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榛名神社から榛名湖へ戻る。湖の向こうは、右が榛名富士、左が(たしか)烏帽子ヶ岳。つまりはカルデラ湖、中央火口丘、溶岩円頂丘を見ていることになる。これぞ榛名カルデラを代表する眺め。遠くにボコボコした峰がたくさん見える。実に特異な景観だ。が、感動するってほどでもないんだな、これが。榛名富士の山頂にはロープウェイの支柱が見える。今日はこんな快晴。やっぱりこれは登っておかないと。ということで行くことにした。ところが、榛名富士に近づいてもロープウェイが動いてるのは見えない。道も閑散としている。榛名神社のほうがよっぽど人がいた。「もしかしてもう廃止になったのか?」と不安になる。乗り場に着いたら、観光客が少しいた。時刻表を見ると、あまり頻繁に出ていないのだが、それでも10分後には出るというので待つことにした。しかし、このお客の数は…天候に恵まれたGWの週末にしては、寂しい。白樺湖もこんな感じだったなあ… 榛名湖もやや時代遅れの観光地という印象が否めない。伊香保に来たら、一度ぐらいは来るかもしれないが、それ以上の魅力がないのだろう。それでも、ロープウェイに乗れば、山頂からの眺望に期待は高まる。 午後の日差しを受けてキラキラ輝く榛名湖。これぞまさしく、カルデラ湖と外輪山。ボコボコした峰の間を縫うように敷かれた道。なにかと批判の槍玉にあがる道路行政だが、休日のドライブではこんな複雑な形状の山岳地帯を、こんなに快適に走行させてもらっているのだから、実は感謝しなければいけないのかもしれない。いよいよ山頂に着いた。ところがところが期待に反して、榛名湖があまり見えない。木が邪魔している。これには少しがっかり。そういえばロープウェイのチケットには、「関東平野と上州の山々を一望」とあった。確かに、ソレは見えた。左が相馬山。眼下に広がるのが前橋市街…と、看板に書いてありました。これだけの快晴でも、やはり遠くは霞んでいて、「関東平野が一望できる」というほどでもない。ロープウェイで登る山頂からの眺めというのは、だいたいがこういうものだ。「快晴なら(遠くの)○○が見える」とあっても、見えたためしはない。この手のロープウェイが競うように作られた時期があったのだろう。関東甲信越の山のリゾート地なら、たいてい、どこに行ってもあり、どこに行っても同じような眺望が待っている。山や平野についた固有名詞は違えども。さすがに、飽きてしまった(苦笑)。曇っていたら乗らなかっただろうけど、山頂に来なかったら来なかったで心残りになっただろうから、まあ、行ってよかった…ことにしておこう。
2014.05.31
露天風呂のあとは、温泉街へ…は、行かず、榛名湖方面へドライブすることにした。なにしろ日帰り、温泉街は夕方でも賑やかだが、山に行くなら早い時間のほうがいい。東京で散ってしまった桜が、このあたりでは見ごろだった。ぐいぐい高度をあげて山道をのぼる。あっという間に伊香保の街が眼下に小さく固まった。のぼったあとは、なだらかな高原になる。榛名湖はカルデラ湖。なるほど地形はプチ阿蘇といった感じがしないでもない。気持ちのいい直線道路を快走。思ったより早く榛名湖に着いたので、足を伸ばして榛名神社に行ってみることにした。榛名神社は、榛名湖からは少し下るのだが、それでも相当な山の中にある。きっとこじんまりした神社なんだろうと思いきや…山の中のハズなのに、急に茶屋やら土産物屋やらが並んでいるりっぱな参道が開けた。満開の桜が迎えてくれる。「人々が集う」場所が急に現れた感じだ。摩訶不思議な気分。もしかして、榛名神社って、由緒あるデカい神社なのか? こんな場所に??予備知識ゼロで来たMizumizu+Mizumizu連れ合い。とりあえず土産物屋の駐車場に車をおき、神社の説明を書いた看板を読むと、榛名神社は700メートル歩いた先にあるという。700メートル先!? 何度も言うが、ここは相当の山の中だ。ここから700メートル先って、一体全体どうなってるの?百聞は一見に如かず。行ってみりゃわかるでしょ、ということで歩き出す。りっぱな杉並木の道が続く。