限り、その原因のおのおのに対してもより小さい。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。
 記:ペテロはいわばイエスの一番弟子で、初代教皇と称されています。パウロは元は、戒律を重視するパリサイ派のユダヤ教徒でした。ところが、イエスの復活に立ち会い回心して、彼は精力的にキリスト教を伝道していきます。ペテロは12使徒の一人ですが、パウロは含まれてはいません。



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最終更新日  2022年07月29日 06時10分07秒
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