《櫻井ジャーナル》

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2009.08.31
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 今から26年前の8月31日18時26分(グリニッジ標準時、日本時間9月1日3時26分)、大韓航空の旅客機KAL007がサハリン上空でミサイル攻撃を受けた。撃墜されたとされているのだが、疑問点もあるので断言はできない。

 この旅客機は米国アラスカ州のアンカレッジ空港を飛び立ち、韓国の金浦空港へ向かっていたのだが、航路を外れ、アメリカ軍が定めた緩衝空域に侵入、そのまま飛行禁止空域を横切ってソ連領のカムチャツカ半島を横断、そしてサハリンの上空を飛行したのだ。緩衝空域へ突入する前、アンカレッジの管制官が盛んにKAL007へ呼びかけているのだが、応答はなかった。

 アメリカにはNORAD(北米防空宇宙司令部)という組織が存在し、北アメリカの防空を担当している。NORADの規定によると、緩衝空域で発見した民間航空機が航空路を見失っている、あるいは飛行禁止空域へ向かっていると判断された場合は、即座に航空機へ呼びかけ、近くのFAA(連邦航空局)へ知らせることが義務づけられている。

 大韓航空機の場合、NORADはこうした規定に従っていない。事件後、担当官が処罰されたという話は聞かないので、怠慢で何もしなかったとは思えない。そうなると事前に飛行禁止空域への飛行が認められていた可能性が高まる。

 16時40分を過ぎた頃、KAL007はカムチャツカ半島に接近するが、そこでアメリカの偵察機RC135と遭遇し、大きく左に旋回してからソ連の領空へ侵入している。その際、ソ連軍はKAL007を見失い、迎撃に失敗している。重要基地のそばであり、ソ連側としては大失態だった。

 サハリンへ侵入するのは18時16分過ぎの頃。当初、アメリカ政府はソ連機がいきなり攻撃したと主張していたが、ソ連の迎撃機が再三、大韓航空機に合図を送っていることが後に判明している。(イラク攻撃の前にもアメリカ政府は嘘をついていた。)その合図を無視して飛行したわけだ。気づかなかったとは思えない。

 そして18時26分にソ連の戦闘機が発射したミサイルが命中、領空侵犯機はゆっくりと螺旋を描きながら降下していく。戦闘機のパイロットは右に旋回していると報告しているのだが、ソ連が公表したレーダー記録では左へ旋回している。パイロットの報告が間違いなのか、レーダー記録が間違っているのか、あるいは別の航空機が存在したのか、可能性はいくつかあるが、真相は不明だ。

 1981年にアメリカではロナルド・レーガンが大統領に就任してから軍事的な緊張が高まっていた。レーガンはキリスト教系カルトの信者で、ソ連を「悪の帝国」と呼ぶ人物であり、ソ連の脅威を演出する一方、極東地域では挑発的な軍事演習も実行した。

 中曽根康弘首相が日本を「大型空母」になぞらえ、四海峡を封鎖してソ連軍の艦船を封じ込めると発言したのは、KAL007事件が起こった年の1月のこと。春にアメリカはカムチャツカ沖で大艦隊演習を実施している。この年は米ソが核戦争に突入しても不思議ではないほどの軍事的な緊張があったのだが、日本のマスコミは今でも報道する価値がないと思っているようだ。





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最終更新日  2009.08.31 15:30:16


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