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「裏表紙あらすじより」俊介は遊子の病室を訪れ、二つの心は次第に寄り添っていく。山賀と大野は、哀しみを抱えた家の扉を叩く。2人の耳は、ただ一つの言葉を求めている。冬島親子を巡り争い続けてきた、馬見原と油井。彼らの互いへの憎しみは、いま臨界点を迎えている。悲劇によって結ばれた人々は、奔流の中で自らの生に目覚めていく。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「2001年10月7日、9.11のテロに対するアメリカの報復がアフガニスタンで始まった。その報復のクラスター爆弾で両腕をなくした少女。9.11は記念式典があったりするのに、何故10.7での罪の無い者達の被害の式典は無いの?」「家族間の愛情が社会に広がっていくのだと考えてます。アジアの小さな島国に暮らす一個人に、欧米を中心とした世界の動向を、変えようもないでしょう。といって、変わらなければ苦しむのは子供です。」「そこまで俺の考える事じゃないだろう?」「だったら誰が考えるの?」「・・どこかのお偉いさんさ」「主権在民って言葉知ってんの?市民一人一人に主権があるって事は、市民より上に偉いやつがいないって民主主義。上の言われたとおりに働くなら、全体主義の人民になる。民主主義って、えらく面倒で一人一人がしんどいんだよ。世界中で本当に民主主義が達成できてる国なんて本当はまだないんだ。」「わたしなら、最後の時、もしそこにママの頭があったら・・・撫でてあげよう。でも、それって、ママのためじゃないんだ、きっと。わたしの為なんだ。わたしが生まれてきてよかったと思いながら、死にたいからなんだ。わたし、生まれてきてよかったって、ずっと思いたかったんだ。」***************************5巻読了しました。重いテーマのようですが、充分にミステリ要素がありますので、読み始めると早いです。読んでよかったと思える本です。自分の仕事、家庭、地域や親族との繋がりなどで、考える事が沢山有って、時間的にも精神的にも余裕の無い方も多いと思います。たまの休みは何処かの観光地に行って・・・私もその一人ですが、改めてこういう本を読んでちょっと考えました。未来の希望に光り輝いているべき子供達の悲劇また、大人たちも・・・皆さんも一度は読んでみて、考えてみませんか。私は小さい頃、何にでもなれると夢が一杯=☆世間知らずでしたが、楽しかったです=☆
2004/09/25
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<裏表紙あらすじ>より孤立無援で、麻生家、実森家の事件を追っていた馬見原刑事は、四国に向った。捜査の為に休暇を取ったのだ。彼は、そこで痛ましい事件に辿りつく。夫に同行した馬見原の妻・佐和子は、巡礼を続ける者の姿に心を大きく動かされた。一方、東京では、少女・玲子のことを心配する遊子と、逃避行を続ける駒田の間に、新たな緊張が・・・!様々な鎖から身を解き放ち、自らの手に人生を取り戻そうとする人々。**************************「お父さん、れいこね、お金がなくても平気だからね。何もいらないから。がまんできるよ。・・・お父さんって、よんだら、お父さんが、ふりむいてくれる。そしたら、からだのなかが、あったかくなってくる。」(本文より)こんなふうに、あの栃木の兄弟たちも思ってたんではないでしょうか?なんか、居たたまれないです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「正当防衛とか戦争とか、相手がどういう人でも・・・誰かを死なせるのは、つらいことだと思うの。つらくないとしたら、気持ちが麻痺してるんだと思う。相手が悪いんだって、自分に言い聞かせて、つらさを逃避してるんじゃない?