《櫻井ジャーナル》

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2013.05.10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 5月9日、衆議院の本会議で「税・社会保障共通番号法案」が可決された。参議院も通過すると、日本国内に居住する人に12桁程度の個人番号がつけられ、ICチップ入りの写真付きカードが発行されるらしい。日本居住者を数字で管理、庶民から尻の毛まで抜く道具となり、支配者に歯向かうように人間を探し出し、監視することになる。

 この段階になってからマスコミは法案の問題点を報じている。早い段階でそうした点を伝えたりすると、反対の声が高まり、法案が成立しないかもしれない。そうした事態は避けたいとマスコミには考えているのだろう。ただ、全く伝えないわけにはいかないので、「アリバイ工作」的に後から形だけ報道する。

 TPPの交渉内容も秘密にされている。先だって、TPP交渉に参加している11カ国が日本の参加を承認したそうだが、その頃からマスコミは問題点に触れ始めた。「組織的犯罪対策法(盗聴法)」のときも法律が成立するまで監視システムの問題に触れたがらず、今でも深く掘り下げることはない。

 米英の電子情報機関による世界規模の通信傍受は1970年代から問題になっていたが、日本では無視されていた。ECHELONにしても、発覚してから日本で報道されるまでに10年程度はかかっている。しかも、内容が正しくない。

 2年前の3月11日、地震が引き金になって原子力発電所が「過酷事故」を起こし、環境中の大量の放射性物質を放出しはじめた。日本の原子力安全委員会や原子力安全・保安院はチェルノブイリ原発の事故に比べ、放出された放射性物質の量は10%程度だとしていたが、計算の前提に大きな間違いがあり、アーニー・ガンダーセンは2〜5倍だと推測している。(アーニー・ガンダーセン著、岡崎玲子訳『福島第一原発』)

 それはともかく、長年にわたってマスコミが垂れ流してきた原子力発電の「安全神話」は粉々に砕け散った。さすがにマズイと思ったのか、事故の実態などを報道するようになるが、全体から見ると扱いは小さい。最近ではほとぼりが冷めたと判断したのか、再び原子力推進のプロパガンダを始めている。

 もっとも、支配者とメディアとの親密な関係は諸外国でも見られる現象だ。ウォーターゲート事件でリチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだワシントン・ポスト紙を崇める人もいるようだが、実態はそれほどでもない。

 そのウォーターゲート事件で有名になったカール・バーンスタインは1977年に同紙を辞め、ローリング・ストーン誌に「CIAとメディア」というタイトルの記事を書いた。彼によると、当時、400名以上のジャーナリストがCIAのために働いていたという。

 CIAは情報を提供する代わり、情報の公開を制限する場合がある。その取り決めを文書にし、サインさせるのだが、CIAの幹部だったデイビッド・アトリー・フィリップスによると、戦後、1960年代までに少なくとも200名のジャーナリストが合意文書に署名しているという。



 メディアのコントロールは組織的に行われたようで、ジャーナリストのデボラ・デイビスによると、1948年にはメディアを利用した情報操作プロジェクトが始まったという。その中心メンバーは、情報/破壊活動の大物として有名なアレン・ダレス、ダレスの側近でOPCの局長だったフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近で後にCIA長官となるリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムである。フィリップの妻がウォーターゲート事件で名を売ったキャサリンだ。

 1980年代になると、アメリカとイギリスの支配層は「BAP」なるプロジェクトを始めている。当時、イギリスで反米感情が高まっていた。このことを危惧した米英両国のエリートが始めたらしいが、特徴のひとつはメディア関係者が多数、参加していること。トニー・ブレアはこのBAPから支援されていた。必然的にブレア、そしてニュー・レーバーの暗部をメディアは伝えようとしなかった。(これも日本でもありそうな話だ。)





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最終更新日  2013.05.11 01:41:20


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