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やっと!来た!すっかりPatrick Duffの宣伝マンのようになっている自分が恥ずかしいくらいですが、昨年末にずっぽりはまった5thアルバム「Another Word For Rose」のレコードがはるばるイギリスのラフトレから届きました。ジャケットとぴったりなホワイト・ヴァイナルです。ところが、発送されたころになってPatrickのオフィシャルが「リミテッドのブラック・ヴァイナルもあるよ」だなんて言い出す(苦笑)。なんでリミテッドでブラックなの?それに、そんなにいっぱい買えません。CDなんてケースすらなく、ブックレットと盤とピックが袋に突っ込んであるだけというシンプルをきわめすぎた感じでしたが、レコードはやはり存在感が違うし、なんかこう、「大事にしなきゃ!」といっそう思わされる何かがありますね。たぶん彼もレコードの方が好きなんだろな。もちろん曲は同じなんですが(当然)、やはりこのアルバムはレコードで聴くとより雰囲気があるし、深みが出るような気がしています。ジャケットのように、幽玄の世界に連れていかれてしまう。まあ、本望ですよ。よくよく見てみたら、発送元はラフトレだけど、ロンドンではなくブリストルからなんです。PatrickともStrangeloveともゆかりの深い場所から届いたからこそ、この一枚が、いっそう特別なものに思えますね。
2025.05.29
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1ヶ月に1枚ずつDLしようと決めたPatrick Duffのアルバムも、これですべてDLし終えました。2018年にリリースされた4th「Leaving My Father’s House」。音を削ぎ落した、究極のシンプル+ナチュラルさが印象的だった前作から、少し洒脱な雰囲気を帯び、それでいて、やはり2nd以降の憑き物が落ちたかのような雰囲気はそのままに、やわらかさとあたたかさを孕んだ一枚です。そして何よりジャケが素敵。どこかの崖の上から海を見つめる彼の後ろ姿。本当はこのレコードが欲しかったのですが手に入らず。悔しい。とにかく何が良いって、彼の声ですよ。まだ言いますが、どうして彼がこんなにやわらかく優しい声で歌い上げるようなスタイルになったのかと。最初から最後までこの声に引き付けられっぱなしで、気づけばアルバムを聴き終えています。そしてリピート。エンドレスで。彼の曲には人名が多いのですが、「Brian Jones」はまさにストーンズのBrian Jonesのことが歌詞に登場します。「Little Rose」や「Maria」、「Katie’s Magic Spell」などなど…その人物のことを物語のようにして歌うのが、彼のスタイルであり、彼がすごく上手だなと私がいつも思うところです。どこからインスピレーションを得てそんな歌詞が書けるのかな?と。まあ、Strangeloveのときに思いっきり元カノの名前をタイトルにつけてるような人ですからね(でもその曲はバンド史上いちばん美しいバラード)。笑ぱっと聴いてフックがあるのは「Saint Marie」。イントロの美しいギターが一瞬で心を湧き立たせるのはもちろん、歌詞がわからないので切れ切れに聞き取るしかないのですが、フレーズがいちいち美しい。egde of galaxy crying for love(?)とか、月も星もきみの膝に落ちてくる?みたいなのとか。もっと聴いていたいくらいに大好きなナンバーです。それとやはりこのアルバムの核は「Maria」でしょう。Patrick自身もライヴでしょっちゅう歌っているみたいですし、やはりこの曲の存在感はずば抜けています。歌詞は実に意味深ですが…たぶん、ミドルエイジにさしかかったある男が、若く美しい愛人に夢中になって、妻子を捨てて出て行ってしまう話。だって冒頭あたりで「I left my children and wife」って言ってるし。