《櫻井ジャーナル》

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2013.05.04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 イスラエルの戦闘機が5月2日から3日にかけてシリアを空爆したようだ。レバノンからシリア領空へ侵入したという。2年前からトルコでは反政府軍が訓練を受け、攻撃拠点も提供され、最近ではヨルダンやレバノンからも戦闘部隊がシリア領内へ侵攻しているようだ。そしてイスラエルからの攻撃。さまざまな方向からシリアへ軍事的な圧力を加えている。

 今回、空爆実施の情報は アメリカ政府の内部 から流れ、後に イスラエル側も確認 している。直接的な軍事介入に消極的な姿勢を崩さないアメリカ政府を意識しての作戦だろう。根回しはしているはずだが、それでも危険な挑発行為であることに違いはない。

 今年1月30日にもイスラエル軍はシリアを空爆している。後の報道によると、1月22日にバラク・オバマ大統領はアビブ・コチャビAMAN(イスラエルの軍情報部)司令官から攻撃計画の説明を受け、合意したという。同じ時期にイスラエル政府は安全保障担当の顧問、ヤコフ・アミドロールをロシアへ派遣して攻撃を通告していたとも言われている。

 この時、イスラエルの攻撃に反撃しなかったと トルコの外相がシリアを批判 している。両国の戦争が始まれば、NATOが介入しやすくなると考えたのかもしれない。

 アメリカ政府は反シリア政府軍への武器提供を検討しているというが、これは直接的な軍事介入には消極的だということ。3月にアレッポの近くで化学兵器が使用されたと言われているが、その際にイギリスやフランス、そして トルコ はシリア政府を結びつけようとした。軍事侵攻へつなげたかったのだろうが、アメリカ政府の姿勢に変化はなかった。

ハーレツ紙 が化学兵器を使ったのは反政府軍だと分析したように、政府軍側に被害が出ていることを考えると、シリア政府に責任を押しつけるのは無理だった。アメリカ政府も政府軍が化学兵器を使用したとは思っていないだろう。この件で最初に調査を要求したのは政府側だ。反政府軍が体制転覆後のリビアから化学兵器を手に入れた可能性があり、反政府軍が使ったと考えても不合理ではない。

 また、ジョージ・W・ブッシュ政権時代、コリン・パウエル国務長官の首席補佐官を務めた ローレンス・ウィルカーソン退役大佐 は、イスラエルが「偽旗作戦」を実行した可能性を指摘している。軍事介入の口実を作りたかったと推測しているようだ。

 中東/北アフリカの状況を見ると、まずシリアの反政府軍はサウジアラビアやカタールに雇われた傭兵が主力。つまりサウジアラビアの手が伸びている。レバノンではヒズボラが影響力を強め、イラクでもサウジアラビアをスポンサーとするスンニ派の武装勢力が戦闘を激化させようとしているようだ。イスラエルにとって好ましい状況ではない。

 しかし、リビアのようにアメリカ、イギリス、フランスがアル・カイダと手を組む形で直接的な攻撃に参加した場合、ロシアとの間で軍事的な緊張がさらに高まる。中央アジアで活動している反ロシア軍とシリアの反政府軍はつながっているので、シリア情勢はロシアにとって大きな問題だからだ。

 1月の場合、イスラエル軍が空爆すると、その日のうちにロシア軍はミグ31をシナイ半島からイスラエルへ向けて飛行させている。領空へ入る直前に左へ旋回して地中海へ向かったが、そこには18隻で編成されたロシア軍の艦隊が待機していた。今回はどのような反応を示すか、注目する必要がある。





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最終更新日  2013.05.05 13:49:37


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