《櫻井ジャーナル》

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2009.04.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 不法滞在を理由としてフィリピン人一家が強制退去を命じられた。中学生の娘は日本生まれの日本育ちで、話せる言語は日本語であり、身についた文化は日本のもの。つまり、日本が故郷なわけで、追放される意味は重い。子供だけは1年間の在留特別許可を受けたようだが、言うまでもなく、問題は解決されていない。

 この両親は1992年から93年にかけて偽造旅券で入国している。法を犯したのだから国外に追放されて当然だとする意見もあるが、その背景を考えると同意はできない。1980年代の後半から日本へ「出稼ぎ」にくる外国人が増えた。不法入国、不法滞在も少なくなかった。

 低賃金労働を受け持ち、日本経済を支えてきたのはそうした人々であり、彼らがいなければ中小企業の経営は成り立たなかったはずだ。もし、日本が法治国家ならば、移民に関する法律を整備して労働者を受け入れるべきだったのだが、合法的に入国した人間を追い出すことは困難。だからこそ、不法入国、不法滞在を大目に見ていたのではないか?

 1990年になると「出入国管理及び難民認定法」が改正され、日系ブラジル人が日本に入国するための法的関係が明確化されたが、それだけ違法な状態で働く労働者が増えていたことを示している。今回、話題になっているフィリピン人夫妻が入国したのはそれから間もない頃だった。

 その日系ブラジル人が昨年あたりから大量解雇されている。大企業が生産規模を縮小するため、不必要になった彼らをお払い箱にしているわけだ。非正規雇用の労働者と同じように、使い捨てにされている。当然、その前から不法入国、不法滞在の労働者は捨てられ始めていたはずだ。2006年にフィリピン人家族の母親の不法滞在が発覚したのは偶然でないような気がする。

 日本の支配層は非正規雇用の労働者もフィリピン人一家と同じように国外へ追放したいかもしれない。戦前、ラテン・アメリカに日本人を「移民」させ、中国を侵略して土地を強奪、占領して農民を送り込んだように。今でも「棄民政策」は続いている。





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最終更新日  2009.04.14 17:03:10


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