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「隠れ家Bar」は男の止まり木だと私は思っている。
私は昔、格式高いホテルのBarやひっそりとただづむ隠れ家Barにはまっていた。
ホテルのBarもいいがちょっと騒々しい。
隠れ家Barは男の止まり木である。
だからひとりでいくことが多い。
青山に伝説のBAR「ラジオ」があった。
もうかれこれ二十年以上前、お酒の専門家の先輩に連れられて行った。
そこは別世界であった。
ぴかぴかに磨かれたバカラのグラス。
ウイスキーの数々。無言できびきびと働くバーテンダー。
いまでは当たり前になったが、手に入らなかったシングルモルトだらけ。
その美しい男の世界に圧倒された。
ブレンディット・ウイスキーしか知らなかった私は衝撃を受けた。
こんなにも個性的なウイスキーがあるのかと。
得にアイラ島のシングルモルトは海藻の香りがして強烈だった。
透明な大麦の蒸留酒が、何年もオーク樽に寝かされ琥珀色になって行く。
そこにはスコットランドの歴史が凝縮していた。
香り、色、奥行き、雰囲気・・・・ すべてが私を虜にした。
以来私はボウモアかラフロイグのストレートを頼むのが慣わしとなった。
隠れ家Barは男の止まり木だと私は思っている。
だからよくぶらっとひとりで行く。
一時期、夜の開拓をした。裏通りを歩き回った。
銀座は言うに及ばす、霞町(西麻布)、広尾、青山、松涛、東北沢、三宿、神楽坂・・・・
だから男が一人で行ける隠れ家BARは本がかけるほど昔は知っていた。
話は変わる。
先日、魅力的な男と知り合った。
なんでも噂によると高島屋の伝説のバイヤーだとか、日本のスターバックス
を立て直した男とか言われていた。私は肩書きは興味がないので素で向き合った。
魅力的な人だった。どいう訳か惹きつけられる。
こんな言葉が耳に残った。
「僕は人との出会いが好きなんですよね。恵比寿で会員制のBarをやってます」
先日、恵比寿の立ち呑み屋で飲んでいてその言葉を思い出した。
確かお店の名前は人生の波止場?停留所?
うーん、思い出せない。住所も分からない。
確かキムカツの先の方だといっていたな。
東京ウォーカーなので、恵比寿の地理は滅法強い。
裏の裏まで知っている。特にBarは強い。
酔い覚ましにちょっと探険してみるかという気になった。
きっとここだという裏道をあがって行った。お店はまったくない。
ところがとあるビルに会社名に混じって4Fプラットフォームの文字を見つけた。
そうだ。名前は「プットホーム」だ。
恐る恐るエレベーターに乗り込む。
おおなんと別世界が広がっていた。
一枚板のカウンター。
そしてずらりと並ぶお酒の数々。洗練された今風の雰囲気・・・・・
お客は誰もいなかった。会員制なのでバーテンは怪訝な顔を向ける。
ここが肝心。
まず丹田に気を集中し、一呼吸入れてから、にこっと笑う。
「ええ、みつおかです。 この間オーナーから聞いて・・・・」
ものの数分でなじみ客のようにお店の雰囲気に溶け込んだ。
「みつおか様、オーナーの〇〇が今会社に居りますが、こちらに駆けつけて
参りますとの伝言です」
おお、今宵も面白くなりそうだ。これだから人生、やめられない。
人が人を呼ぶ。ご縁に感謝である。
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