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2003年12月13日
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 NHKの「課外授業ようこそ先輩」に、盲導犬訓練士の多和田悟さんが出演していたので、見てしまいました。

 多和田さんは、「盲導犬クイールの一生」にも出てくる、最近では「日本で最も有名な盲導犬訓練士」ですよね。

 先週の予告編を見て、「子供たちと盲導犬とのふれ合い」的な内容かな、と想像していました。
 今日の番組でも、確かに、
「“シット”(座れ)、“ダウン”(伏せ)を教える」
「犬の表情を読み取る」
 といった基礎的な訓練に、子供たちが苦労しながら取り組んでいました。

 でも、なんだか内容をはしょったダイジェスト版みたいで、子供たちが犬とふれ合う中で何を得たのか、それがストレートに伝わってきません。

 あれぇ、この程度の番組だったっけ、と思っていたら、多和田さんの「授業」には続きがあったのでした。


 盲導犬としての役目を終えた老犬の「フェアリー」が、子供たちの前に連れてこられます。
 筋肉が弱っているので、立っていると後ろ足がプルプル震えています。若い盲導犬候補生たちの、10年後の姿です。
 そして、多和田さんは、子供たちに
「盲導犬は可愛そうか、幸せか」
 について、話し合いをさせたのであります。

 通常、子供たちと盲導犬、と言えば、
「盲導犬は人の役に立つ、賢い犬である」
 ということを教え、
「私も訓練士になりたい」
 と、子供たちに憧れや夢を抱かせるような内容で終わってしまうのものですよね。
 しかし、役目を終えた犬がどういう最期を迎えるのか、という「現実」を子供たちにきちんと見せ、そして考えさせるという、とても深い内容の「授業」でした。


「人のために働かせるなんて、犬が可愛そうだ」
 という発言がよく出てきます。

 個人的には、その発言に
「じゃあ、どうすることが犬の幸せなんでしょう?」
 って返したくなってしまいます。

「アンタ、今幸せかい?」
 と、いつも話しかけてしまう私です。

「盲導犬や介助犬など、人間の役に立っている動物がいる」
 というのも分かるけど、
「人間のために働く動物たちは、普通に生きるより短命に終わる」
 という現実もある。
 果たして、可愛そうなのか幸せなのか、どちらなんでしょうか?

 どんなに犬の気持ちが分かる人でも、
「ワシ、人間のために働けて嬉しいわぁ」
 などと、その犬が思っていることを直接聞くことは出来ないので、これはもう、動物と関わる仕事をしている人たちの永遠の課題でしょうね。

 この番組でも、子供たちが激論を交わしたけれど、一つの結論を出すことはありませんでした。(実際、教室ではどのような感じで終わったのかは分かりませんが)

 番組の最後に、一人の男の子が
「うちにも犬がいるけど、その犬が“うちに来てよかったなあ”という飼い方をしてやりたい」
 と言っていました。
 これだ、と思いました。
 こういう考え方が出来る子が出てきただけでも、この「授業」は成功だったのではないでしょうか。

 多和田さんは、授業の終わりに、
「盲導犬を待っている人がいるから、僕は育てます。
 でも、盲導犬を可愛そうだという人の意見も十分聞いて、なるべく可愛そうにならないよう、がんばります」
 みたいなことを言っておられました。

 これって、授業を聞いた子供たちに向けた話だけじゃなくて、
 ひょっとすると、多和田さんが、現在どういうスタンスで盲導犬訓練士という仕事を続けているのかというのを、TVを通して多くの人に伝えたかったのではないか、
 そう思いました。





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最終更新日  2003年12月14日 15時32分26秒
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