上海陸戦隊 | メタボの気まぐれ

日中戦争最中だった1939年に東宝で公開された「上海陸戦隊」は
第二次上海事変を描いた戦争映画である。

昭和12年7月に北京で日本軍と中国第二十九軍が
突如衝突してしまった盧溝橋事件を皮切りに
両軍は散発的戦闘を開始。

しかし8月に日本軍は中国国民政府に上海停戦協定を
表明したが中国側は破棄を声明、
かくして日本軍は上海陸戦隊を編成、上海の街に進駐し
中国全土に大規模な戦闘配置を就いた。

弾薬が乏しくなっており、友軍の到着を待ちながら
中国軍との決死の市街戦を展開していく。

そんなある日、戦闘中に山口二等水兵（月田一郎）らは
中国人婦女子である明珠（原節子）を助け
敵国である中国に『良民ニツキ保護ス』のビラを掲げた。

しかし日本軍の兵力は中国軍に対して決定的に不足しており
日本側は陸軍部隊の上陸まで持ち場を死守しようと
徹底抗戦を試みるのだった。

この映画は円谷英二の特殊技術課が本格的に運用されていない為
大日本帝国海軍の全面協力のもと飛行機や戦車など
実物の兵器も多数登場するのです。

無声映画時代に小津安二郎監督の映画に主役に抜擢され、
その後、昭和初期から第二次世界大戦後にかけての
日本映画の黄金期に高い人気を誇りました。

戦後も銀幕のスターらしく一家全員で帝国ホテルで
ホテル暮らしをしつつ映画制作業にも進出し

また月田一郎は日本初の本格的なトーキー映画
「マダムと女房」で出演を果たし、その後
「父帰る母の心」で山田五十鈴と共演したのを機に
大熱愛の末、結婚し娘・瑳峨三智子を設けました。

月田は銀幕のスターに伸上った山田に対し
鳴かず飛ばず役者だった為、そのギャップにより
二人は離婚してしまい娘・三智子は
月田が養育する事になったのです。