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2017.10.15
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カテゴリ: グリーンマックス
Nゲージの小型車両製品は,キハ02レールバスやDD13ディーゼル機関車の動力を用いる奄美屋のメタルキットがその先駆けとなりました。

1980年代に入ると,カトーのポケットライン,トミックスのCタイプディーゼル機関車やベルニナ号,マイクロエースのCタイプ機関車シリーズなど,新たな小型車両が充実していきます。グリーンマックス(GM)のバリエーションキットシリーズもその一つです。
今回は,GM・バリエーションキットシリーズについて振り返ってみたいと思います。





(1984年版GMカタログより。表紙では「Vol.4」とあるが「Vol.5」の誤り)

バリエーションキットNo.1は箱根登山鉄道モハ1・2のキットでした。当初は,グリーンマックス製の小型車用動力が指定されていましたが,調整が非常に難しかったようで,トミックスから同じ箱根登山鉄道1000形「ベルニナ号」が発売されると,ベルニナ号の動力に切り替えられました。後年,塗装済みキットも発売されています。
その後,箱根登山鉄道については,2004年にモデモがモハ2形で参入。同社はモハ1,2000形も製品化しています。
また,トミックスは,1000形に加え,2000形,3000形「アレグラ号」も製品化。さらに,「鉄道コレクション」(鉄コレ)では,2013年の第17弾でのモハ3形をはじめとして,モハ1から3の旧型車を製品化しています。
カトーでは,本家スイスの「ベルニナ」「アレグラ」を製品化していますので,それらと共演させるのも,模型ならではの醍醐味といえるでしょう。


バリエーションキットNo.2はキハ04で,元々はカスタムキットの頁で予告されていましたが,バリエーションキットとしての発売となりました。このキットについては,RMM167号で山下貴久雄氏の詳細な解説がありますので,今回は割愛させていただきます。


(1986年版GMカタログより。京阪大津線をイメージした路面レイアウト等を掲載)

バリエーションキットNo.3は京阪600形です。動力は,当初からトミックス・ベルニナ号のものを用いることとされました。このキットには,600形以外にも500形,300形の前面が入っており,260形の両運・片開き扉の車体が「オマケ」として付属していました。そのため,260形から600形に至る大津線の車輌のほとんどをカバーできるようになっているという優れものでした。やはり後年,塗装済みキットも発売されています。
その後,京阪大津線の車輌としては,2012年にモデモが60形「びわこ号」を製品化。マイクロエースからは,地下鉄直通用の800形が製品化され,「鉄道コレクション」からは,80形,600形,700形などが発売された結果,70年代以降現在に至る大津線の車輌はほぼ全てNゲージで楽しむことができるようになっています。


(1987年版GMカタログより。江ノ電が加わり,バリエーションキットは4種となった)

バリエーションキットNo.4は江ノ電1000形タイプです。「タイプ」としたのは,ベルニナ号の動力を使用することを前提としたため,車体が窓1個分延長され,連接車ではなく通常のボギー車とされたためです。この程度の「セミフリー」化であればほとんど違和感はなく,小型車用動力の少ない当時としては,きわめて優れた「割り切り」であったといえましょう。また,江ノ電600形のボディが「オマケ」として付属していました。後年,塗装済みキットも発売されています。なお,このキットについては,「新・鉄道模型考古学N1」で紹介されています。
その後,モデモから次々と江ノ電がモデル化され,800形以外のほとんどの車輌が優秀な完成品で楽しめるようになったのは周知のとおりです。
[追記]2022年には,鉄道コレクションの事業者限定品として,800形の製品化が発表されました。


(1992年版GMカタログより。名鉄モ510形キットは未発売に終わった)

