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チョコと暮らし始めて一年半。犬と一緒にいると、毎日、笑ったり、心配したり、夫と2人暮らしの時とは比べものにならないくらい大きく感情が揺れ動きます。その拍子に、心の奥底にしまいこんでいた記憶のフタがふとゆるむ瞬間があります。たとえば、料理をしている私のそばに来たがるチョコに「あぶないからこっちに来ちゃダメだよ」って言う時。子供がいたらこんな感じなのかなって、甘いような切ないような気持ちになります。そして思い出すのです。30代の後半から4年ほど続けた不妊治療のこと。子供を切に望んでいた時のこと。キッチンに入りたいけど我慢するチョコ当時、私は仕事をしながら都内のクリニックまで治療に通っていました。顕微受精に定評があったそのクリニックはいつもとても混んでいました。内診室にはカーテンで仕切られた診察台がずらっと並び、つぎつぎに患者が横になり、診察を受けます。医師も患者もお互いを個人として認識することはありません。体外受精のための採卵は無麻酔。細い針を使うのでひどく痛むわけではありませんが、手術室の前で並んで採卵を待つ間、私の手はいつも冷たい汗をかいていました。動かないように看護婦さんに抑えられ、手術台の上で卵巣に針を差し込まれる瞬間、私の子供はこの痛みと恐怖の中で生を受けるのかと、体以上に心が痛みました。採卵後は止血のために大量のガーゼを押し込まれます。これが採卵以上に痛くて、歯を食いしばって我慢しました。数日して無事に受精卵ができたら、それを子宮に移植します。手術台に寝た患者はモニター上の超音波映像を見ているよう促されます。これは、着床の瞬間を患者に見せて、このきわめて人工的なプロセスに喜びを添える、せめてもの配慮だったのだと思います。でも、私はそれを見て喜びを感じたことは一度もなかった。むしろどことなく滑稽だと思っていました。すべてが本来の妊娠のプロセスとはかけ離れていて、冷たくて、怖くて、痛かった。でも、当時は、子供が欲しくて必死だったから、できるだけ心を動かさないように、淡々とこのプロセスをこなしていました。この程度のこと乗り切れなければ子供は授かれない、これは子供を授かるための試練なのだと言い聞かせて。パパと仲良しチョコ本当に精神的にしんどかったのは、受精卵の移植後です。受精卵のはじめの成長は卵の質で決まるそうですが、自分のお腹の中の受精卵があると知っていれば、どうしたって、うまく育ってくれるかは自分にかかっているような気がしてしまいます。だから、体はあたためたほうがいいかなとか、血行をよくするために適度に運動しようとか、常に受精卵を意識しながら過ごすことになります。「お願い、育って」と祈りながら。そんなふうに何週間かを過ごすと、妊娠のごく初期とはいえ、お母さんになったような気がするのですよね。流れたと知った日は、まっすぐに職場に戻ることができませんでした。病院の近くの公園で少し泣いて、時にはフルーツパーラーで大きなパフェを注文して、それでもダメな時は会社に休みの連絡を入れて、家に帰って1人でぼんやりしていました。結局、私の受精卵は赤ちゃんに育つことはなく、一番長く妊娠が継続した受精卵が流れた後、私は治療をやめました。6年前の夏でした。パパのマッサージを受けるチョコやるだけのことをやったから後悔はないでしょ?知人に不妊治療をやめたと告げるとそう言われました。そんなわけあるはずない!!私はどんなに頑張っても赤ちゃんができないことが悔しくってたまらなかったし、子供がいない人生を受け入れることもできなかった。今でも覚えていますが、不妊治療をやめた年の年末、声帯を摘出した、つんくさんが紅白歌合戦に出場しました。声を失ったつんくさんを救ったのは、お子さんたちの存在だったという感動のナレーションが流れた時、腹の底から怒りと悲しみがこみ上げてきました。じゃあさ、子供のいない人は辛い時どうしたらいいの?歌を生業にする人が声を失うことがどれほどのことか、理解はしていました。けれども、その時の私には、その手放しの家族礼賛が胸につき刺さりました。子供はすばらしい。子育ては喜びだ。それは間違いない。でも、そのあまりにも正しい真理は時に子供のいない人間を打ちのめします。編み物を始めるとかならずそばに来て眠るチョコでは、その状態からどう立ち直ったかといいますと、私の場合、結局、強制終了でした。