リハビリ病院に勤めていると様々な方が入院してくる。骨折したり、脳卒中になったり、がんに罹ったり、心臓病になったり様々である。病気になる前は皆さま様々な経歴をお持ちだが、入院すると病院の規律で一緒くたにされ、経歴など無視されることが多い。脳梗塞後ということで入院してきたある女性は実際は認知症で、あちこちの部屋にふらふら入ってしまったり外に飛び出すかも知れず、扱いに困って足枷を付けられたり、厳しく指導されたりしていたが、回診の時お話を伺ったら音大を卒業しており、ピアノ演奏は勿論、シャンソンもよく歌っていたとのことである。半信半疑だったが家族面談の時それを確認したらその通りだとのことだった。高校の英語教師も経歴は関係なく、一律に厳しい規制やリハビリ訓練を受けていた。金持ちだとか教育があるとかで区別することなく皆一律に同じプログラムで同じ訓練や同じ扱いをうけることは当然だが、各患者さんの経歴を尊重した扱いも大切だと思う。経歴を無視され、退院時期も自分の思う時にきめられずストレスを抱えている人もいる。平等が大原則だが個々の患者さんの経歴や願い(退院等の)を尊重してやることも重要なことだと思った。
誰にも全く同じ気持ちで接するー医師の心得 2024.11.26 コメント(6)
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