その他,1992年版カタログでは,バリエーションキットNo.5として,名鉄モ510形のキットが予告されていました。恒例の「オマケ」として,モ600形のボディも予告されていましたが,残念ながら,他の予定品(営団05系キット,映画館,地方銀行)共々,幻の製品となってしまいました。
また,1986年版カタログでは,バリエーションキットシリーズNo.4として,日車標準タイプ17m級両運車が予告されていましたが,1987年版カタログでは消えてしまい,No.4としては江ノ電1000タイプが発売されています。
その後,日車標準タイプは,クロスポイントブランドで「地方私鉄タイプ電車」キットとして発売されます。クラシック(運輸省規格型)とモダン(日車標準型)のボディが1両ずつで1800円という価格設定はなかなか魅力的でした。鉄道コレクション第6弾で日車標準型が,第14弾で運輸省規格型が製品化されたため,クロスポイントのキットは影が薄くなった感もありますが,付属のステッカーは今でも使いでがあります。
余談ですが,日車といえば,GMには古くから,「日車ロマンスカー」のNゲージとして,名鉄5500系キットがありました。18メートル車中心のカスタムキットシリーズとして発売され,京急1000系や東急7000系のようにエコノミーキットシリーズ入りすることなく,今日にカスタムキットの名を伝えています。
このキットは,5500系の先頭車2両をプロトタイプとしており,5000系や5200系へ改造する際のヒントも図解されていたほか,長野電鉄2000系(名鉄5000系と共用),富山地方鉄道10020形,同14760形の前面もセットされている非常に楽しいキットでした。このキットから名鉄5000系の独特の断面形状を再現するには相当の根気が必要でしたが,2008年,クロスポイントから名鉄5000系キットが発売されており,一体成形ボディで5000系の独特の断面形状が再現されています。




江ノ電のジオラマ写真3点と,500形の横をサーフボードを積んだ車が走るイラストが描かれ,次のような文章が掲載されていました(無署名ですが,おそらく鈴木社長の手になるものでしょう)。

「無個性なマスプロ20m電車はもう飽き飽き、時代は今、小型車!!
正面を取り換えて色を塗りかえればどれも皆同じの国・私鉄の新型通勤電車。
(略)かつて強烈な個性・体臭を発散させていた○○電鉄タイプと云ったものが近代化、合理化の名の下に跡かたなく消え去って行くのを見るのはやはり淋しい事です。低いサイドシートの背もたれから外にこぼれ落ちそうに窓の大きかった京急電車、深いマルーンの車体にニス色の窓枠、グリーンのモケットが何とも上品だった昔の阪急、豪快の一言につきる近鉄2200系6連急行の電制音を轟かせての青山越え、……みんなモデルの世界にその想い出を留めるだけになってしまいました。
-しかし、小型車の世界は違います。工芸品の如き木造車の時代はもちろん、今も各地にしぶとく生き残る小電鉄、小路線に時折り出現する新車にはキラリと光る個性に目を見張るものが多いのは、やはり各路線の特殊性、マスプロのきかない少数手造り(?)品の良さがデザインにもあらわれているからでしょう。そして、それら新車を引き立たせてくれるのは路線のヌシの如きリベットゴツゴツ、楕円窓も楽しい古典車、また、各地を渡り歩いてやっと安住終えんの地を得た歴戦の古強者達です。これらが一体となって、その地域風土に溶け込んだ小電鉄には、緑の自然を高架で切り裂いてひたすら大量輸送に邁進する大電鉄とはおのずと異る魅力があるはずです。
(略)ひとつ、うんと小さな固定レイアウトを作って個性豊かな小型電車を走らせてみませんか? びっしり作り込まれた木造家屋(~と云ってもNではプラキットでカンタンに作れます。)の重々しい瓦屋根を縫って車体をきしませる京津線に、色とりどりの漁船、ヨットのもやう港をかすめて堤防の上を快走する江の電に、貴方はこれまで知っていたのとは全然別のNの新しい世界を発見して驚くはずです。
-まず手はじめに新発売の江ノ電キットでも作って見ませんか? そして電車がうまく出来たら漁船と燈台でも組み立てて見ましょう。そこから貴方のイメージはどんどんふくらんでゆくと思うのです…。今、GMキットは小型電車が面白い!」

モデモや鉄コレのおかげで小型車輌が豊富に揃う今こそ,あらためて読み返したい文章ですね。





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最終更新日  2022.12.10 09:50:12
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