よくこんな山の中にこんな道を作ったものだなあ…などと感心しているうちに、道は険しさを増し、視界に岩がちの山肌が見えてくる。途中はこんなトンネルになっている。これが神社へ続く参道? これだけ安全な歩道を作る前は、ここはどんな道だったのだろう? 武田信玄が戦勝祈願したという「矢立杉」(国指定天然記念物)までは約10分ほど。たしかにデカい(苦笑)。この画面の右に写っているのが矢立杉。だが、天然記念物の巨木よりも、周囲の巨岩・奇岩のほうに驚いてしまった。岩がちの山肌を削って流れる一筋の滝。なるほど森厳とは、ここのような場所を言うのか。巨岩の隙間をすり抜けるように階段が作られ、本社へ向かう。奇岩と重要文化財に指定された建造物の織りなす不思議な景観に、すっかり度胆を抜かれるMizumizu。建物には、明らかに日光東照宮につらなる江戸趣味の木彫りの彫刻が施されている。このような山奥のそのまた奥の神社に、運ぶのだって大変だろう。宗教心の篤さというより、財力のある後ろ盾の存在を強く感じた。だが、しかし… 凄いとは思うが、この趣味は、やはり美意識に合わないのだ。ショーグン趣味と言われる日光東照宮が、そもそもそうだから、ここも当然そういう感想になる。「榛名神社」の起源自体は10世紀にさかのぼるというが、今見る形に整えられたのは江戸に入ってから。だが、神社境内で9世紀のものと考えられる遺物が見つかったというから、どういった規模であれ、はるか昔にここに神社が築かれたのは事実らしい。誰がどんな情熱をもって、この地に最初に神社を建立したのか。どうやってこの場所を見つけ、何を感じてそうしたのか。奇岩と巨木と清流が、その答えを知ってる。10世紀まで時間を遡って早回しで見ることができたら、ここほど興味深い変遷を見せる神社も日本にそうないかもしれない。
2014.05.30
夢二記念館で思いのほか時間を使ったあと、いよいよ本来の目的である温泉へ向かうMizumizu+Mizumizu連れ合い。だが、有名な石段のある温泉街はあとに取っておくことにして、まずはちょっとはずれたところにある「伊香保露天風呂」へ向かった。ここは源泉かけ流し。林の中にある、野趣あふれる露天風呂だとか。「かけ流し」を高く評価するMizumizu。いくら施設がきれいでも「循環式」だと、あまり有難さを感じないタイプだ。伊香保の温泉は効能高いとも聞くし、かなり期待して行った。駐車場から露天風呂に行く途中には、飲用の温泉が流れ出ている。一口飲んで…Mizumizu「うっ、まずっ」Mizumizu連れ合い「お、うまい」えっ、美味しいか? こんな温泉そのものの水。とても二口飲む気にはなれませんが…しかし、確かに「効きそう」な味だった。何に効くのかは…調べてないので、わかりません(苦笑)。露天風呂施設は、ひなびた風情。入り口で料金を払い、ちょっとした渡り廊下を歩いて脱衣場に。木造りで、質素な佇まいだが、掃除はきちんとされている印象で、「この値段なら、きれいなほうかな?」と思ったとたん、「わっ、ここ? 汚い!」と、横から驚いた声を出したのは、入り口で一緒になった、華美過ぎない今風のファッションでキメた60歳ぐらいの女性。えっ、汚いですか? 500円以下で入れる公共の露天風呂ですよ? 埃がたまってるわけでも、ごみがあるわけでもない、床がびしょびしょといこともない。この手の露天風呂にしては、悪くはないと思いますが?明らかに、テンションがた落ちのその女性、服を脱いで入ったとたん、今度は、「シャワーもないの?」と、さらにショックを受けた様子。こういう温泉にはまったく慣れていないようで、イヤイヤといった様子で湯舟に浸るものの、「虫がいる」と、もはや辟易と言った顔でそそくさと出て行った。そこまで気に入りませんか? かけ流しのカルシウム・ナトリウム硫酸塩炭酸水素塩塩化物泉。そう聞いただけで十分に価値ある温泉だと思うのだが。浴槽は熱めの湯とぬるめの湯に分かれていて、色は緑がかった褐色。入った感じは、硫黄泉のようにきつい感じはなく、肌当たりはまろやか。林の中の温泉なので、虫が来るのは避けられないが、まだGWなのでMizumizuには気になるほどではなかった。むしろ困ったのは屋根がないこと。日差しが強かったので、岩陰になって直射日光が来ない場所でじっと体を浸すMizumizuだった。