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忘年会シーズンにもかかわらず大阪の居酒屋は暇だった。カウンターの端っこに座り、目を向けると一組のカップルがテーブルを挟んで飲んでいる。普通の光景だが、お姉さんのお尻が気になる。気になるというよりも見たくないものを見せられている、という感じ。年の頃40。セミロングで耳から下を、今どき珍しいソバージュでボリュームアップ。(ソバージュなんて言葉を知ってる自分に感心)銀が好きなのか、ネックレス、左手の腕時計のベルト、同じく左下の犬歯あたりが全てシルバーで光ってる。黒白チェックのコートを膝の上に置いて、黒のパンツにパープルのセーター姿。(ここまで書くと個人情報で訴えられるかもしれない)パンツが悪いのか、はたまたセーターが悪いのか、結論から言えばベージュのガードルが丸見えと言うことだ。若い子が身に着けている「見せる下着」ならいざ知らず、こいつだけはいただけない。興醒めなのは私だけか?「おいおい、セーター下げろよ」そう思いながら数回視線を送ったが、結局彼女は知らぬ存ぜぬだった。女性の皆さん、ガードルだけは見せんといてなー。お願いしまっせ。ユニクロさん、セーターの着丈、長めにしてなー。ほんまになー。
2007.12.19
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例年になく気力・体力を要する年末だ。今期末(2008年3月)の売上確定を急がされ、尚且つ来期の予算獲得に向けて奔走している。今期売上に関しては足を引っ張るセクションが、「厳しいです・・・」とたった一言。「ならどないすんねん」カバーする意思も意欲・態度も見せないことに怒り心頭。再度総ざらいをしたら、出て来る出て来る来期の案件。「お願いします・・・」と奴らは簡単に言うが、情報不足で組み立て不能。使えない社員を何とか動かし、獲得に向けてチャレンジ。「もっと早く言いなさいよ。」「もっと多くの情報入手しなさいよ。」手遅れではあっても、そこに仕事があったら取りに行かなくちゃ。2,000万の仕事は何とかなると信じて進行中。厄介なのは1億の仕事だ。「君たちももうちょっと考えてよ・・・」口には出すものの、虚しく消えていく。そんなわけで、最近の僕は目に豚を張っているんだよ。(ネブタじゃなくて目豚だって。連れ合いの用語。)酉の市で買い求めた熊手、連れ合いが窓際においてくれた黄色い花と、額に入れて隣に並べてくれた「うまくいく」のポストカードに助けを求める昨今今日この頃だ。持つべきものは連れ合い、感謝感謝。
2007.12.18
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「ピーンポーンー」訪問者を告げるチャイムを、出張仕度中の私は耳にした。上がってきた連れ合いに尋ねると、「花売り」らしいが、母親が応対したとのこと。「買うてあげなあかんでー」「だってこれ以上面倒見られないわよー。元気で行ってきなさいよー」「はいよー」お袋とそんな会話をし、連れ合いに見送られて玄関を出るとじきに花売りのオバサンを見かけた。わずかな鉢植えの花を収めた、ビールケースにキャスターを取り付けたような箱を引きずっている。元酒屋の少し手前の一軒家のインターホンを押してから、オバサンは腰を伸ばす仕草をし、モゾモゾとズボンをたくし上げた。柄こそモンペではないが、ゴムウエストの、通販で売っているような楽なズボン姿だ。諦めた彼女が再び歩き出そうとした時、やっとインターホン越に「はい」と住人の声が聞こえたが、用件を伝えると簡単な断りの返事が私にも聞こえた。彼女を追い越しながら、私は遠い昔を思い出していた。もう30年は前のことだ。千葉県で一人暮らしだった私の部屋のチャイムが鳴る。出てみると、鉢植の花を背負ったオバサンが立っている。手にも幾鉢かの花を提げたモンペ姿のオバサン。「こんにちは、花はいらんかね」ドアを開けた私に、オバサンは日焼けした顔に笑顔を添えてそう言った。越して間もない私は、「殺風景だから」と思いジャスミンの鉢植えを一つだけ買い、何故か美味くもないお茶をご馳走した。「茨城で花園をやっているが、跡継ぎがいるから私は暇でねー」彼女は嬉しそうに言っていたが、重い荷物を遙々背負って歩くことに、私は要らぬ同情をしたのかもしれない。そうは言ってもその頃の私は、他人に同情などできる立場ではなかった。税込み月給9万円、12時間交代で働く印刷職人。夜勤は悲惨だった。朝3時か4時に休憩を取るが、機械を止めた冬の室内はとてつもなく寒い。刷り出しの損紙に埋もれてしばしの仮眠を取った姿は、今で言うホームレスそのものだ。交代して帰るのは朝の満員通勤電車。座っている女の子がこちらを見てクスクス笑っている。視線の先には、インクを落としきれていない私の手首があったりした。それでも良いこともあった。昼勤で帰り、夕食はアパートの近くの食堂。オッチャンとオバチャンがやっている。私が頼むのはたいがいレバニラ炒め。ビールを1本だいじに飲んでそれでおしまいだが、「食べなー」そう言ってオバチャンは、トマトのスライスをいつもおまけに出してくれた。「トマトは好きじゃないから、シナチクかチャーシューにしてくれないかなー」そう思いつつも、自腹では頼めない自分を悔やみながら心遣いに感謝していた。そんな町があったから、花売りのオバチャンにも優しくなれたのかもしれない。ジャスミンは寂しいと思い、ハイビスカスをもらったことがある。何度か訪れてくれた彼女に、私は居るかぎり会ったが、安月給の身であり毎回買ってはいられないが安いお茶だけは出し続けた。「無理に買ってくれなくてもいいよ。休ませてくれるだけでありがたいから・・・」結局、鉢植えを買ったのは3回だけだった。引っ越しの時、カラカラの土だけが入った鉢が3つベランダに残っていたのを鮮明に覚えている。お陰様で今日現在は人並み以上の贅沢をしている身だが、同情ではない優しさは失いたくないと思っている。
2007.12.05
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