イスラエル軍機が12月25日にシリアの首都ダマスカス周辺へミサイルを撃ち込んだものの、大半は撃墜されたという。レバノン領空から最大22機のミサイルが発射されたとされているが、ロシア政府によると16機。そのうち14機をシリア軍は撃ち落としたという。
この日、トルコのメブルト・チャブショール外相は同国の軍隊をロシアと調整しながらシリアのユーフラテス川より東側(北側)へ速やかに入れると語っている。勿論、目的は彼らが敵視しているクルド系のYPG(クルド人民防衛隊)やPYD(クルド民主統一党)を攻撃することにある。
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は12月14日、アメリカのドナルド・トランプ大統領と電話で会談したと伝えられている。その後、トランプ大統領はアメリカ軍をシリアから撤退させると発表した。シリアを侵略している部隊を引き上げ、シリアにおける不法占拠を終わらせると言っているのだ。
この決定に抗議してジェームズ・マティス国防長官とブレット・マクガーク大統領特使が辞任を表明、議員は共和党も民主党も関係なく非難、12月23日にはフランスのエマニュエル・マクロン大統領もその合唱に加わった。有力メディアのほか、「リベラル」や「左翼」と自称している相当数の人々も同じだ。 「戦争反対」、「憲法擁護」、「反ファシズム」などを主張する少なからぬ人々がアメリカの侵略戦争に賛成し、カルト集団やネオ・ナチが 。
奇妙なように見えるが、彼らは「勝ち馬に乗る」という原理で行動しているのだと考えれば納得できる。1991年12月にアメリカが「唯一の超大国」になったと思い込み、アメリカ側について富と地位を確保しようとしたのではないだろうか?
そうした人々がアメリカ支配層を支持しやすいように、彼らは「リベラル」や「左翼」が好むストーリーを作る。事実を確認すれば嘘だとすぐにわかるが、そんなことはしない。嘘をついていることが何度ばれても有力メディア信仰を捨てないのはそのためだろう。最後の最後には「騙された」で逃げる。
アメリカ支配層の犯罪的な行為を否定できなくなると、「良いアメリカ支配層」と「悪いアメリカ支配層」を作り出し、責任を「悪いアメリカ支配層」に押しつける。現在、トランプは悪役を演じさせられているが、実際は「まし」な人物だ。
トランプ大統領の決定をイスラエルやサウジアラビアの現政権も怒っているはずで、今回のイスラエル軍によるミサイル攻撃の一因はここにあるだろう。イスラエルはS-300導入後のシリア政府軍の防空体制を調べたいとも思っているはずだが、今回、シリア軍はS-300を使わなかったという。本格的な攻撃を受けたときを考え、手の内は見せたくないのだろう。