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2010.05.26
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カテゴリ: その他の読書録
 筑摩書房。1967年10月30日。

 わたしの本棚にあるからには、確かに一度読んだことがあるはずなのに、全く何も覚えていない。
 1873年(明治3年)に越後長岡の家老だった家柄に生まれた著者が、子供の頃の思い出から、成長し、アメリカに住む日本人に嫁ぎ、帰国し、さらにまた渡米するまでを物語る。
 もとは英文で、アメリカ人のために書かれたもの。
 自らの半生記でありながら、「日本人はこのような考え方をする」「武家ではこのように子をしつける」という日本文化紹介になっている。
 「武士」とは言っても、日本の中でも地域差はあるわけで、全国どこでも同じだったはずはないが、共通することはあっただろう。
 長岡の風俗史、民族史としても興味深い。

 意外なことに、姉が農家に嫁いでいたことから、
武家の娘はよく農家に嫁いだものでありましたが、これと申しますのも、農は士に次ぐ階級として尊ばれ(p5)

と書いている。階級差は今思うほどはなかったようだ。



日本にいた頃には錠などかけたこともありませんでしたが、ここでは、どこにでも戸には錠がかかっていました。(p111)

 「鍵」ではなく「錠」。これが本来の使い方。

 「全村専有乗合馬車」(p124)とい語に「アムニバス」とルビが振ってある。今なら「オムニバス」と表記するところ。いずれにせよ、それでは意味がわからないので、苦心の訳だ。

エスさまもお釈迦さまも(p190)

 「イエス」ではなく「エス」となっている。

 著者は1950年になくなっており、その生前に訳されたものを、筑摩書房が1967年に「筑摩叢書」に収録したもの。
 訳注や年表がないのが残念。

武士の娘 (ちくま文庫版)

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Last updated  2010.05.26 08:56:15
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