今が生死

今が生死

2022.03.15
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カテゴリ: 付き合い
数日前に忠犬ハチ公に関するテレビをみた。渋谷駅の近くに住んでいた東大農学部講師の上野英三郎さんが秋田県大舘市で1923年(大正12年)11月10日に生まれた秋田犬をもらい受けてから物語は始まった。上野さんが東大に通うために渋谷駅で電車に乗るまで見送って帰宅時間が来たら必ず決まった場所でお出迎えする日課を送っていた。所がそのような生活も1年4カ月で終ってしまった。飼い主の上野さんが勤務中東大構内で脳出血で亡くなってしまったのである。お迎いに行ってどんなに待ってもいつものように手を振りながら現れてくれる上野さんは出てこなかった。
ハチにはいなくなってしまった事情はうすうす分かっていたのだと思う。上野さんの通夜や葬式の最中3日3晩何も食べなかったとのことである。いなくなってしまったことは薄々分かっていながら上野さんとの思い出の場所、渋谷駅に何年間も通い続けたハチの心情を思うとかわいそうで多くの人の涙を誘い渋谷駅にハチ公の銅像も出来た。1935年(昭和10年)3月8日に通い続けた渋谷駅の近くでその11年の生涯を閉じたが多くの人の心に残った一生だったと思う。
感動的な語だが、身近にもあるような気がした。息子の家でトイプードルのコロを飼っていた。息子が出勤する時は最後までじゃれついて見送り、帰ってきた気配を感じたら飛び跳ねて喜び姿を見たら飛びついて歓迎していた。
今の時代は上野さんの時代と違って犬の放し飼いは認められていない。もし認められていたらコロも駅までついて行っただろうし、帰る時間が分かったら駅まで迎えに行ったかもしれない。
今は犬より猫を飼う家庭が多く、ペットの数では犬より多いとのことだが、猫はご主人を見送りはするが迎えにはいかないと思う。
猫も犬も人間の友達ではあるが、猫は自分を可愛がって餌をくれる人には懐くがその人のために尽くそうという忠誠心はなさそうである。犬はお世話になった人、仲良く遊んでくれた人の恩義は忘れないみたいだ。
息子のコロは7才で癌でなくなってしまった。ハチと上野さんの関係の反対だがハチの心に残ったと同じような気持ちはコロが死んだ後息子家族にも残ったのだと思う。数日間は食事も食べられなかったかも知れない。犬の健気な気持ちは人をやさしさの原点に帰してくれるものだと思った。





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Last updated  2022.03.15 11:10:09
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