解放感、ゼロ(苦笑)。たとえば、草津の「西の河原露天風呂」などと比べると、ずいぶんひなびた、小さな露天風呂で、お湯も見た目ほどには「浸かって感じる」インパクトのようなものはないし、そもそもいくら効能のある温泉でも、一度、数十分入っただけで目に見える効果があるわけもない。いや、一度入っただけで、効果が感じられるお湯も、ある。アトピー体質のMizumizuにとって、一番、即効性があると思えた温泉は九州の「赤川温泉」。別府の明礬温泉にも、立ち寄り湯をしただけ、相当「いい感じ」がした温泉もあった。伊香保露天風呂には、そういった即効性は感じられなかったし、あくまでこじんまりとした質素な野外共同浴場だが、泉質をあらかじめ調べていったせいもあるにせよ、緑がかった茶褐色の濁り湯には、「いいお温泉なんだろうな」という印象が確かにもてた。温度も熱すぎず、ちょうどよかった。湯あたりのようなものもない。わりあいに満足して、露天風呂を後にするMizumizu。とはいえ、もう一度来たいかというと微妙ではある。関東の人間が、北海道にも九州にも行きにくい時代なら、この源泉かけ流しの露天風呂はかなりいい選択肢になるかもしれないが、今は飛行機で気軽に北でも西でも行ける。効能豊かといっても、湯治に滞在できるほど時間に余裕はない。やはり、次は別の選択肢を選ぶだろう。
2014.05.29
竹久夢二伊香保記念館のショップで目に留まった、白地の革の財布。柄のデザインは夢二の作品から取ったものだという。パッと見ただけで作りの良さがわかる。ちょうど明るい色の二つ折りタイプの財布が欲しいと思ってなかなか気に入るものがなかったところだったから、渡りに船とショップの店員さんに頼み、在庫を含めて、いろいろと見せてもらう。1つ1つ微妙に違うのは、浅草の職人さんに依頼して作った文庫革だからだと店員さん。群馬の美術館で売る財布を、さほど数もいない浅草の文庫革の職人に依頼するとは… いいものだとは思ったが、さすがにここはやることに妥協がない。一番インパクトがあったのは傘のデザインで、傘の形と配置がリズミカルで斬新、かつ個性的だったのだが、これを自分が財布として持つと、いつも「雨の日」をイメージしそうなので、最初に候補から外した。最後まで迷ったのは、渦巻きになった蔓(つる)のラインと赤/ピンクの小さな花が印象的なパターン模様、それに苺をあしらった可愛らしいものの2つ。長々と考えたが、結局より大胆な「苺」を選んだ。財布をひらくと、「竹久夢二」のタグが…(笑) もはや立派なブランド。夢二本人が見たら、何と言うだろう。文庫革というのは、姫路で生産される真っ白な革に独特な加工を施した工芸品。白革に型を押し、手作業で彩色を施し、さらに漆で古びをつけるという工程を経て完成する。なぜ「文庫」なのかといえば、江戸時代に文庫と呼ばれた書類箱にこの革を貼り付けて装飾したから。どちらかというと和服の女性が持つものというイメージがあり、色柄が派手なわりには、現代的な感覚に乏しい気がして、これまで興味をもったこともなかったのだが、夢二のあどけないデザインが、「伝統工芸」的な古臭さをうまく消してくれている。それに、使ってみたら、使い勝手がとてもいい。革はしっくりと手になじむし、縫製もしっかりしているので、カードを入れても、硬貨を出し入れしても安心感がある。それでいて、コイン入れの開閉はとてもスムーズ。考えてみると、メイドインジャパンの財布って、Mizumizuはほとんど使ったことがない。革製のフォーマルな長財布はイタリア製を使うが、それでなければ、アジアのどこかで作られた適当なブランド物だ。今回、「夢二絵の文庫革」という思いがけない出会いによって、図らずもメイドインジャパンの財布の良さに気付くことになった。群馬より浅草に近い場所に住んでいながら、知らなかった。持ってみたら案外使い勝手が悪く、ガッカリする財布も多いが、今回は逆の印象だった。明るい色とデザインなので、使って楽しいのもいい。傷んできたら修理もできるという。直しながら長く使おうか。文庫革 箱まち財布(二つ折り財布) 小銭入れやカード入れもついた文庫屋 大関のレディース向け花...価格:16,200円(税込、送料込)手元を美しく演出する、職人こだわりの名刺入れ☆【送料無料】【母の日】【日本製】【本革】手...価格:7,560円(税込、送料込)
