おねぇのひとりごと
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私の官舎生活は、北海道の千歳で5年、東京の立川で7年。主人は引き続き、東京の官舎に住んでいるので、官舎生活期間更新中。新居を購入して、引っ越してきて半年。やはり、何のしがらみもない新居での生活は快適です。東京の官舎では、掃除などは清掃業者に頼んでいたので隣近所の何のトラブルもなく、自治体組織の構成員数が多かったので、特に大きな変化(問題)もなく北海道の官舎に比べて、とても快適でした。はじめての官舎が北海道だったために、北海道の官舎に住んでいた人の言葉をうのみにして「この官舎は優しい人たちばかりだから、他の官舎よりいいと思うよ」を思い込み、5年間を過ごしていました。今思えば、千歳の官舎生活の5年間は、やはり気疲れや気苦労の多い時期だったように思います。もちろん、雪かきなどの体力的な負担も相当なものでした。周りの人に文句を言われないように、不快な思いをさせないように暗黙の了解のような雪かき掃除のルールを自分で読み取りその上をいくかのような完璧な雪かきをしていました。在宅でパソコン仕事をしていたため、昼間に雪かきに出れないことに文句をいわれないよう必死でした。駐車場の横に広場があったため、そこも雪かきゾーンになっていて本来の雪かきの量の倍量はあったと思います。官舎の奥様方は、専業主婦や昼間はゆっくりしている方が多かったので井戸端会議は盛大だったと思います。私が家でパソコン仕事をしていたことや、主人がアメリカに語学留学に選抜されたことなどから私たち夫婦はインテリ夫婦とも言われていたようで、私はなんとか仲良くしようと努力はしていましたが、井戸端会議に参加できない私は、結果的には蚊帳の外でした。それを思うと、東京の官舎生活は快適そのものでした。官舎にかかる費用が、千歳よりも数段高いということ以外を除いては。官舎内での役目も少なく、誰に文句を言われることもありませんでした。ついこの前、引っ越しのあいさつにきてくださったのに、いつの間にかまた隣の住民が変わっているというようなこともありました。出入りの多い官舎だったからか、適度な距離感であいさつをして、世間話をして・・・とさすが、東京らしいスマートな距離感で人間関係が構築されていました。強いて言えば、千歳の官舎では、清掃なども自分たちで当番制だったので維持管理費が安かったのですが、東京では清掃業者を雇っていたので、倍以上の維持管理費がかかりました。それでも、もめごとのもとの当番制をお金で排除できるならこれほどいいものはないと思いました。あとは、官舎の家賃がちょうど値上がりの時期に住んでいたので最終的には3倍以上4倍近くの値上がりになり、いくら元値が安いからと言って、有無を言わさず、4倍近くになっては痛手以外の何物でもありません。だから、毎年主人が頑張って基本給が昇給していても、なんの実感もなく給料は減っていくような感覚で過ごしていました。家賃の金額だけでみると、安くていいな~なんて思われるのでしょうが引っ越しが多い自衛官の引っ越し代を全額負担してくれるなら家賃が民間と同じでもいいかもしれません。民間の転勤時の手厚い手当に比べたら、自衛官の手当ては微々たるものです。。。だから、できるだけ引っ越さずに、同じ官舎にいられることが一番効率がよいのかもしれません。でも、実際にはそうも言ってられません。通常は2年単位で転属なので、引っ越し代も馬鹿にはなりません。うちの場合は、私が精神疾患だということを上官の方に厚く考慮していただいて主人にも肩身の狭い思いをさせながら、できるだけ同じ場所にいられるように、配置換えをお願いしてもらっていたようです。それも、もうそろそろ無理かなと思ったのでこのタイミングでの官舎卒業、新居購入を実行しました。地方の場合は、駐屯地の近くにある官舎に引っ越さなければなりませんが東京の場合は、土地がないため、駐屯地の近くに官舎がない場合がほとんどです。だから、主人のように東京の官舎に一度済むと、その官舎から通える範囲での転属によって、引越しないようにお願いできたりしたのです。そんなこんなで、やはりいろいろとしがらみの多い官舎での生活は新居で生活をしてみて、はじめていろいろと大変だったなと思います。住居をどういう風に選択するかは、やはり一長一短ありますね。
2019年10月19日
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