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松岡正剛氏の千夜千冊というサイトをときどき眺め、本当に博学多識な方だなーと思っている。その松岡正剛氏が新たに本を出すということで、楽しみで購入し早速読んだのが、この1冊 松岡正剛氏は、日本を「一途で多様な国」と表現する。その多様さとして、宗教面での多神で多仏であることや、社会制度も一つの制度が全国を支配した例が極めて少なかったことなどが上げられている。そういった多様性が本来の姿であり、それが面白いと主張している。私もそう思う。日本の良さは、料理でもそうだが、なんでも取り込んでしまう包容力というべきだろうか、確かに日本に合うスタイルに変形させてはいるけど、そういったところにあり、それが面白さなんだと思う。 この本では、その多義・多様・複雑性がどうやって機能してきたのかを、「日本の面影」というのをキーワードにして、歴史を振り返りながら、松岡正剛史観にいざなわれる設定になっている。 「倭」から「日本」にいつなったかについて、私ははっきりと知らなかったが、663年の白村江の戦いで、唐・新羅の連合軍に大敗し、それまでの朝鮮半島経営を諦め、新羅が朝鮮半島を統一したことによって、「日本」になったということなんだそうだ。『新唐書』にも「倭の名を悪み、更めて日本と号す」という記述がなされている。このときまでは、中国の各王朝と朝鮮半島と倭は一蓮托生の関係にあったが、この新羅の統一により、倭は朝鮮経営を諦め、日本列島内においての経営に専念することになったのが、日本の成立というわけだ。途中稿
2006年10月05日
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ブックオフで購入して読んだ1冊 タイトルの「満足化社会の方程式」という言葉につられ、これからの社会を考えるヒントになるのではないかと思い購入した。 著者、堺屋太一氏は、一つの体制が崩れ、それが新しい体制に代わり確立するまでに10年かかる。そのうち、最初の4年間は主として旧体制の破壊に当てられる。次の2、3年は、将来の体制の方向と基本を探る模索と闘争に費やされる。残り3、4年で定まった方向の中で将来の主流となる産業、組織、人選が選ばれるという持論を持っている。そしてこの書物では、1989年、ベルリンの壁崩壊によって、それまで世界を規定していた冷戦構造という体制が崩れた。それから4年の旧体制破壊に当てられた1993年と、これからの新しい体制を模索する1994年の2年を中心に、これからの日本の目指すべき社会像を「満足化社会」と名づけて、そのあり方を提示したのが、この1冊。 1993年、米国では冷戦に勝利をもたらした共和党政権から、12年ぶりにクリントン大統領による民主党政権が誕生した。日本でも8月に、38年に及んだ自民党単独政権が崩れ、細川連立政権が発足し、政治の「55年体制」が崩れた。 戦後日本には、3つの神話が信じられ、その神話の元に成長してきた。 「土地・株神話」…土地と株は中長期的に見れば必ず値上がりするという神話 「消費拡大神話」…消費は年々間違いなく拡大するという神話 「完全雇用神話」…終身雇用の確立した日本には深刻な失業問題はありえないという神話 しかし、1990年に「土地・株神話」が、1992年に「消費拡大神話」が、そして1994年には「完全雇用神話」が、バブル景気崩壊からの長期不況で崩壊した。 江戸の5代将軍綱吉期の元禄と、8台将軍吉宗期の享保との比較で、昭和元禄と平成享保という言葉を使い、今後の社会のあり方を説こうとするのが面白い。 5代綱吉も就任当初、倹約に努め財政再建を図った。しかしそれを諦め、元禄期に入ると、一転して、赤字財政によって公共事業(護国寺や護寺院の建立など)と公的消費(将軍の大名屋敷訪問によるパーティなど)を拡大する。この財政支出により経済が活気を取り戻し、文化が花開くこととなる。ただ、それでは、財政が持たないので、貨幣改鋳し、金銀含有量を減らし、貨幣の数量を増やすインフレ政策を実施し、景気を拡大、投機ブームを生み出した。文化が百花繚乱に花開く時代を迎えることになる。しかし、それはバブルを生み出した。 これを立ち直らせるべく登場するのが、名君と名高い8代将軍吉宗の登場となる。吉宗といういい政治を行ったというイメージが強い。自分もそう思っているのだが、堺屋太一氏の評価はかなり低い。将軍親政による官僚統制による政治を行い、貨幣経済を嫌い、風紀の粛清と増税を行い、楽しみのない世界を生み出すとともに、結果的には悲惨な不況と飢餓を生み出しただけで、吉宗引退時に蓄えができたのも、当初は元禄の貨幣改悪を嫌っていたにも関わらず、晩年に貨幣を結局改悪したものであるということで、「享保の改革」といってもうまくいったものではないということだ。そして、堺屋氏が「昭和元禄」「平成享保」と表現するとおり、この二つを引き合いにだし、バブル景気崩壊後の平成において、享保の改革のようなことが行われないことを希望している。 冷戦構造が消滅した。冷戦構造の間は、西側陣営の一員として生きていけばいいという選択肢があったが、これまでを規定していたこの構造が崩れた以上、新しい世界のあり方、世界秩序(ワールドオーダー)の在り方について、日本がどう主体的に行動するかが重要であり、それには、政治が重要であると説く。確かに国際関係を規定している上で、政治が重要であるが、2006年の今から振り返ってみると、果たしてそれができたのかわからない。というよりもできていないだろう。世界秩序が明確に確立されているとも思えないし、日本が国際関係において主体的なかかわりで持って役割りを果たしているのかも分からない。 1989年を一つの大きな区切りとして、それから10年で新しい体制が根付くということだったが、そのようにもなっていない。まだ新しい体制を探しているというほうが良いのではないだろうかと思っている。17年が経過しているけど… 満足化社会の方程式 著者:堺屋太一 日本経済新聞社 定価:1,500円+税 1994年2月25日第1版第1刷 同年3月15日第2刷
2006年10月01日
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