2014.05.28
竹久夢二は、特に好きな芸術家ではない。いや、夢二の代表作『黒船屋』の記念切手はかなり好きで、今でも大事に取ってあるから、嫌いなわけではないが、といって、「ゆめじ、ゆめじ」と追っかけさながらのファンというわけでもない。伊香保で夢二記念館に行こうと思ったのも、ほかにあまり行きたい場所もなかったから。旅に出ると、ついでに1つか2つ、観光地にある美術館を訪ねてみたくなるのは、業界の「仕掛け」にうまくのせられているのかもしれない。入場料が高いわりには、たいしたことない美術館も多い。管理が行き届かず、先行きの暗さがアリアリとわかる美術館もあるし、実際、行こうと思ったらもうつぶれてた…なんてこともある。というわけで、たいして乗り気ではなかったものの、「それでも夢二だし、どうせ一生に一回しか来ないし」というつもりで、竹久夢二伊香保記念館へ行ってみた。ヨーロッパの猿真似をした、安づくりの建物かと思っていたら、案外、ハリボテ感はない。新緑と桜越しに見る白亜の洋館は、どうしてなかなか風情があるではないか。ここは本館のほかに、新館もあるとかで、全部見るとかなり大変なうえ、料金も高い。そこまで夢二マニアでもないので、本館だけにするとチケット売り場の女性に告げた。入ってみて、驚く。ただし、今回は水沢うどんの店で感じた、「呆れ」の入った驚きではない。建物といい、夢二時代の照明器具を集めたという調度品(別に夢二がデザインしたとかということではない。ただ同時代というだけだが)といい、相当に上質のものが揃っている。教会の礼拝堂を思わせる椅子の並んだ、広めの部屋で聞かせてもらえるアンティークオルゴールも、魅惑的な音を響かせているではないか。床材はヘリンボーンだし、天井は下にステンドグラスをはめ込んだ二重構造。壁を飾るいくつかのキュリオケースはデザイン様式はバラバラだが、ダークブラウンの木製で統一している。夢二作品も、美人画あり、イラスト風の小品ありで、夢二ファンでなくとも、十分に楽しめた。夢二の作品を引き立てる調度品にも妥協がない。一体、だれがこれだけのものを集めてきたのだろう?? 審美眼の高さと「夢二とその時代」に対する並々ならぬ、真摯な情熱が隅々に漂う記念館だ。大学は上野で、美術を学んだMizumizu。急にアカデミックな血が騒ぎ、「このデッサンはないよなー。着物の中に(立体的な)体がおさまらないじゃない」と、基本的な突っ込みを入れたくなるような作品もあるのだが、色彩の配置やデフォルメされたフォルムの面白さという視点から見ると、実にユニークで魅力的。時代を超えて、夢二ファンが多いのも頷ける気がした。アカデミックな画壇が夢二を認めたがらなかったのも、このデッサン力では無理からぬ面もある。だが、イラストレーターとしての個性は比類がない。上階にあるカフェで、「夢二サブレ」をコーヒーと一緒にいただいて、また驚く。ココナッツの風味が個性的な、ちょっと珍しい、そしてさっくりと美味しいサブレではないか。これ、かなり本気で作ってる。ココナッツの大好きなMizumizu。これは買うしかないでしょう。買ってみてわかったのだが、このサブレ、味もいいが、包装紙から箱に至るまで、夢二作品で埋め尽くされた、実に洒脱な品。包装紙に印刷された、少女の儚げなまなざし。小動物を抱いているところなど、まさに夢二。赤い箱のデザインも夢二作品から。夢二はやはり、優れたイラストレーターだったと思う。原物よりも、何かの装飾やイラストとして印刷されたほうが魅力的に見えるモノもかなりある。サブレはなんとハート形(笑)。サブレを包む夢二イラストも3種類刷ってあるという凝りよう。舌だけではなく、目でも楽しめる贅沢。いや~、参りました夢二記念館。観光地の、観光客を当て込んだ、テキトーな商売だと思ったら、とんでもない。美術館ショップに溢れる、粗悪品にかなりヘキエキしているMizumizuだったが、夢二記念館のグッズは、総じて質がよく、種類も豊富。思わず絵葉書も買ってしまった。有名な「黒船屋」は見られなかったが、赤い頭の鳥の絵がとても気に入った。