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前回は月に1度の日曜の昼デモだったが、吹雪である。昼頃から腹痛が続いていたが、しっかりとした冬装備で一応は出かけたのである。勾当台公園にあと5分ほどという付近(一番町定禅寺通り)で腹痛が激しくなり、引き返した。40才で胃の切除をしてから、ときどきこういうことが起きる。何かの弾みで胃腸のバランスが崩れるようだ。
今日は午後からずっと小雨である。念のため、登山用レインウエアと折畳み傘を持って出かけた。少しはぱらついていたが、傘なしで歩ける程度である。
20分ほどの遅刻で会場に着いた。ずっと雨だったというのに、いつものくらい集まっている。金曜デモが始まってからずっと見ているが、一人で(私もだが)参加している人が結構多い。確かに4、5人のグループというのも多いのだが、昔のデモのような組織的動員をかけられて集まっているという印象のグル-プはない。みな、しっかりとした個人的意志に支えられて参加していると思えるのだ。これは、アントニオ・ネグリ&マイケル・ハートが語る「マルチチュード」のデモ、「マルチチュード」の運動の端緒と言っていいのだろうと思う。
そんなことを考えていたら、アニメ映画の台詞を思い出した。
「どんなに優秀でも同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持っているんだ。組織も人も特殊化の果てにあるのは、ゆるやかな死。それだけよ。」 草薙素子の台詞 [1]
「多様性」こそが大切なのだ。「多数性」に惑わされず、私たちを囲繞する権力の中で一人の意志で行動できるというのは、たぶん人間の理想的な行いの形である。それがどんなにささやかな行いであろうともだ。
遅刻して、かろうじて最後のスピーチの前に着いた。3月3日の『春よ来い!ひな祭りトーク&ウォーク☆子どもたちに放射能のない未来を』の告知で、スピーカーは妻の友人である。我が家に妻を訪ねてきたとき数回お会いしたことがある。
『ひな祭りトーク&ウォーク』は女性と子供が主役で行い、男性はあくまで応援で全員ぬいぐるみを着てもらう、というのが前回の告知内容に含まれていたが、今日は明るい色彩の服装であればそのままの参加でよいということになった。 参加しやすくなったのだが、私としては、花苗の植え替えをする日である。温室でポット植えのマラコイデスとアイスランドポピーの苗が大きくなりすぎている。少し遅きに失したのだ。だから、日曜日は「花祭り」ならぬ「花いじり」である。
しかし、いつの間に私は、花いじりをもってデモをサボる理由として平然としていられるようになったのだろう。若いときは日常の大切さ、日々の暮らしの大切さがよく分かっていなかった。そう思う。
人間は決して一度に二つのことはできない。それなのに人間は必ず一度に二つのことをやる。人間がこわれるのはあたりまえだ。
石原吉郎 [2]
イルミネーションは取り払われて。(2013/3/ 18:53)
[1] 『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』(監督:押井守、原作:士郎正宗、2008年)。
[2] 石原吉郎「望郷と海」(筑摩書房 972年)p. 243。
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