PR
Calendar
Comments
Keyword Search
うっかり「仲秋の名月」なんて書きそうな程、素養教養すっからかん。
歳時記も抜け落ちて、すすきに銘酒、お団子もないままに、それでも月に呼ばれたか。
ほったらかしの藤の蔓に、お月さんが紗をまとって引っかかっていた。
幾夜も月は昇れども、今宵の月はただ一夜、2008年の十五夜お月さん。
気付けば、早、真綿の如き雲は、裂いて敷きのべたように薄く空に広がる。
そして空は、いよいよ高い。
紅いに移ろう庭で茶を喫する、ちょっと気取ってみたい古都のお散歩シーズンが開幕だ。
毎夏、それも暑さ真っ盛りの時分、呼ばれたかのよう(笑)に、奈良や京都へ行きたくなる。
今夏、呼ばれた先は、奈良三山(若草山、春日山、御蓋山)を借景にした庭園・依水園にある三秀亭。
田舎屋風茶室から名庭を眺め、お食事が出来る。
といってもメニューは「麦めしとろろ」(1260円)と、それに鰻のついた「うなとろ御膳」(2560円)の
二種類だけ。
しかもお時間は、とってもタイト。
のろのろ、あっちふらふらの私は、今日は行くぞ!と決めてしまわなければ、
絶対にたどり着けない時間帯、11時半から13時半まで。
(茶店としての営業時間は、15時頃まで)
おまけに、週末の13時でも閉めちゃうという、奈良時間(笑)で運営されているもんで、さらにタイト。
庭を舌でも楽しみたいのが古都の定番ながら、奈良中心部では、ここ以外に私は知らない。
そもそも奈良には、案外、国指定名勝ともいうべき名庭が残っていない。
歴史が古すぎて庭園文化が花開かなかったのか、平安遷都以来の南都仏教解体が
ボディブロウのように効き、維持が覚束なくなったのか、
あるいは広大な緑に恵まれ、小さな疑似自然を必要としなかったのか。
辛うじて、興福寺寺領(別業)の「依水園」と「吉城園」が今に残り、拝観できる。
(大乗院庭園は、発掘、復元中。)
そしてこれらの庭園、案外、外国人観光客の方に知名度があるようだ。
Tシャツ短パンなんて、雑ぱくなカッコの人はいないから、フランス人のツアーだろうか。
この日、庭に面した二間続きの座敷に陣取り、ずぞぞととろろご飯を啜る私達は、
日本の禅美を、堪能したい外国人観光客達の大きな目障りだ。
真剣にふすまや欄間に見入る彼らに申し訳なく、せめて背筋を伸ばし、
お箸運びにも気を使ってみる。
ガイドブックにも載っていない三秀亭に、日頃、どれほど食事客が来るのだろう。

それでも、足つきお膳で運ばれてきたとろろは、奈良の出汁醤油であっさりと味付けされ、
八寸の形で供する鶏のつくねや、ズイキの煮浸し、コブの山椒炊きも
食感を大事にした自然素材の味だった。
子供の頃から嫌いな奈良漬けの瓜も食べてみる、あら、甘味控えめ、美味しいじゃない。
エアコンなんかありっこないけど、開けっ放しの座敷は風の通り道だ。
時折、奈良公園の賑わいも運んでくる。
食後に、熱い大和のほうじ茶を啜っていると、お客さんがやってきた。
先ほど、じっと私の手元を観ていたフランス人のおば様だ。
色目こそ華やかではないけれど、多種多様、風味の活きた味付けと
お皿の空間を利用した盛り付けは、古雅というもの。
お抹茶も甘味もあるし、とろろの食べ方指南英語バージョンだって置いてある。
ぃやぁ、上がらはって、涼んでいかれよし。

奈良は、やっぱ鹿でしょ。やっぱ、かわいい。
秋めいたのでちょっと、寄り道。屋久島は、まだまだ続きます。
マジ、お屠蘇なめながら、屋久島日記を書いてるかも。
お稲荷さん名物だ、こん。/物見遊山へGO!3 2009年04月04日
お礼詣り番外編/ひこにゃんに会いたい。 2009年02月20日
この子の快気のお祝いに2・お昼ごはん編 2009年02月08日