うたのおけいこ 短歌の領分

うたのおけいこ 短歌の領分

2009.12.01
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カテゴリ: シネマ/ドラマ


全般的に時代考証をあまりにも無視して綺麗事に流れすぎ、話も小細工を弄してご都合主義で作りすぎ~、一部では当時の戦国時代・封建主義社会の通念からしておよそあり得ない設定で、捏造だ~というような意見も散見された。
まあ、こういったあたりが、おおよそのブーイングの中身だったようである。

歴史は好きだが、マイナーな部分までさほど詳しいわけではない僕は、最初は「そんなにヒドイかな~? まあまあじゃないすかね~?」ぐらいに思っていたが、徐々に、ナンボなんでもこれはないだろ~と、見ていておケツがこそばゆくなるような場面が次々と出てくるに至って、批判はけっこう正鵠を射ているのだろうと思うようになった。

あんまり作り話が多いと、これだけのネット社会、それはどこかで誰かに見透かされ周知され、結局白けてしまう。

ドラマだから、多少のデフォルマシオンや演出で盛り上げるのはいいとしても、全体的にもうちょっとリアルに作った方がいいのではないだろうか。
歴史は、それ自体が十分に面白いのだから。

・・・なお、受信料きちんと払ってますから、このぐらい要求する権利はあると思う

さて、それはそれとして、誰が何と言おうと、とにかく最高に良かったのは、主人公・直江兼続が60歳の還暦で、まことに穏やかな死を迎えるラストシーンである。

うわ~、いいなあと、素直に思った。
人生の幕切れはかくありたきものよと、涙がとどまることを知らなかった。

今もなお、録画したDVDを繰り返し見ては、ウルウルしている有様である

わが妻よ、大事にしますから、その際はよろしくね~

紅葉(もみじ)舞い散る、更け行く秋の庭に面した縁側の露台で、妻・お船(せん)が拾った、鮮やかに色づいたひとひらの楓の紅葉を両掌(てのひら)に挟んでもらい、万感迫る面持ちで看取られ寄りかかられながら、戦乱の世を駆け抜けた大いなる男の魂は、故郷・越後の大地に向って飛び立って行くのだった。

ラストシーンの中でも、特にラストショット(カット)は、まさに一幅の名画のようだった。

老け作りのメイクをした常盤貴子の、黙(しじま)の中の静かな涙の演技が、超絶の美しさであった。





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Last updated  2009.12.03 16:18:03
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くまんパパ @ 新仮名づかいの悲劇ですかね、旧仮名に変更します(^^) 七詩さん、いつもありがとうございます(^^…
くまんパパ @ 短歌では、ありですね(^^) 七詩さん、そうですね、同感です。 私も…
七詩 @ Re:ニヒルなれども面白し(06/08) くまんパパさんへ あの「世の中にたえて…
くまんパパ @ ニヒルなれども面白し 七詩さん、いつもありがとうございます(^^…
くまんパパ @ めっきり蒸し暑くなってきました やすじ2004さん、いつもありがとうござい…
くまんパパ @ のんびり行きたいですね(^^) やすじ2004さん、いつもありがとうござい…

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