東京琉球館で8月18日の午後7時から「ウクライナで自爆したネオコン」というテーマで話す予定です。予約受付は8月1日午前9時からとのことですので、興味のある方はEメールで連絡してください。
東京琉球館
住所:東京都豊島区駒込2-17-8
アメリカで外交や軍事の分野で大きな影響力を持っているネオコンはソ連が消滅した直後、アメリカが「唯一の超大国」になったと考えました。1992年2月には「世界制覇プラン」をアメリカ国防総省のDPG草案という形で作成しました。国防次官だったポール・ウォルフォウィッツを中心に作成されたことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれています。
ソ連を消滅させたボリス・エリツィンはロシアを西側支配層の属国にしましたが、その支配層はそれでは飽き足らず、世界制覇を実現しようとしたわけです。そしてアメリカは侵略戦争を本格化させました。
東西ドイツが統一された際、西側はソ連大統領だったミハイル・ゴルバチョフに対し、NATOを東へ拡大させないと約束していました。ドイツの外相だったハンス-ディートリヒ・ゲンシャーは1990年にエドゥアルド・シェワルナゼと会った際、「NATOは東へ拡大しない」と確約(“NATO’s Eastward Expansion,” Spiegel, November 26, 2009)、アメリカのジェームズ・ベイカー国務長官がソ連側に対し、NATO軍の支配地域は1インチたりとも東へ拡大させないと1990年に語ったとする記録が公開されています。そのほか、ロシア駐在アメリカ大使を務めていたジャック・マトロックも約束が存在したと語り、イギリスやフランスもNATOを東へ拡大させないと保証していました。
しかし、アメリカの時代になったと信じたネオコンはそうした約束を守りません。1999年3月から6月にかけてNATO軍を使い、ユーゴスラビアへの空爆を実施します。ユーゴスラビアの解体をアメリカは1984年に決めています。ロナルド・レーガン大統領が「NSDD133(ユーゴスラビアに対する米国の政策)」に署名したのでです。その後、アメリカはNATOを東へ拡大させ、ウクライナに到達しました。
ウクライナを支配下に置き、ロシアを破壊する準備を完了させると同時にロシアとEUを分断するため、バラク・オバマ政権は2013年11月から14年2月にかけてウクライナでクーデターを実行、ネオ・ナチ体制を築きました。オバマ政権は「勝った」と信じたでしょうが、このクーデターがアメリカの支配システム崩壊を早めることになります。アメリカはウクライナで「自爆」したと言えるでしょう。
クーデター後、ウクライナ国内ではクーデターに反対する勢力が抵抗を開始、アメリカの政策でEUは社会的にも経済的にも崩壊し始めていきます。ところがロシアは大きなダメージを受けず、むしろ体制は強固になりました。
こうした展開になることをリチャード・ニクソン、ジョージ・ケナン、ヘンリー・キッシンジャー、そしてズビグネフ・ブレジンスキーでさえネオコンの政策を危険だと警鐘を鳴らしていました。
それでもネオコンは軌道修正せず、「力技」に頼っていますが、状況は悪くなるばかりです。配下の有力メディアを使った宣伝で人びとを幻影で操るという手法にも限界がきているようで、第2次世界大戦終盤の日本に似ている状況だとも言えるでしょう。
1991年12月のソ連消滅を見てネオコンはアメリカが一極支配する時代になったと考え、勝利の美酒によっていたようですが、その時に彼らは自分たちが破滅へ向かって足を踏み出したことを理解していなかったでしょう。
しかし、アメリカは膨大な核兵器を持っていることも事実です。ネオコンを支持することで資金を得ている議員たちはロシアや中国との戦争に向かっています。しかも東アジアには日本という「忠実な僕」がいます。自爆後のネオコンがどのように動くのかについて考えてみたいと思います。