でも、そうしてると結果として、そのつらさを誰か別の人にぶつけちゃう気がする。」これって、前作にあった親切の循環の反対で、悪の循環ですね~。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・イラク問題や、テロ、大量虐殺、餓死や医療不足による死ぬ子供達。世界はをみれば物にあふれた豊かな日本。そんな中、今日も国家公安委員長がお手伝いさんを秘書として登録して国からお金を騙し取っていた。国家公安委員長が!・・・・どうなってるの日本は?子供なら、「え~???大人って威張りくさってるくせに何なんだよ~!」って言いたくもなると思います。世界の状況や日本のニュースを考えたりする子供(普通で優しい心根の子)なら、どうしようもない不条理に爆発するのも解かる気がします。(その爆発の仕方が問題ですが・・)ニュースは知ってても、感じずに受験勉強に励む子供達が将来の日本の役人や官僚になるのでは?・・・感じない子が・・
2004/09/24
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俊介は、ピエロと生徒達から呼ばれていたのだという。麻生家の一家惨殺事件。そして今度は実森家の一家惨殺。俊介の閉ざされていた心に変化が訪れていた。冬島綾女の母子を全身全霊で守っているにもかかわらず、妻や娘との関係は歪んだままの馬見原。遊子は「虐待の問題をどうしたら良いのか?」という回答が見つからない。遊子だけでない、皆 模索中なのだ。『誰かに親切にされて、そのお返しを他の誰かにして、またその人が他の誰かに親切のお返しをして。。。。』***************************この第三部から、俄然面白くなってきました=☆前二作は、現代社会の歪などを考える本のような感じでした。この三部からは、ミステリファンにはお勧め。勿論、現代社会を考えるテーマも充分に有ります。それぞれの主人公達が繋がり始めます。麻生家、実森家の最後の言葉・・・”愛がみえます・・・”沢山の要素のある内容ですが、頭がごちゃごちゃになるという事はなく、読みやすくスイスイ読めます。
2004/09/23
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あの光景を振り払おうと酒におぼれた俊介は、少年達に取り囲まれ暴行される。遊子は、少女(玲子)をめぐり、その父と衝突する。亜衣は、心の拠り所を失い、摂食障害から抜け出せない。麻生家の一家惨殺事件は、息子による犯罪の後で自らも自殺したと結論づけられた。が!馬見原は納得しなかった。そして、冬島綾女の元夫で幼い我が子に暴行した油井が刑務所から出てきた。**************************家族狩り第一部の読了からちょっと時間がたってしまいました。高校教師・俊介。児童センターの遊子。高校生・亜衣。馬見原刑事。それぞれに個性が有るので、読み進んでるうちにすぐに思い出せました。現代の病んだ現実社会。
2004/09/22
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やっと観て来ました=◇いろいろな面から見る今回のイラク問題という意味でよかったです。大体の事は、報道だけでなく いろいろな意見や想像が飛び交っているので、「あ~やっぱりなぁ~」という感想が多かったです。イラク戦争に賛成してる議員達の息子は一人しか出兵していない。下層階級が、上流階級の利害の為に命を落としている。誰でも知っている、石油問題でアメリカの利害。それだけでなく、『ブッシュ家がサウジアラビアと親密な事業をしている』と言う事。事件前に、数度アルカイダの人物と接触をもっている。話は事業のことにしても、そんなにすぐにアメリカへのテロ行為に気持ちも準備も出来る訳が無いと思うけど。だから、アルカイダのテロとしてオサマ・ディンラビンを特定しながらも、サウジアラビアのディンラビン一族を9・11の後すぐ、9・13には出国を許可している。家族に問題は無くても、行き先や隠れ家の見当を尋ねるのが普通だと思うけど・・・**************************戦争はやっぱり悲劇です。。。人が人を殺す・・・それは犯罪だと思います。「自分がやられたら、家族がやられたら=」・・・そしたら、「やり返したい」という気持ちは、人間ですから解かります。今回、イラクの人が、いえ!国がアメリカに戦いを挑んだのでしょうか?・・・・・・・
