トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領によると、トルコとイラクは「対テロ」での協力を強めるという。クルドへの攻撃ということでトルコはシリアやイラクとギクシャクしていたが、状況が変化しつつある。トルコとクルドとの間にシリアが入って衝突を回避する形になっているが、トルコとイラクとの関係も修復の動きが出てきたわけだ。
アメリカの妨害はあったが、すでにイランとイラクは協力関係にあり、トルコとイランはロシアを仲立ちとする形で接近してきた。これまでアメリカの手先として「満州国」を作る動きを見せていたクルドはここにきてシリアとの関係修復を図っている。
他のアラブ諸国はトルコの影響力拡大を懸念、シリアを防波堤として支援する動きもあるようで、結果としてイスラム諸国の連携強化につながっている。
その一方、苦境に陥ったのがイスラエル。アメリカに頼らざるをえないのだが、ドナルド・トランプ大統領はアメリカ軍をシリアから撤退させるとしている。アメリカでは民主党も共和党も親イスラエルで、トランプ政権の少なからぬメンバーもイスラエルを支えるべきだと考えている。
トランプは何を考えているのか?
2016年の大統領選挙でトランプ陣営に対する最大のスポンサーは日本とも関係の深いカジノ経営者、シェルドン・アデルソン。この人物はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフと親しいことで有名だ。つまり、トランプはイスラエルと深く結びついていた。
ネタニヤフ首相の父親、ベンシオン・ネタニヤフはニューヨークでウラジミール・ジャボチンスキーの秘書として働いた。ジャボチンスキーは1925年に戦闘的シオニスト団体の「修正主義シオニスト世界連合」を結成した人物として知られている。
この団体は1931年にはテロ組織と言われているイルグンを組織、そこから飛び出したアブラハム・スターンが1940年に創設した新たなテロ組織がレヒ、いわゆるスターン・ギャングだ。
ここにきてトランプとアデルソンとの関係が悪化しているとも言われている。トランプはヘンリー・キッシンジャーともつながっていると言われているので、その人脈との関係が強化された可能性もある。
このまま進むとロシアを軸にして中東は安定へ向かう。アメリカ、イギリス、フランスの支配層はそうした流れを嫌っているはずで、どのようなタグをつけるかはともかく、新たな傭兵を送り込むつもりかもしれない。