《櫻井ジャーナル》

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2015.04.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 アメリカの好戦派はウクライナで本格的な戦争を始める準備をしている。アメリカの議会がキエフ政権側へ武器を供給しろと叫ぶ中、 アメリカの戦車が50台ほどウクライナへ運びこれてたとする情報 4月からは米第173空挺旅団が290名ほどの将兵をウクライナへ送り込み、「親衛隊」を半年間、訓練 するという。この部隊派遣計画は 昨年9月に伝えられていた ので、実行まで半年以上かかったということになる。また、イギリスのデイビッド・キャメロン首相も75名の軍人を「ロシアの軍事侵略」との戦いを支援するために派遣するとしている。

 1月21日にアメリカ欧州陸軍司令官のフレデリック・ベン・ホッジス中将を中心とする代表団がキエフ入りし、国務省の計画に基づき、キエフ政権の親衛隊を訓練するためにアメリカ軍の部隊を派遣する意向を示したが、これも第173空挺旅団の派遣と一体の話だろう。

 本ブログでは何度も書いたことだが、ウクライナの正規軍や治安機関には、クーデターで権力を奪取したネオ・ナチに従いたくないという人が少なくないようで、一部は東部や南部での独立戦争に参加している。そこで、キエフ側は戦闘員不足ということになる。そこで、グルジアのパンキシ渓谷を拠点としているチェチェンの武装勢力、あるいは中東/北アフリカで暴虐を尽くしているIS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISIS、ISIL、IEIL、ダーイシュとも表記)の戦闘員が利用されることになると予想する人もいる。

 昨年3月16日にクリミアではロシアの構成主体としてロシアに加盟するかどうかを問う住民投票が実施され、圧倒的多数が賛成した。投票率は80%を超え、そのうち95%以上が加盟に賛成したという。これが民意だが、その民意を無視しろというのが西側の基本スタンス。

 当初、クリミアでは小さないざこざはあったが、すぐ平穏になる。クリミアにいたウクライナ軍の将兵は多くが住民側につき、現地に駐留していたロシア軍との戦闘はなかった。1997年にウクライナとロシアとの間で締結された協定は2万5000名までのロシア軍が駐留することを認め、それに基づいて1万6000名が駐留、キエフ政権や西側の政府やメディアはこの1万6000名を軍事侵攻してきたロシア軍だと宣伝していた。この協定の存在を西側の政府やメディアが知らないとは思えない。

 ドネツクやルガンスクではキエフ軍の攻撃で住宅地を含む建造物が破壊され、多くの住民が殺されたが、クリミアは違う。キエフ政権や西側の兵糧攻めにあっているが、とりあえず人びとは平穏な生活を送っている。クリミアは周囲を海に囲まれているため、キエフ軍が攻撃しにくかったということもあるだろう。キエフ軍が介入しなければ破壊も殺戮も起こらないということだ。

 当初、ドネツクやルガンスクではクリミアほど独立の意思は強くなく、連邦制を主張していたが、キエフ軍の攻撃は状況を大きく変えた。キエフ軍が破壊と殺戮を繰り返し、約100万人の住民がロシアへ避難せざるをえなくなっている現在、連邦制は論外だろう。その難民には老若男女が含まれ、小さい子どもを抱えた家族は真っ先にロシアへ避難しているようだ。年齢による差は感じられない。高齢者はロシア、若者はアメリカという思い込みはしないほうがいい。

 避難した後、自宅へ戻った住民もいる。「全てが正常」とウクライナのメディアが宣伝したこともあったようだが、 自宅へ戻ると、そこには知らない人たちがいて、元の住民はほとんど戻っていなかったとするレポート もある。西側から移住してきた人びとに占拠されていたということだ。

 東部や南部はクーデターで排除されたビクトル・ヤヌコビッチ大統領の支持基盤で、そうした人びとを追い出し、そこへユリア・ティモシェンコを支持したような人びとが入り込んだということだろう。ドネツクやルガンスクでの民族浄化作戦に参加した戦闘員は略奪を認められていたとも言われているので、住居も「戦利品」と見なされていたのかもしれない。

Ukraine-2000 2010年に行われたウクライナ大統領選挙の投票動向:青系が ヤヌコビッチ支持

 東部や南部での抵抗が予想以上に強く、キエフの送り込んだ部隊は惨敗、ロシア軍も介入してこないためNATO軍も手詰まり、しかもキエフ側で内紛が起こっている状況の中、アメリカは態勢の立て直しに躍起だ。

 言うまでもなく、好戦派の中心はネオコン/シオニスト。クーデターを指揮していたビクトリア・ヌランド米国務次官補、ジョン・マケイン議員、ジョー・リーバーマン議員などは筋金入り。やり過ぎと判断されたのか、アメリカも押さえにかかっているドニエプロペトロフスクのイゴール・コロモイスキー元知事はウクライナ、イスラエル、キプロスの三重国籍を持っているが、この人物もシオニスト。

 ネオコンの思想的な支柱はシカゴ大学のレオ・ストラウス教授とされている。ポール・ウォルフォウィッツやエイブラム・シュルスキーといったネオコンの中枢で活動している人物もストラウス教授の下で博士号を取得した。ストラウスは1920年代にドイツのフランクフルト大学でマルチン・ハイデッガーから思想面で大きな影響を受けたという。

 戦略的な方面で大きな影響力を及ぼしたと言われているのがシカゴ大学のアルバート・ウールステッター教授。ソ連を敵視していたことで知られ、ポール・ニッツェと近く、ウォルフォウィッツも教え子のひとりだ。

 大学を出たネオコンの「幹部候補」を育てる場所はヘンリー・「スクープ」・ジャクソン上院議員の事務所と軍備管理軍縮庁。ジャクソン議員の顧問だったハーバード大学のリチャード・パイプス教授は対ソ連強硬派として有名なシオニスト。こうした場所で育った人物にはリチャード・パール、ダグラス・フェイス、エリオット・エイブラムズ、シュルスキー、ウォルフォウィッツ、ニッツェなどが含まれている。

 メディアの世界で大きな影響力を持つルパート・マードックやイギリスの首相だったトニー・ブレアはこうした人びとの活動を支援しているが、両者ともジェイコブ・ロスチャイルドと緊密な関係にあることで有名。マケイン議員もロスチャイルドと強いつながりがあり、2008の大統領選挙ではジェイコブと息子のナットがロンドンで資金調達のためのパーティーを主催している。ヘンリー・キッシンジャーはエドモンド・ド・ロスチャイルドの友人だ。






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最終更新日  2015.04.02 04:52:09


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