ウクライナと西アジアで大きな動きがあった。
ロシア政府が予告した通り、同国軍はキエフに対する大規模な攻撃を実施した。NATO諸国の要員がいる施設も破壊されてCIAのオフィサーも死亡したと伝えられている。この攻撃にロシア軍は戦略爆撃機のTu-95やTu-160、そして極超音速空対地ミサイルのキンジャールを搭載したMiG-31K迎撃機も投入、カスピ海の艦船からはカリブル巡航ミサイルを発射したようだ。
ロシア軍部隊はドンバス(ドネツクとルガンスク)に残されたキエフ体制側の要塞化した都市を包囲、陥落は時間の問題。今年の夏にはドンバス全域をロシア軍は制圧すると見られているが、南部のオデッサを制圧すると推測する人もいる。NATO加盟国の一部はロシアを直接攻撃する動きを見せているが、状況によってはそうした国の軍事施設が破壊される可能性もある。
西アジアでは多くの人が予想していた通り、6月3日未明(現地時間)にイランとアメリカが交戦した。イランのバンダレ・アッバース港へ向かうイランのタンカーに対してアメリカ軍のヘリコプターがヘルファイア空対地ミサイルを発射、航行不能に陥らせたことが切っ掛けだと伝えられている。アメリカ軍はゲシュム島にあるイランの通信塔も攻撃という。
これに対し、イランのIRGC(革命防衛隊)はアメリカの艦船「パナヤ」をミサイルで攻撃、さらにクウェート国際空港の旅客ターミナル1のほか同国に駐留しているアメリカ空軍の基地、またバーレーンのアメリカ第5艦隊司令部をミサイルとドローンで攻撃した。敵対的な外国勢力を受け入れ、イラン領への攻撃拠点を提供して地域の平和を損なったとIRGCはクウェートとバーレーンの政府を非難している。
アメリカ軍とイスラエル軍は2月28日にイランを奇襲攻撃、最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師、アブドルラヒム・ムサビ参謀総長、アジズ・ナシルザデ国防相、イラン革命防衛隊(IRGC)のモハメド・パクプール司令官、最高安全保障委員会(SNSC)事務局長でハメネイ師の顧問を務めていたアリ・シャムハニを含むイランの要人を殺害したのだが、IRGCはすぐに反撃、イスラエルの主要施設や 西アジアにあるアメリカ軍の基地が攻撃された 。
破壊されたアメリカ軍基地にはカタールのアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアル・サレム基地、アラブ首長国連邦(UAE)のアル・ダフラ空軍基地、バーレーンのアメリカ軍第5艦隊基地、サウジアラビアのリヤドにあるプリンス・スルタン空軍基地など。 CNNが5月1日に伝えたところによると、イラン軍攻撃で被害を受けたアメリカ軍基地は少なくとも16か所。その大半は使用不能だと言われている。 イスラエルの報道管制は特に厳重だが、それでも大きな被害を受けていることは伝えられている。防空システムは機能していないということだ。
それでもイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権やアメリカのシオニスト・ロビーは戦争の継続を強く主張しているが、その背後にカバラを重視するチャバドの指導者だった故メナヘム・メンデル・シュネールソンが存在していると主張する人もいる。
チャバドは1775年に帝政ロシアのリオズノ(現在はベラルーシ)で設立されたカバラを重視するハシディズムの一派。メナヘム・メンデル・シュネールソンによって最も影響力のあるユダヤ教の運動になったという。彼らはエルサレムにある神殿の丘にアル-アクサ・モスクを破壊して第三神殿を再建するとしている。
イスラエルのネタニヤフ首相は1990年11月8日にシュネールソンと会い、イスラエル最後の指導者となってメシアに王笏を渡すだろうと告げられたという。ネタニヤフが初めて首相に就任したのは1996年6月のことだ。 そのシュネールソンが埋葬されているニューヨークのオヘルをドナルド・トランプは2024年10月7日、大統領選挙の前月に訪れている 。


西アジアの問題はイギリスを拠点としていた強大な私的権力、つまり帝国主義者の戦略が大きく関係しているのだが、その手先として利用されたユダヤ系カルトの力が強くなっている。ネタニヤフもトランプもその網の中にいる。
そうした帝国主義者やカルトの思惑はウクライナとイランで崩れつつある。イスラエルは最後の手段として核兵器を使う可能性がある。いわゆる「サムソン・オプション」だ。
1980年代からイスラエルが破壊しようとしているイランの体制はこれまで宗教的な理由から核兵器の開発をしてこなかったのだが、一連のアメリカやイスラエルによる攻撃により、その政策が変更されるかもしれない。
ここのきてイランの マスード・ペゼシュキアン大統領 はパキスタンのシェバズ・シャリフ首相を通じ、アメリカが攻撃を続けた場合の対応策を伝えた 。第1に核和平交渉からの即時離脱、第2に将来的な核合意の枠組みからの完全な離脱、第3にイラン国内における核実験だ。この通告はイラン国家安全保障会議の指示に基づく。
イランは核兵器を開発してこなかったことから、パキスタンが核弾頭を提供する可能性が高いと見られているが、その背後で中国やロシアと協議しているはずだ。NPT(核不拡散条約)から脱退し、砂漠地帯で核実験をすることも想定できる。パキスタンの核兵器開発にはサウジアラビアも深く関係している。イスラエルはイランの次にトルコとエジプトを狙っているとも言われ、これらの国々が新たな安全保障体制を築きつつあるとも言われている。西アジアの軍事的な緊張が高まることになるが、これはシュネールソンの一派にとって望むところだろう。
イランはホルムズ海峡を再び締めるだけでなく、紅海への入り口であるバブ・エル・マンデブ海峡を閉鎖するかもしれない。原油の供給が2割程度減る状況は続きそうだ。各国は備蓄を取り崩しているようだが、夏以降、状況は悪化すると見られ、「配給制」の導入もあると推測する人がいる。
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【 Sakurai’s Substack 】
【 櫻井ジャーナル(note) 】