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先週は、新聞・雑誌の取材が4本と、ほとんど毎日のようにその対応に追われた。近頃、インタビューに答えていて思うことは、わたしの言いたいことが十分に伝わっていないのではないか、という不安である。たとえば、年配者が定年後、地域活動に参加する際、コミュニケーションをどのようにとったらよいのか、そのポイントを「お聞きしたい」という取材の時のこと。新聞の取材で、女性の取材記者の質問に応じて、わたしはコミュニケーションの取り方が大きく変わりつつある現状を踏まえながら話し出した。取材記者は、「そうですね」「なるほど」「あ、そうか。たしかに、そういう人っていますよね」「よくやりそうですね、そういうことって」と、わたしの話を<いかにもそうだ>といわんばかりに受け止め、笑ったり、驚いたりしながら聞いてくれる。まさしく、打てば響く、聞き上手の見本のような手応えのある聞き方をされ、わたしは調子づいてしまって、おしゃべりを加速させ、あれもこれも話したのだった。途中、ふと気になって、「いいんですか、こんな内容の話で」問いかけてみたが、「もちろん、大変興味深いお話で参考になります」との答えに、わたしは再び話し出し、年配の人が陥りがちなコミュニケーションの問題点と改善策を1時間にわたって述べたのだ。いま、心配なのは、わたしの言いたいことが、どれだけ記事に盛り込まれるかである。肝心なことでなく、枝葉が中心にまとめられていたり、わたしの言いたいことと、微妙に異なる内容であったり、わたしはそうは言っていないのに、という内容だったりが、これまでも結構あった。この頃考えるのは、相手が聞き上手であるほど、調子にのって喋ってしまい、<自分はいいことを言っている>と、自己過信に陥っているのではないか、という点だ。むしろ、記者に、企画の趣旨を確認したり、読者の聞きたがっていることや、記者自身の考えていることをよく聞いた上で、相手に応じて答えを話していくべきではなかったか。記者は、わたしの話を聞いて、そのまま伝えるとは限らない。記者のフィルターを通して、その人なりに意訳して、記事にまとめる。「参考になります」これは、危険なひと言で、つい単純に反応して満足してしまう。どう参考になったかが問題なのに。インタビューに答えるとは、話すだけでなく、聞く力が求められると、改めて気づかされている。人生は「聞く力」で9割変わる著者:福田健価格:840円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る※本ブログに掲載されている文章は、福田健の著作物です。無断で掲載されている記事や写真を転載することはできません。利用したいという方は、株式会社話し方研究所へお問合せください。(TEL:03-3836-9211)
Apr 22, 2013
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コミュニケーションは、どちらか一方に、全面的責任があるのではない。話し手、聞き手、双方が責任を共有し、ともに活性化に向けて、協力し合うのが望ましい。とはいえ、「望ましい」のは、そうありたいという姿であって、現実がそのとおりかといえば、そうではない。かつての日本では、「察しの文化」が行きわたっていて、話し手は、自らの努力で自分をわからせなくても、聞き手のほうでわかろうとして、察したり、理解しようと努力した。相手が分からなかったり、気づかなかったりすると、「察しの悪い奴だ」と、聞き手が責められたのである。説明責任は、その大半が聞き手に負わされていた。人々は、難しい話を聞かされると、自分の理解不足を反省し、自分の勉強不足を恥じたりしたものだ。作家の里見氏が戦前に書いた「文章読本」に、こんな一筋があった。「わかりにくいということは、知識欲の旺盛な子どもにとっては、非常な魅力である」こうした背景のもと、日本人の聞く力は伸びたが、わからせる力は停滞した。今や、状況は一転して、「わからないのは、話し手の責任」と、説明責任は、話し手に負わされる時代に変わった。この逆転に、話し手は驚き、慌てて、いかにわかりやすく話すかに努力し始めた。一方、聞き手は、説明責任が話し手に移り、その負担から解放されると共に、話がわかりにくいと、話し手を責める態度が目立ち始めた。「話を聞いてわからないのは、難しい話をする話し手が悪い」このまま行くと、ちょっと聞いてわからないと、すぐ「話し手が悪い」と決めつけるのか、早々とあきらめて、話を聞かなくなる。そんな聞き手がどんどん増えることになる。話し手と聞き手が一緒にいる場で、お互い、わからせる努力と、わかろうとする努力をし合って、その場を盛り上げるのがコミュニケーションではなかったか。聞き手を、「そこの所、わからないですが、もう少しわかるように説明してくれませんか」と、質問したり、お願いして、分かり合う場にかかわっていく。それによって、聞く力も磨かれるのだ。人は「話し方」で9割変わる(2)著者:福田健価格:840円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る※本ブログに掲載されている文章は、福田健の著作物です。無断で掲載されている記事や写真を転載することはできません。利用したいという方は、株式会社話し方研究所へお問合せください。(TEL:03-3836-9211)
