短歌鑑賞(柳 宣宏の一首 )
すわりたる背のあたたかし秋の海生まれる前から見てゐた気がする
『丈六』 柳 宣宏
残暑も過ぎ、台風の時期も過ぎた晩秋の頃です。砂浜に座り海を眺めています。夕日が背にあたたかく差しています。海は穏やかになぎわたり、寄せては返す波の音が静かに聞こえます。その規則正しい波の営みを見ていて、眠気をもよおすほどです。ふと、わたしは母の胎内にいて、母の鼓動を聞いているような錯覚を覚えたのでした。
わたしは、以上のようなストーリーを思い浮かべてこの歌を読んでいます。説明のないこの歌は、読者のご想像にお任せしますといったような作者の意図を感じたのでした。
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