2004/09/20
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沖縄文学ミステリ~かな?短編集6話◇「魂込め」(まぶいぐみ)◇「ブラジルおじいの酒」◇「赤い椰子の葉」◇「軍鶏」(タウ チー)◇「面影と連れて」(うむかじとうちれりてい)◇「内海」*************************沖縄の戦前戦後の物語と、昔からの言い伝え。沖縄のほのぼのと触れる本か・・・と思いきや=◇違ってました・・・なんて言うか・・・表現できませんが・・・暗いというか・・好みの問題かもしれません。有名な作家さんで、皆さんよく読まれてる方の本で、私の好きになれない作家さんの本有ります。だから、そういうのが好みの方には、良い本なのかもしれません。。。。
2004/09/19
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1924年生まれの著者の軍国少年であった第二次世界大戦。そして今、庶民の気持ちとして変だなぁ~と思うこと。チョットだけ熱く語り、意外と冷静で客観的な姿勢。とても読みやすくて面白いです。沢山抜粋したい部分はあるのですが、少しだけ。「アメリカという国はどんな強硬なことでも、人道に反することでも、やりたいことはやる国です。とにかくアメリカは徹底的にやる。やる段になったら、いかに非人道的なことまでします。北朝鮮の脅しが効いてアメリカに助けてもらおうとべったりの小泉さん。戦争というのは脅し程度の事から始まりません。戦争を始めるなら奇襲をかけるとか、いきなりミサイルを撃ち込んでくるとかの方法をとるはずです。戦争は、本当にギリギリの所まで追い詰められなければ始まりません。太平洋戦争を始めた日本は、経済封鎖され、石油の輸入は止められ、それでも日本国がじぶんを抑えられれば良かったのでしょうが、でもあの時のアメリカの姿勢は強硬でした。拉致問題にしろ、今度のイラク戦争にしろ、日本はまるで自主性がない、これでは国家とは呼ばないよ。中国の日本大使館に北朝鮮の家族が駆け込んだとき、簡単に中国政府の役人に引渡してしまっているわけですから。」*************************なんで、こうなんだろう~?と、一緒に考えさせられる本です。何が出来るのかといわれれば困りますし、「下手な考え休むに似たり」(?)でしたっけ?そういわれても仕方ないですが、いろいろな人の意見を聞いたり考えを聞いたり、そしてまた自分も考えていかなきゃいけないのでは無いでしょうか?
2004/09/18
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日本人医師・作田は南アフリカ(本文では国名は出してないが誰が読んでも南アフリカ)に心臓外科医として、移植などの研修に来ていた。その時代、まだアパルトヘイト(人種隔離政策)の時代。黒人達は住み慣れた地域を追い出され、バラックで出来た家々が集まる場所に集められている。白人達は、家畜同然に黒人達を扱う。黒人地域では、医療施設も無いに等しい。一人黒人医師が頑張っているが、医薬品にも事欠いている。そして、謎の湿疹で苦しむ子供達が続出する。黒人の子供達だけに感染していき、命も・・・・作田は、時間の開いているときに黒人地域での医療活動する。しかし、研修に来ている病院で その黒人地域での医療活動を止められる。この病院はすべて白人。