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今日新幹線に乗っていて、ふと思い出したことを書いておきます。小学校6年生のとき、ひと冬、勉強を見てもらうために、近所の老先生の所に通ったことがありました。その最終回、老先生がわたしに「あなたは今、なにが欲しいかね?」とたずねました。わたしが、「何もありません」と答えると、老先生は、わたしを見つめてぽろぽろと涙をこぼしました。そして、わたしを家まで送ってきて、母に「この子はまだこんなに小さいのに欲しいものが何もないなんて、私は心配でならない」とおっしゃいました。正直いって、当時のわたしは本の虫で、本がありさえすれば本当に何もいらなかったので、老先生の大いなるかんちがいではあったのだけれど。それでも。自分のために、涙を流してくれたひとがいた、という記憶は、わたしの根っこのところに生きているなぁ、と思うのでした。それにしても、あのとき母はなんと答えたんだろう...?もう確かめることはできないけれど、気になる。
2004.03.09
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