森友学園:保育園で虐待の疑い 補助金不正受給も
大阪市の学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長が関係する「高等森友学園保育園」
(大阪市淀川区)で、園児に不適切な対応をしていた疑いがあるとして、
大阪市は近く、児童福祉法などに基づき保育園に立ち入り調査する方針を固めた。
一方、この保育園が勤務実態を偽り、運営補助金計約1000万円を不正に受給した
疑いもあり、市は調査を始めた。
保育園は、籠池氏が代表を務める社会福祉法人「肇國舎(ちょうこくしゃ)」が運営。
市の関係者などによると、決められた時間内に給食を食べられない園児に対し、
椅子の上に給食を置き、正座して食べさせるなど、虐待を疑わせる行為があった
可能性があるという。
こうした点を確認するため立ち入り調査の実施を決めた。
一方、高等森友学園保育園は、常勤で園の運営管理に専従する園長を置いた場合、
国と大阪府、大阪市が支給する補助金「所長設置加算」を2015年度に約563万円、
16年度が約510万円の計1073万円を受給した。
保育園の園長を務めているのは籠池氏の夫人だが、夫人は森友学園が運営している
塚本幼稚園(淀川区)でも副園長として勤務している。
国の通知によると、園長が勤務時間中は園の業務に専従することにより
補助金を受給できる。
市は今後、保育園の出勤簿などを確認し、補助金の受給要件があるかどうか調査。
職員配置を含む全体の運営に問題がないかも調べる。【念佛明奈、岡崎大輔】
田原総一朗「森友学園問題で逃げ回る自民党議員たちの『おびえ』」
ジャーナリストの田原総一朗氏は森友学園の問題について、「謎が多い」という。
* * *
幼稚園の園児たちに、毎朝「教育勅語」を唱えさせ、
運動会の選手宣誓で「安倍首相、頑張れ」「安保法制国会通過良かったです」などと
言わせている。
この国に、こんな時代錯誤のとんでもない学校法人があると知って、
驚くと同時にあきれ果てた。
大阪の森友学園のことである。
ところが、安倍晋三首相夫人の昭恵氏が、なんとこの学園に講演に行き、
新設予定の小学校の名誉校長に就任していたという。
なんと森友学園は小学校を設立するための寄付金を集めるときに、
「安倍晋三記念小学校」を設立するとうたっていたということだ。
安倍首相は、森友学園の認可や設立には自分も夫人も一切かかわっていないと
国会で何度も言い切っているが、
昭恵夫人は名誉校長として学園のホームページにもメッセージを寄せていた。
問題が表沙汰になって昭恵氏は名誉校長を辞任したが、
安倍首相は昭恵氏の名誉校長就任などについて
「あくまで私人としてやった行為」だと弁明している。
だが、この弁明は説得力を欠いている。
首相夫人でなければ森友学園が名誉校長を頼むことはなかったはずだし、
夫人には
5
人もの公務員のスタッフがついているのだ。
それに安倍首相自身、森友学園の教育のあり方には賛成していたのではないか。
そうでなければ昭恵夫人の名誉校長就任を承諾しなかったはずである。
森友学園の理事長・籠池泰典氏は、日本会議大阪の幹部でもあるようだ。
安倍首相は、「私や妻が(認可や売却に)関係していたということになれば、
首相も国会議員も辞める」と言い切っている。
森友学園の小学校設置について、大阪府の私立学校審議会では、
反対意見が多かったようだが、府の職員たちが懸命に説得したのだという。
府の職員たちの間では、森友学園問題は「政治案件」ということになっているようだ。
認可問題もあるが、それ以上の大問題は国有地の払い下げ価格の、
尋常でない下がり方だ。
当初の
9
億
5600
万円が
1
億
3400
万円と約
8
億円も値引きされたのだ。
しかも、国は事前に汚染除去費用として
1
億
3176
万円を森友学園に支払っており、
国庫には約
200
万円しか入っていないのである。
価格がこんなに下がったのは有力政治家が絡んでいるに違いない、
と野党もメディアも強い疑念を持ち、だから大阪の一学校法人の小学校設立が、
これほどの大問題となったのだ。
共産党の小池晃書記局長によって、自民党の国会議員がかかわっていることが
明らかになった。
鴻池祥肇元防災担当相である。
2014
年
4
月に参院議員会館の事務所で籠池理事長夫妻と会っていたのだ。
鴻池氏によると、そのときに籠池夫人が紙包みを出したが、
「無礼者!」と言って投げ返したという。
だが、カネが入っていたともとれる紙包みを出したということは、
何か大事なことを頼みに来たのであり、それは国有地払い下げにかかわることであろう。
それにしても、なぜ鴻池・籠池の面談記録を共産党が入手できたのか。
この事件には謎が多い。
実は、あるテレビ局が森友学園の問題で自民党と民進党との討論を企画し、
私に仕切り役を依頼してきたのだが、自民党議員の誰もが逃げて、
企画は成立しなかった。
ただ逃げているのではなく、なぜか怖がっているのである。
※週刊朝日
2017
年
3
月
17
日号
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