この国で日本人は、名誉白人という称号で白人として優遇されている。白人地域と黒人地域というはっきりした区別。そういう時代に世界の国々から非難を浴びてきた。国交の相手が限定されてきた中、日本との交易関係は非常に良好で、日本人は例外的に名誉白人の地位を享受し、それがまた国際的な批判の対象となったりもした。「黒人は筋肉、白人は頭脳だ」と白人は黒人を安い賃金でこき使い、人として意識せずにペット以下、家畜でしかない。作田は、黒人差別に怒り、貧しき人々を救う為に正義の戦いに命をかける。ウォザ モヤ(魂よ奮い立て)ンコシ シケレリ アフリカ(神よアフリカに祝福を)***************************アフリカという黒人先住地域に来た白人達の驕り。白人達の中にある、有色人種への差別意識。解説より「総体として二十世紀後半の世界は人種差別の撤廃を足がかりに、あらゆる差別を取り除こうとする方向で動いてきた。だが、人間の感覚の中から特別の差別意識を完全に消すまでには、かなりの時間と努力を要する。その上に、一つの差別の超克が、付随的に別の差別を生み出さないともかぎらない。差別とは、かくも厄介で深刻なのである。」確かに、奇麗事だけ言ってても、現実問題難しい。私もやはり、実際は差別の意識があるように思われる・・・・優等生でもなければ、正義感にもえてもいない・・・
2004/09/16
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群馬県の新聞社に勤める悠木は、17年前に同僚の安西と一緒に「魔の山」と言われる衝立岩に登る予定だった。しかし、その前夜に日航ジャンボ機が群馬県上野村山中の御巣鷹山に墜落した。悠木は、日航ジャンボ機墜落の全権を持たされた。群馬県上空は飛行航路が無く、いわゆる”もらい事故”悠木達新聞社の人間の格闘。スクープを狙ってのしのぎあい。山中での事故で、当日の夜中に現場まで必死の思い出行った記者達。遺族達の悲しみ。事故原因追求。大きく取り上げられる事故のニュースの中、交通事故死をした部下の遺族は、「命の大きさの違いが有るのか?」と悠木に詰め寄る。自宅での悠木は、中学生の息子とどう距離を保てばよいか悩んでいた。安西は販売局所属で丁度事故の当日、街中で倒れ脳梗塞で植物人間状態になっていた。その一人息子は、悠木の息子と同い年だった。それから、悠木は自分の息子と安西の息子を連れ、登山を時々するようになった。日航ジャンボ機墜落の全権を持たされた悠木は、他社とのスクープ合戦に負け、草津の支局に追いやられていた。記者としては都落ち。しかし、17年間草津支局での暮らしは 悠木にとっても家族にとっても ことのほか良かったと思われた。17年後に安西と登るはずだった衝立岩に、悠木は安西の息子と登っている。。。。***************************日航機事故、坂本九さんとか乗ってましたよね。生存者のスチュワーデスさん、中学生だったかの少女。あの少女は、看護婦さんになったんだったけ・・・あの事故は、その前のしりもち事故の時の修理ミスで人災ですよね。御冥福を祈ります・・・・・
2004/09/15
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「人の物語」「海の物語」そして「街の物語」の3部作。2作は、以前に紹介しました。三菱自動車と角川書店の業種を越えたコラポレーション。”New History"21世紀に臨もうとする意思と希望。さなぎから蝶へ。それは新生と飛躍のシンボル。[この三菱自動車は、”あの!”トラックやバスの不良隠しの三菱???]「人の物語」愛情を表し、「海の物語」は自然を表し、「街の物語」は文化を表している。◇ガイド・小川洋子さんママは地元の観光公認ガイド僕が小さい頃から女で一つでその仕事をしてきた。11歳の僕は、その日昼から夜まで停電になるという理由でママの仕事場のツワーに入れられる。そしてバスの隣の老人と親しくなる。