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2011.12.22
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カテゴリ: その他の読書録
講談社学術文庫

 1980年前後の講演原稿や論文集。
 「民衆史」ということばからは、「民衆」より高いところからその歴史を俯瞰しているかのような印象を受けてしまうのだが、そういう本ではない。
 研究者として距離は置きながら、それまで埋もれていた資料を掘り起こし、日が当たらぬままだった歴史に日を当てる。
 特に、政治に関わった人たちのことを取り上げている。
 何十年も同じ生活を続けていた人の方が多いのだが、そういうものを取り上げるのは「民俗学」なのだろう。
 さて、「民衆」とは何か、というと、それについては明確な定義を与えていない。
 読んで思うのは、「民衆」というのは明治になって生まれた概念ではないかと思う。
 特に、「100年」と時期を限定しているのでそう感じる。

 わたしの故郷、三春でのことが出てくる。
天皇陛下に「御忠告申しつくる」、などと演説して逮捕された青年民権家が、福島県三春町におりました(p43)






それにしても竹内好氏の頑健なのには驚く。よくもこのように鬱陶《うっとう》しい、重苦しい存在と一生つき合ってこられたものだと感心させられる。(p182)

 「鬱陶しい、重苦しい存在」というのは確かにそうだと思う。

 「河北新報」の「河北」が明治維新後の「白河以北一山百文」(p94) という言葉に基づくものだと初めて知った。

 明治の悲劇。
「日露戦争で勝利した一九〇五年の翌年、その年は、冷害のための大凶作で、宮城県総人口九十万のうち二十八万人が欠食の困窮状態におちいっていた。(p186)


最近ソルジェニツィンの『収容所群島』などを読んで、スターリン支配下のソ連の暗黒政治の恐ろしさを他人事のようにいう者がいるが、わが国においても三十年前までは、それに劣らない恐怖的状況があったことを忘れるべきではあるまい。(p200)

 つくづく明治というのは暗黒の時代だと思う。

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Last updated  2011.12.25 14:09:58
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