いつかどこかで

いつかどこかで

March 12, 2008
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『 ライツ・アウト 』 1994米  原題  『 Lights Out 』

        ピーター・エイブラハムズ 著
        矢沢 聖子 訳

17歳で無実の罪で投獄されたエディは15年の刑期を終えて出所する。
あてもなく、廃れた故郷を訪ねたり、成功した兄をNYへ訪ねたりするうちに否応なしに、
自分が投獄された事件の真相に近づいてゆく。
獄中での知人絡みの事件にも巻き込まれ、過去の事件と現在の事件とが交錯してゆく。
MWA賞次賞作品。


いやーー、これは面白かった。ミステリといっても別段 “ 謎 ” はありませんが。

テーマは兄との関係。人間の弱さ、でしょうか。
小道具として、主人公が獄中で読んだ、英国の詩人コールリッジの『 老水夫行 』。
物語は15年の刑期を終えて出所するところから始まります。
知的で内症的でありながら狂暴さを秘めた主人公が、不幸な子供時代の末にまたま出会った
水泳で頭角を現し、未来への希望に胸を膨らませたところで無実の罪で投獄されたことや、
獄中でのことが時制を交錯させながら書かれていきます。
『 老水夫行 』 が全編に陰鬱な雰囲気を漂わせ、切なく、虚しいです。
文章も歯切れが良く、快かったです。


” lights out ” は、消灯ラッパを意味する軍隊用語。
刑務所での消灯と、主人公の人生を暗示しているのでしょう。





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Last updated  March 13, 2008 09:35:40 PM
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