老人の仕事は、[題名屋]・・・・・・客の記憶に題名をつけるのが仕事。題名の無い思い出は忘れやすい。題名が着いていると忘れにくい。そしてこの日の事を題名にしてもらうと老人は・・・「思い出を持たない人間はいない」とつけてくれた。。。。。◇動物園跡地・柴門ふみさん従兄妹の中学生のシンは両親の海外赴任で千咲の家に預けられる。一人っ子の千咲は、弟のようにシンを可愛がる。千咲は、その後東京の大学へ・・・そして男性に良いように遊ばれる千咲・・・シンは”約束を守る男”・・・いつか、千咲は”約束を守る男”との暮らしを夢見る。◇中途半端な街・原田宗典さん中途半端な男は、町の福引で1等賞を引き当てる。その景品は、”中途半端な街の旅”・・・旅は何もかも中途半端・・・街もホテルもガイドも・・・そしてそのホテルの部屋は、まるで自分の部屋のような乱れ具合。◇アジール・盛田隆二さんイラスト画家の稲本は、やっと売り出しチャンスに恵まれた。10年付き合ってきた美紀は、29歳。そろそろ結婚、子供が欲しい・・・しかし、踏ん切りのつかない稲本。そんな時、ふと知り合った子持ちの女性。***************************「ガイド」の”思い出を持たない人間はいない”というに、何かじ~んとしました。「中途半端な街」は、何か久々に笑いました。奥田英郎さの”インザ・プール”的な笑いがありました。深刻な本の合い間に”笑える本”も良いものですね~☆
2004/09/12
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ダグ・ショーニング・・・・ジャズのピアノ弾き。並じゃない、稀代のマエストロ。彼は、東京公演の後ホテルで覚せい剤による事故か自殺により死亡。ダグは、檜垣と共に傭兵として一緒に戦った仲間だ。タグはアメリカ生まれのアングロサクソンだと言っていたが、どうも違うと檜垣は考えていた。そこへフリーライターの芹沢がタグのネタを持ち込む。檜垣と芹沢は、タグの死が腑に落ちず真相を求めてニューヨークへ向う。そこには、アフリカ大陸での様々な陰謀があった。独立を目指す国、ファシスト、民族間の確執、ダイアの鉱脈・・・・・・「狐の石」フォックス・ストーン・・・これは本物のダイアの鉱脈か?ジルコンの鉱脈か?ピアニストで生死が裏表の傭兵だったタグもアフリカ生まれだった。タグの死の真相を突き止めるための檜垣。タグの母、タグの義理の妹を次々を死なせてしまう。復讐に燃える檜垣。アフリカで事件の被害に遭い修道院にいるニーナは、両足を切断され口を耳元まで割かれた後があった。ニーナは、檜垣に事件の事を話すが「もう憎しみは無いから、復讐だけはしないと約束してください」という。が!檜垣は犯人を許せなかった。「キシャンゴの王国」と名づけたタグの最後の作品。タグが思いを馳せた生命の輝きに満ちたアフリカ。怒りを、悲しみを、憎しみを、喜びを、愛を、希望を、人間が抱くあらゆる魂の慄を平然と呑み込むアフリカの心。タグの父は生きているのか?あのアフリカでの惨殺事件は誰が仕掛けたものか?何のために?タグは何故あの場所に居た?犯行の一味なのか?何故、あの村は地図から消えたのか?特に最後10ページでのどんでん返し。***************************そろそろ9.11という事もあって、ニューヨークが舞台のかと思って読み始めた本でした。でも舞台はアフリカ大陸。「アダムの呪い」などで人類発祥の地としてのアフリカ。帚木蓬生さんのアフリカ物を読もうと思ってる矢先の奇遇でした。それにケーブルテレビで「坂本龍一のアフリカエレファンティズム」というのを観た。坂本龍一も9・11という悲劇から人間のルーツと言われるアフリカ大陸で取材。これは、”アフリカをもっと読もう”の暗示かも???国名や言語のいろいろは解からないことばかりだけど、少しアフリカの匂いが嗅げそうな本です。ミステリーとしても、アクションも、そしてアフリカをイメージできる面白い本でした=!!
