《櫻井ジャーナル》

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2012.09.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 昨年3月の東電福島第一原発の「過酷事故」に対する内閣、原子力安全・保安院(経済産業省)、東京電力の対応を見て、世界における日本の評価は大きく下がった。国民の安全には目もくれず、自分たちの利権、都合ばかりを守ろうとする姿勢は世界に不信感を植えつけることになった。

 何しろ、いまだに高濃度汚染地帯に子どもを含む住民を放置、内部の状況も明らかにしようとしない。事故はまだ収束せず、不安定な状態が続いているにもかかわらず原発を再稼働させるという無神経さに呆れている人も多い。いや、すでに海中へ放出された膨大な放射性物質が来年あたりからアメリカの西海岸に到達すると言われているわけで、アメリカ人にとっては人ごとでなくなっている。

 そんな国の総理大臣が何を国連で言おうと、誰も驚きはしないだろう。が、26日の発言は深刻な意味を持っている。戦後、日本が築いてきた国際的な関係を全て破壊する可能性がある発言だからだ。

 記者会見で野田佳彦首相は尖閣諸島について、「歴史上も国際法上もわが国固有の領土であることは明々白々だ。領有権問題は存在しないのが基本で、そこから後退する妥協はあり得ない」と語ったという。これに対し、日本の主張は戦後の国際秩序に対する深刻な挑戦だと中国政府は主張している。

 「固有の領土」などこの世には存在しない。日本列島には、さまざまな地域からさまざまな人がやってきた。人類の歴史を考えれば、「日本」という国が登場するのもそれほど昔ではない。その間、先住民の虐殺もあった。

 それはともかく、多くの人が指摘しているように、現在の日本は「ポツダム宣言」から始まる。サンフランシスコ講和条約を主導したアメリカもポツダム宣言には拘束されている。この宣言を受け入れ、戦争に敗北したことを認めることで日本の「戦後」は始まるわけである。その中に領土に関する項目がある。それによると:

八 「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルベク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ

 では、小島について連合国はどのように決めたのか?

 1946年1月に出された「連合軍最高司令部訓令」によると、日本の領土とは「4主要島と対馬諸島、北緯30度以北の琉球諸島等を含む約1000の島」で、竹島、千島列島、歯舞群島、色丹島などは除かれている。(孫崎享著『日本の国境問題』)



右同盟国ノ目的ハ日本国ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国ガ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト竝ニ満洲,台湾及膨湖島ノ如キ日本国ガ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコトニ在リ日本国ハ又暴力及貪欲ニ依リ日本国ガ略取シタル他ノ一切ノ地域ヨリ駆逐セラルベシ

 日本が清国(中国)人から奪った全ての地域を中華民国(中国)へ返還すると明記されている。18世紀に作られた中国や日本の地図では尖閣諸島を中国の支配下にあるとしていることなどを根拠に、カイロ宣言によってこの島々は中国領だというのが中国の主張。

 これに対し、日本は1895年1月に尖閣諸島を日本の領土にすることを閣議決定したとして、「固有の領土」だとしているわけだ。が、このタイミングが問題。1894年7月から日本と中国(清)は戦争状態に入り、翌年の3月に日本が勝利して終わった。4月に講和条約が結ばれている。しかも、この閣議決定は官報に掲載されていない。つまり、この決定を少なくとも正式には公表していない。

 日本政府は尖閣諸島を沖縄県の属しているとしている。その沖縄県が誕生する経緯を確認しておこう。

 明治政府は1871年に廃藩置県を実施するのだが、その後、1872年になってから琉球藩を設置、79年に沖縄県を作った。この不自然な行為は「琉球処分」と呼ばれている。

 この謎を解くカギが1871年10月、廃藩置県の2カ月後に起こった事件。宮古島の漁民が難破して台湾に漂着、何人かが殺されたのである。この事件で日本政府は清に対して被害者に対する賠償や謝罪を要求、1874年には軍隊を台湾に送り込んでいる。台湾へ派兵するため、宮古島の漁民を日本人にする必要があり、そのために琉球藩をでっち上げたわけである。

 1875年には李氏朝鮮の首都を守る要衝、江華島へ軍艦が派遣して挑発、「日朝修好条規」を結ばせて清国の宗主権を否定させ、無関税特権を認めさせ、釜山、仁川、元山を開港させている。

 1894年に朝鮮半島で甲午農民戦争(東学党の乱)が起こると日本政府は「邦人保護」を名目にして軍を派遣、その一方で朝鮮政府の依頼により、清も出兵。両国軍が衝突して日清戦争が始まるわけだ。尖閣諸島の領土問題が日本の東アジア侵略と深く結びついていることは否定できない。

 尖閣諸島の領有権問題は日本の世界における立場を悪くする可能性がある。棚上げが最も日本にとって有利な状態だった。尖閣諸島の問題に火をつけた前原某や石原親子は日本を潰すつもりなのだろうか?アメリカとの関係が噂されている雑誌が煽っているのも興味深い。





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最終更新日  2012.09.28 05:12:16


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