ほどなくして、大病を患い、病気を治すことで手一杯になってしまったのです。でも、今思えば、これが良かったのかな、と思います。長く仕事を休んで、自分のペースで静かに暮らしているうちに心と体が回復していきました。子供は授かりものであって、こればかりは努力ではどうにもならないのだ、ということが少しずつ心に染み込んできました。今でも心の奥底には痛みやかなしみが沈んでいて、時に胸がチクリと痛むことはあります。この先もおりおりに子供がいないことをさみしく思うことがあるでしょう。だけど、私たちのもとには赤ちゃんのかわりに、ふわふわの毛皮を着た小さなチワワがやってきました。そして、私たちに命を育む喜びを教えてくれました。休日の朝、チョコを挟んで、川の字で二度寝する時、私たちは間違いなく家族だと感じます。歯磨きいや〜んのチョコつんくさんの紅白出場から6年。そろそろ心の荷を一つおろしたくて、迷いつつもあの頃のことを書いてみました。===============================もし不妊治療に関する記述を不快に感じられた方がいたら大変申し訳ありません。私は子供を授かれなかったので、不妊治療が心の痛みとして残ってしまったのですが、子供を授かっていれば一つの思い出となっていたでしょうし、そうでなくても治療はして良かったと思っています。現在、新生児の10数人に1人が体外受精で生まれるそうです。いまや不妊治療は子供を願う人にとって大きな希望です。2022年からは保険適用もされます。それでも、不妊治療が女性にとって心身ともに辛い治療であることには変わりありません。この治療が広く知られ、理解されることを切に願っています。最後まで読んでいただきありがとうございます。↓応援クリック、励みになります。にほんブログ村↓よろしければ読者登録も!!
2021.12.27
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みなさん、楽しいクリスマスを過ごされましたか?私は、ここ数日、どうも体調がすぐれません。おそらく慣れない北国の冬で軽い「冬季うつ」なのではないかと思います。毎日、寝ても寝ても眠くって、日中もずっと体が半分眠っているような感じです。当然、クリスマスの準備もやる気が出ず...幸い、夫が「ぼくはワインさえ飲めればいい」と言うので、今年は簡単料理ですますことにしました。メインは超簡単ローストビーフ。しかも、それを今年は夫が作ってくれるという。やったー!!天使に扮したチョコが応援中うちのローストビーフは、私がまだ実家にいた頃、何かの本で見つけた小林かつよさんのレシピ。お肉に焼き目をつけて、お酒、みりん、醤油とともに、20分ほど加熱して、冷めるまで放置するだけ。何度も作っていますが、火が入りすぎないことだけ気をつければいい失敗知らずのレシピです。ローストビーフは切るまで中の状態がわからないのがドキドキですが、ちゃんとレアに仕上がっていました。あとは私がサラダとお豆のスープを用意しただけ。ふだんの夕食より準備が楽でした(笑)。チョコは夕食の準備中から立ち上る牛脂の匂いに大興奮。もちろんチョコの分もお肉をとりわけてあります。せめてテーブルセッティングをなんとかすべきだった...クリスマスだからちょっといいお肉だよ。どうぞ召し上がれ〜。チョコちゃん、チーズはしょっぱいからダメだよ。腎臓の持病がある私も塩分の高いチーズはあまり食べられません。ああ、残念。本当は大好きなのになあ。ゆっくりチーズとワインを楽しむ夫の横で、しょっぱいもの食べられない組は女子フィギュアを観戦。手に汗にぎる大接戦でしたね。クリスマスの夜にこんなに熱く美しい勝負を見せてくれた選手の皆さん、どうもありがとう。デザートはずっと気になっていたショコラティエのエクレア。なかなかのお値段でしたが絶品でした。クリスマスが終わったら、もうすぐにお正月ですね。お正月のお料理はもうちょっと頑張ろう...そういえば、去年、来年は漆のお碗とパレスプレートを買おうと思っていたのにすっかり忘れていました。今からでも間に合うかな。1616/arita japan TY パレスプレート 220(グレー)<2枚セット>【パレス イチロクイチロク アリタジャパン 】価格:5500円(税込、送料別) (2021/12/25時点)最後まで読んでいただきありがとうございます。↓応援クリック、励みになります。にほんブログ村↓よろしければ読者登録も!!
