Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年08月29日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-515
 定理三九 きわめて多くのことに有能な身体を有する者は、その最大部分が永遠であるような精神を有する。
 証明 きわめて多くのことをなすのに適する身体を有する者は、悪しき感情に捉われることがきわめて少ない(第四部定理三八 人間身体を多くの仕方で刺激されうるような状態にさせるもの、あるいは人間身体をして外部の物体を多くの仕方で刺激するのに適するようにさせるものは、人間にとって有益である。そしてそれは、身体が多くの仕方で刺激されることおよび他の物体を刺激することにより適するようにさせるに従ってそれだけ有益である。これに反して身体のそうした適性を減少させるものは有害である。により)。言いかえれば(第四部定理三〇 いかなる物も、それが我々の本性と共通に有するものによって悪であることはできない。それが我々にとって悪である限り、その限りにおいてそれは我々と対立的である。により)我々の本性と相反する感情に捉われることがきわめて少ない。ゆえに彼は(この部第五部の定理二〇 神に対するこの愛はねたみや嫉妬の感情に汚されることができない。むしろより多くの人間が同じ愛の紐帯によって神と結合することを我々が表象するに従って、この愛はそれだけ多くはぐくまれる。により)身体の諸変状を知性に相応した秩序において秩序づけ・連結する力を、したがってまた(この部第五部の定理二四 我々は個物をより多く認識するに従ってそれだけ多く神を認識する(あるいはそれだけ多くの理解を神について有する)。により)身体のすべての変状を神の観念に関係させる力を有する。この結果として彼は(この部第五部の定理一五 自己ならびに自己の感情を明瞭判然と認識する者は神を愛する。そして彼は自己ならぴに自己の感情を認識することがより多いに従ってそれだけ多く神を愛する。により)神に対して愛に刺激される。そしてこの愛は(この部第五部の定理一六 神に対するこの愛は精神を最も多く占有しなければならぬ。により)精神の最大部分を占有ないし構成しなければならぬ。このゆえに彼は(この部第五部の定理三三 第三種の認識から生ずる神に対する知的愛は永遠である。により)、その最大部分が永遠であるような精神を有する。Q・E・D・=これが証明すべきことであった。
 備考 人間身体はきわめて多くのことに有能である。だから人間身体は、きわめてすぐれた精神に関係するような自己および神について大なる認識を有し、その最大部分あるいは主要部分が永遠であり、したがって死をほとんど恐れないし、そうした精神に関係するような本性を有しうるものであることは疑いない。
 しかしこれをいっそう明瞭に理解するためにここで注意しなければならぬのは、我々はたえざる変化の中に生きており、そして我々はより善きものあるいはより悪しきものに変化するに従って幸福あるいは不幸と言われるということである。例えば、幼児あるいは少年のままで死骸に化する者は不幸と言われ、これに反して健全な身体に健全な精神を宿して全生涯を過しうるのは幸福とされる。実際また、幼児や少年のように、きわめて僅(わず)かなことにしか有能でない身体、外部の原因に最も多く依存する身体を有する者は、その精神もまた、それ自身だけで見られる限り、自己・神および物についてほとんど意識しない。これに反してきわめて多くのことに有能な身体を有する者は、その精神もまた、それ自身だけで見て、自己・神および物について多くを意識している。ゆえにこの人生において、我々は特に、幼児期の身体を、その本性の許す限りまたその本性に役立つ限り、他の身体に変化させるように努める。すなわちきわめて多くのことに有能な身体、そして自己・神および物について最も多くを意識するような精神に関係する身体に変化させるように努める。そのように変化すれば、私がすでに前定理の備考において言ったように、精神における記憶ないし表象力に属する一切は、知性に比べてほとんど取るに足りぬものになるであろう。 (永遠の精霊)



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最終更新日  2022年08月29日 06時09分27秒
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