《櫻井ジャーナル》

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2012.01.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ドルを基軸通貨とするシステムが揺らぎ、「金(ゴールド)」が注目されてきた。一時期はユーロがドルのライバルと考えられ、2000年にはイラクのサダム・フセインは石油取引をドルからユーロに変更する姿勢を見せていたのだが、ギリシャの財政問題で輝きが鈍くなっている。

 フセインがユーロへの切り替えを口にした2年後、マレーシアの首相だったマハティール・ビン・モハマドは貿易決済に使う通貨として「金貨ディナール」を提唱している。その金貨ディナールを石油取引の決済に使おうとしたのがリビアのムアンマル・アル・カダフィだ。最近では イランとインドの石油取引に「金」が使われるとも言われ 、こうした動きは中国やロシアへも波及する可能性がある。

 本ブログでは何度か書いていることだが、EUを苦しめているギリシャの財政問題はゴールドマン・サックスが黒幕的な役割を果たしている。ギリシャが2001年に通貨をユーロに切り替えた際、財政状況の悪さを隠す手法を教え、債務を膨らませたのだ。その実態が明るみに出てEUを揺るがす事態になった。

 また、ギリシャの問題を考える場合、ナチス・ドイツの占領、そして米英による支配や内政干渉を無視することはできない。

 第2次世界大戦の際にはドイツが占領、1944年にドイツ軍が撤退するとレジスタンスの主力だったEAM(民族解放戦線)が主導権を握るのだが、これを嫌ったイギリスはEAMを弾圧する。

 結局、内乱を経てアメリカやイギリスの意向に添う体制、つまり傀儡政権をつくることに成功するのだが、思惑通りに進まない。特に邪魔だった政治家がグリゴリス・ランブラキス。コミュニストではなかったが、平和運動に加わっていた。アメリカの支配層が最も嫌うタイプだ。

 そのランブラキが1963年5月に暗殺された。ジョン・F・ケネディ米大統領が「平和の戦略」と呼ばれる演説をしたのはその翌月であり、ダラスで暗殺される半年前ということになる。また、シャルル・ド・ゴール仏大統領の暗殺未遂は1962年8月だった。こうした暗殺/暗殺未遂事件の背後には「NATOの秘密部隊」が存在している。(詳しくは拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を)

 そして1967年に軍事クーデターがあり、秘密警察のトップだったディミトリオス・イオアニデス准将の軍事政権が成立した。NATO加盟国で軍事クーデターがあったにもかかわらず、アメリカは反応しない。クーデターの背後にアメリカが存在していたということだ。1968年に行われたアメリカの大統領選挙ではギリシャの軍事政権からリチャード・ニクソン陣営に資金が提供されたとも言われている。ギリシャの軍事独裁は1974年まで続いた。

2001年にはゴールドマン・サックスというアメリカの巨大金融機関によって再びギリシャは大きなダメージ を受けた。

 ともかくユーロは一時期の輝きを失い、金が注目されている。カダフィやイラン政府だけでなく、 ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領も金を重要視 しているひとり。昨年8月には国外に保有している金、その多くはイングランド銀行、ほかにJPモルガン・チェースやバークレーなどに保管されていたようだが、この金をベネズエラへ運んでくることを決め、違法行為を理由にして金産業を国有化するとも発表している。

 金を貿易決済に使うという流れはアメリカにとって都合が悪い。金1オンスを35USドルと決められていた時代もあるのだが、1971年にリチャード・ニクソン米大統領は金とドルの交換を停止してしまった。金の保有量が減ってしまったことが大きな原因であり、金による決済はアメリカにとって好ましくないだろう。基軸通貨を勝手に印刷できる権利をなくしたならば、アメリカは急速に崩壊していく可能性がある。





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最終更新日  2012.01.25 22:46:20


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