2021.12.25
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チョコのクリスマス用ニットが編み上がりました!!前回のほぼまっすぐに編むだけのセーターに比べ、ケタ違いに難しくて、途中、クリスマスに間に合わないのではないかとドキドキしました。間に合って良かったそれでは、楽しい試着のお時間です。この時間が楽しくて編んでいると言っても過言ではありません。じゃあ、チョコさん、よろしくお願いいたします。きゃあ〜チョコちゃん、生まれたての天使みたい(親バカ)。フード、スカートと袖の裾にふわふわがついたワンピースです。本では赤と白のサンタさん仕様でしたが、それだとクリスマスにしか着られないので、真っ白で編んでみました。思った通り、チョコレート色に白がよく映える。チョコさん、今回のニットの萌えポイントは?そうそう。このひらひらのスカートとフードがかわいいんだよね。だけどママはここで撃沈したんだ簡易編み図の減らし目、増やし目の仕方がわからず、これはどうにもならんと思って、手芸店でワンポイントレッスンというのを2回ほど受けました。これ、毛糸を買えば1時間500円で編み物レッスンを受けられるというありがたいサービス。これがなかったらたぶん挫折していたなあ。そして2度と編み物はするまいと思ったかも。ゆきんこ先生、ありがとうございました。無事に出来上がりましたよ〜。フードかぶるとカワウソに変身できるんだよね。その名もチワウソ。チョコさん、他にもお気に入りポイントはありますか?編み方を間違って、袖口が広がっちゃっいました。でも、それがまた天使のお洋服っぽいし、チョコも喜んでいるのでよしとしましょう。ん?チョコちゃんどうした?手編みのセーター軽くてあったかいものね。前回の手編みセーターも、着せてしばらくすると、ゴロゴロしだして、寝てしまうんですよ。うふふ。かわいいなあ。チョコちゃん、今回もかわいく着こなしてくれてどうもありがとう。ゆっくりお昼寝してちょうだい。このセーターを着た写真で、今年もチョコは元気ですって、お世話になった方にクリスマスカード作ろうね。今回のセーターはこちらの本を見てつくりました。簡略編み図なので初心者には少し難しかったです。こちらは前回参考にした本。ほぼまっすぐ編むパターンで初心者向け。最後まで読んでいただきありがとうございます。↓応援クリック、励みになります。にほんブログ村↓よろしければ読者登録も!!
2021.12.16
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先週末、久しぶりに陶芸家さんの個展に行ってきました。益子の伊藤叔潔さんです。関東に住んでいた頃、益子はちょくちょく行っていたのに、伊藤さんの作品に出会ったのは札幌に移ってから。たまたま見つけた素敵なうつわ屋さんで、手にした飯碗が伊藤さんの作品でした。益子の作家さんですよ、とこれまた益子で修行していたという店主さんに言われ、当時まだ関東からきて間もなかった私はなつかしくなって、そのまま家に連れ帰ってきたのでした。一見なんのへんてつもないその飯碗は、使ってみると軽くて、手になじみ、白いご飯がよく映ります。穏やかで優しい器でした。少しグレーがかった白の飯碗です。以来、ずっと気になっていたその作家さんの個展。しかも今回はかなりのボリュームという告知..これがはりきらずにいられましょうか?個展初日、開店とともに訪れたお店の中は白と黒の様々な器が並べられていました。取り皿、大皿、ピッチャー、お鍋。みなすっきりとしたきれいなフォルムです。どれもこれも素敵で、久々にドーパミン奔出。ぱっと見ていいなあと思ったのは、白い高台の器。高さのある器はお正月にぴったりじゃないかしら。あとはピカピカの釉薬がかかった黒いティーポット。ころんとした形がとってもかわいい。いやいや。待て待て。高台の器は仕舞うところがないし、使いこなせないでしょ。ティーポットもちゃんとあるでしょ。はやる気持ちを落ち着かせ...選んだのは手に収まるサイズの小さいふたもの。しのぎが美しいです。今回はふたものは2点しかないということで、「いい買い物ができましたね」と店主さんが笑っていました。