けれど、結局うまくはいかなくて、彼は妻子の元に帰ります。膝ついて許しを請うたようですよ。字面にすると実に情けなく自分勝手な男で、その後は抜け殻のような、心を引き裂かれたような日々に戻っていく…という話が、彼の手にかかると実に悲痛な恋物語になるという。アルバム全体を通して何度聴いてもまったく飽きの来ない曲構成が素晴らしい。これこそPatrick Duffのマジックなのだなと改めて思いました。たぶん彼に自覚はないでしょうが、彼の持つ魔力のような魅力は、少なくともここにいるひとりをとらえて離しません。クレジット関係をいろいろ探ってみたら、やっぱりAlex Leeがいっぱい参加している(嬉)。この次の「Another Word For Rose」に彼がまったく参加していないのは、おそらくこの4thリリース後にMassive Attackの方に参加してるからなのかなと思ったりしています。でも、バンド解散してもそれだけ仲が良いのは、ファンとしては嬉しすぎることです。このセッションの「Maria」は本当に良い。バンドといるPatrickの表情がすごくリラックスしていて、やっぱりバンドにいる彼はさらに輝いてるなと思いました。最後の晴れやかな笑顔もなかなか見られないものなので貴重です。そしてやっぱりお帽子が素敵。
2025.05.25
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Suedeの新曲が!UPされました!タイトルは「Disintegrate」。PVはこちらです。久しぶりにバンドの演奏が見られるPV。やっぱりバンドはこうでないと。最初のあたりでニールが珍しくギターを振り上げて「ジャーン!(語彙薄い)」とやる仕草が超超超カッコイイです。あとマットがベース持ち上げて弾く格好はいつ見ても大好き。アルバムタイトルは「Antidepressant」になりました。9月5日発売です。すでに昨年には披露されていたAntidepressantという曲はやはりアルバムのコアなのかな。他の曲もすごく楽しみです。そして手ごわいのが、様々なバンドルが方々のショップでプレオーダーになっていること。取りあえず私はオフィシャルでTシャツ付のブラックヴァイナルにしましたが、HMVにホワイトヴァイナル+バッグ?があるのでそちらも気になる。CDは国内盤が出ないかと待っているところです。さて、そんなSuedeですが、アルバムリリース直後の9月13日、14日、17日、19日とロンドンでライヴをやります。そして。私、チケットが取れてしまいました。行くのか?いつぞやのロイヤル・アルバート・ホールを彷彿とさせる行き当たりばったり感に、どうしようと狼狽えつつもずっとにやけています。さて、いろいろ考えないと。
2025.05.23
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最近すっかりはまっているNTLiveですが、なんとほぼ地元の映画館で突然上映が開始されました。どゆこと。嬉しい。すごいぞがんばれシネマロブレ。ワーニャは無理だったけど、プレゼント・ラフターに真面目が肝心、博士の異常な愛情と強力なのばっかり繰り出してきます。破産しろと?そして今回は「ハムレット」です。主演はベネディクト・カンバーバッチ。10年くらい前のものをもう一度放映してくれるらしく、今度は見逃せないと喜び勇んで行ってみたらお客さん6人(苦笑)。いや、いいんですよ、快適に見られるから。ハムレットとはいえ、衣装とかは現代風。ハムレットがデヴィッド・ボウイのTシャツ着てたり、ホレイショーにタトゥー入りまくってたりしてて面白い。小道具にもレコードプレーヤーとか電話とか出てくるし、前に観た「マクベス」もそうなんだけれど、独自解釈のもとにつくりあげる古典劇って興味深いですね。父王が不慮の死を遂げ、跡を継いだ叔父に母を奪われた王子ハムレットは、ある夜、亡霊となった父王に出会い、その死の真相を知ります。なんと父は叔父に殺されていたと…!