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シュワッガーのマーケット教室 (ジャック・D・シュワッガー著、パンローリング、2013年)
の第4弾です。
今日は、第2章 非効率的市場仮説 から。
値動きに市場のニュースは追随する
予想外の重大な新事実が明らかになれば、当然ながら市場は即座に影響を受ける。しかし、ほとんどの場合、ファンダメンタルズの変化を報じるニュースが出ると価格はそれに合わせて即座に動く、という効率的市場仮説の説明は現実とは正反対だ。
実際には、金融関連のニュースのほうが値動きに即座に合わせる、と言ったほうがはるかに正確である。特定の日に相場がどういう動きをしようと、金融リポーターはその値動きの理由を見つけなければならない。そのため、適切かどうかに関係なく、その日にたまたま同時に起きたニュースで理由付けがなされる。このお決まりの手順のために、相場が上昇と下落の両方にまたがって大きく動く日には、強気の理由にも弱気の理由にも同じ事実が使われるという滑稽な状況に陥ることすらある。
2011年8月26日は、その完璧な例だった。その日の相場は、午前に急落して、午後に急上昇した。市場が最も注目していたのは、FRBのベン・バーナンキ議長による講演だった。次の2つの大見出しは、同じ通信社が同じ日に配信した株式ニュースだ。
バーナンキの発言後、株式市場は下落
バーナンキの発言で望みをつなぎ、株式市場は反騰
これを読むと、同じイベントが当初は弱気と受け止められたが、後に強気に取られたと考えることもできる。だが、それよりも、市場の値動きに合わせてイベントの解釈が変えられた、と考えるほうがはるかに自然だ。
値動きこそがニュースを生み出すのだ、ということですね。私たち人間の脳は「強力な物語生成機」です。次から次に「自らが混乱しないような、矛盾の無い後付けのストーリー」をシームレスに作り出すことが出来ます。
「市場のニュース」は、そういう風に出来ているということを理解することが大切ですね。(続く)
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