これは塩を入れて使おうかなと思っています。うちは私が食事に塩分制限があって、あまり塩を使いません。大きな容器に入れておくと、なかなか減らず、固まってしまいます。だからずっと、小さくて可愛らしい塩入れを探していたのです。これなら理想どおり。以前から使っていたツールスタンドや砂糖壺にもよくあいます。ツールスタンドと砂糖壺はScopeさんのものだけど、バタバタとあわてて料理をすると、ふたを落として割ってしまいそうだな。気をつけないと。そして、もうひとつ。黒のオーバル皿を買いました。煮物など入れる少し深さがある器が足りなかったので、収納場所を取らないオーバルを選んでみました。飯碗と同様、サイズの割りに軽いのがうれしい。まずはお正月のお煮しめに使うつもりです。1人分のカレーライスとかパスタにも良さそうなサイズ。ひとつしか買わなかったので、夫がいない時に、ためしてみようっと。ほかにも欲しいものはたくさんあったけれど、今回はずっと探していたものと出会えたので大満足。少し余白を残しておけば、またきっとそのうちに思いがけない出会いもあるでしょう。器はやっぱり楽しいです。長く大切に使っていきたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございます。↓応援クリック、励みになります。にほんブログ村↓よろしければ読者登録も!!
2021.12.14
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本格的な寒さが来る前の晴れた朝が好きです。朝、窓から日差しが差し込んでいたら、家事は後回し。チョコと長いお散歩に出かけます。チョコにはあたたかいロンパースを着せて。最近お外が寒いと知っているチョコは乗り気ではありません。ロンパースを着る時もぐたぐた、うねうね。だけど、チョコ、こんなふうにお外を歩けるのも雪が降るまでなんだよ。少し寒いけど、気持ちいいよ。行こうよ。なだめ、おだてつつ、出発です。外に出ると、チョコはすぐにおトイレです。おトイレの時のこの格好、かわいいですよね。ロンパースがぴちぴちぱつぱつ(笑)。さて、今日はどのコースにしようか?いくつかコースがあるのですが、この日は暖かくて、風も少なかったので、河原コースにしました。このあたりからチョコも調子が出てきて走り始めます。ぐんぐんスピードを上げるチョコ。追いかける私。走れ、走れ。チョコ。雪が降る前に。朝の光の中、きりっと冷えた空気の中を走ると、体が浄化されるような気がします。しばらく歩いたら、川岸に座ってちょっと休憩。冷たい色の水。引越してきた当時は夕方になるとよくここで、ぼんやりと水の流れを眺めていました。誰も知る人がいない街で、心もとないような、身が軽くなったような、そんな気持ち。チョコがいなければ、そのまま川にざぶざぶ入って流されてしまってもいいような気がしていました。でも、今は違います。私をここにつなぎとめるものがいくつかできました。ぼんやりと物思いにふけっていたら、チョコがちらちらとこちらを見ていました。そりゃ、そうね。冷えちゃうわ犬はいつだって現実的。ふわふわとすぐに現実から心が離れていってしまう人間を今につなぎとめてくれます。そうね、今日はもうそろそろおうちに帰ろう。帰ったら、お掃除しなくっちゃ。今年は札幌もあたたかくて、なんだかんだ言っても、12月までこんなふうに季節の移り変わりを楽しみながらお散歩ができました。別の日のあさんぽで落葉にカモフラージュされたチョコ。チョコはどこでしょう?雪はもうすぐです。去年あっという間に完売してしまったロンパース。今年は早めに手に入れました。3.4kgのチョコはSサイズです。MANDARINE BROTHERS マンダリンブラザーズ ストレッチウォームスーツ M、MD、L 2021AW価格:3850円(税込、送料別) (2021/12/8時点)最後まで読んでいただきありがとうございます。↓応援クリック、励みになります。にほんブログ村↓よろしければ読者登録も!!
2021.12.08
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