仕方ないとはいえ、母が父の死後すぐに叔父に嫁いだことに悶々としていたハムレットは、父までもが叔父の手にかかっていたことを知ると、胸の内に復讐の炎を一気に燃え盛らせるのでした。とはいえ、ハムレットはずっと悩みまくる。本当に、さっさと行動しろよ!とおしりを叩きたくなるほど懊悩してるだけ。その悩んでいる描写が実に細かくリアルなわけですが、さっさとやれ(苦笑)。オフィーリアが私のイメージとはだいぶ違う感じで可愛く仕上がっていましたが…もともと私はオフィーリアの必要性が「?」な人なので(すみません)、うん。まあ。いいや。ポローニアスはちょっと面白い感じになってて笑わせてもらいました。可愛いおじいちゃんでした。長尺で208分という長さなのですが、休憩を挟んでからの展開が怒涛で、息つく暇もありませんでした。追放されたハムレットが国に舞い戻り、父を殺された復讐に燃えるレイアーティーズとの決闘に及ぶのだけれど、その裏で王がうまいことハムレットを片付けてしまおうと策を弄するのです。お前がすべて悪いんじゃないか、っていうかレイアーティーズは王になんでハムレットがそこまでおかしくなったのか先に問いただすべきだったんじゃないですか?苦笑まあそれはいいとして、ハムレットとレイアーティーズの決闘シーンは迫力もスピード感もあって見ごたえがあります。カッコいいです。その後あっという間に「そして誰もいなくなった」状態になるわけですが、最後に出てくるフォーティンブラスが異様にカッコ良くて視線奪われました。笑 懊悩し、懊悩し、ひたすら懊悩と葛藤に悶えるカンバーバッチ・ハムレット。泣きわめき、怒り狂い、転げまわって苦しむ姿に、ヒーロー感はありませんし、民衆に人気があるという王子の面影はありません。でも、懊悩の果てについに立ち上がる目の輝きは、本当に素敵でした。あの目、いいですよね。"To be, or not to be, that is the question."は意外にさらっと通り過ぎましたが、悩み苦しんだ果てに清々しいまでの散り際、お美しかったですよ。
2025.05.20
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すぐにでも観に行きたかったのに、体調を崩したりしてなかなか観に行けていなかった「クィア」をついに観てきました。ダニエル・クレイグ(役柄ではウィリアム・リー)が、期待にたがわぬキモ可愛い中年のジャンキーでした。バーでジーンに挨拶する、妙によたったステップを踏んでおどけるシーンは、見てるこっちが赤面もの。荒れて脂ぎった肌や髪の質感、服を脱いだときのたるんだ皮膚、だんだんとよれよれになっていくリネンのスーツ。ジェームス・ボンドとはまるで無縁の、ウィリアム・リーがそこにいました。ユージーンに出会った瞬間に流れ出すNirvanaが最高です。孤独な夜を持て余してクスリを打つ、そこにすっと入ってくるNew Orderもたまりません。なんだこの映画。しかもだんだんよれっていくリネンのスーツがカッコいいんですよ。時々、黒いシャツに変わると途端にボンド風味が顔を出す(笑)。でも、あの妙ちきりんな眼鏡とか、本当にいい感じに気持ち悪い。ドリュー・スターキー演じるジーン(ユージーン・アラートン)の異様につるっとした非の打ちどころのない若さと美貌。ツンとしているようで不意に見せるふわっとした笑顔。クィアじゃないとは言うけれど、リーを拒みはしない。むしろ最初の夜は彼の方が誘ったんじゃないかと思うほどに熱っぽい。でもやっぱり素っ気ないし、決して心の中には入れてくれない、そんな冷たさに対し、リーは「きみと話がしたい、言葉なしで」と泥酔して醜態をさらしながら言うわけです。もはやプロポーズです。そんなジーンと心で通じ合いたくて、2人で向かった南米旅行。この辺からずいぶん原作とは離れていきます。原作は「ヤヘ」なんてなかった、手に入れられなかったみたいなふうに終わるんですが、映画はヤヘを体験してしまうところまで描かれています。この時の二人がそれぞれに見ていた幻覚が、見ているこっちもなんだかトリップしそうなほどウネウネグネグネしていて、ちょっとよその世界に連れていかれます。