小動物への繊細なまなざしも、夢二の世界の重要な構成要素。さすがに鳥の絵は、原物のほうがずっとよかった。しかし、この絵葉書、いまどき郵便番号が5桁って…印刷自体は悪くはないが、いいのか、それで?カフェで出された夢二羊羹。抹茶だったのが、まずかった。Mizumizuは抹茶の羊羹が好きでないのだ。夢二のデザインしたキャラメルパッケージ。10年以上前になるが、復刻限定版としてここで発売した当初は、たいへんな人気を集めたよう。実は夢二の時代には、このパッケージデザインはボツになったとか。キャラメルの味は普通でした(←キャラメルも特に好物ではないMizumizuの感想ですので)。黒船屋をあしらったクリーナー。眼鏡を拭いてもよし、グラスを拭いてもよし。案外重宝している。というワケで、夢二記念館で夢二にハマったというよりは、夢二作品を商品化したグッズのアイディアに魅了されたといったほうが正確かもしれない。それは当然、夢二作品に魅力があるからに他ならないが、いかに魅力のあるものでも、それを見出し、付加価値をつけ、世に出す人が必要だ。それはたいていは、本人以外の人間のほうが、うまくいく。夢二は自分の作品を海外に売り込もうとして成功しなかった。だが、この記念館は、夢二作品に魅せられた人が、さまざまなアプローチで夢二の素晴らしさを再構成し、訪れる人に訴えかけている。夢二を芸術家と呼ぶのか、あるいは今風にアーティストと呼ぶのか、イラストレーターと限定するのか、それはこの際たいしたことではない。「夢二っていいでしょう。大正ロマンって素敵でしょう」と語りかける誰ががいる。誰かの熱意が確かにある。ここで夢二以上にMizumizuが感動したのは、その事実だ。
2014.05.27
2014年4月26日、土曜日。世に言うGW初日の土曜日だった。前半は連休が取りにくいカレンダーの並びになった今年のGW。急に思いついて、杉並区の自宅から自家用車で伊香保日帰りをしてみることに。伊香保は実は行ったことがない。草津その他の群馬の温泉に行き、その客商売の、特に女性の態度にヘキエキさせられて避けている。一言で言えば、木で鼻をくくったような物言いの女性に、偶然にしてはあまりに高確率で遭遇してしまう県、それが群馬だ。それが縁もゆかりもない一般人ならともかく、観光業に携わる女たちだから、こちらとしては気分が悪い。それでも古くからの温泉地として有名な伊香保。よく写真で見る石段も風情がある。交通の便はよく、杉並からなら練馬インターで関越にのれば、2時間もかからずに行けるハズ。日帰りにはちょうどいい目的地ではないか? それだけの単純な理由で早起きして出かけた。渋滞は? というのが最大の懸念だったが、結論から言うと、行きも帰りもたいして混まなかった。特に帰りは拍子抜けするくらいスイスイ。むしろ、行きのほうが混んでいた。朝飯抜きで出発し、渋川に着いたのがだいたい朝の8時過ぎ。伊香保温泉にのぼる道を途中で左折して、まずは「水沢うどん」を食べに行った。朝9時からやっている田丸屋へ。時計を見ると、まだ開店まで20分もあった。…早く着きすぎた。一番に店に入る。入って、驚く。「天井、高っ!」うどん屋というより、温泉旅館にでも来た気分だ。靴を脱いで上がる。「すげ~~」とは思いました。思いましたけどね、しかし、うどん屋でここまで見せつけるような造りにされると、どうも…。「どんだけ、(利益)のせてるの?」と思ってしまうのだ、むしろ。トイレに行くのに、庭を眺める渡り廊下を通り、なぜかトイレの入り口が自動ドアで、気恥ずかしくなるような音を立てて開き、そのわりには、そのあと古臭いスリッパに履き替えていかないといけないというのも、どことなくチグハグ。やれやれ、これが北関東の趣味ですか?どうにも美意識が相容れないものを感じつつ、うどん…の前に食したのは、これ。「おしんこ餅」という郷土料理らしい。硬めでやや辛めのみたらし団子…というのが一番イメージが近いかもしれない。本当に手作りらしく、しばらくテーブルの上に置いておいたら、その間にさらに硬くなった。お団子のような粘着性はない。そこが逆にとても気に入った。ひねってあるので、硬いなかにも歯ごたえに変化ができる。それも、ショートパスタの食感を思い出して、おもしろい。