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6時前に仕事を終えることができたので,金曜日は7時まで公開されている出光美術館へ,仙崖展を見に行く。久々の改装なった美術館が,どのように変化しているかも気になるところだったが,陶片の展示室が整理され,入りやすい雰囲気になった点を除けば,展示スペースには大きな変化を感じさせず,ゆったりと見て歩くことができる余裕はそのままだし,一服できる休憩スペースもこれまでどおり確保されていて安心した。さて,「仙崖さん」である。数年前に,同じ美術館で見て,白隠の再来とも言われたその禅画の優しい面白さの虜になった。例えば,「月ハ」と書かれているけれど画面には月は描かれておらず,子供と一緒に,何かを指差し,見ている者もついつられて笑ってしまいそうな笑顔の人だけがいる。また例えば,菊の画が描かれていて,キクというけれど耳は無し,ハはあるけれど飲み食いするわけで無しといった詞が添えられている。禅画なのだから,もちろんそこには深い教えが込められているのだが,そういうことをひとまず置いて,素朴で明るい画を愉しみたい。まるで駄洒落のような詞を味わいたい。ほっと心が緩み,ついニヤリとさせられ,温かい気持ちになる。画も詞も,余分な物をすっかり削ぎ落とした,研ぎ澄まされたともいうべきものである。しかし,味わっているうちにそこに込められた意味を考えさせられ,自分のあり方を振り返らされる,そんな力を持っている。「週末エッセイスト」としては,表現というもののあるべき姿について,いろいろな想いが呼び起こされるものである。
2007年10月19日
「<ライブセッション>リンボウ先生、明治の文豪を読む」を聴きに,横浜の近代文学館へ行く。チェンバロの演奏と師匠による「作家の朗読」という組み合わせだ。朗読作品は,漱石の『夢十夜』,子規の『歌よみに与ふる書』,鏡花の『妙の宮』,村井弦斎の『食道楽』,鴎外の『ぢいさんばあさん』というラインアップ。私にとっては馴染みの薄い作品もあったが,約百年も前に生まれたものというのに,古さを感じさせず,すっかりストーリー展開に引き込まれてしまった。チェンバロの演奏は,朗読の前後にまとめられていて,贅沢なひとときを演出していたと思う。ただし,個人的には朗読の余韻に浸っているときに,自分の感覚とはかなり離れたイメージの曲が演奏された部分があって,少し残念に思われた。いずれにしても,手つかずのままになっていた『食道楽』辺りから,読んでみようと思った。今年の秋は,読書の秋にしよう。
2007年10月08日
思いがけないことに,気まぐれで締め切りの前日にネットで応募したサ○トリーの「氷出し碾茶セット」が当たった。包みを開けると,パンフレットと共に,日本茶に似合いの深い緑色も美しい箱と,茶器を飾る真紅の組み紐,真空パックの碾茶(茶葉)等が現れる。茶器は,濾過をする部分を中心に背の高いフラスコを逆向きで重ねたような,予想外にシンプルな構造である。ガラス器を想像していたのだが,主にPET樹脂でできていたのは少なからず残念である。しかし,氷出しでお茶を淹れるには,この数日の気温は低すぎる。茶葉の鮮度が落ちないうちに,もう一度暑い日が来てほしいと思うが,さすがに無理のようだ。
2007年10月07日
ここ数日の涼しさに,秋の訪れを感じてはいたはずだが,定時退庁日だというので午後6時前に職場を後にすると,外がすっかり暗くなっていることに驚かされる。残暑の厳しさに季節を忘れていたが,いつの間にかずいぶん日が短くなったものだ。メールを開くと,なじみの古書店からは,恒例の神田古本まつりが,今年は10月26日から始まるという案内が届いていた。通りかかった食料品店では,ボジョレーヌーボーの予約票を配っている。気の早いことに,文具店には来年のカレンダーや手帳が並び始める。引っ越し以来,通勤途中に自然の中から季節を感じる機会はめっきり少なくなったが,それでも,ここのところ微かに銀杏が香るようになってきた。
2007年10月03日
冷たい雨が降る週末を越えて10月が始まった。つい先日までの猛暑ですっかり後回しにしてしまった衣替えだが,今日などは上着等,何か羽織る物が欲しくなる。10月の声を聞くと,急に今年の残り時間が気になり始めるのは私だけだろうか。秋には何かと行事も多く気忙しく過ごしてしまうせいもあろうし,日ごとに加速度的に早くなる日暮れが1日を短く感じさせるせいもあろう。いずれにしても,やるべきことが気になるだけでなく,旅行に観劇にと心誘われる機会も増えてどんどん落ち着かない気分に追い込まれてしまう。ただ,今年も紅葉は遅く,都心辺りでは12月になるというから,少しのんびり構えるのもよいかもしれないなどと考えてみる。残り時間に変わりはないのだけれど…。
2007年10月01日
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