2004/09/10
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熊谷独(くまがい ひとり)さん1936年広島生まれ。東京外語大ロシア語科卒→日ソ貿易関係の商社マンを経て、文筆活動。ロシアとの合弁会社のモスクワ事務所長の秋山純二は、事務所に訪ねてきた老婦人にとてつもない依頼を受ける。老婦人は かつてのロシア貴族の子孫で、革命によって没収された父の財産だった絵画をロシア政府から返還して欲しいという。どうしても返還に応じなければ盗み出して欲しいという。秋山は東京にいる三原社長にその話をする。そんな時、エルミタージュ美術館副館長らから、絵画を数点買い取って欲しいと言う話が持ち込まれる。そして、エルミタージュ美術館内で、秋山と三原社長、鑑定士の赤坂ら3人は、副館長や文化庁部長と2枚の絵画の売買契約をする。ロシア政府との売買でないだけに国外に持ち出すのに いろいろな問題点がある。途中、偽警官に車を止められたり、ヘルシンキへの国境での税関での事件。なんとか、ロシア国外に絵画は持ち出された・・・・が!サンクトペテルブルグに残っていた三原、赤坂らはエルミタージュ美術館で、同じ絵画が展示されているのを見る!偽物をつかまされたようだ!鑑定士の赤坂は、あんなに本物と寸分の違いも無い偽物は見たことが無かった。三原は太平洋戦争の特攻隊の生き残り。友の殆どが死に、妹の好きだった男性も特攻によって死んでいた。今はその妹との2人暮らし。三原には子供達も居たがその子供達も所帯を持ち、妻を亡くした今は妹との暮らしが心休まる日々だった。そして、もうしたいことはしてきたと思う今、決意をする!絵画を盗み出そう~と。***************************絵画を国外に持ち出す時のハードボイルドタッチの面白さ。偽物をつかまされて、エルミタージュ美術館に入る大胆かつ緻密な計画。あの老婦人の正体は?鑑定士をも騙せる偽物の絵画は誰が書いたのか?そして偽物の絵画の売買を計画したのは誰か?何のために?どんでん返しの面白さ。以下「・・」は本文より「外国との交渉は、まず声高に要求を突きつける。良心や神に対する懺悔はあとで独り密室ですればよい。日本人は、懺悔しながら交渉する。正直に心情を吐露することで、相手に気に入られたいという阿諛、おもねりがひそんでいる。腹を割って話せば、相手も人間、おたがいに理解できるはずだ、と自国に不利な状況までしゃべってしまう事がある。」あ~なんか解かるな~って思いました。外交面での失策って、これなんでしょうね。分かり合えない相手もいるし、外交も作戦なんですよね。「ロシアはいったん手にしたものは、どんなことがあっても手放さない。これは昔から変わらない。領土だろうが絵画だろうが、みな同じ」そうだわぁ~北方領土も、ロシアからの独立も。。。どんどん読みすすむ面白い本でした^^
2004/09/09
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”生放送のテレビ番組”という設定のドラマを生放送でやる。「完全なる虚構」と「不完全な虚構」晋太郎の弟・健治は、アイドルの小泉つばさの飛び降り自殺の後追い自殺をした。この兄弟の両親は、数年前に交通事故で亡くなっていた。両親の車の方がセンターラインをオーバーしての事故だった。加害者が美内歌織という作家兼女優のファンクラブ会長。その加害者・準也から、弟・健治は芸能界のツテを紹介され大喜びだった。そして、晋太郎も美内歌織と恋人になる。小泉つばさは、インターネットで私生活を赤裸々に中傷され、悩んでいた。そして自殺・・・健治も・・・・そして数時間して準也も自殺・・・・?・・この事件を美内歌織が架空の名前にして、脚本を作り出演する。放送をテレビで見ていた晋太郎の元に悪戯にしては引っかかる電話が入る。美内歌織の飲むお茶には本当に毒が入っているというのだ。そういう設定の脚本だとは知っていたが、やはり気になりスタジオへ向う晋太郎。それからは、どれが真実か虚構か????脚本に秘められた真実は、慟哭と謝罪の扉を開く。[マトリョーシカは、女の子の姿をかたどった だるまのようなロシアの木製民芸品。胴から上下に開けると一回り小さい同じ人形が次々に出てくる入れ子構造。]外側の殻破ったら、中からもう一人の自分が出てきて、またその殻を破ると新しい自分が出てきたり・・・・まるで人間そのもの。***************************何処までがフィクションか頭がぐちゃぐちゃになりそうなミステリ本です。読み終えて、あ~そうか~です。ミステリファンの方は、どうぞ^^