だが、見た目以上に重いし、味も辛めに寄った甘辛というだけなので、途中で飽きてしまう。そして、お待ちかねの水沢うどん。実は、水沢うどんも食べたことが、ほとんどない。東京で食べるのは、讃岐うどんが多いMizumizu。天ぷらは美味しくいただきました。野菜と舞茸はよかった。えびは普通。まあ、ここは山だし… しかし、肝心のうどんに…。特段、感動できない自分がいた。いや、もちろんまずいわけではない。しかし、ホームページやパンフレットの宣伝文句が「とても大仰」に思えてしまったのも事実。これなら、近所の讃岐うどんのランチのほうが、かやくご飯もついてくるし、おトクで美味しいのでは?それにタレがやたら辛い。う~ん、胡麻ダレのほうを選ばなかったのが失敗だったのか?こちらは、関西風だというのだが、この出汁の味では、関西人が怒るのではないか? そのくらい、「出汁が弱い」。立派なスペースも、もちろんお代のうちだし、雰囲気が気に入れば、納得できるタイプだと思うが、この変に高い天井とか、渡り廊下とか、庭園とか、お金をかけるにしても、もっと違う方向にかけて欲しいと思うのは…まあ、単に趣味の違いかもしれない。うどん屋の店員さんは、特に感じは悪くないが、といって特別丁寧に扱われたという感じもしない。会計のときなど、さっさとお帰りください、とでもいうような、事務的な態度と口調に、「やっぱりね…」と思う。お土産用に売られていたうどんにも、手が伸びずに去ったMizumizuだった。どうも北関東とはいろんな意味でソリが合わないのかも…そんな予感がした「水沢うどん」だった。次は「清水屋」にしてみようかな。一回だけで水沢うどんenoughと決めるのも、少しもったいない気がする。
2014.05.26
ソチ五輪フィギュアスケート競技に向けてのロシアの戦略について書こうと思っていたところ、韓国が女子シングル競技の審判団に疑惑があるとしてISUに正式に提訴した。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140415-00000056-rcdc-cn韓国メディアによると、韓国スケート連盟関係者は10日「われわれと大韓体育会は誤審にかかわった責任者の懲戒処分に向けて提訴した」と語った。提訴文書は電子メール、ファクス、国際宅配便の3通りで行ったという。提訴はソチ五輪終了後60日以内に行うよう求められており、4月22日が期限だった。韓国メディアは「提訴の最終目標はロシアのソトニコワと並んで金メダルを受け取ること」などと伝えている。この問題がどう処理されるか、そろそろ3週間たったので動きがあると思うので、そのニュースを見てから、ロシアの戦略について書こうと決めた。誤審はいつの時代にも、どんなスポーツにもあるし、その意味ではフィギュアスケートも例外ではない。それどころか、採点競技の名のもとに恣意的な採点が横行しているというのがMizumizuの意見だが、今回のソチ五輪の女子シングルの金メダリストに関して、結果を覆すほどの誤審はなかったと思っている。キム・ヨナ選手もよい演技をしたが、金メダルに届かなかったのには、ちゃんと理由がある。それもすでに書いたとおり。ロシアは自国開催のオリンピックに向けて、自国の選手強化と同時に、どういう演技を評価するかという採点傾向の国際的な流れも作ってきたと思う。だが、それはあくまでルールにのっとったうえでの「戦略」であって、「不正」とは違う。ネット時代の今、Mizumizuのような個人ブログさえ、韓国語に勝手に訳されて、あたかも日本のスポーツジャーナリストの見解であるかのように紹介されてしまうという事態が起こっている。正確に翻訳されているかどうかも不明だし、一部だけを切り取って、「ロシアの陰謀を日本人が指摘」などと、まったく逆の話にデッチ上げられないとも限らない。というわけで、しばらくはGWに楽しんだ国内旅行について書くつもり。毎日数千件のアクセスがあり、そのうちの多くの読者はフィギュアスケート記事を待っていらっしゃると思うので、お待たせしている方へのご連絡まで。
2014.05.08
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