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ご質問にお答えする前に、日本人の性格の傾向をお話ししましょう。どの先進国でも共通していますが、原因がはっきりしない精神病である「内因性精神病」は2種類しかありません。ひとつは「シゾフレニア」、つまり統合失調症で、もうひとつは「メランコリー」、すなわちうつ病です。統合失調症になると、他人が気になって誰かに嫌われたり無視されたりするのを恐れ、ひどくなると「みんなが悪口を言う」「私は誰かに狙われている」と妄想するようになります。一方、うつ病は、自分が悪いと強く責めたり、重い病気にかかっていると思い込んだりします。
私は、精神状態が正常な人でもある程度、統合失調症あるいはうつ病の傾向があると考え、人間の性格傾向はいずれかに分類できると仮説を立てました。そのうえで、前者を「シゾフレ人間」、後者を「メランコ人間」と名づけたのです。私が観察したところ、日本は、1955年より前の世代はメランコ人間が多いのですが、徐々に両方が混じっていき、1965年生まれ以降はシゾフレ人間が多くなってきました。
和田 「個人消費を増やす」ための施策として、私の提案は2つです。ひとつは、「お金を使った方が得」と思わせるような税制に変えること。例えば、サラリーマンの所得税率を引き上げる代わりに「必要経費」を認めてはどうでしょうか。所得税率が2倍になるけれど、食費や家賃など生活費にかかわる支払いも、きちんとした領収書さえ出せば経費として所得から差し引きます。お金を残しておけば高い税率がかかってしまいますから、「使ったほうがマシ」という心理がはたらくのではないでしょうか。これは、多額の財産を子どもに残そうとする傾向にある日本の「お金持ち」も、消費に向かうきっかけになるのではと思います。
――もうひとつは何ですか。
和田 教育です。昔は貯蓄や生産が美徳でしたが、「消費が美徳」という教育に切り替えるのです。シゾフレ人間は、周りがお金を使い出せば自分も同じ行動をとりますから、「みんながお金を使わないと国はどんどん寂れていく」と教育し、理解させる。
――しかし、昔から日本は節約や「清貧」をよしとしてきましたから、その考え方を180度転換するのは大変ではないですか。
和田 確かに、難しい。バブルのときですら「消費が美徳」ということはありませんでしたからね(笑)。
しかし、日本の製品の質や生産技術が向上してきたのは、モノを買う消費者の要求水準が高かったからです。単に生産性を伸ばせ、技術を磨けと言ったところで、「客がいないモノは伸びない」のです。国がどこまで本腰を入れて、消費の重要性を教育できるかによるでしょう。
多額の財産を子どもに残そうとする傾向にある日本の「お金持ち」も、消費に向かうきっかけになるのではと思います。
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