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アフガニスタンの空爆をアメリカが盛んにやっていた頃、誤爆で死んだアフガン市民に米国防省から賠償金が支払われると言う新聞記事を読んだ。死んだアフガン市民一人あたり14万円が支払われるとその記事には書いてあった。市民一人が14万円!9.11で死んだニューヨーク市民に対しては、3億円とも4億円ともいう賠償金が米政府から支払われるという…命の値段を比べるのは愚かなことだ。でも、14万円とは…これはもう、物価の違い、国情の違いなんてものではない。「ああ、これが9.11の原因なのだな」この記事を読んで僕は思った。今世界で起こっているテロやそれをめぐる戦争の本当の原因は「経済」なのかもしれない。9.11の原因はビンラディン一派の狂信的な反米感情でもなく、湾岸戦争を契機にしたものでもない。豊かな一部の国はますます豊かになり、貧しい国はその借金の利子を払うことでますます貧しくなっていく。われわれの今もっている自由経済という社会が富める国と貧しい国の格差を、人類がこれまで経験したことが無いほどの大きいものにしてしまっている。実際にアフリカなどの発展途上国では100年かかっても返せないほどの借金をせおって、失敗国家の烙印を押されている国が多い。彼らは国民が怠けているから発展途上なのではない、先進国の経済がよってたかって永遠の発展途上に貶めているのだ。巨大な資本を背景にした富める国がますます富んでゆく。儲ける国があるということは、それだけ損をこうむっている国があるのだ。先進国のハゲタカヘッジファンドがアフリカ一国の国民総生産をまるごとかっさらってゆく、貧しい国は借金だけが加算してその利子さえ払えないのが現状だ。利子が利子を生んでいく巨大資本に牛耳られた国際金融の仕組みそのものが問題なのだと僕は思う。ビンラディンとの戦いにおいて、ブッシュ大統領は自らを十字軍になぞらえて不評を買っていた。ブッシュは思わず本心を吐露してしまったのだろうけれど、米政府はその後やっきになって、イスラムとの文明の衝突ではないと力説していた。だけど、僕は今世界で起こっていることは、経済という視点で見ると「文明の衝突」ではないかという気がしている。イスラムには利子の無い銀行があるという。少なくとも利子という言葉は使わずに「お金をお金として」扱おうという姿勢がある。コーランが利子を禁じているからなのだが、お金そのものが商品として成り立っているわれわれの社会の問題点を解決しようという試みのひとつがここにある。晩年のミヒャエル・エンデが「利子というのはおかしい」という視点で経済問題を論じていた。お金が利子を生む(もしくは借金が増えていく)という仕組みは間違っているという。それも、貧しい国がかわいそうだというような感情論的な視点ではなくて、こういう利子を根本にした金融経済の仕組みそのものが持続可能性がない、ということを問題にしているのだ。実際に各地で利子を持たない地域通貨などの試みがなされている。われわれはイスラムの相互扶助的な経済システムを学ぶ必要があるのではないかと思う。その上でイスラムとアメリカという構図はこの経済システム(文明として)の衝突といえるのかもしれない。卑近な例だけど、日本の最近のTVCMを考えてみてほしい。最近のテレビではTVゲームの新作のCMか消費者金融のCMばかりだ。TVCMはその国の経済の縮図があるような気がするのは僕だけだろうか。それが子供のこずかいを吸い上げようとするものとサラ金のCMだらけなんて、この国の経済は健康なものとはとてもいえない。経済格差を無くして行く試み…では具体的にどうすればいいのか、今の僕には答えられない。だけれども、これからもこの問題を考え続けて学んでいこうと思う。それは戦争に反対するのと同じくらい重要なことだ。次の戦争を阻止するためにも…利子の無いお金なんてできっこないかもしれない。だけど、ミヒャエル・エンデはこう言っている。「人間が作ったしくみ(貨幣制度…)は人間の手でかえられる」と…。参考文献現代イスラムの潮流(集英社新書)中東情勢を見る眼(岩波新書)西アジアの歴史(講談社現代新書)イスラムはなぜアメリカを憎むのか(光文社)反ブッシュイズム(岩波ブックレット)イラクの小さな橋を渡って(光文社)オリーブの森で語り合う(岩波書店)パン屋のお金とカジノのお金はどう違う?(オーエス出版)他
May 1, 2003
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