2004/09/06
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帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)さん1947年福岡県生まれ。東大仏文卒→TBS勤務→九大医学部卒、現在、精神科医。英語、フランス語、韓国語もこなせる語学の達人。本作は「日本人として書いておくべき義務がある」物語として構想された。現在の河時根と半世紀前の回想との物語。韓国・釜山の河時根(ハーシグン)会長の元に、日本に居る日本名を吉田と名乗る韓国人の友人から手紙が届いた。戦前、河時根らが強制連行されて働かされた炭鉱のボタ山が壊される案があるらしい・・・・と。最初は強制連行によって渡った海峡、そして戦後解放されて祖国に戻る為に渡った海峡、そして三たびの海峡を渡ることを決心する。昭和18年、17歳だった河時根は病弱な父の替わりに強制連行され日本の炭鉱で地獄のような働きをさせられた。食事も満足に与えられず、15時間以上働かされ、寒い煎餅布団で寝かされ、死ぬのを待つか逃亡か・・・と皆考えるようになる。しかし逃亡を企て見つかり、なぐり殺された者、なぶりものにされ発狂した者、・・・・この人たちの事は、今も心にある。が、河時根は逃亡し、運良く土方の仕事して食いつなぐ。そこで知り合った日本人女性・千鶴。そして子供が出来る。戦後になり解放され祖国に戻るが、日本人の嫁など誰も認めず村八分になる。日本から千鶴の両親が無理やり千鶴と子供を日本に連れて帰る。千鶴も子供の将来、河時根にとっても日本人の妻が居ると不利な将来を考え、泣く泣く日本へ帰る決心をした。その後、河時根は幼なじみだった女性と出会った。彼女も日本軍によって深い心の傷を持っていた。2人は結婚し、子供も出来、事業も成功した現在。三たびの海峡を渡って、千鶴と自分の子供に再会する。息子は、父を憎まず迎えてくれた。河時根にとって、赤ん坊の時に別れ、何の援助もしなかった千鶴と息子には恨まれても仕方ないのに・・・千鶴は再婚もせずに女で一つ、行商をして息子を育てて死んでいた。ボタ山を見ると炭鉱でのつらい仕事、同胞達の死が思い出される。このまま彼らを忘れ去らせて良いのか??息子に最後の手紙を残し、人生の最後の大仕事に決心する。***************************戦争中の平時でない時の人間の凶暴さ野蛮さ。差別による人を人とも思わない行動。悲しくつらい出来事です。戦争という人の心を狂わすものの怖さ。そんな中でも、清く生きる人もいる。重いテーマですが、どんどん読み進みました。戦争と平和を考えてしまう本です。皆さんも読んでみてください。
2004/09/05
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40代の方々にものを教える必要はない。すでに持ち合わせている星雲状態の知識、経験の星屑を、一気に並べ替えて体系化する。そんな体験をしていただくための、いくつかの切り口やヒントを提示したつもりである。なお臨場感を醸し出すために、すべて物語形式にした。もちろん物語はフィクションであり実在の人物、組織とは一切関係ない事は言うまでもない。この本の「はじめに」の一部を記載します。「 すでに、40代の新経営者も大企業に現れている。これからも各方面で多くの40代が、日本を変えるために重要な任務を果たすことになると信じている。いや、いま我々が立ち上がらなければ、日本の復活はまた遅れる。 40代ビジネスパーソンの総決起のために、本書がほんのささやかでもお役に立てばありがたい。読者の中から、多くの次世代リーダーが生まれることを祈念している。では、普通の40代が自分を変える物語を存分にお楽しみください。」+++++++++++++++++++++++++++この楽天日記に著者の方のページがあります。40歳からの仕事術さんこれもご縁かと思い、読ませていただきました。難しい専門書かと思ってましたが、200ページも無い薄くて読みやすい本でした。まだまだ いろいろな事に挑戦しよう~と、ちょっと元気になれそうな本です☆
2004/09/01
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