Apr 15, 2013
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聞き手は、話し手に選ばれた者なのである。この自覚がないと、聞き手は話し手の話の真意を聞き損ねる。話し手から、文句や不満を言われる。<またか。うるさいな><なによ。わたしに言わないでよ、そんなこと>イヤな顔をしたり、拒否したくなる。こちらも疲れてイライラしている時なら、一層その傾向は強くなるだろう。A君とB子さんの2人。10日ぶりのデートで、いつもの場所にやってきた。A君は、上司から言われた「キミにはムリだろうな」のひと言にショックを受け、このところ落ち込んでいた。おまけに、付き合っているB子から、1週間メールが来ない。一方、B子さんは、イベントの準備が思い通りに捗らず、イライラ気味だった。<なんで、わたしがそこまでやらなきゃいけないの>と、腹も立っていた。そして、2人は会ったのだが、B子さんの「どうしたの? メールほしかったのに」このひと言に、イラッとしたA君、「メールよこさなかったのは、そっちの方だろう。頭にくるよ、まったく」「前にも言ったじゃない。今、イベントの準備で忙しいんだって」「なんだ、最初から言い訳かよ」B子さんも、一瞬カチンときたものの、頭の片隅で<待てよ>と、止まれのセンサーのようなものが働いた。A君の態度がいつものと違うのに、気づいたのだ。普段は、文句を言うような人ではなかったと、思ったからだ。そこで、彼女は気分を切り替えて、こう言ったのだ。「なんだが、お互いクサクサしてるみたいね。今夜はパッと飲みに行こうか。あなたのおごりで」明るいB子さんのひと言につられて、「いいね。でも、オレがおごるの?」「そうよ。A君、気前いいもんね」文句や非難は、できれば言わずにすませたい。それをつい口にしてしまう話し手は、無意識のうちに、相手を選んでいるのである。つまり、A君はB子さんだから、言ったのだ。それを受け止めたB子さんの聞く力は、なかなかのもの。否定的な発言こそ、聞く力が試されているのだ。人は「話し方」で9割変わる(2)著者:福田健価格:840円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る※本ブログに掲載されている文章は、福田健の著作物です。無断で掲載されている記事や写真を転載することはできません。利用したいという方は、株式会社話し方研究所へお問合せください。(TEL:03-3836-9211)
Apr 8, 2013
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よく喋る話し手に「話が長い」「繰り返しが多い」と文句を言うのは、聞き手として、聞きベタを白状しているようなもの。要約する、話題を変えるなど、こちらから働きかけて、双方向のコミュニケーションに変えるのが、聞く力の発揮のしどころというものだ。それより、口が重い、喋ってくれない聞き手のほうが大変である。こちらが無策で黙っているだけでは、双方無言のにらめっことなって、いたたまれないだろう。といって、「どう思いますか」「どんな問題がありますか」「なんでもいいんですけど、何か」と、質問攻めにしたのでは、相手はさらに口を堅く閉ざすだけだろう。聞く力が試されるところではある。口を開かずにいる話し手を前にすると、聞き手は不安になる。・自分は嫌われているのだろうか・こちらに何の興味も関心もないのか・不機嫌で虫の居所が悪いのかなど、あれこれ心配になる。ここで、視点を変えてみる。「自分」にでなく、「相手」に向きを変えるのだ。相手がこちらに興味、関心があるかないかでなく、自分が相手に関心をもつのだ。黙っている相手の心の中はどういう状態なのか、もしかして、何を話そうか、どう話すか考えているのかもしれない。急がずに、にこやかな表情で、「待つ」ことである。すると、「別段変わったこともないし…」ぽつんとひと言。ここでも、すぐ応じないで、「うまくいってらっしゃるんですね」ゆっくりした口調で返す。口ごもりながら、「さあ、どうだろうね」と、相手。そこで、笑顔を向けたまま、相手の話を追いかけずに、「来る途中、桜が見事でした」初めて相手は表情を和らげ、「我が家に桃の木が1本あって、白い花を咲かせましてね」「桃の木が、白い花を」「ええ。わたしはものを考える時、花を眺めるのが好きで…」以前、女性のインタビューがこう言っていた。「どんな無口な人にも、必ず話したいことはあるものです」それを発見するには、相手に視点をあてることだ。人は「話し方」で9割変わる(2)著者:福田健価格:840円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る※本ブログに掲載されている文章は、福田健の著作物です。無断で掲載されている記事や写真を転載することはできません。利用したいという方は、株式会社話し方研究所へお問合せください。(TEL:03-3836-9211)
Apr 1, 2013
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