その中でダンスなのかセックスなのかわからない二人の絡み合いが続く。めちゃくちゃセクシーです。でも、互いの皮膚の下に入り込んでいる互いの手、時には一体化してしまっているような描き方は、非常に幻想的でした。もしかすると、このときに彼らはそれこそ「言葉なし」で「話ができた」んじゃないかなあ。けれど、幻覚から醒めた2人は、それまでの関係ではいられなくなっていました。これまでのクールさを見失ったジーンは、リーを畏れるような、突き放すような眼差しで見つめます。そして、ジャングルの中で忽然とリーを置いて消えてしまうのでした。2年後、メキシコに戻ってきたリーは、ジーンがその後どうしているのかを聞き及びますが。もう会うことはないだろうと思いつつ、ずっとジーンの面影を心の片隅に置いたまま。ラストシーンは原作にはなかった場面が。老いさらばえたリーがそっとベッドに身を横たえると、背後から寄り添う誰かの姿。見えない誰かに背中を抱かれ、老いたリーは静かに息絶えます。二人の脚が寄り添うシーンが、フライヤーやパンフのあれなんですね。なんでひとりがやたら高そうなスーツなんだろ?と思っていたんですが、そういう時間の流れがあったのか。しかしセックスシーンのリアルさがちょっと息を呑むくらいには驚きました。本当に生々しい。そういうとこまで描写するんだというところもありましたが、基本的にリーの一方通行ぎみでありながら、要所要所でジーンがちゃんと彼に応じていて、原作よりは彼らははるかに「ふつう」の「カップル」です。とはいえ、二人の肉体的な距離はこんなにも近くなったというのに、心がまだ満たされないという実にピュアな恋心をどうすることもできずに悶々とするリーの葛藤が、最初はちょっと引き気味だった自分をどんどん作品に引き込んでいきました。自分をセックス・マシーンとかいろいろ卑下しまくるリーのやるせなさを感じ取るにつれ、なんで彼があんなにもヤヘに執着したのか、少しはわかったような気もしました。これはね、もう一度観たいです。一度じゃ感じ取れないものが多すぎた。けどこのあたりだと上映回数が激減しているので…もう一度観られたら最高だな。
2025.05.19
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クィア (河出文庫) [ ウィリアム・S・バロウズ ]もうすぐ公開となる、ルカ・グァダニーノ監督、ダニエル・クレイグ主演の「クィア」ですが、一足先に原作を買って読みました。この制作が進行中のときから原作を読みたかったのですが、そのときは絶版で手に入れられず。しかも邦題がクィアじゃなくてもっとストレートにすごいやつだったので、買うのも少々ためらわれる感じでした。トレーラーとか見てると、ダニエル・クレイグが本当にカッコ悪いオヤジみたいな感じで。苦笑一方、ダニエル演じるリーを翻弄する美青年・アラートンを演じるドリュー・スターキーがまとうアンニュイさが、トレーラーの時点で匂い立つようなのが恐ろしいほど。これは映画への期待値が高まります。さて、原作ですが。ヤク中のリーはメキシコで頽廃的な生活を送っています。適当に好みの男をナンパしてはベッドを共にするけれど、なんだか毎日が満たされない。そんな中で出会ってしまったのがアラートン。求めれば応じてくる彼だけれど、基本的に素っ気ない。隣に居てもどこか遠くにいるような、そんな彼にリーは夢中になり、本当にみっともないくらい彼ばかりを追い続けます。どんなにつれなくされても、彼が必死でアラートンの歓心を買おうとする様子が、読んでいるこっちまで切なくなるほど。彼らはドラッグの中のドラッグを求めて南米へと旅に出るのですが、それはリーの苦しみをさらに深めるものでしかなかった…というところでしょうか。この辺を映画がどんな風に描くのか、すごく楽しみです。映画を観てから、感想をしっかりアップしたいなと思っています。
2025.05.03
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