2008/06/19
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テーマ: 社交ダンス(8596)
カテゴリ: 下町人情物語
(注)このお話は、 西の王子様 東の魔女 南の守護神 に続く最終話です。


白雪姫は王子様と幸せに暮らすはずもなく、劇が終わると何事もなかったかのようにいつもの保育園生活に戻りました。

ところがここで、100年の恋も冷める様な事件が勃発したんです。

なんと、西の王子様がおもらししちゃったんですね。

『きったねー。』『えんがちょ。』

子供はストレートで残酷ですね。



初恋はあっけなく終わりました。(短かかったな~)





さて、父は出張が多い仕事でしたが、家にいる時は必ず一緒にお風呂に入りました。

当時はカラオケなんかありませんから程よくエコーの効いたお風呂は絶好の歌い場だったんですね。

父もきっと、いいストレス発散になってたんじゃないでしょうか。

アカペラ・メドレーで民謡を歌い、気が向いたら歌謡曲なんかも歌っていました。




若い頃、北海道で大儲けをした父は東京に出て、そのお金をパーっと一週間で使い果たしたそうです。

宵越しの金はもたね~ってことでしょうかね。

その後、気楽な稼業と言われていたサラリーマンになり、母と知り合って東京で身を固めます。

大らかな性格の父は、よく私の人生相談にものってくれました。





まあ、小学校上がる前の子供の人生相談なんて知れてますけど、子供にとってはそれが世界で一番大きな問題だった訳です。

「ねえ、パパちゃん。なんでわたしが悪い魔法使いのおばあさんになったんだろ。」




パパちゃんなら何でも知ってるし、いつも味方になってくれることが分かっていたからです。





父の答えは明白で、それは天啓のように私の心を打ちました。


「そりゃあ、一番お歌が上手だからでしょ。」




あ、そっか!!

そういうことか!



ほっとして、うれしくて、涙が出てきました。

私はお風呂につかったままバシャバシャ顔を洗いました。

そっか~。

いっつもお風呂で歌ってるから、歌が上手だったから、だからいっぱい歌う魔女なんだ。




私が今でもパンド活動を続けている、そのルーツはここにあったんですね。

父のこの言葉で、自分は悪い子じゃないんだ、自分は歌が上手なんだっていう小さな自信が生まれました。

こんなふうにほんの少し人の気持ちを上に向けてくれる人に、私もなれたらいいなと思っています。








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Last updated  2008/06/19 12:22:27 AM コメント(22) | コメントを書く
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